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2008年3月23日

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[DTM作品] フライト・レコーダー

何度か書いているのですが、ブログでBirdWingという鳥らしきハンドルをつけたのは、雲の上から俯瞰できるような幅広い視野(あるいは思考)を獲得したいと願いを込めたからでした。しかしながらその実、泥にまみれて地上をとぼとぼと歩く犬のような生き方しかできないような気もします。

日々の生活に追われると、感性を磨いたり、わずかばかり芸術的な作品(文章や趣味のDTMなど)を結晶化させることが難しくなります。基本的にぼくはアーティストではないので、現実をしっかり生きることが大事だとは思うのですが、欲張りだったりもするので何か創造的なことをしたい。稼ごうとか有名になろうとはあまり思わないのですが(何も思わないとは言えない。ちょっとは野心もあったりする。笑)、まず第一に創作をしている時間が楽しいし、どんなに陳腐であったりささやかなものであったりしても、自分が生きてきた証のようなものを残しておきたいと思う。

と、若干自分に対する言及が多くなりましたが、思考の世界はともかく、現実において高みからの視野を獲得するには、高層ビルに昇ったり飛行機の機上から眺めるのがいいですね。あまり出張のない仕事に就いている自分は、仕事も含めて飛行機に乗る経験は稀なのですが、高層ビルから眺める風景は結構好きだったりします。

そもそもぼくは高所恐怖症気味なところがあったりするけれども、さすがにしっかりと窓で守られていれば高層ビルから眺める風景も怖くない。何を血迷ったか若い頃には山岳をやっていた時期もあるのですが、その当時、ロッククライミングはぜんぜん楽しめませんでした。うーむ、なんでそんなことやっていたんだろう。解せない。若気の至りでしょうか。

休日、パソコンに保存された写真をいろいろと整理していたところ、飛行機の機上からデジタルカメラで撮影した写真が出てきました。

080322_flight1.JPG

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空港で待機するときの落ち着かないけれど楽しい気持ち。離陸するときのGがかかる感覚。乱気流で揺れるときのささやかな不安。美しい雲海を眺めるときのどこか神聖な想い。目的地の上空を旋廻するときの懐かしいような、それでいて地上では感じられないわずかな非日常的な何か。

そんな感覚を曲にしてみたいと思いました。が、苦戦した(苦笑)。いろいろと躊躇する箇所はあるのですが、思い切って公開してみます。飛行を記録するという意味で「フライト・レコーダー」としました。正式にはFlight data recorderというらしい。この装置に記録されるのは高度などの味もそっけもないデータだと思うのですが、ぼくは飛行しているときの感情も含めて記録したい。


■Flight Recorder(2分43秒 3.73MB 192kbps)

曲・プログラミング:BirdWing


楽曲的には不満が多いです。ボツにしようかとさえ考えていました。きれいにまとまっているとは思うのですが(まだ詰めが甘い部分も多いと感じています)、既存の何かに絡めとられている印象もあります。ストレートに言ってしまえば、中田ヤスタカさん的な何かとか? 4つ打ちのリズムとぐりぐりしているベースなど。

中田ヤスタカさんでいうと飛行系の曲としては、Capsuleの「グライダー」を思い浮かべました。好きな曲です。なぜか英語の字幕付きの映像をYouTubeから。

■capsule-glider(EnglishSub)

このような好きな曲の影響を受けることもありますが(といっても今回の曲はあまり影響はないと思うのですが)、自分で自分の過去の曲のいくつかに影響を受けることもあります。過去に作った曲のフレームを壊すことができない。自分がライバルという感じですが、既存の曲作りの文法を超えていないところが納得できなかったりする。

とはいえ途中から、ちょっとラテンっぽいリズムになるのがおかしかったですね(笑)。個人的には、ラテンの音楽の文脈(コンテクスト)はなかったのですが、フルート+ブラスの音を組み合わせていたらラテン系のアレンジが浮上してきました。フライトだけに、リズムまで舞い上がった感じですかね(苦笑)。

冒頭のシンセのシーケンスは、バッハの平均律っぽい何かをめざしました。甘酸っぱくて少しソフトなエッセンスはPet Shop Boysあたりが近いでしょうか。というわけで、これは自分のなかでもわかりやすい曲のほうですが、現在とてもわかりにくい抽象的な曲に着手しています。こちらも苦戦中。

想いを音や言葉にするのは、ほんと難しいですね。

投稿者: birdwing 日時: 20:05 | | トラックバック (0)

2008年3月11日

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[DTM]春に想う。

あったかくなってまいりました。ぽかぽかと陽気も春めいてきています。休日にぼくの部屋の窓を開け放つと、目の前にちいさな青い花がたくさん咲いていました。というか咲かせているわけですが(苦笑)、そのスナップを。

haru

なんという花だったのか忘れました。鳥のかたちをした風車があって、春の風にくるくると回っている。花粉を運んでくる風には困りますが、やわらかい風は歓迎したいものです。

街を歩く女性の服装も春めいて薄着化の傾向にありますが、ジャケットのひざこぞうの写真に惹かれてか、ついついBGMにしてしまったのが原田知世さんの「I could be free」というアルバムでした。


I could be freeI could be free
原田知世

曲名リスト
1. 愛のロケット
2. アイ・クッド・ビー・フリー
3. 君は君のもの
4. 雨音を聴きながら
5. ロマンス
6. ラヴ
7. サークル・オブ・フレンズ
8. アー・ユー・ハッピー?
9. パレード
10. ヴァカンス
11. ネイヴィー・ブルー
12. 燃える太陽を抱いて
13. ラクに行こう

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


一時期、話題になったスウェディッシュポップのプロデューサーであるトーレ・ヨハンソンのプロデュースですね。このアルバムに収録されている春らしい「ロマンス」という曲をYouTubeから。

ブラスのアレンジがなかなか雰囲気があります。この曲ではトーレ・ヨハンソンがギターとベースを弾いているようです。途中の「風が吹いてる」という部分のコード進行がぐっときました。それにしても原田知世さんは、どういうわけか春らしいひとという気がしています。

ところで、ぼくも趣味のDTMで何度か春の曲に挑戦してみました。いま作りかけの曲が苦戦中なので、過去の曲を再公開してみます。まずは、2006年のちょうど3月に作った「march」です。


■march 3分22秒 4.62MB 192Kbps  2006.03.28




詞・曲・プログラミング:BirdWing


どこか破綻している気がします(苦笑)。ただ、自分としてはこの破綻のなかに春らしき何かを封印したかった気持ちがあったような。ピアノの音を生ピ系とエレピ系を重ねているなど、無駄に凝っていたりします。

次はこの曲を作った前月である2月に作った「サクラサク。」。歌うソフトウェアVocaloidでボーカルを入れています。


■サクラサク。 4分03秒 5.56MB 192Kbps  2006.02.25




詞・曲・プログラミング:BirdWing

歌詞はこんな感じです。

+++++++++++
サクラサク。 
詞・曲:BirdWing

サクラ咲く未来に 続いてるこの道
遙か遠く青い空 かすんでみえる山並み

きみはどこへ行くの
明日旅立ちのとき

夢を忘れないでいて
そっと鞄に詰めて

サクラ咲く春の日 少しだけ切ない
踏み切りの向こう側 手を振るきみがみえない

きみはきみでいればいい
いつも どんなときにも

雨がきみを濡らしても
傘はここにあるから
+++++++++++

音源としては、Vocaloid MEIKOのほか中国の楽器である二胡の音を出すフリーのVSTi「MiniErhu」とギター音源のReal Guitarを使っています。MiniErhuのインターフェースはこんな感じ。

minierhu

春といえば受験シーズンです。希望する進路を得たひともいれば、夢が叶わなかったひともいるかもしれません。けれども、短期的に夢を見失ったとしても、それがそのひとを損なうものであるとはぼくは思わない。ここに存在しているだけで、そのひとの価値はあるものだから、あえて自分探しをする必要もないし、他者と比べて落ち込んだりくだらない優越感に酔いしれる必要もないと思う。

その進路を選ばなかったことで、みえてくるものもきっとあるはずです。そんな想いを「きみはきみでいればいい」という言葉に込めました。短期的には雨が降ることがあっても、雨はきっと上がる。特に春の天候は変わりやすいものです。寒くて冷たい風が吹いたとしても、次の日にはあたたかい陽光が降り注いでいる。

そもそもこの歌詞のきっかけとなったのは、まだちいさな長男くんを休日にどこかへ連れて行ったとき、ビルのフロアを「○○たんは○○たん(○○は彼の名前)」と叫んで走り回っていたことにありました。そうだよな、きみはきみだよな、とそのときに思った。まあ、当たり前のことなんだけれども。

あと歌詞としては蛇足なのですが、歌のなかの主人公は泣いているわけです。しかし泣いていると直球で言ってしまっては言葉に広がりも何もない。「手を振るきみがみえない」は、電車が通過するから向こう側の「きみ」が隠されてしまうということと(踏み切りらしき音もアレンジで入れています)、涙でみえないというイメージを込めたいと思いました。いやー、ほんとこういうことを書くべきではないんですが。余計ですよね。

辛い経験がひとを強くやさしくするのだと、ぼくは思いたい。そんな辛いけれども前を向こうとしているひとたちを応援しています。どんなに社会的にマイノリティであっても、いまは最悪のときであったとしても。

投稿者: birdwing 日時: 23:40 | | トラックバック (0)

2008年2月24日

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[DTM作品] Sunny Sunday(試作)

うわー失敗した、と即座にわかる失敗もありますが、しばらく時間を経過したあとで、これって失敗では・・・と静かに悟る失敗もあります。まったくDTMと関係ない話から入るのですが、現在、このブログのCSS(デザイン)を見直し中です。というのはどうも以前と比べて誤字や脱字が多くて、なぜだろうと考えていたところ、(老眼?というわたくしの身体的な変化はさておき)白のバックにdimgray(#696969)の文字色がいけないのではないか、と。

どれだけの違いがあるかというと、以下の「WEB色見本 原色大辞典」のページをみるとわかります。左上の黒に対して、その下がdimgrayです。

080224_color.JPG

メインのページだけblack(#000000)に変えてみたのですが、ぜんぜん文字の読みやすさ=視認性が違った。エンボス調のデザインにグレイの文字はおしゃれなんだけど、おしゃれだからいいというわけではない。長時間読んでも疲れないデザインがベストであると思います。まだ白バックが気になるところです。目がちらちらするんですよね。えーと、パソコンやりすぎ、というわたくしの身体的な状況はさておき。

せっかくぼくのサイトを見に来ていただいた大切なひとが、読みにくかったり、読んだせいで目がちらちらしてはいけない。たったひとりでも毎回楽しみに訪問してくれる方のために、やさしいサイトにしたいと考えました。すぐにはできないのですが、時間をかけてサイトのデザインを見直してみたいと思います。濃い色のバックに白ヌキ文字の方が読みやすいのかもしれないなあ。きっと人間工学のような分野で、そんな研究もされているのではないでしょうか。

失敗について考えたところで、本日できあがったDTMの曲を公開したいと思います。

これも失敗だ。ははは。やりたいことは、はっきりしていたのですが、どうも整理されていないというか難しかった。

読書中の久石譲さんの本にも書かれているのですが、うまくいくまでやり続けることで完成する曲もあれば、やり続けることでますますおかしくなっていく曲もある。後者については見切りをつけることも重要であると書かれていました。ただ、ぼくはその失敗も無駄にならないような気がしています。どこかで必ず活きる。

というわけで、ブログでDTMの作品を公開します。曲名は「Sunny Sunday」としました。週末、東京はいい天気なのですが、ごうごう風が吹き荒れています。

ネットで拾ってきたおかしなFlashによるmp3再生プレイヤーで公開します。白い棒の左端を押すと再生、右端でダウンロードが可能です。音量の調節はできないのでご注意ください。


■Sunny Sunday 1分35秒 2.18MB 192Kbps 




曲・プログラミング:BirdWing


やりたかったこと、なのですが・・・まず、イメージとしては、ロジャー・二コルスなどを聴きながら、打ち込みDTMでその陽だまりのようなポップスの世界を再現したいと思いました。けれども甘ったるいのではなくて、どこか7thコードを使ったR&Bの流れも感じさせるようなもの。

心象風景としては日曜日の朝です。ブラインドから陽射しが差し込んできて、さあ、今日は何をしようと考える。とりあえず音楽とコーヒー、という感じでしょうか。と、文章で書いていてもどうかと思うので、イメージ。ぼくの部屋のそんな風景です。きったないですけど。かえってイメージぶち壊しか・・・(泣)。

080224_heya.JPG

錆び付いたギターの弦を取り替えてみるかな、なんてことも思ったりする。ギタリストの方にはたいしたことないと思うのですが、打ち込みストなぼくには、ギターの弦を張り替える作業ごときに大きな決断が必要だったりします。さーやるか!と気合を入れないと、面倒くさくて、まあいっかとブログを書きはじめてしまう。

DTM的には、デジタルなんだけど生な世界観ですね。これが、ひっじょーに難しい。今回ドラムスは、ループ音源の切り貼りです。ただ、複数の音源を重ねているところもあります。フィルインも音の切り貼り。なので生のグルーヴ感はある程度できる。ギターは、前回も使用したRealGuitarというアプリケーション、あとはSONAR付属の音源でピアノはTTS-1、ベースはRoland Groove Synthです。若干ノイズも入っていますが、ローファイな雰囲気を求めていたのでそれもよしとします。

途中にちらっと一瞬だけ入るピアノのオクターブのフレーズは、エルヴィス・コステロの初期の感じでしょうか。「Get Happy!」あたり。定番のベースラインは、ポール・マッカートニーというかそんなところ。ちょっと16ビートの違う文脈も入っていますけれども。

B000024CV3Get Happy!!
Elvis Costello & the Attractions
Edsel 1994-04-28

by G-Tools

と、まあこのような音楽を作ろうと思った個人的な背景には、かつてバンドやっていた知人と久し振りに飲んだ、というただそれだけのことがあるわけですが(苦笑)、ちょっと詰め込みすぎ、という印象ですね。などと考えながら、アコギの弦を張り替えました。うーん、生のギターもいい。しかし、ぜんぜん弾けん・・・(涙)。

ま、失敗しても凹むだけ凹んだら立ち上がって、また前を向いて歩けばいいのだ。人生続いていくのだ。

キング・オブ・ポジティブでいきますか。

投稿者: birdwing 日時: 12:38 | | トラックバック (0)

2008年2月11日

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[DTM作品] Kakera(かけら)。

東京では先日も雪が降りました。今年は雪がよく降りますね。さすがに積もらないけれど、舗道の片隅にはいまでも雪が残っています。少しだけ汚れたカタマリのようなものになってしまったとはいえ、雪の痕跡があるのはいいものです。連休はいい天気なので、いずれは消えてしまうかと思いますが。

先日の人間ドックの結果が出ました。うーむ、はじめて再検査に(泣)。どんなにハードに仕事していても頑丈だから大丈夫だと思っていたのですが、どうやらここへきて不摂生や過酷な生活のツケがまわってきてしまったようです。

まだまだ気力は若いつもりでいるのですが、身体のあちこちは頑張らないと維持できないようになってきました。若いうちは放っておいてもメンテナンスができるものですが、一定の年齢を超えると努力しないと健康が維持できない。

自分を痛めつけるように夜更かししたり酒を飲んだりする生活なのだけれど、自業自得というか結局のところ自分に返ってくる。最近よく思うのは、自分のためというよりも誰かのために健康でいたい、健康でいなければ、ということです。子供たちが成人するまで、あと15年はあるわけだし。

と、そんなことをぼんやりと考えつつ、子供たちが夢中になっている絵本のことを思い浮かべました。宮西達也さんの絵本です。

4591094448ぼくにもそのあいをください (絵本の時間)
宮西 達也
ポプラ社 2006-10

by G-Tools

そもそもウルトラマンが好きなので「おとうさんはウルトラマン」シリーズを手にしたことがこの作家の絵本を集め始めた始まりだったと思うのですが、この本は次男くんのお友達からいただいたものです。

恐竜のお話で、「ちからこそが、だいじなもの。つよいことがたいせつなんだ」というティラノサウルスが主人公です。彼はその哲学のもとに暴挙をふるう。けれどもやがて年老いて弱くなり、食べようとしたマシアカサウルスに逆に噛み付かれて傷を負う。そのときトリケラトプスの子供たちに助けてもらいます。

トリケラトプスの子供たちは彼がティラノサウルスだということがわからずに、一生懸命に看病するわけです。このとき、ティラノサウルスは強さがいちばん大事なものではないことを知る。そして、子供たちを襲ってきたギガノトサウルスからトリケラトプスを守って死んでしまう。

そのトリケラトプスの子供たちが大きくなって、子供ができたときに、やはりギガノトサウルスに襲われるのだけれど、トリケラトプスのおとーさんは戦わない。痛くても我慢してじっと耐える。

敵が去ってしまったあとで、パパは強いのにどうして戦わないの?と子供たちに訊かれて、こう答えます(映画では最後のシーンを書いてしまうのはネタバレでヒンシュクなのですが、絵本なのでいいでしょうか)。引用します。

「いいかい、ちからよりも
もっと もっと つよい もの、
たいせつな ものが あるんだ。
それは、あい。
おとうさんは、この きを
おった ほんとうに つよい
ひとから、その あいを
もらったんだ・・・・・・」
その きを じーっと
みつめていた こが
ぽつりと いいました。
「ぼくにも その あいを ください」

ううう。泣ける。でもきっと読んでいないと伝わらないかもしれないですね。ちょうど人間ドックの再検査の知らせなどをいただいたときでもあり、もう強くなくなりつつある自分には、ティラノサウルスの気持ちがよくわかる。

さらにですね、個人的に考えたことは、そんな風に自分がいつか消えてしまっても誰かの心に残るような文章や音楽を創ることができたらほんとうにしあわせだなあ、ということでした。いろいろと迷ったり失敗もしていますが、ぼくは最終的にはそんな境地に辿りつきたい。

これもまた別の話になるのですが(前にも書いた記憶があるのだけれど)、ぼくは細野不二彦さんのGU‐GUガンモという漫画の最終回を週刊誌で読んで不覚にも涙してしまったことがありました。

漫画の話で恐縮なのですが、どこか別の世界から来たガンモは、ある日、その場所へ戻らなければなくなってしまう。しかし、戻るためにはいっしょに暮らした主人公の少年の記憶を消さなければならない。いやだよう(泣)という感じで少年は抵抗するのだけれど、ふたりの思い出を全部消されてしまう。

けれども、ある日、コーヒーを飲んでいたら理由もなく少年は、ぼろぼろ泣いてしまうんですよね。彼には理由がわからない。でも、実はガンモはコーヒーが好きだった。コーヒーによって、ガンモと過ごした日々の何かが蘇って彼は泣いてしまった。もちろん思い出(記憶)自体は戻らないのですけれど。

と、いうわけで、相変わらず前置き長すぎです(苦笑)。

別エントリーにしようかとも思ったのですが、そんな現在の気持ちも含めて久し振りに作ったDTM作品を公開します。タイトルは「Kakera(かけら)」としました。2008年の2月9日の心象風景の「かけら」を音にした、という感じでしょうか。過去を再生できるコーヒーのような曲であってほしいのですが、どうでしょう。単なる音の断片(かけら)でしかなかったりして。


■Kakera (kakera.mp3 2分34秒 3.54MB 192kbps)

曲・プログラミング:BirdWing


ぼくは日記を書くように音楽を創りたいと思っています。わかりにくいと思うのですが、ぼくが個人的に感じている、ある時間の風景、あるいは感情を音に変換、もしくは翻訳して作品にしたいということです。

だからぼくが趣味で創るDTM作品のほとんどは、ものすごくプライベートなものです。ある意味、ブログ的といえるかもしれない。したがって聴いているひとによっては、完成度が低いなあ、よくわからないよこれ、同じコードの繰り返しでつまらない、という感想があるかもしれないけれど、(まず)ぼくにとって意味があるものであればいいと思っています。そして未完成でもすぐに発表することが大事です。というのは、そのときの気分はすぐに消えてしまうものなので。

たぶん商業的なミュージシャンであったら、それではダメだと思いますね。多くのひとに永遠に伝わるものでなければいけない。でも、ぼくはそもそも商業的にやっているわけじゃないのでいいか、と。

では、別にブログで公開しなくてもいいのでは?という考え方もありますが、もしかすると非常に稀なのだけれど、ぼくの感覚に共鳴して、ぼくが感じていた何かを再生いただけるような誰かがいるかもしれない。そんな偶然のために公開しています。そうそう、銀河系の彼方に向けて、地球からのメッセージを格納したロケットを飛ばすようなものですかね。そんなプロジェクトがありましたっけ。

考えてみるとオリジナルのDTM作品を公開するのは久し振りでした。実は、自分の心象風景に近づけなかったのでボツにしようと思っていたのですが、辿り着けなかったボツ作品も含めてこれから公開していこうと思います。

ところでDTM的には、今回はギターの音としてReal Guitarを使っています。アコギ持っているのに弾いていません(苦笑)。打ち込みで音を創っています。さらに、ドラムはメインにフリーのVSTiであるDrumatic3を使いました。コシのあるいい音しています。プリセット音をそのまま使ったのだけれど、音をいじるともう少しいろんな音ができそうです。

こちらはReal Guitarのインターフェース。バージョンアップしたのでオンラインでアップデートしたのですが、PCのスペック不足なのか使えない(泣)。なので古いバージョンのものを使っています。ギターのフレットを模した画面が気に入っています。入力した音に合わせてフレットの位置にその音が表示されて、じゃらーんというコードも弾けるんですよね。なかなかのスグレモノです。


製品サイトはこちら

Drumatic3のインターフェースはこれ。重厚な感じがします。音とばっちり合っていて、グラフのような操作パネルもかっこいい。

080211_drumatics3.JPG
ダウンロードサイトはこちら

最近はDTM関連の情報収集もしていませんが、またいろいろとDTM関連の情報も集めてブログで紹介していきたいですね。

投稿者: birdwing 日時: 11:43 | | トラックバック (0)

2008年1月23日

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[DTM] 雪降る。

朝起きてみると雪でした。・・・というシチュエーションが好きなわたくし(苦笑)。

080123_snow.JPG

北のほうに住むひとたちにとっては雪など鬱陶しいものでしかないと思いますが、南のほうに住むぼくにとっては、雪が降る日は、ちょっとした空からの贈り物的な嬉しさがあります。

ポエムな表現になっているけれども、どことなく心が高揚するものがある雪の日。すっかりおっさんなのだが、少年の心がちょびっとだけ残っているせいなのでしょうか。あるいは人間の振りをしているけれど、本質的には、雪が降るとよろこび庭駆け回るイヌだったりして。

いつもと違う風景を求めている、ともいえます。雨降りもそうだと思います。雨がアスファルトの舗道を濡らすと、街全体が黒くなる。雨に霞んで、ぼんやりとグレイに色調が変わる。一方で春、サクラの花が咲くと、そこだけが桃色の集合体になってはなやいでみえる。秋もそうですね。紅葉によって街路樹の色が変わる。要するに変化が好きなのか。そうなのか。

今日の雪は初雪ではなかったのですが、これだけ積もった雪を見るのは久し振りでした。雪を見て思い出すのは受験の頃、ものすごい雪が積もって、近くのコンビ二にわしわし雪を掻き分けて朝食を買いに行ったことです。

数年前にもやはり東京で大雪を経験しました。仕事が終わって帰宅しようと思ったら電車が止まってしまったので、動いている別の電車で帰ったのですが、ふだん降りない駅から北から南に向けて自分の家を目指して歩いているうちに転倒。真っ白な世界のなかで家路を見失いました。

あせったなーあれは。いやマジで(笑)。あやうく東京で遭難するかと思った。目印の川を見出して、雪だるま状態になって青く(というか白く?)なって家に帰ったとき、あったかい部屋のなかで、まだ言葉を喋ることもままならない赤ちゃんの長男くんと奥さんがすやすや眠る姿をみて、ものすごくほっとしたことを覚えています。パパがこんなに大変だったのに、きみたちは平和だなあ、と呆れもしましたが。

ところで、雪に関する曲を3年前にDTMで作ったことがありました。「ハツユキ」という曲です。実は最初に作ったのは当時から遡ること10年ぐらい前に、バンドをやっていた頃だと思います。

この曲で、はじめて歌うソフトウェアVocaloid MEIKOを使ってみたのでした。ひじょーに青臭い曲なのでお恥ずかしいし、いまとDTMの作り方がまったく違うのですが再掲載してみます。

以下の白い棒のようなFlashのMP3プレイヤーは、左端を押すと再生(もう一度押すとストップ)、右端を押すとダウンロードが可能です。音量はプレイヤー上では調節できないのでご注意ください。


■ハツユキ(Virtual Vocalist) 4.42MB 128Kbps  2005.01.13




詞・曲・プログラミング:BirdWing


こんな歌詞です。

+++++++++++
ハツユキ
詞・曲:BirdWing


きのう降り続いた雪が
街を別世界に変える
白いキャンバスに向かう
新しいぼくがいる

きっと明日になれば
とけてしまう魔法を
ぼくは信じてみよう
そして誓うだろう

 ぼくらは毎日生まれ変わるさ
 この冬の朝のように

 静かに だけど力強く
 踏み出そう雪のなかへ

時計を少しだけ進めて
きみと待ち合わせた駅で
古いポストカードを破る
新しいぼくがいる

 凍えそうなぼくらの街に
 火を灯すよ ささやかなぬくもりを
 いつまでも

 ぼくらは何度も生まれ変わるさ
 この冬の朝のように

 静かに だけど力強く
 踏み出そう雪のなかへ

 ぼくらは毎日生まれ変わるさ
 この冬の朝のように

 静かに だけど力強く
 踏み出そう雪のなかへ

+++++++++++

と、ここでこの曲を作るにあたって考えていた音楽の背景について解説してみます。種あかしというか、ルーツを探るというか。

歌詞についてはフリッパーズ・ギター的な影響が濃厚です。たとえば「だろう」とか「変わるさ」のような表現などなど。もっとぴったりの曲があるかと思うのですが、以下YouTubeから「Camera! Camera! Camera!」のPV。撮影風景がおしゃれですね。

■Flipper's Guitar - Camera! Camera! Camera!

しかしながら、実は楽曲的には自分でもよくわからないのですが原田真二さんの「てぃーんず ぶるーす」が頭にあったような気もする(苦笑)。

■てぃーんずぶるーす & Candy:原田真二

うーむ。まったくよくわからないですね、この曲の何がどーやってこうなるのか(困惑)。でも、確かレコード版のこの曲は細かいピアノの刻みでアレンジされていたような気がしていて、それを頭のなかでイメージしていました。あんまり大きな声ではいえないのですが、かつて原田真二さんのファンでした。しかし、原田真二さんはかなりぶっ飛んでいるところがあるので、さすがに引いちゃうんですよね。アレンジもまったく変えてしまったり、ついていけないような感じもあります。

同時に以前にもブログに書いたような気がしたのですが(消しちゃったからないけど)、最初はプリファブ・スプラウトのこの曲のような感じにしようと思っていたのでした。

■prefab sprout- prisoner of the past

雪で覆われたままの世界がよい気がしますが、あえて年月という雪を被った昔の曲の背景を掘り起こしてみました。10年以上前に作った「ハツユキ」の歌詞は、まっすぐですね。純潔という感じがする。なんとなくそんなピュアな自分に気後れするいまの自分がいます。汚れちまったんでしょうか、いまのわたくしは。

それはそれでいいのかな、と思うのですが。東京の雪もすぐに溶けてしまいました。いくらきれいに埋めておこうとしても、本質はすぐに顕わになってしまうものかもしれません。

投稿者: birdwing 日時: 23:36 | | トラックバック (0)