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2007年12月 3日

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[DTM] クリスマスソング的な何か。

なんともう12月ではないですか。気が付くとセンセイも走るという師走です(ベタだけど)。1年があっという間に流れます。しかも本日は12月3日と123が並ぶ縁起のよい日であります。今日の12時3分ちょうどに時計をみることができなかったのが残念ですが、どうでもいいですかそうですか。せっかくなのでブログの公開設定だけはその時間にしてみます。

仕事から帰る道すがら、隣の家のドアにでっかいリースが飾ってあって、おお、クリスマス的なテンションがあがるなあ、と思って帰宅したところ、自分ちのドアにもでっかいリースが飾ってあって困惑。いつの間に。。。困惑のあまりにぶれちゃったのですが、リースの写真です。

200712032336000.jpg

こういう飾りつけは大事ですね。子供の頃にも、でっかいクリスマスツリーがぴっかんぽっこんするのを見ながら寝るのが好きでした。押入れにしまってあった飾りを引っ張り出して、綿の雲なんかをのせたりして。まあ、いい年したオヤジがそんな回想をしているのも、いかがなものか、なのですが。

以前に比べるとクリスマスの雰囲気に鈍感になってしまったのは、年を取ったからでしょうか。それでも街がイルミネーションに飾られる11月から12月にかけては好きな季節です。

そしてこの季節の雰囲気を趣味のDTMで曲にできないか、ということを毎年追求してきました。このエントリーで再掲載してみましょう。

2005年には「やさしいきもち」という曲を作りました。

以下、いつものようにネットで拾ってきたへんてこなmp3再生Flashを使って公開します。白い棒の左端を押すと再生、右端を押すとダウンロードできます。音量はコントロールできないので、ご注意ください。


■やさしいきもち(yasashii_kimochi.mp3 4分21秒 5.99MB 192kbps)




詞・曲・プログラミング:BirdWing


最後のほうに一瞬だけボーカルとコーラスが入っていますが合成音声です。VOCALOID MEIKOというアプリケーションに歌わせています。

B000FCUU08Vocaloid Meiko
クリプトン・フューチャー・メディア 2006-04-07

by G-Tools

これはですね、いまでこそ有名になった初音ミクの前身となるソフトです。2年前から合成音声に関心があって使っていたのですが、ニコニコ動画で爆発的な人気が出てオタクのアイテムとなってしまった初音ミクにはちょっと引いてます。

歌詞は短いのですが、こんな感じ。

やさしいきもちになれたのは きみがいたから
この思い出を忘れない ずっといつまでも

2006年には「December」という曲を制作。これはもともとNovemberだったのですが、11月中に公開できなくてタイトルが変わってしまったという(苦笑)。後半部分はその後、いろんなアレンジを試してみたりしたものです。


■December(December.mp3 4分00秒 5.50MB 192kbps)




詞・曲・プログラミング:BirdWing


こちらもVOCALOID MEIKOに歌わせています。やっぱり短い歌詞なのですが、以下です。

しあわせであるように 笑顔が零れるように
冷たい雨の夜も 降りしきる雪の日にも

祈りを捧げよう 凍えた指を合わせて
願いを叶えよう 想いを強く信じて

うーむ。いずれにしても、はっきり言ってしまうと小田和正的というか80年代J-POPS的な何かがありますね。「December」のふたつの旋律が重なり合うところなんて、まさにそんな感じ。

しかしながら、言い訳として書いておくのですが、「やさしいきもち」のギターっぽいフレーズはリュック・ベッソン監督の「レオン」という映画に挿入されていたスティングの楽曲をイメージしています。YouTubeからピックアップした映像は、なんだか中国っぽいタイトルが入っていますが。

B00005GQWWレオン 完全版
ジャン・レノ, リュック・ベッソン
CICビクター・ビデオ 1997-12-19

by G-Tools

■sting - shape of my heart

ジャン・レノが演じる寡黙な殺し屋と、彼からすると子供にしか思えない12歳の少女との純粋な愛情を描いた映画ですが、最初に観たときはこの曲が流れてきたときに号泣でした。哀しすぎる。名曲だと思います。

一方で、「やさしいきもち」のエンディングにさりげなく追加したパーカッションは、Tears For Fearsの「Shout」のまんまです。わかりにくいのですがYouTubeからライブ映像を。

■Tears For Fears - Shout (Live)


「December」の4つ打ちのリズムは山下達郎といえなくもないのですが、やはりWham!の定番クリスマスソングでしょう。という風に洋楽をベースにしようと考えながら、どうしても邦楽の呪縛から逃れられないのですが。

どちらにも共通するコンセプトは「年間通じて聴けるクリスマスソング」でした。

季節モノって、その時期がすぎるとなんとなく雰囲気にそぐわなくなって聴けなくなるじゃないですか。だからこそいいのだ、という考え方もあるのですが、冬にも聞けるビーチソングとか、夏にも聴けるクリスマスソングのようなものができないか、ということを考えていました。ただ、歌詞に雪という言葉を挿入してしまうと、ちょっと難しいかもしれませんね。イメージが限定されるので。

今年の12月は忙しすぎてクリスマスソングを作っている時間もなさそうですが、自給自足的なクリスマスソングではなく、ちまたのクリスマスソングにあらためて耳を傾けてみるのもよいかもしれません。オルゴールの音色とかも、ちょっとクリスマス的ですよね。

投稿者: birdwing 日時: 12:03 | | トラックバック (0)

2007年11月25日

a000101

[DTM作品]つめたい惑星。

天気がよかったので「どこか外へ行こう!」と家のものに言ってみたところ、「仕事すれば・・・」と奥さんから切り返されて、翼が折れて深く傷付いた鳥です(苦笑)。こんにちは。

つめてー(泣)。季節は本格的に寒くなり、クリスマスのジングルも聴こえてきそうな時期となりましたが、いちばん寒いのはぼくの心ではないでしょうか。ひゅるるるるー。そりゃ仕事もするけどね、たまにはどこか行きたいじゃないですか?というか、おとーさんが行きたいんですけど、だめですかーそうですかー。いいよ、もう・・・。

というわけで、「じゃあ仕事します・・・」と自室で仕事に着手していたのですが、気持ち的にどよーんと落ち込んだので進まない。曲を作ってしまいました。

先週、アンビエントな感じで「地上の星空」という曲を作ってみました。なんとなく後半の生のバンドっぽいリズムが気持ちよかったのですが、もうちょいアップテンポの激しい曲を作ってみたいと思いました。そんなことをぼんやりと考えながら、昨日、Aqualungの「Presure Suite」などを聴いていたわけですが、惑星というか宇宙というか、なんとなく真空的な硬質な曲が作りたい、と。

というわけで完成度はいまいちですが、ブログで公開してみます。「つめたい惑星」というタイトルにしてみました。冷たいのは惑星じゃないような気もするけど。


■つめたい惑星(coldplanet.mp3 2分5秒 2.88MB 192kbps)

曲・プログラミング:BirdWing


最近おとなしめの曲ばかりを作っていたので、今回は激しい曲にしてみたかった。ぼくは比較的穏やかな人間なのですが、その一面で思いのほか過激な一面もあり、そうした一面をクローズアップしたい気もしました。

2分程度の長さであり、全体的にコード主体ということもあるので曲って感じじゃないですね。なんとなく音のコラージュっぽい。というのもそもそも展開部分は、先日作った「地上の星空」をそのまんま読み込んで、切り貼りしています。横着にもほどがある感じですが、調を合わせるなどの加工はしています。

071124_multiband.JPGまずはリズムから作りました。ハウスのリズムです。中田ヤスタカさんにつづけーと思ったのですが、ぜんぜん違うものになってしまいました(苦笑)。バスドラムがごつごつする感じにしたかったので、コンプレッサーのちょい高めの低音域を持ち上げています。キャプチャーを掲載してみます。ああ、しかしイコライザーとコンプレッサーは難しい。ほんとうは効き目がわからない程度にかけるといいんでしょうね。

実は、惑星を英語にするとPlanetで、ひょっとしてこの曲はコード進行的にレディオヘッドのPlanet Telexではないか?と気付いて聴いてみたところ、どんぴしゃりだったので困惑。作っているときには惑星としか考えていなかったのですが、無意識のうちにレディオヘッドの文脈を引っぱってきていたか。ちょっと怖いと思いました。名盤「The Bends」の1曲目ですね。

B000007363ザ・ベンズ
レディオヘッド
EMIミュージック・ジャパン 1995-03-08

by G-Tools


参考までに、YouTubeから1997のライブ映像です。

■Radiohead - Planet Telex (1997 Belfort)

ほかにもいろいろ観たのですが、うーむ、ハードだ!熱い!ぶっとんでるなあ!騒がしいロックが苦手だとちょっと困惑かもしれませんが(というかぼく自身も、このテンションにはちょっと付いていけないものがあるのですが)、ロック魂を感じさせます。

そういえば、ずいぶん前にレディオヘッドの新譜が出ていましたっけ。

イン・レインボウズイン・レインボウズ
レディオヘッド


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

あんまり触手が動かなかったのですが(って、タコ型宇宙人ですかわたくし)絶賛されているようなので、いまさらながら聴いてみようかと思いました。

投稿者: birdwing 日時: 22:33 | | トラックバック (0)

2007年11月18日

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[DTM作品] 地上の星空

クリスマスが近づいてまいりました。毎年恒例なのですが、トウキョウはイルミネーションで飾られてきれいです。地球環境に対していかがなものか、という疑問もあるのですが、さておき。この時期の雰囲気はいいものですね。なんとなくしあわせな気持ちになれる。

会社の帰りにふらりと散歩して、新宿南口のサザンテラスと高島屋の前のイルミネーションをカメラにおさめてきたので、まずは遠くに住むひとのためにもスナップを。携帯電話のカメラで撮ったので、ぼけぼけですが。

071116_illumination1.jpg

071116_illumination2.jpg

071116_illumination3.jpg

そのイルミネーションからインスピレーションを受けて曲を作ろうとしたのですが、うまくできない(苦笑)。最初はアップテンポのきらきらしたテクノにしようと思ったのですがまとまらずに、アンビエントな感じで作ってみました。曲というほどではなく、1分ちょっとの短い音ですが、ブログで公開してみます。

おかしなプレイヤーですが、白い棒の左端をクリックすると再生、右端をクリックするとダウンロードが可能です。音量は調整できないのでご注意ください。


■地上の星空(chijo_no_hosizora.mp3 1分25秒 1.97MB 192kbps)




曲・プログラミング:BirdWing


星空を感じさせる曲にはいろいろありますが、寒い冬にイルミネーションを眺めて連想するのは、プリファブ・スプラウトの「アンドロメダ・ハイツ」ですね、やっぱり。そんな音のイメージを作ろうと思いました。若干、ぼくの場合にはシューゲイザーが入っていますが。


B00005662Tアンドロメダ・ハイツ
パディー・マクアルーン
エピックレコードジャパン 1997-05-28

by G-Tools


ところで、星空に瞬く星のひとつひとつはちいさく見えるのだけれど、実はその光のそれぞれに、ひょっとしたら生命がいるかもしれない。同様に明るい電飾の風景も、ひとつひとつはちいさな電球の灯りです。さらに言えば、高層ビルの最上階から眺めると自動車や家屋やひとはちいさくみえるけれど、そのひとつひとつにその時間の人生だったり生活が息吹いている。

先日、ひとごみにおいて誰か他人とぶつかるときのことを考察してみたのですが、"ひとごみ"という全体で括ってしまうと海のような比喩も可能だけれど、実際には個々は別々の存在であって、全体で括ったときには情報として欠落してしまう何かがあるはずです。

と、そんなことを考えたきっかけは、小野和俊さんのブログで「精読のTwitter速読のTwiiter」というエントリを読んだからでした。

■精読のTwitterと速読のTwitter
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50189302.html

いやーこれ面白かった。Twitterで400人フォロワーにしている方が、小野さんに対して「おまえ30人ぐらいのフォロワーでTwiiterの何を語っているんだ」というような批判をされているわけです。こういうひといるなあ。開発者に多い気がする。高いところから見下ろして(見下して?)語るひと。

確かに400人もフォロワーにすれば、大量のひとの書き込みがおそろしい速度で更新されていくので、まるで高層ビルから地上を俯瞰したような、言い換えると「神の視点」で世界を見ることができると思います。なんとなくすごい。まあ、ぼくはやらないけれども(苦笑)。

梅田望夫さんはかつてその著書のなかで、一日500ぐらいのブログに目を通す、と書かれていたことを記憶しています。すごいなーと思って一時期真似をしていたこともあるのですが、正直なところですね・・・疲れる(苦笑)。というか、きちんと読めない。読み飛ばすことになる。

もちろんそれが大量の情報をさばくネットの情報化社会で必要とされる能力なのかもしれないけれど、ぼくが危惧するのは、その過剰な情報への対応が、

関係性をどんどん希薄にしていくのではないか

ということです。情報に対する関係も然り、他人との関係も然りです。

情報は流れていくものだから、読み飛ばせばいい、という姿勢になる。あ、はてなでそんなことを開発者が書いているのを読んで、腹が立ったことを思い出しました(笑)。なんだよ、一生懸命書いているぼくらのエントリは、流れて消えてしまうゴミかよ、と。まあ、その通りなんですけどね。そんなこと言ったら、世のなかのすべてはゴミなんですけど。

フォロワーであるとか、SNSなどでつながりを過剰に増やしていくと、相対的に人間との関係は希薄になっていくと思います。だいたい400人友達がいるひとが、それぞれの友人や知人と密接なコミュニケーションできるかどうか疑問です。まず、キャパシティのないぼくは無理(苦笑)。

可能だったとしても、おざなりな定型的なコメントを返すだけにしかならないんじゃないでしょうか。いや、ひょっとしたら接客業などを営んでいるひとには400人に均等に愛情を注ぐことも可能かもしれません。でも、やっぱり接客業的な関係性になるのではないか、と。「それ期待しますよね(ほんとうに期待してるんだか)」、「それ大変でしたね(大変さわかってんのか)」という。表面的なコメントは上手くなると思いますが。

友人や知人のつながりを増加させると、その友人や知人リストにおいてもロングテールの法則(解説はWikipediaの「ロングテール」)が当てはまると思います。したがって、アクティブに関係しているひとは、ほんの3割程度かもしれない。もしかすると、怒涛のような書き込みを「読む」ことに追われて、返信すらできていないかもしれません。要するに異業種交流会で名刺をたくさんゲットするんだけど、なにひとつとして仕事に活かせない「名刺富豪の人脈貧乏」みたいな状態になるような気がします。

そこで最初の話に戻るのですが。

遠い場所から、たくさんの星空を眺めて美しいなあと思うことも大事ですが、地上であるぼくらの星、地球にしっかりと立って、この地上でいまぼくの周囲で起きていることにしっかりと関わることも大切だと思いました。

400人の多様な考え方を、神の視点で把握することも大切かもしれません。けれども一方で、たったひとりの思考のなかに、無限大の世界があるものです(夏目漱石の「坊ちゃん」のフレーズを思い出したりもするのですが)。だからおざなりに大量のひとと関わるぐらいであれば、たったひとりのひとと深く意見を交換したほうが有意義なこともある。

これはマーケティングの手法にもいえると思うんですよね。

かつて、市場調査が重視されていた時代には、世のなか全体の80%がこの製品を支持している、というような全体の把握が重視されました。けれども多様化した現在では、あるターゲットひとりの人生に着目して、Aさんが生涯でどれだけその製品を購入するか、などの視点も出てきています(LTV:Life Time Valueという用語もありました)。あるいは、顧客のペルソナに注目して、消費者という全体ではなく、その生活や思考を具体的にわかるカタチにして商品を開発する、などという手法もあります。

それにしても一般的には「数が多けりゃすごい」的な発想が根強いようですね。

金持ちが偉い、というのと同じだと思うのだけれど、ぼくはプライベートな生活においては、そろそろそんな呪縛から自由になってもいいんじゃないかと思う。数の亡者になることによって、見落とすことも多いような気がするので。

そんなわけで、ぼくはブログのアクセス数にもこだわらずにいたいと思っていて、多くのひとに読まれようという苦労なんかしたくない。わずかだけれど、ほんとうにぼくの文章が好きで読んでくれるリピーターの方を大事にしたい。本を100冊読むような目標設定もやめてしまいました。1冊の本を100回読んでもいいんじゃないか、と思ったからです。

DTMから人生論のような思考系に流れてしまいましたが、もうすぐクリスマス。地上の星空のような電飾を眺めつつ、大切なひととしあわせな時間を過ごせるといいですね。

投稿者: birdwing 日時: 18:22 | | トラックバック (0)

2007年11月11日

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[DTM作品] リエゾン(試作)。

昨日、東京は雨降りだったのですが、大学の先輩の結婚式に行ってきました。

071111_kyokai.JPG雨降って地固まるという感じでしょうか。親戚以外の結婚式に出るのは久し振りですが、感動してあったかい気持ちになれました。いい結婚式でした。詳細はプライベートなことになるのでブログでは書きませんが、とりあえず教会のイメージ写真を。ステンドグラスです。

披露宴といってもパーティー形式で、とてもリラックスできるものでした。なかでも新郎と新婦がお互いに手紙を読み合うところに感動。新郎の大学の先輩はとても頑固なひとで(苦笑)、センセイという職業のせいもあるかもしれないけれど、説教するタイプです。しかしその先輩が、“あなたから影響を与えてもらった。あなたのおかげで変わることができた”のようなことを書いて、しかも堂々と読み上げていて感動しました。

恋愛にしても結婚にしても、どうしようもなく相手を変えたり変えられたりするものだと思います。

そもそも共同生活をするわけだから、ひとり暮らしのときのようにはいかない。しかしながら、一方的に相手を変えるだけの暴力的な愛情で、それを拒んだりすれば関係は成立しないものだと思うし、相手の生き方を押し付けられて変えられるだけの関係というのもしんどい。お互いに影響を与えつつ(ここだけはゆずれないというものを守りつつ)、よい形に変わっていくのが理想ではないでしょうか。

と、まあこういうことを語るのは苦手なので、とても緊張しながら書いていてうまく書けないのですが(苦笑)、結婚数十年の夫婦って似てきますよね。あれは似ようと思ったわけではなくて、影響を与えたり与えられたりするうちに、共通項のところで折り合いがついていったのではないか、などと考えたりして。

パーティー会場への移動の途中、トウキョウのまちはそろそろクリスマス気分になってきていて、イルミネーションが賑やかでした。結婚式や教会の雰囲気とあわせて、その空気感を曲にしたいと思い、これもまた久し振りにDTMのソフトを立ち上げました。

今回は、すべて打ち込みで作っています。日曜日の夕方、しあわせな気分に浸りつつ3時間ばかりで(昨日の雰囲気が消えてしまわないうちに)曲として結晶化してみたつもりです。仮にタイトルは、「リエゾン(Liaison)」としてみましょう。

気持ち的には試作品ですが、ブログで公開してみます。


■リエゾン(2分19秒 3.19MB 192kbps)

作曲・プログラミング:BirdWing


リエゾンとは、フランス語でふたつの音がつながる意味です。大学時代に第二外国語はフランス語を選択していたのですが何も残っておりません(困ったものだ)。Wikipediaによるとそもそもリエゾンとは「合体」の意味だとか。うーん、合体か・・・(妄想)。はっ、いかん。学術的になりましょう。以下、まずはWikipediaの解説です。

リエゾンあるいはリエーゾン (仏:Liaison) とは、2つの単語(あるいは形態素)が一定の音的条件の下で連続して発音される際に、その境界に第三の音が現れる現象を指す。リエゾンはまた連音とも言うが、「連音」という用語はリエゾン以外の音現象をも指すことがありうるので注意を要する。

フランス語と夫婦を重ねて考えるのはかなり強引ですが、結婚すると男性と女性が一組になる。それを単語と単語がつながるリエゾンといっしょに考えてみると、個々の個体はそれぞれ別の人間だったとしても、夫婦と呼ばれるときに一体化してとらえられるものかもしれないですね。

とかなんとか理屈っぽいことを述べてみましたが、夫婦の有り様もひとそれぞれのような気がします。

傍からみて、それどうだ?と眉をひそめるスタイルであったとしても、本人たちが仲良かったり快適であればそれがいちばんではないでしょうか。周囲を気にする必要もないし、恥じることもない。

人生に正解はありません。
自分がこれが正解だと思えばそれが正解。

だからきっと、いろんな愛情のかたちがあるはず。

DTMなのか恋愛論なのかよくわからなくなってしまいましたが、この曲についてはアプローチとしては面白いのですが、きちんとまとめるかどうかについては考え中。昨日の気持ちや雰囲気を音化したかったのですが、もうひとつ何かが必要な気もしています。

投稿者: birdwing 日時: 22:12 | | トラックバック (0)

2007年10月20日

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[DTM作品] 真昼の球体。

既に最新号が出てしまったのですが、BRUTUSの10/15号は「言葉の力」という特集で、いまだにぱらぱらとめくって読んでいます。この雑誌、永久保存版になりそうな感じ。

特別付録は「心の詩集」で、30人の方のおすすめの詩を掲載しています。いくつか印象に残った詩があるのですが、田村隆一さんの「言葉のない世界」がとても印象に残りました。この詩を推薦しているのはサトエリ(佐藤江梨子)さん。抜粋が掲載されています。以下、引用します。

BRUTUS 言葉のない世界

言葉のない世界は真昼の球体だ
おれは垂直的人間

言葉のない世界は正午の詩の世界だ
おれは水平的人間にとどまることはできない

言葉のない世界を発見するのだ 言葉をつかって
真昼の球体を 正午の詩を
おれは垂直的人間
おれは水平的人間にとどまるわけにはいかない


言葉が鋭角的に研ぎ澄まされています。この詩のなかでは、垂直的人間という上昇志向でラジカルな表現もよいのですが、ぼくが注目したのは「真昼の球体」です。なんだかよくわかりませんが、いい。「まひるのきゅうたい」と口のなかで転がしてみても心地よい。

というわけで「真昼の球体」という言葉を一人歩きさせて、イメージした曲を趣味のDTMで作ってみました。このイメージの背後には「言葉のない世界」が広がっているつもり。以下、ブログで公開してみます。


■真昼の球体(2分25秒 3.34MB 192kbps)

作曲・プログラミング:BirdWing


ぼくの作るモチーフとしては多いのですが、ハレーションを起こすような光に溢れた正午のイメージ。アスファルトの上に濃い自分の影が焼きついていて、ゆらゆらと陽炎が立ち昇っている。まるで真空のように自分のまわりだけ静かで、密閉された空間のような正午に取り巻かれている。濃密な時間です。

しかし、楽曲としてはごちゃごちゃして、いまひとつでしょうか。ピアノのメロディからできましたが、最初から最後まで同じフレーズで構成しています。

参考にしたというか、目指したかった音は(ぼくのはエレクトロニカ系なのでぜんぜん違うけど)ポール・ウェラーでしょうか。やはり硬質な音の背景には、硬派なロックの文脈を持ってきたい。「Wild Wood」というアルバムの1曲目でアルバム全体の雰囲気を印象付ける「Sunflower」です。YouTubeのPVは埋め込み不可のようなので、リンクを以下に掲載します。

■Paul Weller - Sunflower
http://jp.youtube.com/watch?v=6fajXLj4i1w

B000UNXZKEWild Wood
Paul Weller
Yep Roc 2007-11-27

by G-Tools

ふたたび田村隆一さんの詩に戻るのですが、硬質な言葉の連鎖。いいですね。結晶化された言葉という印象がある。BRUTUSにはこの詩が収録されている講談社文芸文庫の「腐敗性物質」という詩集が掲載されているのですが、これ持っている気がする。どこいったかなーと探そうとしたら本の雪崩にあいました。うーわー(流され中)。

4061975633腐敗性物質 (講談社文芸文庫)
講談社 1997-04

by G-Tools

気を取り直して。ぼくの書く言葉はどちらかというとやわらかめなのですが、たまに一人称を「おれ」に変えて書きたくなるときがあります。中学生がタバコを吸っているみたいなイメージになって、さまにならないんですけどね(苦笑)。

ちなみに、BRUTUSで「言葉のない世界」という詩について解説されている佐藤江梨子さんの言葉もいい。「熱い生き方にクールな文体、生き様に憧れてしまいます」として次のように書かれています。引用します。

私はどうしたら人に愛されるか、どうしたら嫌われずに済むかっていう、どちらかというと寺山修司的な考え方を持っている人間です。でも19歳の頃から愛読している田村隆一さんの詩を読むと、言葉で時を止めることも、息を止めることも簡単にできるんだって感じてしまう。私は自称「やきもち焼きの天才」なんですが(笑)、マイナス部分の自分を自慢してしまうあたりにも、通じるものを感じます。攻めの言葉ではないけれど、決して折れない強靭さを持っている言葉。本当に尊敬している、大好きな作品です。

わかる(笑)。愛されなくても平気な人間って、いないと思うんですよね。「愛されなくてもいいと強がる人間」はいるけれども。結局のところぼくは、ブログでモテる思考よりも愛する思考を、のようなことを書いたのだけれど、それは強がりの美学だと思う。愛されなくても大丈夫な人間なんて、どこにもいない。できれば、愛されたい。それもいちばん大切なひとに。

しかし、その強がりを「真昼の球体」という閉塞的な孤独をあらわす言葉の結晶に閉じ込めてしまう詩人。そのひりひりするような切なさにぼくは惹かれます。そして、そんなイメージを音にできればと思いました。できてないような気もするけど(苦笑)。

投稿者: birdwing 日時: 21:53 | | トラックバック (0)