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2010年1月16日

宮本笑里 / 東京 et 巴里(× solita)、break

▼music10-01:クラシックの文脈から軽やかなポップスへ。

東京 et 巴里
宮本笑里×solita
東京 et 巴里
曲名リスト
1. 東京 et 巴里
2. edelweiss
3. 東京 et 巴里 (カラオケ)

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break(DVD付)
宮本笑里
break(DVD付)
曲名リスト
1. break
2. sweets
3. 東京 et 巴里
4. ALIVE (ヴァイオリン&ウクレレヴァージョン)
5. Le manege
6. 東京 et 巴里 (ヴァイオリン&ピアノヴァージョン)

1. break (ビデオクリップ)
2. 東京 et 巴里 (ビデオクリップ)
3. 宮本笑里 -break- メイキングオフショット映像

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やっぱりステージで宮本笑里さんがヴァイオリンを弾いているところをみたいですね。と、いきなりの感想ですが、ヴァイオリンという楽器は音もさることながら、弾いている視覚的なイメージが素敵です。

エレキギターだってそうかもしれないけれど、ぼくは演奏している宮本笑里さんのソリスト姿にやられた。とにかく、かっこよかった。美しかった。衝撃的でした。コンサートに行きたい。演奏している宮本笑里さんをみたい。しかし残念ながら難しいので、とりあえずはCDやDVDで我慢して楽しんでいます。

実は某家電量販店のポイントが貯まっていて、まず「東京et巴里」のシングルCDを手に入れました。ジャケットに見惚れてしまいました。正方形のポストカードも付いています。

100116_emiri1re.jpg

ついでに「のだめカンタービレ巴里編」のイラストシール付き。

このシングルCDに収録されている「edelweiss」も洗練されたアレンジです。ボサノヴァ・タッチの編曲で、歌とヴァイオリンの対話のような構成。フレンチポップス的なおしゃれな印象です。全般にわたってタイアップの曲が多いのですが、この曲は篠原涼子さんがブランドキャラクターを勤めているワールド「Reflect(リフレクト)」のイメージソングだったようです。

結局、その後「break」を購入したので、「東京et巴里」ばかりいくつもダブってしまいました。いまさらながらですが、何度聴いてもこの曲はいい。気に入っています。ブリッジ部分の翳りがある次のメロディと歌詞がよいです。

C´était là nos plus belles années
Qu´aucun souci ne pouvait altérer

楽しかったあの頃
心配事なんて何にもなかったよ

むぅ。アクサンテギュの表示に苦労してしまった(苦笑)。

エキサイトの翻訳ツールを使って、この単語がこういう意味か、と調べてみました。しかし、学生時代にフランス語はめちゃくちゃな成績だったので、これ以上何も語りますまい。フランスといえば余談をすこし。シャルロット・ゲンズブールがベックの全曲書き下ろし、プロデュースによる新譜「IRM」を1月27日に出すようですね。前作「5:55」もおもい出したように聴く一枚ですが、新譜のほうも気になっています。

さて、話を戻すと、「break」は6曲入りのミニアルバムです。6曲のうち、2曲は「東京et巴里」で、ピアノとヴァイオリンによるバージョンもあります。残る4曲のうち2曲はCMソングです。「break」はヤマザキナビスコの「コーンチップ」、「ALIVE」は日本テレビ系「ズームイン!!SUPER」「ズームイン!!サタデー」冬のお天気テーマとのこと。

コーンチップのCMがYouTubeにあったので引用します。

それぞれの曲には「based on the theme from ・・・」と書かれていて、基本的にクラシックの音楽を下敷きに作られています。

以前、「東京et巴里」がラヴェルのボレロをベースにしていることはブログにも書いたのですが、「break」はパッヘルベルのカノン、「sweets」はバッハの「無伴奏チェロ組曲」、「Le manége」はモーツァルトの「トルコ行進曲」のようです。すべてクラシックのポピュラーなものばかり。ベースになった曲が何か当てる謎解きのような聴き方もできます。

DVDの「break」のPVでは、宮本笑里さんがカノンのレコードをプレイヤーにかけるシーンがあり、関連性をほのめかしている場面であると感じました。確かに間奏では、はっきりパッヘルベルのカノンであるとわかる箇所もあります。カノンって美しいコード進行だなとあらためて感じました。

どこかで聴いたことがある、という直感はあるのだけれど、ベースになったクラシックからまったく別の旋律や編曲を導き出しているので、すーっと聴き流してしまいます。元の曲がわかりにくい。それはぼくがクラシックの初心者だからかもしれませんが、著名な曲ばかりです。それでもわからない。

たとえるならば、懐かしい風景に出会ったときの感じでしょうか。この風景、いつかどこかでみたことがあったのだけれど・・・想い出せない。視覚や聴覚に何かが残されています。それは確かです。残されていながら、眼前にあるのはまったく別のものです。

幼少の頃に育った街を数十年後に再び訪れたときの感じといってもいいでしょう。古い家が壊されて新しいビルが建ち、でこぼこの道はきれいに舗装されている。街の姿はまったく変わってしまっています。けれども、自分が住んでいた頃と変わらない匂いのようなもの、雰囲気が、どこかからかすかに感じられる。そんな印象です。

クラシックとポップスの融合、というようなキャッチフレーズを考えると何か陳腐で戸惑ってしまうのだけれど、クラシックの名曲をベースにポップスに突き抜けた「break」は、変わってしまった古い友人のような親密感があります。彼あるいは彼女は都会的に洗練されてしまった。けれども、古い過去の匂いが染み付いていたり、過去の幻影がそこにはある。あったかい。

ぼくは音楽にしても文学にしても、過去の表現や憧れを継承した作品が好きです。現代に忽然としてあらわれた異端児のような創造性ではなく、文化などの文脈でつながっている作品がいい。「break」はクラシックではありません。しかし、クラシックを破壊して創造されたものではなく、クラシックを愛する演奏家の文脈のなかから生まれてきたのではないか。

とはいえ、ぼくはいつか宮本笑里さんが弾く正統派のクラシックも聴いてみたいですね。「dream」というアルバムを買おうか思案中なのだけれど、なぜか美形のクラシック演奏者が次から次へとあらわれる昨今、目移りせず、じっくりと腰を据えて、いろんな宮本笑里さんの曲を聴いてみたいとおもっています。

投稿者 birdwing : 2010年1月16日 18:00

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