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2008年6月15日

a000956

[DTM]musiconsでプロトタイプ公開。

情報に流されてしまうので大量のサイトをチェックできない・・・というか最近はあえて大量のサイトを読まないようにしているのですが、田口元さんが運営されている「百式」はメールマガジンの時代から読んでいるお気に入りサイトのひとつです。海外のユニークなサイトを日替わりで掲載されていて、とても面白い。しかも毎日更新というのがすごい。一定のテンションとクオリティを維持されたままデイリーで更新されています。うーむ、これは絶対にぼくにはできないな。

■百式
http://www.100shiki.com/

ちなみに田口元さんの書かれているもうひとつのブログIDEA*IDEAも面白くて、6月9日の「今までの恋愛から学んだこと」は非常に参考になるというか突っ込みたいエントリーでした(うずうず)。

女性の方から好感触なコメントが書き込まれているのですが、続編とも思える「彼女ができたときのチェックリスト」では冷たいコメントを寄せられていたりして、なんとなく男性のぼくとしては共感を得てしまった(苦笑)。ひとことで言ってしまうと、テクニックではなくてハートなのではないでしょうか、女性の心を掴むのは。「かわいい」とほめてあげるときにも、本心からそう思って言わなければ、きっと彼女には伝わらないのではないか、と。照れくさいので、まあいいか。

さて、その百式で、ちょっと前(4日)になりますが、musiconsというサイトが紹介されていて、非常に興味を持ちました。

■自分の好きな音楽をメッセージ付きアイコンにできる『MUZICONS』
http://www.100shiki.com/archives/2008/06/muzicons.html

実際のサイトはこちらになります。

■musicon
http://www.muzicons.com/
080615_musicon.jpg

ウィジェットというかブログパーツのようなものなのですが、簡単に言ってしまうとmp3プレイヤーです。実はずーっとこういうパーツを探していたのですが、なかなかよいものがみつかりませんでした。かろうじて白い棒のようなFlashをネットで拾ってきて、趣味のDTMで作成した曲のうち、過去の楽曲や完成にいたらなかった曲は棒状プレイヤーで公開しています。棒プレイヤーもシンプルで気に入っているのですが、musiconsはかわいいアイコンが付けられるのがいい。

そんなわけで、今回はmusiconsのツールを使って、5月のプロトタイプ(試作品)を公開してみたいと思います。結果として「目覚め」という曲を完成させたのですが、その制作過程において、5つの試作を作りました。それを時系列で紹介してみましょう。

ぼくの曲はインストが多いので、できたばかりのときはタイトルが決まっていません。そこで、何月の何番目の曲、というファイルにして仮に作っていきます。連番にすると、モーツアルトのケッヘル番号みたいなものになるかもしれないですね。ぼくはきっちり管理できないので、それは無理(苦笑)。

そんなわけで、まず5月に入って最初に作った試作、08_may01_01です。4月から作っていた曲に没頭したため力尽きていたのですが、なんとなく元気な4つ打ちの曲を作りたかった。

しかし、テンポはゆっくりだし、これでは80年代のユーロビート(死語ですか)というか、一発屋で消えていった洋楽のアイドル曲みたいです(苦笑)。なので却下。もう少し翳りのある曲を作りたいと思って作ったのが08_may01_02。

いいんですけどね。リズムも凝っていてクールな印象もある。でもですね、こういう気持ちじゃなかった。なんとなく気持ちが入り込めないので却下。そんなわけで、また4つ打ちの曲に戻りました。08_may02です。

これは当初「midnight call」という曲として完成させる予定でした。ただ、やっぱり軽い。シンセのストリングスのコードは好きなのですが。ここで、ぴこぴこしているシーケンスを使いました。しかしながらちょっと保留にして、08_may03として作成したのが「目覚め」でした。

ただ、作成したときには納得がいかなくて、次に08_may04を作成。

これはちょっと行き過ぎちゃったかな、やりすぎか、と。そんなわけで、03に戻って「目覚め」を完成させました。その後、05というプロトタイプの作成しているのですが、これはほとんど作品になっていないので省略します。

プロの方がどんな風に曲を作っているのかわからないのだけれど、ぼくはこんな風にして曲を作っています。これらのプロトタイプは、15分~2時間ぐらいで完成します。その後、夜更かしをして膨大な時間をかけて1曲を仕上げていく。

そんなわけで1曲の背後に、曲の断片のような作品がたくさんできることもあります。忘れっぽい人間なので、すぐに作った曲を忘れてしまうのですが、かなり後で聴きなおして、おお?と思うこともある。たいてい自分の好みのコード進行があるので、似ている曲も多いんですけどね。

創造性をうまく管理して、ストックできるような仕組みがあればいいと思いました。あ、自分の脳内に作ればいいのか。

+++++

musiconsは時々エラーが出るようなので、musiconsで聴けない場合は、以下の白い棒プレイヤーでお聴きください。左端をクリックすると再生されます。

■08_may01_01




■08_may01_02




■08_may02




■08_may04




曲・プログラミング:BirdWing

投稿者: birdwing 日時: 09:36 | | トラックバック (0)

2008年6月 8日

a000955

[DTM×掌編小説] 目覚め。

寝起きが最悪です。ぼくは朝が弱い。というのは、DTMなどで3時近くまで夜更かしをしているせいなのですが、仕事の疲れもあったりすると鉛のように身体が重い。起きられません。

よくドラマで俳優さんが演じているような、朝日が当たる部屋でうーんと伸びをして、すっきり~という目覚めを体験したいものですが、浮腫んでいる顔のまま、しょぼしょぼと目を擦りながら起きる毎日です。

というわけで、目覚めの曲を趣味のDTMで作ってみました。

目覚めの瞬間というのは、ぱちっと現実を受け入れるというよりも、どこかゆっくりと焦点が合っていくような気がします。そんな現実と夢のクロスフェード(夢がフェードアウトして、現実がフェードインする)の視界なども考えつつ、どこか抽象的な音をめざしています。こんな曲になりました。

■mezame(3分17秒 4.52MB 192kbps)

作曲・プログラミング:BirdWing


ちなみにぼくはたまにオンガクを作りながら、曲にあった短い小説のようなものを書くことがあるのですが、今回も曲を聴きながらイメージが浮かんだのでまとめてみます。DTMの曲をBGMとして聴いていただけるとうれしいです。


自作DTM×ブログ掌編小説シリーズ04
+++++++++++++++++++++
目覚め
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作:BirdWing

心はどこにあるのだろう。目蓋をひらいて瞳孔に光をあつめる。かすんだ意識が雲を払うように明るくなる。グラデーションをかけたように内側の世界が遠のき、外側の世界に焦点が合っていく。朝だ。薄暗がりのなかで耳を澄まして時計の音を聞いた。鳥の声が聞こえる。隣の部屋からは戦争のニュースがやかましい。一日がはじまる。

目覚めると、僕は砂漠の町にいた。恋人を胸に抱いて眠っていた。やわらかい裸の乳房が僕の胸に押し付けられ、やさしい吐息が首のあたりをくすぐる。恋人の長い睫毛が美しい。昨日の夜のことを思い出した。清潔なシーツの上で、ふたりで愛を交わした。何度も何時間も溶け合うように抱き合った。長い歴史のなかで多くの恋人たちが過ごしたように僕等はつながり、そして眠った。そんなに眠ったのは何ヶ月ぶりだっただろうか。眠れない夜がつづいていた。戦争とか、あるいは将来のことなどを考えて。

いっしょに暮らしたい。こうやって何度も眠り、目覚めて、ともに生きていきたい。いっそのこと夢のなかで、まどろみながら暮らせたら、どんなにいいことか。目覚めはいつも鈍い苦痛とともにやってくる。ベッドから起き上がれば、戦争のこと、あるいは将来のことなどを考えなければならない。逃げることはできない。かといって立ち向かう勇気もない。ゆるゆると享受しながら、生きながらえていく現在。それでも、こうして恋人を抱いていると、それだけでしあわせだ。刹那が永遠にさえ感じられる。

慌しくドアが蹴破られ、光が部屋に溢れた。まばゆさに振り向くと、逆光のなかで銃を構えるひとの姿がみえた。なにやら英語で語るひとの言葉に半身を起こすと、閃光が胸を貫いた。あふれていく。押さえた右手からあふれていく自分のなかにあるものを止めようとするのだけれど、止まらない。せつなかった。心から、失われていく何か。もう、どこへも行けない。恋人のほうを向いた。やすらかに眠る顔がいとおしかった。この光景を、僕は忘れない、と思った。

目覚めると、僕は鳥のかたちをして空をめざしていた。騒々しいドアの音と、ばあんという弾けるような音に驚いて、枝から飛び立ったのだ。砂漠のなかにあるいくつかの家。ひとびとの生活には欠かせない井戸。鉄鋼で武装された、いかついクルマ。陽射しを遮る建物の影。あらゆるものを置き去りにして、僕は太陽をめざす。雲ひとつない晴れた青空。羽を動かして飛ぶ。もっと高く。イカロスの神話を僕は覚えていた。望んではいけないものを望んで飛行する想い。太陽に焼かれてもいい。焼かれたまま眠ることができればいい。いつか目覚めるときまで。

目覚めると、僕はここにいた。

21世紀のトウキョウで。戦争も砂漠もない、平和な現実の生活のなかで。僕は目を覚まして、昨日と同じような今日を消費し、今日と同じような明日を手繰り寄せる。けれども胸のどこかに銃であけられた穴がある。あふれていく鈍い痛みを感じている。裁くのは誰なのか。報われるのはいつなのか。

着替えよう。清潔なワイシャツとネクタイで武装して、心の在り処を笑顔で隠して。ベッドから抜け出し、洗面所で自分と向き合った。半透明な卵の膜のような現実の内側で、僕はまどろみながら生きている。目覚めることを夢みながら、今日を生き抜いている。

<了>

+++++

なんとなく輪廻転生のようなイメージもありますね。転生の小説として有名なのは、三島由紀夫の「豊穣の海」ですが、もうひとつ思い出せないのですが、転生を描いた小説を読んだ記憶があります。

サウンドとしては、最初のほうではきれいなピアノの音を入れていますが、ドラムが入ってからのピアノは、行間があいて(笑)空気感のある、どこか重厚でおごそかな音にしたいと思いました。リバーブを聞かせた響きにしたかった。例えば、ジョン・レノンの「MOTHER」のような。

■JOHN LENNON / MOTHER

あと、ノイジーなギターは弾いていなくて音の素材を使っているのですが、やはりこれもリバーブのなかに溶け込むようなディストーションの音がいい。シューゲイザー風のギターかもしれないですね。こちらは、モグワイといったところ。ピアノの音や複雑なリズムもそんな感じです。こちらもYouTubeから。

■Mogwai - "I Know You Are But What Am I ?"

タイトルが哲学的ですね。まあ、上記の2つの曲のように深遠な感じは表現できませんけれども(苦笑)。

というわけで、どちらかというとエレクトロニカというよりもポストロックの傾向の曲になりましたが、なかなかきれいな音と抽象的で難解なイメージを共存させるのは難しい。でも、そんなサウンドを作りたいと思っています。

投稿者: birdwing 日時: 13:56 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年5月25日

a000949

[DTM]雨にオンガクと創作を想う。

雨ですなあ。東京は今日も雨降りです。昨日、キリンジを聴いていて思ったのだけれど、雨を歌う曲というのは意外に多いのではないでしょうか。彼等の場合には、「朝焼けは雨のきざし」「雨をみくびるな」「雨は毛布のように」とタイトルにも直接表現されています。

日本は雨の多い気候です。雨を表現する言葉だけでも100以上あるということをどこかで読みました。というわけでなんとなく好奇心がむくむくとわきあがってきて、調べてみると「雨の名前」という本が出ているようです。「雨の名前」422語、「雨の写真」148点、「雨の詩とエッセー」35篇が収録されているとのこと。うーむ、読んでみたい。

4096814318雨の名前
高橋 順子 佐藤 秀明
小学館 2001-05

by G-Tools

つづいてWikipedia。「」をうぃきってみると、雨が降る仕組みなどが解説されていて面白い。それから、サカナが降る現象などは子供の頃に科学雑誌か何かで読んだっけなあ、となんだか懐かしくなりました。楽曲では、ビートルズの「Rain」などいくつか雨をテーマにした曲が掲載されています。

懐かしかったので、とりあえずビートルズの「Rain」。

■Beatles - Rain

あらためて楽曲の新鮮さにびっくりした。おそるべしビートルズ。少年の日のわたくしはこの曲に衝撃を受けたのですが、何に衝撃を受けたかというと、テープの逆回転が使われているからです。最後のジョン・レノンのボーカルが逆回転になっている。

こういうことをやろうとして、BirdWing少年はカセットテープレコーダーを分解した経緯があったりするのですが、うまくできませんでした(というか全然無理)。しかし、いまではDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション。音楽制作ソフト)で簡単にできてしまう。ぼくの使っているSONARでもオーディオ編集でリバースのボタンをぽちっと押すだけで逆回転になります。うれしかったですねえ、もう若くないBirdWingおじさんは。

ぼくも趣味のDTMで雨の曲を作成することが多い。3曲ほどあるのですが、いちばん最初に公開したのは「Rain Dance」という曲でした。再掲載してみます。

ちなみにFlashの白い棒状のプレイヤーですが、左端を押すと再生、右端でダウンロードができます。音量の変更はできないので、お使いのPCで調整してお聴きください。

■Rain_Dance 3分36秒 3.29MB 128Kbps 2004.09.26




曲・プログラミング:BirdWing

この当時、ぼくはmuzieという楽曲配信サイトで自作曲を公開していました。

いまよりもずっとネットの可能性を積極的に探していた頃といってもいいかもしれません。数にこだわるのはどうかと思うのだけれど、2006年時点でRealPlayer配信数:88、MP3配信数:102、投票数:47とぼくの曲のなかでは2位に人気があった曲でした。とはいえ、muzieのすごいアーティストは数千という投票がありますからね。ほんと、これだけ聴いてもらえただけでもうれしい。

それから2曲目は、現在メインページ上にあるJukeBoxで公開している「AME-FURU」という曲。このページでも聴けるようにしてみます。無理やりテクノのアレンジにしたバージョンもありますので、興味のある方はメインページのJukeBoxでどうぞ。

■AME-FURU 3分59秒 5.48MB 198Kbps




Vocal:Sheep(Lotuslounge) 詞・曲・プログラミング:BirdWing

記載していませんでしたが、LotuslongeのSheepさんという方に歌っていただきました(きちんとクレジット入れます)。ネットコラボというカタチで、ファイルをやりとりしての制作です。そもそもぼくはネットを彷徨ってLotuslongeを発見し、その楽曲の完成度の高さにのけぞった。K.K.さんという旦那さんとのユニットなのですが、ふたりの音楽作りはすばらしい。サイトは以下になります。

■Lotuslounge
http://alterego.fem.jp/

080525_lotuslounge.JPG

ええと、実は恥ずかしくて言えなかったのですが、ボーカルをご協力していただいたお礼に、サイトでおふたりの音楽をご紹介する文章を書かせていただきました(照)。上記のサイトをスクロールしていただくと、ぼくのレビューが読めます。書き始めると無駄に長文になるぼくは、ものすごい長文を書いてしまったのですが、Sheepさんが編集してくださったようです。失礼しました。

なんとmyspaceのほうでは翻訳されて掲載されておりました。国際的ですね。引用させていただきます。

LotusLounge's Review by Bird Wing. 

Floating...
LotusLounge's music carries the vague sense of floating on a still pond quietly like a lotus blossom. Vocalist Sheep writes lyrics, and Kawashima Koji takes charge of the composition and the programming. Their music is composed of sharp electronic sounds with natural touches, and it's very comfortable.
The arrangements are calculated precisely to convey completeness. While their sound has crisp textures and sharp tones, it is softly delicate. It is ultramodern music, but somehow nostalgic... "The tenderness, the softness... where is it coming from?" I thought.
It seems as if their music is meeting from two opposite midpoints. Light and darkness. A man and a woman. An adult and a child. An acoustic sound and an electronic sound. Public and private... Our world is overflowing with various opposing clauses. Both will be lost if either is chosen by itself. However, can't we have a world in which both can be chosen, too? Half-transparent light-happiness. The world can be stated as an Utopia which has all of it.
LotusLounge's music takes on the effect of graduated steps between these midpoints being performed. Appearing in their song's main character are sometimes two conflicting sounds, but these are tools Koji uses to arrange the sounds and create the overall mood.
Listening to "EnnuiGirl" there is a sense of relief from limbo- the escape from feelings of loneliness and being made to feel worthless.
As for "Shang-hi LoveSick", delicate vocal fluctuations are transmitted from the words of Sheep. It seems that she is expressing an android with feelings, while the electronic sound shines completely through.
"Mito" poses a moment like an out-of-body experience, which finds the body in spite of itself near a waterfall and the eternal halfway point at the same time.
I continue wanting to sway with LotusLounge forever. If it moves to their music, the thing of being eternal will become believed.

ああ、こんな風に英文が書けるといいなあ(涙)。英文日記を書き始めてみるかなあ、1日1行。最近、仕事でも英語の会話を耳にすることが多くなりました。英語力は必要ですね。ぼくにはないけど。

ところでLotusloungeのmyspace、す、すごい再生回数ですね。1000超えてますね。さらにやはり楽曲の完成度高すぎです。ノイズのアレンジも緻密だ。ますますボーカルの世界も深まっている。はああ(涙)。やっぱりかないません。でも純粋に、おふたりが作り出すサウンドに感動する。レビューにも書きましたが、「Shan-hi Love Shick」はお気に入りです。ボーカルのエフェクトも最高。YMO世代をくすぐるアレンジです。

気を取り直して(苦笑)。

雨にまつわるぼくの創作の3曲目は、5月の初旬に公開したばかりの「LOVE RAIN」です。ちょこっとだけボーカルを入れたことも含めて、この曲はぼくにとってはいままで作った曲の集大成でもあり、これから作る曲の起点でもある、と思っています。自作曲のなかではいちばん気に入っている曲で、自作曲でありながらヘヴィ・ローテーションで聴いています。たいてい仕事の帰りに歩きながら雨が降っていないのに雨の歌を聴いている、という。

この曲に対する思い入れは強い。そして、これで終わったとは思っていません。しんどい過程も多いのだけれど継続していきたい。障害があったとしても乗り越えたい。

雨の日に静かにいろんなことを考えるつもりが、少し熱く思いを募らせてしまいました。冷たい雨でクールダウンさせますか。と思ってブラインドを上げてみたら、外は雨止んでいるじゃないですか。雨降ってくれよぅ・・・。残念。

投稿者: birdwing 日時: 13:52 | | トラックバック (0)

2008年5月 5日

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[DTM作品]LOVE RAIN

ぼくらの生は一回限りのものであり、不可逆なもの、つまり過去に遡ることはできません。巻き戻して、やり直すことができない。

バタフライ・エフェクトではありませんが、ちいさな岐路の連続がぼくらの生にはあり、選んだ選択肢の結果が後になって大きな違いとなることもある。だから、ああすればよかった、言わなきゃよかった、という後悔も生まれる。しかしながら、後悔した結果を未来への教訓として生かさなければ、前進できません。反省は大事だけれども、反省したらすっぱりと忘れてしまうことも大事です。過去にとらわれて生きていると、新しい契機を掴むこともできなくなります。

漫然と生きているのだけれど、ひょっとしたら「いま、ここ」で、何を発言するか、どんな行動を取るのか、ということは未来への選択として重要な礎になるのかもしれないですね。

大切なひとに告げたい言葉があっても、こころのなかだけに留めておいたら二度と話せないかもしれない。亡くなった父に対して、ぼくは話したいことがあったのだけれど、結局話せずに父を見送った経験がありました。そのときに、話せることはいま話しておかなければいけないのだな、と痛感しました。些細なすれ違いの喧嘩が別離に発展することだってある。気が抜けません。刹那をきちんと生きていくことが大切になる。

禍転じて福と成す、雨降って地固まる、のように、短期的にはマイナスの選択であっても、長期的な視点からみると、あのときに泥を被っておいてよかった、ということもあるものです。辛いできごとを経験することでやさしくなれることだってある。かなしい障害を乗り越えることで、強くなることもできる。

多くのものごとは両面を持つものです。よく引用されるのが、コップに半分水が入っているとき「半分しか入っていない」ととらえるか、「まだ半分もある」ととらえるかによって、悲観的にも楽観的にもなれるということ。解釈の違いが世界のパースペクティブを変えることもあります。

しかしながら、ぼくは理由のないポジティブ志向に対しては個人的には疑問を感じます。あらゆる課題に対して、まだ大丈夫、ぜんぜん平気、と考えるのは逆に思考停止しているんじゃないか。「半分しかない水は半分でしょう」とドライに現実を直視する、解釈を加えずに現実をありのままに受け止めることも大事ではないかと思うんですよね。

といっても、ネガティブ思考は断ち切りたい。できれば現実はありのままか、前向きにとらえていたい。

たとえば急に振り出した雨のことを想像してみます。びしょ濡れになって駆け込んだ通勤電車のなかは湿度が高くて、席に座れたものの、自分の前に立った誰かの傘から落ちる滴が自分にかかったりする。イラらつく。憂鬱になる。濡れたシャツが肌に貼り付いて、不快が募る。雨は嫌だなあ、と思う。

その気持ちは気持ちとしてあっていいと思います。けれども、いま自分が嫌悪している雨がさまざまな生き物にとっては恵みの雨であったりもする。農家では雨を待ち望んでいるひともいる。こころのコンディションによっては、しっとりとした雨の冷たさを心地よく感じるときもあって、外出を諦めて部屋で読書していたところ、思いがけない素敵な文章に出会えたりもする。突然振り出した雨によって、コンビ二で買った傘が忘れられないコイビトたちの思い出になるかもしれない。雨が取り持つセレンティビティ(偶然の巡り合わせ)だってある。

そんなわけで(前置き長すぎましたが。というか楽曲を公開するのが照れくさいので、ついつい・・・苦笑)、ひとびとに嫌われがちな雨を愛する曲を作りたいと思いました。ノスタルジックな暗いじっとりとした曲もありだとは思うのですが、できる限り、明るいポップスで。

久し振りの趣味のDTMの新曲です。「LOVE RAIN」というタイトルにしました。黒川伊保子さんの本「恋愛脳」のLOVE BRAINというタイトルにちょっと似ている気もしますが(笑)。

■LOVE RAIN (3分47秒 5.21MB 192kbps)


LOVE RAIN
冷たい雨

降る。この街の
風景が・・・

LOVE RAIN
いとおしい。あなた
に、
ここに
いてほしい。

詞・曲・プログラミング BirdWing


楽曲的にイメージしたアーティストは、ブライアン・ウィルソンです。ブライアン・ウィルソンはビーチボーイズのソングライターおよびベーシストであり、とても繊細な美しい曲を書きます。けれども冷静に聴くと、どこか脆くて、甘ったるい。なんとなく落ち着かない印象もある。でも、そこがよかったりもする。

80年代に出したソロアルバムでは、1曲目の「Love and Mercy」と3曲目の「Melt Away」は珠玉のポップスです。この2曲で何度泣いたことか(涙)。そんな曲を作りたいとずーっと思っていました。

B00004WH69Brian Wilson
Brian Wilson
Warner Bros. 2000-09-11

by G-Tools

個人的に、彼のソングライティングで最も秀逸なのは、ビーチボーイズの名盤「ペットサウンズ」に入っている「God Only Knows」ではないかと思います。コード進行の切なさといい、すばらしい楽曲です。こちらはYouTubeから。若かりし日のブライアン・ウィルソンの写真がたくさん挿入されています。

■The Beach Boys - God Only Knows (Brian sings lead)

要するに、エレクトロニカのブライアン・ウィルソンになりたかったんですよね、ぼくは。というのは非常に大それた話ではあるのだけれど、そんな大きな夢も描いていたいと思います。たとえ趣味だとしても。

DTMの工夫点としては、まず冒頭でフィールドレコーディングによる音を入れて広がりを出しました。ほんとうは自分で録音したかったところですが、ネットで拾ってきたイギリスのメトロの雑音を使っています。

また、弦の音をサンプリングしてサビで使いました。コリン・ブランストーン(ゾンビーズ)のソロアルバムにも弦を使った素晴らしいアルバムがあります。ルーツを辿ればビートルズなのかもしれませんが、とにかくストリングスをうまく使ったクラシカルな曲が好みであります。そんなアレンジをしたかった。一方で、エレピの透明感は、スクリッティ・ポリッティという気もなきにしもあらず。

音色やエフェクトとしては、ブリッジ部分のドラムはモジュレーター(フランジャー)をかけて、次の部分へイメージを切り替える展開を考えました。最後のストリングスはフィルターをかけて幻想的にしたかった。シンセはすべてSONAR付属のTTS-1です。いろんなソフトウェアシンセを使うとマシンに負荷がかかるということもあるのですが、結局のところ音色よりもメロディと和音で勝負、と考えていたので。しかも奇をてらったメロディではなく、覚えやすいスタンダードなポップスをめざしました。

実は・・・制作中にのめり込みすぎて、廃人に足を突っ込んじゃったんですよね(苦笑)。できあがってしまったものを聴いていただくと普通じゃんと思われるかもしれないのですが、ぼくは鍵盤を使わずにマウスで音を置いていく作業(ステップ入力)で曲を作っています。絵画に喩えると、スーラの点描画のような作業です(わかりにくいか・・・)。

つまり、通常キーボードが弾けるひとは、Cのコード(ド・ミ・ソ)をばーんとキーボードで弾いて、リアルタイムで入力します。ところが、ぼくは方眼紙のような画面に、ドを入れて、ミを入れて、えーとあとはソ、という風にいちいち一音ずつマウスで音を重ねていく。そうやってこの曲も作っています。

緻密な作業もさることながら、そのデジタルな工程に、ぼくは感情を込めたかった。で、まずは音に込める思いのようなものと向き合い、この曲に込めたい思いは何かということを考え詰めました。そしてその思いを増幅させて作ったのですが、思い入れはもの凄いあっても、いざDTMの画面に向かうと単純な音としてしかアウトプットされない、表現できない・・・のようなジレンマに陥り、ほんとうに神経が衰弱しました。携帯電話で3行のメールを打つのにも、1時間半ぐらいかかるような燃え尽きようだった、という(苦笑)

そんなところも実はブライアン・ウィルソン的なのかもしれないのですが(彼は精神を病んで、ベッドルームに砂場を作って遊んでいた時期もあったような)、ぼくなどは音楽を趣味とする一般人なのですが、プロのアーティストってもしかすると強靭な精神力がなければできないのではないか?とあらためて考えました。だからドラッグなどに依存するようなことになるのかもしれないのですが。

というわけで、気持ち的には未完成ではあるのですが、未完成の完成として公開することにします。できれば、ここを起点として作り続けていたい。楽曲作りの難しさをあらためて感じたのですが、諦めずに続けたい。カタチは別の曲になったとしても、ここで考えたことを継続したい。

この曲を契機として考えたことは自分には尊いものでした。辛いことも多いのだけれど、出会えてよかったと思っています。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年4月13日

a000927

[DTM] ひかりの花束。

倦怠感というか充電が切れてしまったロボットのような気持ちというか(ああ、気持ちはないか。ロボットには)、体調不調の谷は越えたもののチカラが入らない休日でした。趣味のDTMに集中しようとしたのですが、なんとなく続かない。いい感じのインスピレーションがきている気もするんだけど、まとめられません。

こういうときにはどうしても過去に意識がいってしまいがちで、古いファイルを漁ったりテープを引っ張り出したり、ノスタルジーに浸ってしまいました。特に10年以上も前(95年)の自作曲を聴いてしまい、眩暈がした(苦笑)。歌入りの曲があって、よく作ったものだと。

稚拙ですが、いまより丁寧に作っている気がします。というか自分で歌おうという向こう見ずな精神が若すぎる(照)。ぼくは実はカラオケが大の苦手で、ほっとんど歌ったことがありません。キーのレンジが狭いので、きちんと歌える曲があまりないんですよね。

この当時は、QY20という玩具みたいなシーケンサーのボタンをぷちぷち押しながら単音を重ねて作っていました(以前に写真を掲載したことがあります)。鍵盤持っていなかったので。いま考えると非常に暗い作曲風景なのですが(部屋の隅で手のひらサイズのゲーム機みたいなやつのボタンをぷちぷち押して曲を作っている)、情熱が暗さを超えていたような気がします。

ああ、なるほど。書いていて気付いたのですが、暗い/明るいは他者の判断であって、情熱があれば他者の評価は気にならない。情熱は、評価を突き抜けるものかもしれないですね。

この曲(ちなみに「朝が待ちきれない」といいます。苦笑)は、歌入りであるのに加えて歌詞も非常に青いので(苦笑)公開は控えることにして、最近の別の曲・・・短期間で非常に高い完成度でありながら(もちろん自分的にですが)公開していなかった曲・・・を公開してみます。

昨年のクリスマスに「ひかりの花束」というエントリーをしたのですが、そのときに作った曲です。写真をスライドショーにして、バックにBGMとして曲が入ればいいなーと思っていました。クリスマスの曲なのですが、いまでも十分に聞くことができました。というより、いまだからこそ聞きたかった。というわけで公開です。


■ひかりの花束(4分1秒 5.53MB 192kbps)

曲・プログラミング:BirdWing


自作曲ではあるのですが、なんとなくこの曲を聴いていると元気が出ます。ずんずん歩いてしまいそうな感じ。歩くと同時に想いが前向きになる。いろんな障害を乗り越えて、ひたすら情熱を貫きたくなる(笑)。

ところで、「ひかりの花束」は、なんとなく詩的なエントリーで終わってしまったのですが、実はこの背景には映画的な文脈があったのでした。ぼくが好きな映画監督に、ジュゼッペ・トルナトーレ監督がいます。彼の「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画にインスパイアされていました。

B000DZV6VEニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション
ジュゼッペ・トルナトーレ
角川エンタテインメント 2006-03-03

by G-Tools

■公式サイト
http://n-c-p.jp/

シチリアのちいさな村の映画館が舞台で、映写技師のおじいさんアルフレードとちいさな子供トトが主人公です。アルフレードは、戦時下なので検閲でキスシーンなどの場面を切り取ってしまう。トトは切り取られたフィルムをほしい、とおじいさんに言うのですが、叱られたりする。ところが、この切り取られたシーンを編集しておじいさんは残しておきました。成長して映画監督になったトトがそのフィルムを観るシーンが感動でした。

ずいぶん前に観た映画なので、記憶も曖昧なのですが、そんな流れだったかと思います。ちょっとネタばれ的なものもありますが、YouTubeからそのシーンの映像を。

■cinema paradiso

どわー。いま観ても泣ける(涙)。音楽もいいですね。

手法としてはコラージュだと思うのですが、これがすごくいいなあと。そんな風に、イルミネーションを切り取ってひとつの作品にしたいなあ、と思いました。それが「ひかりの花束」の発想の背景です。伝わるでしょうか。うまく説明できないのですが。

ちなみにどうでもいいことですが、最初、映画のタイトルを失念してしまって、YouTubeでキスなどのキーワードで探したのですが、女の子どうしがキスしている18禁映像が大量に検索されてしまい困惑。興味のある方はお試しください。しかし、アタマがくらくらしてくるので、視聴はおすすめいたしません(苦笑)。

現在、趣味のDTMでは打ち込みによって曲を作っていますが、挑戦してみたいのはフィールドレコーディングです。たとえば街の雑踏を録音する。その録音の音を切り取ってサンプリングして曲にしていく、というような感じでしょうか。「ひかりの花束」のエントリーでは写真によるコラージュでしたが、音のコラージュもやってみたい。

これからの希望を書いていたら、なんとなく元気が出てきました。過去を振り返るのは後ろ向きな行為だけではなくて、ときには過去から元気をもらえることもありますね。そしてもらった元気で、前を向いて歩いていきたい。

投稿者: birdwing 日時: 23:58 | | トラックバック (0)