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2005年1月28日

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効果測定としてのブログ

ブログを使って何ができるか、ということを考え続けていて、まだ明確な答えは出ないのですが、なるほどなあと思ったのは以下の記事です。

■今年のスーパーボウル、広告の効果測定でブロガーに期待

インターネット調査会社各社は、第39回スーパーボウルで放映される広告の「井戸端会議効果」を測定するために、「Blogosphere」に上がったコメントを集めようと計画している。

ストリーミングでライブを中継すると同時に掲示板に書き込みをさせる、というイベントがありましたが、その大掛かりなものかもしれません。ただ、違うのは既にあるブログから意見を収集しようとしていることでしょうか。

業界の専門家によれば、こうした調査を通じて、いずれは反響や効果に対する評価やフィードバックをリアルタイムで提供できるようになるという。また、すでに既存の大手メディアに影響を与えているブログという新興メディアが、これによってさらに影響力を拡大することにもつながる。

いかにもリサーチ会社が提案しそうな感じですが、実際にはどうでしょう。

たとえばIntelliseek(本社:オハイオ州シンシナティ)では、350万以上のブログを対象に、スーパーボウル放映中に流れたCMに対するコメントの調査を行う計画がある。同社は、この調査結果を最高2万ドルで広告主に提供する予定だ。今年は、試合の合間に流される30秒のスポットCMが、昨年の230万ドルから240万ドルまで上がっているが、この広告料金に比べればIntelliseekの請求する金額は1%に満たない。

効果測定をする価格としては、安上がりかもしれません。ただ、問題なのは分析の手法だという気がするのですが。

29manさんのブログにも掲載されていて、最後の部分にうなづけました。

■TVCMに関するブロガーの反響をレポートにして売るビジネス

でもさ、こんなのRSSリーダーとブログ検索エンジン(Feedbackやlivedoorの未来検索)を上手く活用すれば誰でもできちゃうんだよね。29manも担当しているクライアントの商品名やキーワードでRSS購読してるからどこかのブログに話題があがったらだいたいチェックしてるしね。

情報を収集するのであれば、ちょっと知識があればできる。ただ、問題は分析して方向性を導き出すこと。

ただし、ブログのエントリーを集めた定性データをマーケティングで活用できるように、ちゃんとした切り口で分析してレポートに仕上げらるのは時間もかかるし大変です。それがしっかりとできるのであれば付加価値は充分に出せるでしょう。ブログでビジネスしたいと思っている方は今のうちに是非!みたいな(笑)

ぼくもいま、分析三昧の毎日なわけですが、結果についてコメントはできる、でもそこからさらに上位の方向性を見出すのは、ものすごく苦労しています。

特に、ブログの分析となると、手法としてはテキストマイニングですよね? まさか文章をひとつひとつ読んで関連する言葉をまとめて...という、アナログな手法ではないでしょう。

自由回答を分析して、そこから洞察を得ることは、知識も必要だしセンスも必要。ブログに書き込まれた膨大なテキストの分析ということを考えただけで、なんだかくらくらしてきました。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2005年1月25日

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威力のあるブログ

昨年末、サンはOSを無償化して、サポート料を徴収するビジネスモデルに転換することを発表しています。Linuxに対抗する目的ですが、リリースによると1月末からこのビジネスモデルに転換する、とのこと。

しかし、IBMがこのサポート体制に消極的なことから、Jonathan Schwartz氏は自分のブログでIBMに対する批判を掲載していることがIT PROの記事にありました。

■米Sunの社長兼COO、「Solaris 10」サポートに消極的な米IBMを批判

Sun社社長兼COOのJonathan Schwartz氏は米国時間1月21日に、自身のブログ・サイトでIBM会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏に宛てた手紙を掲載し、Solaris 10対応を強い口調で要請した。

COOからCEOに対する手紙です。ブログというメディアを使って、トップからトップへの批判を行っています。

手紙は「Dear Sam」という親しげな書き出しで始まり、両社の長期にわたるパートナ関係を讃えた上で、IBM社がSolaris 10対応に取り組まないことを「ベンダー・ロックイン戦略」と批判した。

これはいわゆる社長ブログといえますが、日本の一部の社長ブログに多いような、あれを食べた、ここで飲んだ、誰と会った、こんなことを考えています、というほのぼのとした内容ではありません。戦略的に情報を発信している。

上記に対するIBMの対応としては、広報のコメントが掲載されていました。

IBM社広報担当のSteven Eisenstadt氏は、「IBM社は顧客の要望があればSolarisをサポートする。しかし今のところ、それに足る強い市場の需要は感じていない」と述べている。

IBM関連では、事業の売却が国家安全保障問題に発展するかもしれないと懸念されているニュースもあります。

■IBMによるレノボへのPC事業売却、米の国家安全保障問題に発展か

IBM関係者からの電子メールでは、同社は認可に関与するすべての政府機関と協力して、問題解決にあたっているという。

問題が起こった後のフォローとしてはメールなどが効果的だと思いますが、まず戦略をブログなどで示すことも、効果的かもしれません。

とはいえ、企業の風土や、リーダーシップについての考え方などが関連するので、一概に何が正解であるとは言えません。あまりに過激な発言をすると、リスクが高いことは確かです。けれども、経営者のブログで企業が進むべき方向性を先取りしたり、競合他社への牽制をするなどの威力がある使い方もあるだろう、ということを感じました。

ちなみに英文ということもありますが、Jonathan Schwartz氏はデザイン的にもシンプルで好感が持てました。

■Schwartz氏のブログ

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2005年1月24日

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コラボ小説

休日返上で仕事をしていました。土曜日は午後出勤、そのまま会社に泊まって7時に帰宅。日曜日は午後出勤、会社の方に送っていただいて深夜2時に帰宅。そして本日の午後、やっとプレゼンが終わって、ほっとしています。

疲労と緊張で背中が痛くなってしまったのですが(どうも結石っぽい)、同行した制作の方に、葛根湯をいただいて飲んだら、なんとなく痛みが薄れました。ありがとうございました。今日は、はやく帰ろうと思います。息子の誕生日だし。

インターネットから生まれた本というのはいろいろありますが、最近では「電車男」は有名です。今日、FPNに掲載されていた「今週、妻が浮気します」というのはタイトルだけで目を引くものでした。

■今週、妻が浮気します

この本は、OKWebという質問回答サイトで実際にあったやり取りを記録したものだ。ログはまだ、OKWeb 今週妻が浮気します。に残っている。

なるほど。創作なわけですね。しかもひとりの作者によるものではなく、合作となっている。コラボ小説、みたいなものかもしれない。

今週妻が浮気します。という衝撃的なタイトルで始まった質問に何人かの回答者が答えを記入していく。物語は、妻が浮気をすることを察知した質問者が、タイムリミットである今週末を目指し、回答者と共に解決策を模索していく。寄せられた回答に対し、質問者は「お礼」という形で自らの意見を書いていく中で、どうして妻が浮気をしたのか? 本当に自分はどうしたいのか? 妻を愛しているのか? 妻は自分を愛しているのか?ということを自問自答していく。

物語の背景まで、サイトにアクセスしたひとが作っていくのは面白い。ちなみに装丁は以下のような感じです。なかなか軽い。

412003609X今週、妻が浮気します
中央公論新社 2005-01-25

by G-Tools

大学時代の知人と、ブログでそんなことができないか、という話をしていました。例えば、ある設定を決めて(エレベーターに閉じ込められた3人とか)、それぞれの配役で書き込みをしていく。管理人の僕は、背景や会話についての解説などを加えていくわけです。面白いんじゃないの?とはいったものの、まだ実現していません。

ココログでは、ブログを書籍化するコンテストもやっていて、結果が発表されていました。

■ココログブックス賞発表

ココログプロでは、ライターを複数招待して、グループでブログを書くことができるのですが、グループの応募はなかったのかな?とふと思いました。

ひとりで書く日記ではなく、共同エッセイみたいなスタイルをとること、配役を決めた創作をすること、連歌みたいな創作など、ブログと文学も、まだまだ何か面白そうなことができそうな気がします。

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2005年1月19日

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書くことのキャズム

ジェフリー・ムーアのマーケティング理論によると、「ビジョン先行」派(Early Adopters)と「価格と品質重視」派(Early Majority)の間には大きな溝(キャズム)があり、ハイテク製品がブレイクするためには、この溝を越えることが必要だという。以下の本で書かれています。

4798101524キャズム
川又 政治
翔泳社 2002-01-23

by G-Tools

つまり、新しいもの好きで誰よりも早く新製品を使いたいオタク(Innovators)や製品の未来に期待して購入するビジョン先行派(Early Adopters)には売れたとしても、その先にいる価格や品質を慎重に検討するようなひとたち(Early Majority)に売るのが難しい、ということ。この溝を越えられずに消えていった製品も多い。

で、唐突なのですが、ブログに関してもキャズムってあるなあ、と思いました。

それは「読むこと」と「書くこと」のキャズム(溝)です。この溝を超えてしまえば書き続けられるのだけれど、勇気がなくて越えられない。

掲示板やコミュニティに関してはROM(見るだけで書き込まないひと)という言葉もありましたが、もしかすると「読む」と「書く」はまったく別の思考形態もしくは行動だったりするのかもしれません。

実はプライベートな話ですが、昨年の末に大学時代の友人たちと同窓会をやったときに、何かやろう!と盛り上がって、ココログを使ってブログを立ち上げました。グループで投稿ができるので、みんなで書いたら面白いと思ったわけです。とりあえず僕は言い出したひとなので書き込むのですが、メールで「今日のブログ読んだよ。面白いね」と感想を送ってくれても、なかなか書き込んでくれない。

ところが、本日、ついにメールしかくれなかった友人のひとりが投稿してくれました。すごい。キャズムを越えたわけです。

そうしてひとつひとつキャズムを越えることで、何かができるような気がします。積み重ね、だと思うんですよね。たかがブログですが、文章を書くことには変わりがありません。そして、人間の思考は言葉によるものだから、文は人なり、ということにもなる。書くことで自分を対象化できるし、書くことを発端として自分を変えることもできる。

複雑な文章や借りものの言葉を使っているうちはまだまだで、ほんとうは自分の言葉で語ることが重要かもしれません。それは決して複雑な言葉ではなくて、シンプルな言葉なのかも。

そんなことを考えていて思い出したのが、田坂広志さんの「企画力」「営業力」という本です。

4478732809企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得
田坂 広志
ダイヤモンド社 2004-03-11

by G-Tools

この本はすごく読みやすい。行間も空いているし、たいした本じゃないじゃん、というひともいるかもしれません。けれども、僕は読んでいて、1語1語がびしばし利きました。いろいろな経験をされて言葉を研ぎ澄ませると、こういう言葉になるんだな、と。つまりツボが的確に押さえられている。これを言いたかった、考えていたんだけど言えなかったんだよ、というエッセンスが詰まっている。例えば、プロは瑣末な仕事にも手を抜かない、なぜなら手を抜くと勘が鈍るから次に大きな仕事をしようと思ってもできない、ということなどなど。

「いつかはやりたい」と言っても、いまやっていなければできないのと等しいと思います。言うことは容易いが、行動は難しい。できることからはじめること。一歩踏み出すこと。そうして、できることを積み重ねること。

降り積もった雪のなかに足を踏み出すのは躊躇します。きれいな風景を壊したくない。踏み出した途端に、足を滑らせて転ぶかもしれない。それでも、踏み出したことで別の場所に行くこともできる。

一歩踏み出すひとたちを応援したい。そうして自分自身も踏み出すひとでありたい。どんなにリスキーであっても。そんな決意をあらたにしました。

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2004年12月24日

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アルファブロガーをめざせ

会社のほうは本日で年内の営業を終了し、来年は4日からになります。今日は一年間の締め括りの日です。そして、クリスマスイブでもあります。

11月から試験的にはじめた、はてなダイアリーですが、現時点で4000ものアクセスをいただいています(そのうち200ぐらいは更新作業や、さびしいので自分で足跡をつけた数だと思うのですが)。仕事のメモが目的だったのですが、稚拙な私の文章を読んでいただいて、ほんとうにありがとうございました。

簡単なリファラーによって、どういうサイトから辿ってきていただいたのかは分かるのですが、訪問した方の顔までは見えません。もしかしたら、気分を害された方もいるかもしれません。また、誤った認識に呆れた方もいたかもしれません。なかなかコメントやメールを送っていただくのは難しいかと思いますが、ご指摘いただけると嬉しいです。

ところで、FPNの方で以下のようなコンテストをやっていました。

■日本のアルファブロガーを探せ

そもそもアルファブロガーとは、織田さんのブログAd Innovatorで紹介されていて、一日に2万もの読者がいて、影響力のある記事を書くブロガーのことだそうです。

■アルファブロガーの台頭

Newsweekの記事で、毎日20,000もの影響力のある読者に読まれているアルファブロガーのことがまとめられている。 Dave Winer、Doc Searls、Dan Gillmorなどのことだ。彼らの書くことは、テクノロジートレンドに影響を与え、結果的にNYタイムスやBusinessWeek誌などに重要な話題として取り上げられるという流れが出来つつあるという。

ブログをきちんと読み始めたのは、まだ最近なのですが、自分にとってのアルファブロガーは誰なのか、ちょっとやってみましょう。

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(1)「会社のオフィスでは『3つだけ』しかブログを読んではいけない」と言われたら、どれを読みますか。

・ブログ名1:Ad Innovator
http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/
アルファブロガーのことをはじめ、アメリカの最新事情を知ることができるという意味で貴重です。

・ブログ名2:Netcom Eye
http://p2p.jugem.cc/
FPNを運営されている徳力さんのブログですが、まず未来を創造するというFPNのコンセプトに共感できます。このコンテンストにしても行動が速い。

・ブログ名3:百式
http://www.100shiki.com/
メルマガの頃からファンでした。仕事に直結するというわけではないのですが、コーヒーブレイク的にアタマを癒してくれます。

(2)上記の3つのブログを除いて、2004年にあなたが最も影響されたブロガーの記事を教えてください。
・URL<
http://www.qvga.net/blog/archives/2004/12/cnet_japan_ibmp.html
・簡単な理由
2004年というより、つい最近知って、これは!と思ったのですが、CNETなどの誤植をネタにしています。一行コメントが秀逸です。私はどちらかというと長文タイプなのですが、ピンポイントで刺すコメントって気持ちがいい。ニュース記事のクオリティ向上にも貢献していると思います。見習わねば。

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さて、今年の反省から、来年は以下のような点に注力したいと思います。

1)情報の引き出しを増やすこと
現状では主として、Sleipnirの拡張パネルによるRSSリーダー、はてなアンテナ、各種メールマガジンによって情報をキャッチしていますが、どこをブックマークするか、などという点も含めて、情報の収集方法を考えたいと思います。

2)情報に対する勘をつけること
情報量が拡大すると、どうしても情報に流されがちですが、重要な情報(図)と不要な情報(地)を判別できるようにしたい。科学的ではありませんが、「勘」が大事だと思います。コンピュータにはない、人間だからこそできるいちばんの能力です。それを磨くこと。

3)「考え中」から行動中へ
収集した情報からブログを書く、という作業に注力して(これもある意味、行動ではあるのですが)書いたという行為に満足して、批評家になってしまうのは不本意な気がします。あくまでも、次の「行動」に移すための布石としてブログを考えていきたい。

まだまだですが、目標を高く据えるとすれば、日本のアルファブロガーに仲間入りできるぐらいのことを目標にしたいですね。頑張らねば。

本年中は大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
では、よいお年を。

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