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2006年1月13日

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「脳と仮想」 茂木健一郎

▼book06-008:仮想だとしても、わかる。

4104702013脳と仮想
茂木 健一郎
新潮社 2004-09-22

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「脳と創造性」の方から読み始めてしまったので、茂木さんの思考を逆に辿ることになってしまいました。だからぼくにとっては、この本からさらに思考を深めた「脳と創造性」の方が衝撃的だったのですが、「脳と創造性」には書かれていなかった創造性に対する考え方に至るまでの経路、ということを追体験することができて、非常に面白かった。幅広い知識から言葉を選んで書く茂木さんの思考と比べれば、ぼくの思考なんて狭すぎるのですが、狭いながらも、ああ茂木さんの言うことがぼくにはわかる!という共感を得ました。ちょっと電気が走るというか、衝撃を受ける部分もあった。そうそう、これを言いたかったんですよ!という。それから「思い出せない記憶」の章で、茂木さんが学生時代に三木成夫氏の講演をガールフレンドと聴講ことがあり、そのときにガールフレンドが涙を流したことがあった、という個人的なエピソードを読んでいて、まるで自分の記憶のように、茂木さんの過去を追体験したような気がしました。それはまったくの仮想なのですが、この記憶の質感というのが、クオリアかもしれない。次は「クオリア降臨」を読む予定です。ほんとうに逆行しているのですが。1月13日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(8/100冊+6/100本)

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2006年1月 7日

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「姫君」 山田詠美

▼book06-007:脳が、さわがしい。

416755805X姫君 (文春文庫)
山田 詠美
文藝春秋 2004-05

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山田詠美さんの文章の切れ味が好きです。特に脳内であれこれ論理的な思考を深める文章。別の短編集ですが、「アイロン」という短編もいい。この本のなかでは「姫君」は秀逸だと思いました。なぜか、ずうっと前に住んでいたアパートの部屋の雰囲気を思い出しました。琴線に触れるものがあった。その琴線に触れたものが何かということを、言葉で言い表そうとすると陳腐になるので、あえて言いませんが。1月7日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(7/100冊+2/100本)

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2006年1月 6日

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「此処 彼処 (ここ かしこ)」 川上 弘美

▼book06-006:ほろり、にこりな文章です。

4532165377此処 彼処 (ここ かしこ)
川上 弘美
日本経済新聞社 2005-10-18

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あっ、この場所には行ったことがある、という地名が出てきて、とても親近感を覚えました。川上弘美さんの文章を読んでいると、ほろり、にこりという感じです。短い文の挿入の仕方とか、ひらがなと漢字のバランスとか、文章の結び方とか、とてもうまい。1月6日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(6/100冊+1/100本)

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2006年1月 2日

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「コミュニケーションのノウハウ・ドゥハウ」野口吉昭

▼book06-004:楽しい本じゃなくても、いいんです。

4569642454コミュニケーションのノウハウ・ドゥハウ (PHPビジネス選書)
PHP研究所 2005-05-03

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さまざまな読者を意識すると(というか、ぶっちゃけた話、本が売れるためには)、やわらかい書き方、ちょっと元気になるような書き方が必要なのかもしれません。しかしですね、すみません、ぼくは下品な文章だなあという気がしました。マッキンゼー的なワンパターンな思考のフレームワークも気になります(編集の問題かも)。ちまたに溢れる成功の秘訣本的なあやしさを感じるので、もう少しきちんとした編集姿勢がほしかったです。せっかく感動的な挿話や、ためになる知恵などを集めた本なので、残念です。1月2日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(5/100冊+0/100本)

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「さようなら、私の本よ!」大江健三郎

▼book06-005:老人力は、あなどれません。

4062131129さようなら、私の本よ!
講談社 2005-09-30

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大江さんはすごい。深い。一方で、物語のなかの主人公である長江に対する感想ですが、老人といっても昔は青年だったわけで、青年の頃の行き場のない怒りや暴力を内包している。もちろん体力や精神力はかつてに比べて弱っていても、だからこそ内包された青年の存在が重要になる。いつか書こうと思っていたのですが、この小説からイメージしたのは「ファイトクラブ」という映画でした。去年の秋に、人間ドックに持っていった本でしたが、読み終えるまでずいぶん時間がかかってしまった。やっと終わった。1月2日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(5/100冊+0/100本)

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