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2013年12月31日

生活に紛れたダイヤモンド。

どうでもいい些細なことを書くのですが(そもそもこのブログ自体が些細なことばかりなのですが。苦笑)、最近ご飯がおいしい。特別なおかずではなくても、ふっくらと炊きあがったお米を箸で口に運んで、お新香をぽりぽり囓るだけでしあわせな気分になれます。焼き魚も丁寧に食べるようになりました。毎日ご飯の時間が楽しみです。

佐藤初女さんの『おむすびの祈り』という本を読んだからかもしれません。SNSを通じて教えていただいた本です。

4087478440おむすびの祈り「森のイスキア」こころの歳時記 (集英社文庫)
佐藤 初女
集英社 2005-07-20

by G-Tools

佐藤初女さんは、不登校、家族との不和、心の病などに苦しんでいるひとのために「森のイスキア」という癒やしの場を運営されています。そこでは、佐藤さんと訪問したひとたちがいっしょに食事をすることで、しあわせな時間を共有します。佐藤さんは特別な料理をするわけではないのですが、お米の状態に合わせて水を調整してご飯を炊いたり、ひとつひとつの実に愛情を込めて梅干しを作ったり、食をとても大切にされている方です。食からいのちをいただくという彼女の考え方に感銘を受けました。

この本を読むきっかけとなったのは仕事で食のことを知りたいと考えたからです。ぼくはライターとして飲食店の取材をして原稿を書く仕事もしています。東京メトロ様のスマートフォン向けアプリ「MANTA」の「ぼっち飯-一人だから旨い店」というコーナーで署名記事を書かせていただきました。東京都内のさまざまな飲食店に伺って、料理の写真を撮影しながら短い文章で紹介しています。たとえば、こんな感じです。


IMG_0241.PNG

IMG_0242.PNG

IMG_0243.PNG


アプリをダウンロードして読んでいただけると嬉しいです。どのお店も東京メトロ様、代理店や編集のスタッフみなさんが厳選したお店なので、おすすめです。

■iOS版
https://itunes.apple.com/jp/app/manta/id601326337

■Android版
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.tokyometro.manta

現在アプリのサンプルページにある「渋谷でがっつりトンテキを食らう」「路地裏で味わうオリエンタルライス」は、ぼく(外岡浩)の記事です。ぼく以外にもたくさんのライターの方が記事を提供されています。子供と一緒に楽しめるお出かけスポットや、女性が自分に贈るプチ贅沢の記事もあるので興味のあるひとはそちらもどうぞ。

ぼっち飯の記事は、11月と12月で28件のお店を取材しました。現時点で掲載されているのは13件なので、今後追加されていくことでしょう。和食から洋食、中華、フレンチ、イタリアン、ステーキ、ジャマイカ、ネパール料理、うなぎ、親子丼、カツ丼などいろいろあります。

撮影といっても7年ぐらい前に購入したFinePixのデジタルカメラを使っています。箸で料理を持ち上げて撮影することもあるので、重い一眼レフでは逆に困難かもしれません。この撮影が結構大変です。神経を使います。

カメラマンではないので撮影の技術的なことはわかりませんが、何度も料理を撮影して感じたことは、料理が「わたしを撮って!いまよ、いまなの!」というメッセージを送ってくることです。そのメッセージを受け止めてあげて、瞬間を切り取るとおいしそうな写真になります。モデルの撮影もそうじゃないかなとおもいました。彼女あるいは彼の発散している魅力をきちんとわかって、そのメッセージを最大限に活かしてあげるカメラマンがいい写真を撮れるのではないか、と。あとは「光」と「構図」でしょうか。これは大事。

いまカメラの撮影術とPhotoshopによる写真の補正術について学んでいます。あらためてPhotoshopというソフトの凄さを感じているのですが、要するに撮影した写真に「お化粧」をするわけです。そのお化粧ひとつで見違えるように変わる写真があります。写真の世界は奥が深い。

ところで「被写体のきらきらした輝きを引き出す」というテーマから引き継いで、強引ではありますが、自作曲の紹介をします(笑)

「生活に紛れたダイヤモンド」という曲です。作ったのは1996年頃だったかと記憶しています。つまり17年ほど前になりますね。久し振りにTakamineの弦を張り替えて、弾き語りしてみました。YouTubeにアップしたので、ご紹介します。



歌詞です。

+++++++++++++++++
生活に紛れたダイヤモンド
+++++++++++++++++

さりげなく暮らすのは意外に難しい
トーストを焦がさずにとてもうまく焼けた日の朝
住み慣れたぼくの部屋の窓から青空を
眺めながらそんなことをふと考える

平凡に生きるのを嫌ってた昔のぼくは
きらめいてるものを探して いろんなことをしてみたけれど
結局きみに出会ってわかりはじめてきた
大切なものはいつでも ここにある

 NEW LIFE
 そう ダイヤモンド
 生活に紛れたダイヤモンド

 NEW LIFE
 そう ダイヤモンド
 手に入れよう 日々の輝きを

週末に仕事が終わったら きみと駅で待ち合わせをしよう
美術館をひと巡りして ちょっと豪華なディナーを食べよう
ときどき無口になって不機嫌だったとしても
気にしないでいい いつものことだから

 NEW LIFE
 そう ダイヤモンド
 生活に紛れたダイヤモンド

 NEW LIFE
 そう ダイヤモンド
 手に入れよう 日々の輝きを

「大切なものはいつでも ここにある」ということがいちばん歌いたかったメッセージで、どんなに輝いているものがあったとしても、みずから光を感知する力もしくは意識がなければ気付かないものです。どこか遠くにある理想や夢を追い求めることも大切であり、夢や理想の追求によって頑張ることができるものですが、案外、近い場所に「青い鳥」はいる。

高すぎる理想や夢を掲げて、現実との乖離に苛立ったり不幸に感じるぐらいであれば、理想や夢なんて考えないほうがよいのではないでしょうか。むしろ淡々とした日々の生活に没頭して、ささやかなしあわせを有り難く受け止めたほうがいい。最初に書きましたが、ふっくら炊きあがったご飯をおいしくいただけることが最高のしあわせです。

ちなみに「生活に紛れたダイヤモンド」は、パソコンを使ってDTMによるインストゥルメンタル(要するに歌なし)のバージョンも作っています。Soundcloudにアップロードしたので、以下のプレイヤーの再生ボタンを押してお聴きください。ちなみにこの曲でギターの音が聴こえますが、弾いていません。RealGuitarというソフトによる打ち込みです。



ぼくは緑内障を患っています。緑内障は目の病気なのですが、一度かかってしまうと治ることがありません。失明に至らないように薬で進行をとどめるしかない病気です。緑内障であることを知ったときにはパニックになりましたが、結局、この病気とうまく付き合って生きていくしかないと考えています。逆に、世界がきちんと見えているあいだに、あらゆる美しいものや輝いたものを見ておきたい。ぼくがカメラにこだわりはじめた理由もそんなところにあります。

2013年が終わろうとしています。2014年がきらきら輝いた年でありますように。

投稿者 birdwing 日時: 07:08 | | トラックバック

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