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2007年5月 6日

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ディボース・ショウ

▼Cinema016:コーエン兄弟らしいドタバタな法律ドラマ。

B000BIX8GOディボース・ショウ
ジョージ・クルーニー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ ジェフリー・ラッシュ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005-12-23

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大金持ちと結婚して離婚することによって巨額な富を得ようとする美女マリリン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と、離婚専門の弁護士で彼女と法廷で闘う凄腕のマイルズ(ジョージ・クルーニー)の騙し合いのドラマです。コーエン兄弟の監督した映画は、どこか人間のおかしさを描きつつ、人生の落とし穴にはまるかなしい男たちを描いたものが多いと思うのですが、この映画でも、相手側の依頼人としてのマリリンに惹かれて翻弄されてしまうマイルズの愚かな哀愁がうまく描かれていると思いました。


マリリンとマイルズが食事をする場面では、自分の言葉を話さずに引用によって会話するシーンがクールです。敵対する立場にあるので、まずい言葉を使ってしまうと命取りになる。それにしても、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、美しいなあ。そして悪女っぷりも見事です。こういう美女なら騙されてみたいと思ったり思わなかったり(笑)。さらに、ジョージ・クルーニーもびしっとした紳士なのですが、だからこそ逆に取り乱したところがいい。


騙し合いも突き詰めていくと、騙しきれない本心にぶちあたるのかもしれないですね。大笑いできるようなコメディではないのだけれど、どこかシニカルな笑いがある映画でした。5月6日鑑賞。


*年間映画50本プロジェクト(16/50本)

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ヘイヴン -堕ちた楽園-

▼Cinema07-015:ヴィヴィッドな映像が美しい、でもストーリーは・・・。

B001525JP8ヘイヴン -堕ちた楽園-
オーランド・ブルーム ビル・パクストン ゾーイ・サルダナ
ワーナー・ホーム・ビデオ 2008-04-11

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オーランド・ブルームに惹かれて借りてしまいました(苦笑)。なんとなくミーハーな自分がいます。物語は、カリブ海のケイマン諸島で繰り広げられる脱税と麻薬をめぐる人間模様であり、ヴィヴィッドな映像がとても美しい。美しいのだけれど、ストーリー的にはありきたりという感じ。


サスペンスものに多いシーンを断片的にみせてフラッシュバックさせる手法が使われていますが、なんとなくその手法が逆効果な部分もあると思いました。ああ、このシーンはここにつながるのか、と頭のなかで再構成するのが面倒だったりする。もちろん時間を遡ることによって、運命に翻弄される因果関係などが浮き彫りにされるのだけれど、ここまで複雑にしなくてもいいんじゃないでしょうか。夕日の高速度撮影もきれいなんだけど、別になくてもいい気がしました。


島の住民として暗い過去を持ちながら、島のお嬢様であるアンドレア(ゾーイ・サルダナ)と恋をする青年シャイをオーランド・ブルームが演じています。この映画で演じられるシャイは、明るい表情もあるのだけれど、大半が暗い。その暗さを演じているオーランド・ブルームの凄みは魅力的なのだけれども、彼にはやっぱり「エリザベスタウン」のようなハートウォーミングな作品を演じてほしいですね。4月30日鑑賞。


*年間映画50本プロジェクト(15/50本)


公式サイト


http://www.haven.jp/

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2007年4月22日

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レディ・イン・ザ・ウォーター

▼Cinema07-014:人間の役割、つながっている世界。

B000MTONDEレディ・イン・ザ・ウォーター
ポール・ジアマッティ ブライス・ダラス・ハワード ジェフリー・ライト
ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-04-06

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「アンブレイカブル」「ヴィレッジ」「サイン」など、M・ナイト・シャマラン監督の作品に共通していえるのは、謎の答えを出さないことではないでしょうか。不思議を不思議として認める、ということかもしれません。たいてい多くのサスペンスであるとか、SFの映画では、最後に種明かしをして終わります。もちろん、M・ナイト・シャマラン監督の作品にも種明かしはありますが、それでも大きなレベルで不思議な雰囲気が薄い霧のように残る。それがいい。

「レディ・イン・ザ・ウォーター」は、とあるアパートのプールに住む海の妖精が、妖精の世界に帰ろうとしている。ところが彼女が水からあがったとき襲ってくる悪いけだものがいて、彼女は傷を負う。アパートの管理人クリーブランドが中心となって、彼女を助けようとする物語です。はたして彼女は、おおきな鳥に連れられて、妖精の世界に帰ることができるのか・・・。

おとぎ話のなかに彼女のことが出てくるということから、おとぎ話を参考にしてアパートの個性的な住人たちが知恵を絞って考えます。そして、それぞれがおとぎ話のなかの役割を担おうとする。人間は、ひとりで生きている存在ではなくて、大きな全体のなかで個々の役割がある。彼女を救うのは「記号論者(シンボリスト)・守護者(ガーディアン)・職人(ギルド)・治癒者(ヒーラー)」だそうです。が、いままでふつうの生活をしてきて、あなたは守護神だろう、と言われたとしても、え、いやーぼくはふつうのひとですよ、そんな超能力ないですって(苦笑)と戸惑う気持ちはすごくわかる。現実と非現実が奇妙に交差する世界のなかで、誰もが戸惑いながらそれでも海の妖精を救うために力を合わせる。

つらい過去のためにどもりながら寡黙な生活をしている管理人クリーブランドが、封印していた言葉を涙ながらに語りはじめるシーンでは泣けた。妖精ストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)のこの世のものとは思えない、はかなげな顔、容姿が印象に残りました。4月22日鑑賞。

公式サイト

http://wwws.warnerbros.co.jp/ladyinthewater/

*年間映画50本プロジェクト(14/50本)

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2007年4月14日

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トゥモロー・ワールド

▼Cinema07-013:子供こそが未来。

B000KIX9BOトゥモロー・ワールド プレミアム・エディション
クライヴ・オーウェン ジュリアン・ムーア マイケル・ケイン
ポニーキャニオン 2007-03-21

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2027年の近未来を描いた映画なのですが、ボディスーツもなければハイテク機器もありません。この映画で描かれているのは“人類が子供を生めなくなった未来”だからです。

少子化社会といわれていますが、まったく子供が生まれない社会というのは想像したことがありませんでした。その世界では、長寿ではなく、人類最年少の少年(18歳)がもてはやされ、彼がファンに殺害されたニュースが大々的に報道されていたりする。面食らったのですが、逆になんだかリアルです。

大人たちだけの世界というのは、もう未来がみえません。だからほんとうに荒みまくっています。美術品も破壊されるし、暴動も起きる。映画のなかで、世界中がテロで荒んでいて、ただイギリスの一部だけが存続している。そのイギリスでも移民を拒絶することによって、政府と地下組織のようなものが対立しています。そこに世界の運命を変えるひとりの少女が登場して、かつては活動家で現在はエネルギー省に勤めているセオが彼女を擁護して、ある場所へ連れていこうとするのですが・・・。

詳細はネタバレになるので避けますが、この映画は未来を描いたSFというよりも、戦争映画に近い感覚でした。アクション映画ですね。暴力的なシーンも多いのだけど、そんな荒廃した世界でもやさしく生きているひとたちもいて、その姿には胸を打つものがある。

歴史を過去から現在、そして未来につないでいるものは、大人ではなく子供たちではないか。子供を守ろうとするときに戦争に向かう暴力も止まる。ただ、タイトルはどうかと思いましたね(苦笑)。原題は「CHILDREN OF MEN」で、確かにそのままではいまひとつなのですが、トゥモロー・ワールドというと、どうしてもアンドロイドやハイテクな乗り物の映画を想像してしまいます。残念ながら、そういう映画ではありませんでした。4月14日観賞。

公式サイト

http://www.tomorrow-world.com/

*年間映画50本プロジェクト(13/50本)

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2007年4月 7日

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ブロークンフラワーズ

▼Cinema07-012:過去に会いに行くロードムービー。

B000I8O8Y8ブロークンフラワーズ
ジム・ジャームッシュ
レントラックジャパン 2006-11-24

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女たらしといえばドン・ファンですが、「ブロークンフラワーズ」はドンという名の中年の独身男が、過去に付き合った女性たちを訪ねるロードムービーです。

ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)はコンピュータ成金で、悠々としたリタイア生活を送っています。けれども独身貴族の彼は、結婚には興味がない。そんなわけで一緒に暮らしている女性に愛想をつかされて、出て行かれてしまう。なんとなく凹んでいると、20年前に付き合ったという女性から、ピンクの封筒に入った手紙が届きます。

手紙には、あなたと別れた後であなたの子供を生んだ、19歳になる息子が父親であるあなたを探しに行くのでそのつもりで、のようなことが書かれているわけです。けれども署名は何もなくて、誰なのか思い出せない。

彼の隣人が推理小説好きのおせっかいな男で、ドンに、これは何かの啓示だ、20年前に付き合った女を全部思い出せ、リストアップしろ、ネットで住所を探したから会いに行け、レンタカー借りといたぞ、のような感じですべてお膳立てしてしまい、彼は仕方なく過去の女性に会うために旅に出ます。

女性を見つけ出す鍵は「ピンク色(封筒)」「タイプライター(手紙の文字がタイプだった)」で、ドンは交通事故で亡くなった彼女を含めて5人の女性に会う。未亡人になってしまった昔の彼女と一夜を過ごすようないいこともあれば(その娘も裸でふらふらしていたりする)、野蛮な暴走族風の旦那(?)にぶん殴られることもある。それぞれの女性がそれぞれの人生を歩んでいて、不動産ビジネスで儲けて立派な家に住みながら子供を生まない選択をして殺伐とした生活を送っているひともいれば、動物と会話できるというあやしいドクターになってしまったひともいる。そんな彼女たちに、ドンはコンサバティブなスーツ+ピンクの花束という、おせっかいな隣人が仕立てたままの格好で会いに行きます。

ドンの旅はいわば過去に再会するための旅であり、彼が選択しなかった未来を傍観者として確認するための旅でもあります。もし彼女と付き合っていたら・・・という「もし」の世界を、再会した現在の彼女たちの姿に重ねてしまう。空白の時間を飛び越えて再会すると、とんでもなく変わっていたりもして、それでも時空を埋めるような仲になれる女性もいる。

幸運か残念なことか、ぼくは過去にお付き合いさせていただいた(妙にへりくだってるなー)女性とばったり遭遇することはないし、また探しに行くようなストーカー的な気分にもならないのですが、どうしているのかな?と思うことはあります。できれば遠くで、しあわせになっていてほしいものです。ネットがこれだけ活発になると、リアルライフはともかく、ネットで遭遇することもありそうですけどね(ひょっとしたら、ひそかにブログとか読まれていたりして)。

ドンが訪問する女性たちの家には、ピンク色の何か(バスローブであったり、名刺であったり、バイクのタンクであったり)があって、これが手紙を出した彼女かな?と期待させる。期待させるけれども、はっきりとはわかりません。物語の筋は単純なのですが、なんとなく疑問符を抱えつつ、さあ次の彼女だ、のような感じで好奇心が旅を急がせるような感覚がありました。

クルマでとんでもない田舎まで旅をするビル・マーレイの寡黙な感じがちょっと可笑しくて、特に台詞のない映像の間が秀逸でした。彼の魅力を引き出していると思います。ジム・ジャームッシュ監督の才能を感じます。サンドイッチをおごってやった若者に「過去は終わっちゃったし、未来はいまからでもどうにでもなる、現在が大事だ」などと語る言葉も印象的でした。

現在の自分がいちばんであり、生きてきたことに後悔していない、というような諦めにも近い安堵感がありながら、どこかにいるかもしれない隠し子の存在をほのかに期待してしまう動揺がよかった。成金で成功してリタイアしたし、人生を充分に楽しんで、もはや人生そのものを飽いてしまっていて、結婚もしていないけれど、やっぱり父親にもなってみたい、深層では家族のつながりを求めているドンの気持ちがよく描かれていると思います。

大笑いはしないけれど、口の端が緩むような上質のコメディです。観賞後に淡いようなあったかい気持ちを感じて、ほのぼのとしました。4月7日観賞。

*年間映画50本プロジェクト(12/50本)

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