2004年12月24日
アルファブロガーをめざせ
会社のほうは本日で年内の営業を終了し、来年は4日からになります。今日は一年間の締め括りの日です。そして、クリスマスイブでもあります。
11月から試験的にはじめた、はてなダイアリーですが、現時点で4000ものアクセスをいただいています(そのうち200ぐらいは更新作業や、さびしいので自分で足跡をつけた数だと思うのですが)。仕事のメモが目的だったのですが、稚拙な私の文章を読んでいただいて、ほんとうにありがとうございました。
簡単なリファラーによって、どういうサイトから辿ってきていただいたのかは分かるのですが、訪問した方の顔までは見えません。もしかしたら、気分を害された方もいるかもしれません。また、誤った認識に呆れた方もいたかもしれません。なかなかコメントやメールを送っていただくのは難しいかと思いますが、ご指摘いただけると嬉しいです。
ところで、FPNの方で以下のようなコンテストをやっていました。
そもそもアルファブロガーとは、織田さんのブログAd Innovatorで紹介されていて、一日に2万もの読者がいて、影響力のある記事を書くブロガーのことだそうです。
Newsweekの記事で、毎日20,000もの影響力のある読者に読まれているアルファブロガーのことがまとめられている。 Dave Winer、Doc Searls、Dan Gillmorなどのことだ。彼らの書くことは、テクノロジートレンドに影響を与え、結果的にNYタイムスやBusinessWeek誌などに重要な話題として取り上げられるという流れが出来つつあるという。
ブログをきちんと読み始めたのは、まだ最近なのですが、自分にとってのアルファブロガーは誰なのか、ちょっとやってみましょう。
+++++
(1)「会社のオフィスでは『3つだけ』しかブログを読んではいけない」と言われたら、どれを読みますか。
・ブログ名1:Ad Innovator
http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/
アルファブロガーのことをはじめ、アメリカの最新事情を知ることができるという意味で貴重です。
・ブログ名2:Netcom Eye
http://p2p.jugem.cc/
FPNを運営されている徳力さんのブログですが、まず未来を創造するというFPNのコンセプトに共感できます。このコンテンストにしても行動が速い。
・ブログ名3:百式
http://www.100shiki.com/
メルマガの頃からファンでした。仕事に直結するというわけではないのですが、コーヒーブレイク的にアタマを癒してくれます。
(2)上記の3つのブログを除いて、2004年にあなたが最も影響されたブロガーの記事を教えてください。
・URL<
http://www.qvga.net/blog/archives/2004/12/cnet_japan_ibmp.html
・簡単な理由
2004年というより、つい最近知って、これは!と思ったのですが、CNETなどの誤植をネタにしています。一行コメントが秀逸です。私はどちらかというと長文タイプなのですが、ピンポイントで刺すコメントって気持ちがいい。ニュース記事のクオリティ向上にも貢献していると思います。見習わねば。
+++++
さて、今年の反省から、来年は以下のような点に注力したいと思います。
1)情報の引き出しを増やすこと
現状では主として、Sleipnirの拡張パネルによるRSSリーダー、はてなアンテナ、各種メールマガジンによって情報をキャッチしていますが、どこをブックマークするか、などという点も含めて、情報の収集方法を考えたいと思います。
2)情報に対する勘をつけること
情報量が拡大すると、どうしても情報に流されがちですが、重要な情報(図)と不要な情報(地)を判別できるようにしたい。科学的ではありませんが、「勘」が大事だと思います。コンピュータにはない、人間だからこそできるいちばんの能力です。それを磨くこと。
3)「考え中」から行動中へ
収集した情報からブログを書く、という作業に注力して(これもある意味、行動ではあるのですが)書いたという行為に満足して、批評家になってしまうのは不本意な気がします。あくまでも、次の「行動」に移すための布石としてブログを考えていきたい。
まだまだですが、目標を高く据えるとすれば、日本のアルファブロガーに仲間入りできるぐらいのことを目標にしたいですね。頑張らねば。
本年中は大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
では、よいお年を。
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2004年12月22日
追跡されるサンタ
クリスマスが近づいてきました。年末の大きなイベントだけに、街を歩いていてもこれでもかという感じのイルミネーションが素敵です。
マーケティングやITなど、難しい理屈ばかりを考えがちな毎日ですが、この時期は子供に戻って、あたたかい気持ちで風景を眺めてみるのもいいかもしれません。そんな余裕も必要です。
理論や知識も大事ですが、いちばん大事なのはこころです。企画提案はもちろん、分析であっても、こころに訴えるようなものを心がけたいものです。
スラッシュドットの記事で以下をみつけました。
NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)のサンタ追跡プロジェクトが今年も展開されているようです。
KAMUI 曰く、 "ウェブでの情報公開は 1997年からですが NORAD が毎年この時期に彼の追跡を開始してから 50年目を迎えるとの事で,今年はサンタ追跡の「名誉メンバー」として元ビートルズのリンゴ・スターを招き,リンゴ自らサンタカムを操作してイギリス上空を飛ぶサンタを撮影するそうです。クリスマスイブが楽しみですね :)"
リンゴ・スターというのが、なんだかぴったりな気がします。
以下は、NORADの日本語サイトです。1997年に作ったサイトのままなんじゃないかな、とちょっと思うのですが。
サイトにはこんな風に書かれていました。
毎年、サンタさんの旅行はノーラッドで働くお兄さん、お姉さん達に目撃されます。今年も例外ではありません。2004年12月24日の朝早くから、サンタさんの居場所を探し始めます。何年も前から保存されている綿密な記録、そして高度な技術を身に付けたレーダー・サテライト技師の力を借りて、サンタさんがクリスマスイヴに訪れる場所は大体見当がついています。
夢なんだけど、科学的に解説されていていいですね。「大体見当がついています」という微妙に言い切っていないところも。ほんとうに見つかるのかな、というワクワクした感じを持たせる言葉です。
サンタ追跡の準備をしてください! 世界中から送られるサンタカム・ビデオを見たり聞いたりするには、無料リアルプレーヤーの8ベーシックが必要です。無料のリアルワンプレーヤーのダウンロードは、ここをクリックして下さい。他のフォーマットでサンタ追跡の映像を見る為の、ダウンロード可能なMPEGもクリスマスイヴの日にお使いいただけます。
これもなんだかほのぼのとしました。サンタを追跡したくなる。「無料リアルプレーヤーの8ベーシック」というのは、どうかなとも思いますが。
ところでうちの息子は「サンタを見たことがある」とのこと。どんなだった?と訊くと、自慢そうに「ふつーのおじさんだった」。
ばれてはいないのですが、こちらも微妙です。
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2004年12月21日
ブログ関連の動向
先日もブログ関連のセミナーに出席しましたが、最近のブログの動向で気になるものを「組み合わせ」という観点からピックアップしてみます。
○ブログ×検索
Googleなどの検索エンジンでは、一般サイトの検索とブログ検索を分離する方向に動くだろうという予測もありますが、これだけブログが増えてくると、ブログ専門の検索エンジンは重宝する気がします。
■デジタルガレージ、Technoratiと提携して日本版ブログ検索サイトを開設
デジタルガレージとテクノラティジャパンではまた、Technoratiの技術やコンテンツについてOEM提供や、ブログを中心にした広告ビジネスモデルの構築を図るほか、ブログを活用するノウハウを企業向けに提供するコンサルティングも実施していくという。
ブログを中心にした広告ビジネスモデルに興味があります。以下のような記事もありました。
■infoseek、検索結果に関連情報を表示する検索サービスやブログ検索機能
ブログサイト約2,000万件を対象にした検索サービス。楽天が運営するブログサービス「楽天広場」をはじめ、国内ブログサイトを対象に毎日約150万件を更新していくという。
楽天が運営しているだけに、infoseekのブログ検索機能では、楽天日記の方がもちろん上位に表示されるんだと思いますが。
○ブログ×動画
gooブログでは、携帯電話で撮影した動画をブログに投稿できるようになったようです。携帯電話の動画機能自体がそれほど使われているのかな、と疑問ではありますが、何か面白いことができそうな気もします。
○ブログ×社長
別に組み合わせる必要もなくて社長ブログなわけですが、4割が社長ブログを読みたがっているという調査データもありました。
■実は期待されている?約4割が「社長 Blog を読みたい」
これは?(ハテナ)が付いていますが、逆に言うと、6割は読みたくない、どうでもいいと思っているということではないでしょうか。
確かに、あの有名な社長がどこそこの店に飲みに行った、など書き込みがあれば、へーっと親近感を抱くことは確かです。けれども、あまりにも飲んだり食ったりだけが書かれていると、仕事してるの?と思わずにはいられません。また、有名な社長だからこそ成立することであって、もし中小企業の社長が形から入って同じことを真似したら、社員としても、こんなに残業してるのに気楽なもんだな、と当然モチベーションが下がるでしょう。
社長だからこそ考えられるビジョンというか、業界を見渡した見解や、未来を予測する先見性とか、そういう重みのある言葉を読みたい。書きたいことを野放し的に書くのではなく「演出」もしくは戦略的な「情報加工」が必要なのではないでしょうか。つまりブログ向けにキャラクターを作る、ということです。個人的なブランディングともいえます。
発信するメッセージを、常にある規範によって制御する。襟を正す。組織において、社長は個人であっても個人ではないのですから。
SEOやランキングで上位を目指すだけの社長ブログもどうかな、と思います。それって志低くないですか? 社長ならではの考え方、社長ならではの言葉、そして社長ならではのコンテンツに期待したいところです。
それから全体の動向としては、「3B」がインターネットを牽引したというネットレイティングの調査もありました。3Bとは、「Blog」「ブロードバンドドラマ」「ベースボール」だそうです。
また「韓流ブーム」を反映し、「朝鮮日報」「ハンゲーム」「ペ・ヨンジュン公式サイト」など、韓国関連サイトの利用者が急増したほか、「冬のソナタ」をはじめとする韓国ドラマをけん引役として動画ポータル「A II」などが人気となり、ブロードバンド環境で韓国ドラマを楽しむ「ブロドラ族」の存在が注目されたという。
韓流はブームでしたからね。来年はどうなるのでしょうか。
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2004年12月20日
ビジネスブログセミナー
センセイも走る師走ですが、午前中は会議、午後からセミナー出席、その後は池袋の協力会社さんへ立ち寄りという一日でした。
ブログを書く暇もありません。というより暇を作ってでも書きたいブログですが、モバイルで移動中に書くのはどうだろう、などということを真剣に考えました。考えていたら眠くなったので爆睡。ノートパソコンを携帯しても、移動中はブログ書くよりも睡眠を選んでしまうかもしれません。蓄積された1年間の疲れが顕在化してきたせいでしょうか。今年もあとわずか。頑張らねば。
セミナーはライトアップさんの主催するビジネスブログセミナーです。
http://ir-writeup.jp/page/2004/11/1220.html
場所は、東京国際フォーラムの会議室。30名以上の方が参加されていました。ブログ、SEO、RSSの考え方を整理できた気がします。インターネットの接続状況が悪くて、事例をきちんと見ることができなかったことが残念ですが。
とはいえ、紹介したサイトはブログにあります、とブログをセミナーのフォローアップの手段として活用するのは、なかなかよいアイディアだと思いました。コメントをつけることもできます。白石さんのブログは今後チェックしておくことにします。
斎藤さんの海外事例では、ナイキのArt of Speedという15人の映像クリエイターにSpeedという共通テーマでコンテンツを作ってもらい、ブログで展開するという事例に興味を持ちました。人気ブロガーの集まっているポータルサイトと連携する、という手法は、日本ではまだまだかもしれませんが、キャンペーンのヒントになるような気がします。
フルサイズイメージ川田さんの説明は、時間が押していたため省略された部分が多かったのですが、もっと聞きたかった。ブログっぽくないデザインのブログサイトを作るワザとか、MTタグを使った活用方法、TIPSなどをもっと紹介してほしかったと思います。
さて、帰るときに東京国際フォーラムの吹き抜けの部分で、弦楽5重奏の演奏をしていました。弦の音に癒されました。イベントか何かでしょうか。思わず足をとめて聞き入ってしまいましたが、ちょっと得した気分です。
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2004年12月17日
個メディアの可能性
MP3プレイヤーを使っている方が多くなってきました。ハードディスクではなくてフラッシュメモリのタイプは、ほんとうに小さい。会社の営業の方にもみせてもらいましたが、え?これで1ギガですか?と驚くほど小さい。
日本の企業は、こういう縮小化する技術が得意です。MP3とは別の規格を推進している会社の製品なので、マニュアルではMP3に関する解説が巻末にあって、ちょっとおざなりで、その製品を購入した営業の方は探すのに苦労されたようです。
きっとメーカーのマニュアル担当者がすねちゃったんでしょうね。なんでMP3の規格の製品なんか作るんだよ、むかーっ、MP3の解説なんて巻末に置いちゃうもんね、ふん、とかいう感じで。実際に見たわけではないので、あくまでも想像ですが。
この分野でひとり勝ちしているiPodですが、CMを見ていても、やっぱり洗練されています。かっこいい。シンプルで飾らなくて、とんがったひとたちに向けた表現は、Macintoshの頃からずっと変わらない。共感が持てます。製品とCM表現がびしっと同じ考え方で貫かれているので、とても気持ちがいいものです。
これがブランディングなんだなと思っていましたが、さらにすごいことが生まれているようです。ユーザーがCMを作ってしまった、とのこと。
実際に見てみました。すごい。
メーカーが作ったCMは、音楽を聴く楽しさを表現していたと思うのですが、こちらはとにかくiPod miniのデザインを前面に出して表現している。制作したのは36歳の学校の先生なんですね。休み時間を使って単に練習として作った動画が、口コミでウィルスのように広がって評価されているとのこと。
ほんの数日間で3万7000件を超えるアクセスを記録した。CMの存在は現在もブログや電子メールで広まっている。
個メディアといえるかもしれません。そして、3万7000件を超えるようになれば、マスメディアにも遜色ない立派なメディアです。
専門家の中には、マスターズさん(写真)のCMは広告の未来を示唆するものだと見る向きもある。ちょうどウェブログ(ブログ)がニュース報道に変化をもたらしているように、個人制作の広告がマーケティングにおいて大きな役割を果たすようになるというのだ。
ブログは大統領選挙のときに注目された報道としての効果だけでなく、認知や購買に結びつく広告メディアとしての可能性もある、ということですね。もちろんマスターズさんが制作したのは動画のムービーですが、それを補足する形でメールやブログというものがあったと思います。
マスターズさんのCMにはマーケティング業界も注目している。業界関係者たちによれば、このCMはプロの作品に匹敵する出来映えで、またインターネット上で初めて目にした「純粋な」広告の1つだという。個人による広告制作は今に始まったことではないが、そうした広告のほとんどはパロディーか抗議、政治的な主張を目的としているからだ。
ありそうでなかったんですね。確かに「純粋な主張」は、なかなかできないものです。(なんちゃってね)とかカッコ付きの記述をしなければ表現できない。
マスターズさんのCMは、スタイン氏が初めて目にした「正真正銘の」消費者によるCMだという。広告代理店が企業顧客の関心を引く目的で特別に制作した広告や、プロが草の根を装ったキャンペーンをしかけ、口コミ的に広まるのを狙った例なら見たことがあるが、一般の製品愛好者がテレビ用CMを制作した例は初めて見た、とスタイン氏は話す。
ますます広告代理店などが広告を仕掛けにくい時代になってきました。消費者がどんどん情報発信をはじめると、どんなにマスメディアできれいなことを言っていても信用されなくなる。消費者の発言の重みには勝てない。
でも、いちばん重要なのは、計算しないで動いているということ。きっとマスターズさんはiPodが大好きで、音楽を聴いている時間、動画の制作に浸っている時間をとても大事にするひとなのでしょう。
「自分が楽しむためにやっただけだ。動画が好きで、ビジュアル作品を作るのが好きだから」とマスターズさん。
ますます共感できます。このひとがすすめるならiPod買っちゃいます。
そして、次の言葉に泣けました。
「私はいつも孤独の中で作業している。『この作品は本当にいいのだろうか?』と不安になる。それで作品を公開することにした。フィードバックを得るために」とマスターズさん。
発信したものに対してフィードバックが得られる。ブログにしてもSNSにしても、これが最も大きなインターネットの効果です。なかには批判もあるそうですが、その批判も歓迎しているとのこと
マスターズさんの姿勢に情報発信する個人の未来を感じました。
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2004年12月16日
地図を塗りかえる、そして動くこと
変化の激しい時代は、それがリスクにもなりますが、逆にビジネスチャンスも生むようです。オラクルのピープルソフト買収の決定はセンセーショナルでしたが、マイクロソフトの動きが報じられていました。
米通信業界では、こんな動きもありました。
■米通信業界で大型買収--スプリントとネクステル、350億ドルで合併に合意
米国市場第3位と第5位の携帯通信事業者がひとつになり、系列企業の分を含めて約4000万人の顧客を抱える巨大企業が生まれることになった。
巨大企業への対抗策として、戦略的に動いているようです。「第1位のCingular Wirelessや第2位のVerizon Wirelessをはじめとする競合各社への対抗手段を探していた」とのことです。
買収という動きではありませんが、日本の動向では、12月の定例会でKDDIから「電気通信業界は大きな変革期を迎えている」というコメントを発信しています。ソフトバンクグループによる800MHz帯への参入なども注目していきたいところです。
■KDDI、今年最後の社長定例会見を開催――「電気通信業界は大きな変革期を迎えている」
さらに、こんなニュースも。
ある波紋が別の波紋を呼んでいく、ということもあるような気がします。業界の動きが激しくなってきましたが、ウォッチすると同時に、波紋を追うだけでなく、今後がどうなるのか、ということを考えていきたいと思います。
現時点の情報をキャッチするだけでは、あまり意味がありません。その情報の意味を解釈し、次の行動の指針とすることが大事です。つまり、情報に対して、自分はどういうスタンスを取るのか、ということでしょうか。
賛同するのか、反対するのか、中立の姿勢をとるのか。また、なぜそう考えるのか。そして自分はそのことに対して、どんなアクションを起こすのか。
すごく難しいことなんですけどね。欧米人に比べると日本人の最も弱い部分かもしれません。
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2004年12月15日
戦国時代
毎日ブログを「書く」という行為がなければ、こんなに情報を「読む」ことはなかったんじゃないかなと、最近よく思います。情報収集の能力不足や感度の悪さに凹むこともありますが、日々研鑽していきたい。もっと書く力をつけるためにも、継続していきたい。継続は力なり、です。
メールを交換しはじめた人が、余生は鎌倉に引っ越して文章を書いて生活したい、と書いていました。いいなあ。いくつになっても何かを書けるのは幸せです。書き続けることがどこに向かうのか、現状ではわかりませんが、とにかく書き続けることで何かみえてくるんじゃないかな、と。
仕事が立て込んできました。とりあえず情報をナナメ読みしてみます。
まずは、「米Oracle、PeopleSoftを買収」。長かったですね。18ヶ月なんですか。先日IBMがパソコン事業を分離するという話題もありましたが、大きな動きが続いています。ITmediaでは、特集記事も組まれています。
大きな話から急に身近なところに飛びますが、今日はてなにアクセスして、あれ?と思ったのがダイアリーのトップページです。ココログと共同キャンペーンをはじめたんですね。FPNの方でさっそく取り上げられていました。
■企業・マネジメント : ココログ×はてな協業に見るブログ戦国時代
もちろん、この組み合わせに疑問がある訳ではなく、いよいよ始まったかという印象です。現在の「ブログブーム」がプチバブルなのか、始まりに過ぎないのかは別としても、現在のブログ事業者全てが生き残れるはずの無いことは明らかです。
この解釈にはすごく納得できました。共同戦線というイメージですね。
mypopから配信された記事にアクセスして、僕も笑えたのがSo-net blogの平社員日記。ココログとはてなのキャンペーンに、So-netも乗っけてください!という叫びをBlogで発信しています。
実は最近、同窓会で盛り上がったプロジェクトをココログで展開しはじめちゃったりしているのですが、徳力さんは以下のようにブログを総括しています。なるほどなあと思いました。
個人的な印象としては、主婦・子供に強い楽天日記、若い男性はライブドア、若い女性はヤプログ、コアユーザーはココログとはてなという感じでしょうか? それ以外の事業者も、自社サービスとのバンドルだとか独自性を追求することでビジネスを模索する戦国時代に入ってきたと感じます。
ブログでこんなオーディションもはじまりました。
トラックバックで投票する仕組みです。ミスキャンパスもブログで展開されていましたが、こういう企画には向いているような気もします。
ブログじゃありませんが、コンテスト系で気になったのはこれです。
■『PowerPoint』を使ったアートコンテスト、初の開催
仕事でPowerPointは欠かせないツールですが、やろうとすればかなりのことができるソフトだと思います。ただ、仕事ですら使いきれていないのだから、アートとしては以下のコメントのようになるのは当然でしょう。
「作品の中には気が利いていて独創的なものもあったが、[PowerPointという]メディアをけなすだけで終わっているものもあった」と評するのは、展覧会を訪れた元会社経営者のカトリーナ・グレラム氏だ。「作品を発表したアーティストの中に、使用するメディアをちゃんと使いこなしている人が誰もいないようでは、せっかくの展覧会も台無しだ」
時間がないのでまだきちんと見ていませんが、アートとしてのPowerPointには興味があります。
なんとなく気になったものを羅列してみましたが、企業買収や共同キャンペーンにしても、オーディションやコンテストにしても、競合と戦うというテーマが集まったようです。競争を勝ち残るにはどうしたらいいのか。決して、ひとごとではありません。
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2004年12月14日
PSPをめぐって
電車から降りるときに、ヘッドホンをしてPSPをやっている高校生ぐらいの男の子とすれちがいました。12日に発売。店頭では見たのですが、実際に街中で携帯している姿を見たのは、はじめてです。おっいう感じ。やはりデザインがいい。機能よりもまず物欲面で訴えるものがあります。
初日の出荷数20万を即日完売し、SCEの久多良木健社長(56)は「未来に向け、剛速球を投げたらド真ん中に当たった」とし、「増産の指示を出す」と話した。
すごい勢いですね。ビックカメラ池袋本店前には、徹夜組を含めて約1200人が列をつくったそうです。
ただ、一方でこんなニュースを発見。
調べによると、少年は12日発売の携帯ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」を買うよう父親(42)と約束していたが、早朝から行列に並びに行った父親が違うゲーム機を買って帰ってきたため激怒。朝食中だった少年は、テーブルの上においてあった果物ナイフの横にあったフランスパン(パン渡り30センチ)で、父親を何度も殴りつけた。
なんだか、かなしい。フランスパンで叩かれたくないものです。
とか思っていたら、これは嘘じゃないですか! 虚構新聞でした。
仕事に追われて、確認もせずに引用してしまいました。ちょっと感傷的なコメントも書いちゃったりして。あー気づいてよかった。某CEOが合成写真を講演で引用して騒ぎになったことから、情報は真偽を確かめるべきだ、とか自分で書いたくせに。
よくできてますねえ。でも、実際には40代といえば、まだまだ若い。話題になっているゲーム機の知識はあるし、一時期と違って、いまゲーム機といえばDSとPSPぐらいのものだから間違うわけがありませんね。
冷や汗を書きましたが、ちょっと楽しかった。
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2004年12月13日
探しものは何ですか
みつけにくいものですか...というと、まるで歌詞のようですが、あるキャンペーンの分析報告書に取り掛かろうとしたところ、Excelのファイルが散在しているために目的のファイルがなかなかみつかりません。あれこれフォルダを開いているうちに、別の課題を発見して、あ、これもやらなきゃみたいに横道に反れてしまう。何探してたんだっけな?と、そもそもの目的すら見失うこともあります。
みなさんもファイル探しには苦労されていることでしょう。そんな状況を解決する「デスクトップ検索」の分野が熱くなりそうです。
■デスクトップ検索競争本格化--MSもまもなくテストバージョン発表へ
業界を2ヵ月ほどリードしているのはGoogleのようです。検索用語を推測してくれる新サービス「Google Suggest」のリリースもありましたが、検索全般に関しては圧倒的な力となっているようです。しかし、いちばんの脅威となるのがマイクロソフトの動向だとか。
この業界で最大の脅威と考えられているのはMicrosoftだ。同社は、2006年登場予定の次期Windowsオペレーティングシステム(OS)であるLonghornで、インターネットやPC、アプリケーションを検索する機能を完成させる計画だ。
GoogleのDesktop Searchのように、使い勝手のよいアプリケーションを自分で選ぶ、という方法もありかと思いますが、もともとOSに組み込んであれば、それを使ってしまう気がします。IEやOutlook Expressみたいに。ただ、ブラウザが選択の時代になってきましたが、ユーザーが機能を選んでいくようになるのかもしれません。
同社は今のところ、デスクトップ検索アプリケーションの開発に重点的に取り組むことで、この分野におけるライバル各社の攻撃をかわしている。アナリストや業界幹部は、Microsoftほどの流通網や資金力があれば、デスクトップ検索アプリケーションを利用してGoogleをはじめとするベンダ各社からビジネスを奪うことも可能だという。
ヤフーも動き始めています。
将来はYahooが提供するインスタントメッセンジャーのアーカイブや、アドレス帳、無料電子メールサービスにまで検索範囲が広がる予定だ。
競争ですね。それぞれのサービスを拡充する形で動き始めているようです。以下のようなことも書かれています。
デスクトップ検索は、ユーザーの囲い込みやブランドロイヤルティの向上に役立つと考えられている。そのため、ウェブポータル企業各社は、デスクトップ検索の開発に力を入れている。ウェブやインターネットアプリケーションだけでなく、PCに保管されたファイルを簡単に検索する技術を持つ企業は、Googleを追い越し、検索業界のトップに躍り出ることもできると見られる。またデスクトップ検索は検索プロバイダ各社にとって、パーソナライズされた広告を個人に配信する新しいチャネルとなる可能性もある。
マーケティングツールとして期待されているわけです。
とはいえ、全般的に思うことですが、顧客の情報を収集して、顧客の趣向に合わせて情報発信をする、というロジックは、なんだか新しさが感じられません。One to Oneマーケティングとして言われ続けてきたことです。もちろん検索会社が自分のプライベートな引き出しをごそごそ漁ることについて、セキュリティの観点からネガティブな印象もあります。便利なんですけどね。
それから、個人的な感覚では、刺激がないような気もします。自分にぴったりの情報を配信してもらえば、ありがたいとは思うのですが、なるほどね(終わり)、知ってるよ(終わり)というような情報も多いのでは? 逆に自分の引き出しにないものをおすすめされた方が、新鮮な感じがする
金曜日に同僚から「マイセン幻影」の映画をおすすめされました。自分の引き出しにないものだったので、なんだかすごく気になっています(あまりにもジャンルが違うので、まだ観てないのですが)。
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2004年12月10日
モラルとリテラシー
年末、クリスマスのイルミネーションも賑やかになってきましたが、ニンテンドーDSやPSPが発売されたり、ブラウザ関連で盛り上がったり、RSSで配信されるニュースも慌しくなってきました。11月から始めた日記も1ヶ月を過ぎて、少しずつ書き方のコツをつかんできたところ。なんとなく浮かれた気分になりがちな季節ですが、どきっとするようなニュースをみつけました。
個人が簡単に情報を発信できるということは、それだけリスクも発生することになります。自由に書けるということは、何でもかけるということと同じではない。逆に書くことを制限した方が、安心できるのかもしれません。ネタフルでも、こんな風に書かれていました。
仕事の話とプライベートを織り交ぜて書いている人もけっこういると思いますが、こういう話を耳にすると、書いていい話題、書けない話題を選別するには意外に苦労していそうな感じですね。ここまでは書けるけど、とか、この話は書いたかな、とか、気苦労も多そうです。
そうなんですよね。実は僕もすごく苦労しています。
実名や具体的な話はぜったいに書けないし、批判も書けない。そんなわけで、仕事について書くときは「考え方」まで抽象化することにしています。
これは書いてよい、これは書いてはまずい、と判断することは、ものすごく高度なモラルとリテラシーが必要になるかもしれません。僕に関しては、それほど人間ができているとは思わないので
1)腹が立っていたり、体調のおかしいときは書かない。
2)ポジティブシンキングに徹する。
3)好きなこと、面白いことだけをネタとして取り上げる。
という3原則を守って書くようにしています。でもきっと、批判的なコメントとかもらってしまうと、むかーとするんでしょうね。人間だもの(相田なんとかさん風に)。
大人になりたいです。紳士でありたい。クールで、洗練されていて、正しいことだけを書き、どんなに批判されても反論せずに、ぴしっと姿勢を崩さない。そんな人間にわたしはなりたい。なりたいのですが修行が必要です。
スラッシュドットジャパンでも盛り上がっていました。
次のコメントが面白かった。
はてなのように関係者が積極的にblogを書いているのは、毎日爆弾を抱えて歩いているようなものなのでは...
爆弾の重圧に耐えかねて辞めてしまうひともいるかもしれません。でも、僕は爆発の脅威におびえつつ、それでも書いていたい。
とはいえ、次のようなひとに比べたら、まだまだという感じがします。
"モテない女性"って書いてありますが、めちゃめちゃ美人じゃないですか。別々にブログを立ち上げていたふたりがコラボレーションしたところ、すごいことになったそうです。
たちまち、1日に3万8000ビジター、10万PVを集めるヒットになった。一時はlivedoor blogのランキングで、ライブドア堀江貴文社長のブログに次ぐ3位を記録したほど。現在はアクセス数も落ち着いてきたが、それでも日々1万5000ビジター程度は獲得している。
気が遠くなります。
実際に写真を出しているのが危険な気もしますが、ちょっとした有名人になってしまった。2ちゃんねるで叩かれたりもしたようですが、書き込む表現にはかなり気を使っているようです。
2人は、見る人にできるかぎり不快感を与えたくないと話す。たとえば、鼻に野菜をつっこんだら「食べ物を粗末にしている」と言われるだろう。農家の人は、悲しむかもしれない。
「だから、この野菜はあとでちゃんと食べましたから、と書き込んでおく」
それでも、鼻につっこんだものをあとで食べるなんて汚い、と怒る人がいるかもしれない。結局、あれこれと心配しだせばきりがなくなる。
胃が痛くなりそうです。
しかし、こんなに美人なのに鼻に野菜つっこんじゃいますか。
社会人がブログで情報発信することについて考えると、誰かの批判やネガティブな表現、会社の機密を破るような情報を発信するのは明らかにまずい。もちろん情報を発信する側がモラルとメディアリテラシーをきちんと身につけるのは当然ですが、情報を受け取る側も、もうすこし寛容になってもいいんじゃないかと思います。
ところで、ちょっとブログのテーマからは外れてしまいますが、学生や教師による婦女暴行、幼児の殺害など、どうしちゃったんだろうというニュースが最近多い。モラルはどこへ行ってしまったんでしょう。
成熟した社会が訪れることを切望します。
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2004年12月 9日
予測できない未来
先日の日記にも書きましたが、PC業界にも激変の予兆がありました。IBMがPC事業を売却することに決定。売却先は、中国最大手のPCメーカーLenovo Group。レノボグループは、Gartnerによると全世界で第9位の市場シェアを持つ企業のようですが、あんまり聞いたことがありません。
競合企業にとっては、チャンス!でしょうね。顧客の激しい争奪戦がありそうです。レノボはどういう反撃に出るのでしょうか。
DellやHewlett-Packard(HP)などの競合各社が、神経質になったIBM顧客を奪おうとする可能性が高く、さらにそれが大口契約を狙った激しい争奪戦につながる可能性もある。Dell会長のMichael Dellは米国時間7日、ここ数年のPC市場における合併の大半は失敗に終わったという見解を示したが、そういう同社は価格を武器にしてIBM-Lenovoから顧客を奪う可能性がある。HPもしかりだ。
従業員にとっては深刻な不安を生じさせるものでしょう。そりゃそうです。まさかIBMがThinkブランドを手放すとは思いませんから。
■IBM:「オンデマンドコンピューティングとPC事業の両立は困難」
「ノースカロライナで働いている人間は、全員がとても動揺している」とある情報筋は語った。
ところで、先日ノートパソコンを買い替えるにあたって店頭をまわったのですが、最近は白い筐体のPCが多い気がしました。それに対してIBMのPCは黒くて無骨な感じ。どこか精彩に欠ける印象を持ちました。もちろんその重厚感がブランドとして人気のあった時代もありましたが、やはりどこか転換期が訪れていたのかもしれません。
未来は予測できないものです。
サンのCEOも「とにかく、今から50年後を想像するのは非常に難しい」と述べているようです。*1
ただ、未来は創造することができる、かもしれません。
以下のコミュニティに参加してみましたが、非常に勉強になります。恐れを知らないので投稿までしちゃいました。ブログを横断するコミュニティという感じなのですが、とても鋭い切り口からの記事を読むことができます。
■FPN~未来を創造するプロフェッショナルたちのネットワーク
最新の記事でIBMについて言及されていました。
■ブランディング : レノボって何?PCからIBMブランドが消える日
IBMのThinkPadは質実剛健、象が踏んでも壊れないので有名で、私の知り合いも多くの人が愛用しています。
ある人は、一度ThinkPadをマンションの階段で落としてしまい、上から下まで縦に転がったのに、なんとスイッチが入ったという奇跡を目の当たりにしてからずっとThinkPadだそうで。
なるほど。品質が保障されているわけですね。Thinkブランドの動向を追ってみたい気もします
*1:「サンCEOのマクニーリ、加工写真にまんまとだまされる」 http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20079568,00.htmという記事からの引用です。えーと、これはちょっと余談的ではありますが、講演に使った1954年当時の人がコンピュータを想像した写真は、潜水艦をバックに撮影した合成写真だったようです。このタイトルはちょっとひどい気もしますね。とにかく、写真にしても記事にしても引用するときには、まずその信憑性を疑ってみる必要はあります。
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2004年12月 8日
アイディアは組み合わせ
午前中から外出して、2社の方と非常に濃いミーティングをしました。インターネットを使えば、ある程度の情報収集はできるのですが、やはり知識のある方と実際にお話をすると刺激になります。ひとりで机の前にしがみついていても企画はできないなあというのを実感しました。それにしても社外に目を向けると、すごいひとが多い。頑張らねば。
ミーティングしていて面白いなと思ったのは、うちの会社とお話している会社のサービスをくっつけるとどうなるだろう、あれとこれをくっつけるとどうなるだろう、という発想方法でした。
ブログと動画をくっつけるとどうだろう。
リサーチとブログをくっつけるとどうだろう、とか。
SNSやブログに関しては、ビジネスとして採算性がみえないところもありますが、継続して動向をキャッチしていくことが重要かもしれません。それで既存あるいはまったく新しいなにかとくっつける。くっつけるための選択肢が多ければ多いほど、アイディアも広がります。
ところで、組み合わせから発想するということで思い出したのですが、もうアドマンやプランナーの定番の教科書、ジェームズ・W・ヤングの本で語られていました。まったく新しい発想なんてものはなくて、既存の要素を組み合わせることで良いアイディアができる。大事なことは「つねにそれを考えていること」です。
机の上にこの本をみつけたので、もう一度読み直してみます。
アイデアのつくり方 阪急コミュニケーションズ 1988-04-08 by G-Tools |
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2004年12月 7日
波及させる力。
エバンジェリストという言葉はMacintoshが普及するときによく使われていたという印象がありますが、よいものを誰かにすすめたくなる、というのは、人間の心理として当然のような気がします。逆に悪いことも伝わりやすい。
「バズ」として、バイラルマーケティングなどの手法も一時期注目されていました。ただ口コミは、伝播する速度や範囲の面でマス広告にはかなわないんじゃないかとも思います。もちろん、うまく火をつけてあげれば、わっと短期間で広範囲に広めることも可能ですが。
昨日も取り上げましたが、Firefoxはユーザーの募金によって全面広告という展開をしました。これは、口コミ×マスコミという効果があったのではないでしょうか。さらにPR効果もあった。すごいです。
こんな調査結果もありました。
広告業界としては表面的には面白くない結果ですね。ただ、この記事にもかかれているように、以下の部分についてはチャンスでもあります。
Adtechの調査結果は、オンライン広告業界に重大な影響を及ぼす可能性がある。この調査結果は、オンライン広告からの収入に頼っているニュースサイトにとっては有り難くないものかもしれない。Firefoxユーザーの数が増えるほど、広告のクリック率が下がる可能性があるからだ。しかしその一方で、Hallowellの説が正しいとすれば、Firefoxユーザーのクリックは他のユーザーのものよりも価値があるということにもなり得る。
手当たり次第に配信する広告よりも、きちんと届いたか、ということが重視される。広告主としても、きちんと届いている媒体にお金を払いたいものです。
広告のつくり方も変わるかもしれません。クリエイティブがよければいい、とか、かっこいいビジュアルがあればいい、とか、とりあえずばらまいちゃえ、とか、企業がパワーで主張するような広告は逆に見てもらえなくなってしまうのかも。
メディアが進化して、恐竜のように絶滅していく種もあるのでしょうか。こんな記事もありました。
以下の部分はなるほど、と思いました。活字離れが進んでいるわけではない。自分のことを考えてみても、最近、書籍はあまり読まなくなったのですが、一方でテキストを読む量は飛躍的に増えている気がしました。
若者の活字離れが進んでいるから、というのもまったく的外れだ。その反対に、若者の多くはむさぼるように読んでいる。だが、情報は無料であるべきだという信条の下で育ってきたために、ニュースにお金を払う理由を見いだせない。その代わり、ワシントン・ポスト紙のウェブサイトにアクセスするか、『Googleニュース』で文字通り何千、何万というソースから情報を選んでいる。『RSS』形式で配信される最新情報(RSSフィード)を携帯情報端末(PDA)で受け取る人もいれば、自分と同じ意見を持ったブロガーのサイトを訪れる人もいる。要するに、若者たちは情報収集という行為をカスタマイズしているわけで、それは1種類の紙の出版物だけでは絶対にできないことだ。それに、新聞紙を触って手が汚れる心配もない。
アクティブコンシューマーなどという言い方もありましたが、能動的に情報を取得しようとするひとたちをどのように掴んでいくか。AIDMAじゃなくて、AISASという考え方もありました。検索(Search)して、情報を共有する(Share)ことが大事になる。
企業が情報発信するときには、このような動向は見過ごせません。情報を能動的に収集するひとたちを波及させる力に変えていくことが、必要になってくるのかもしれません。
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2004年12月 6日
懐かしさと新しさ
土曜日、大学時代の友人と久し振りに会いました。いわゆる同窓会ってやつです。友人たちはどこか学生時代のままで、時間の流れが止まってしまったような感じさえしました。
とはいえ、まったく同じということはなくて、それぞれが家庭を持ち、仕事では苦労しているだろうし、難しい資格を取得するなどスキルアップして独立したひともいる。変わらないようにみえても、僕等は少しずつ変わっている。学生の頃と比べると、生活を推進するためのエンジンを強化している(もちろん衰えちゃってるエンジンもありますけどね。残念ながら)。
Firefoxの登場でブラウザ関連が熱い、ということは以前にも日記に書きましたが、そのなかで懐かしいと感じたのが、ネットスケープの復活です。ちょっと古い記事ですが。
■Netscapeの新ブラウザは、FirefoxとIEの「どっちも採り」
米西海岸時間30日午前8時の時点で、Netscapeファンらは、2つのブラウザエンジンを積むNetscapeのプロトタイプを試運転している。この新ブラウザでは、MozillaやFirefox、古いNetscapeブラウザを動かすMozilla FoundationのGeckoエンジンと、多くの人々が事実上のウェブ標準と考えているMicrosoftのInternet Explorer(IE)エンジンを切り替えて使える。
2つのエンジンを積んでいるんですね。IEの人気が落ちている現状はチャンスなので、ちょっと頑張ってほしい気もします。「ネットスケープってまだあったんだ。懐かしいね」という復活ではなく、新しい力として再生してほしい。ただ、やっぱりIEも次の手を考えているとは思うのですが。
いちばん勢いにのっているFirefoxは、募金で全面広告を打っているようです。
■米MozillaのWebブラウザ「Firefox」、募金でドイツの新聞に全面広告
米メディアの報道(CNET News.com)によると、欧州の募金キャンペーンでは、2403人から9万3000ドル以上の寄付が集まり、その大半を全面広告の費用にあてた。広告には、寄付者全員の氏名が載っている。同キャンペーンでは当初、3000~3500人の支援を見込んでいたが、「米国でのキャンペーンの方が早かったので、すでにドイツからも多くの人々がそちらに寄付をしたあとだった」(募金キャンペーン・サイト立ち上げに参加したHagen Merzdorf氏)
コミュニティが全面的に支援しているとのこと。広告に氏名を掲載するということは、「私はFirefoxを支持します」という宣言になります。これはメーカー側からの情報発信ではなくて、ユーザーが主体となった情報発信です。
環境はどんどん変わっていきます。過去を懐かしむとともに、新しい何かをやりたい。ブラウザだけでなく人間であるぼくらも、新しいエンジンを積むとか、インターフェースをリニューアルするとか、変わっていきたいものです。
「仕事」と「家庭」というのも、ある意味ふたつのエンジンで動かしているものですが、「仕事」と「趣味」とか、エンジンを切り替えられるぐらいの余裕がほしい。ブラウザにしても、ぼくらにしても、そういう多層的な価値を持つことが必要になってくるような気がします。なんだか人生論になっちゃいましたが(笑)。きっと同窓会で古い友人に会ったせいでしょう。
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2004年12月 3日
攻撃は最大の防御なり?
昨日ノートパソコンを新しく購入しました。
店頭ではちいさく見えたのに、家に帰ってみると意外にでかい。ユーザー登録や初期設定をしたのですが、まず対処しておかなければならないのがセキュリティですね。某社のソフトが入っていましたが、何しろ夏モデルなので定義ファイルが古い。ウラシマ状態になっているため、玉手箱を開けてあげる必要があります。でも、結局面倒くさくなってやめちゃいました。やらなくちゃ。
フィッシングという、インターネットのおれおれ詐欺みたいな(違うか)手口が増えてきているようです。そして、おれおれ詐欺が知能犯として欺く手口をより高度化させていくように、フィッシングも新たな手口を使うようになっていくとのこと。
■フィッシングの新手口が出現--グーグルなどの検索ユーザーを狙う
これまでの詐欺犯は通常、信頼できる企業の名を語ったメールをユーザーに送りつけ、偽のサイトに受信者をおびき寄せていた。そこで受信者が入力してしまったユーザー名やパスワードが悪用される。しかし、CyberGuardの米国時間1日付けの発表によると、今度は、もっともらしく見えるEコマースサイトを作り、商品画像へのリンクと偽って悪質なソフトウェアへのリンクを表示する犯罪が増えているという。
どうやら偽のサイトを作って、商品の写真などをクリックした途端にウィルスを送信、個人情報を盗み出すらしい。怖い。
ところで、ひたすら迷惑メールなどを送りつけてくるスパムも困りますが、不謹慎かもしれませんが、なんだか面白かったのがライコス・ヨーロッパの「スパム撃退スクリーンセーバー」です。
迷惑メールを送りつけてきた業者のサイトに、逆にアクセスを繰り返して攻撃するとのこと。
スクリーンセーバーの画面上には、世界地図が現われて自分と「敵」の位置が分かり、ミサイルを撃ち込んでいるような放物線が描かれる。「攻撃」したサイトのアドレスや、自分の命中回数、全体の成果が刻々と表示される。
面白いです(笑)実際に見たかったのですが、みんながサイトにアクセスしているためか(改ざん疑惑もありますが)見ることができなかった。その後、いろいろと話題(あるいは物議)をよんでいるようですね。
■Lycos Europeのスクリーンセーバ攻撃で一部サイトがダウン
Lycos Europeでは、コンピュータの空き時間を利用してブラックリストに載ったスパムサイトにDDoS攻撃を仕掛けるスクリーンセーバを配布している。Netcraftではこの攻撃のターゲットとされた中国のサイト3カ所のうち、「bokwhdok.com」と「printmediaprofits.biz」の2サイトがスクリーンセーバからの攻撃を受けてダウンしたと伝えた。
中国を攻撃しちゃいましたか。で、ダウンさせたと。やっちゃいましたね。
実際の戦争に比べるとなんだか和やかな感じもしますが、この攻撃が発端となって、リアルな世界の紛争なんかに発展しないといいんですけど。
ただし、なんだかわかる気もします。
僕は基本的に平和主義者(のつもり)なのですが、自分の世界の平和を乱すようなやつらには徹底的に攻撃したくなる。やっつけたくなる。
とはいえ、喧嘩両成敗ではありませんが、暴力をふるった途端に同じレベルになってしまうような気がします。どんなに正義であると主張したとしても、攻撃したことには変わりがない。
F-Secureは30日、「法的な問題が生じる可能性」があるとして、Lycosのキャンペーンには参加しないようユーザーに警告した。
攻撃は最大の防御なり、なのでしょうか。
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2004年12月 2日
ハードウェアの行方
任天堂からニンテンドーDSが本日発売です。米国では10日ほど早く発売されたようですが、既に昨日50万台を突破とのこと。日本では12月12日にPSPも発売予定。クリスマス商戦のひとつのネタとしてゲーム機が盛り上がりそうです。
同社は、「AppleのiPodが19カ月かかった100万台の記録を、ニンテンドーDSは北米だけで年内に達成する見通し」としている。
iPodの記録を塗り替えちゃいますか。すごいですね。
プロモーションの側面からみると、宇多田ヒカルさんを起用したCMは賛否両論あったようですが、個人的には気に入っています。プロモーションサイトも力が入っている。タッチパネルが大きな特長ということで、Touchというコンセプトを据えて、いろんなひとが触ったときの驚きを動画で公開しています。サムネール風のものがばっと画面いっぱいに広がって、ついつい「このひとはどんなリアクションをするだろう?」という感じでクリック(Touch)してしまう。
製品のコンセプトと、プロモーションのコンセプトがきちんと貫かれているとそれだけで気持ちがいい。
DSはダブルスクリーンの略だったかとおもいますが、液晶が2枚あります。CPUもARM9とARM7を1つのチップにまとめたデュアルコアなんですね。PC Watchでハードウェアを早速分析(いや分解?)していました。
急に大きく話題がとぶのですが、インテルやAMDもデュアルコアの戦略を推進しようとしています。CPUも液晶も1個売るより2個売った方が儲かる、という単純な商売としての算段もあるかもしれませんが、クロックの競争から効率的な処理という方向に進んでいるようにも思います。
とはいえ、数年後のことはわかりません。PCに関していえばこんな雲行きの悪い予測も。*1
パソコン市場は、2005年まで更新需要が続き、好調が維持される見込み。しかし、2006年以降は出荷台数の伸びが急激に鈍り、上位企業でも生き残りは苦しくなる。両社のほか、米デル社、富士通・シーメンス、東芝、台湾エイサー社、NEC、米アップルコンピュータ社、中国の連想社、米ゲートウェイ社の上位10社が、いずれも楽観できないという。
情報家電的な方向への転換が本格的になるのかもしれません。MP3プレイヤー、デジタルカメラ、フォトビューワーなどが統合されつつありますが、ゲーム機やPCなどのハードウェアの行方が気になります。
*1:米ガートナー社の29日(米国時間)発表によります。米IBM社と米ヒューレット・パッカード(HP)社も、パソコン事業を本体から切り離す可能性があるので、ユーザーは生き残るメーカーの見極めが重要になるとのこと。2005年までは好調のようですが、その後は激変する予測です。なんだか平穏な時代になってほしいのですが落ち着きません。やれやれ。
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2004年12月 1日
ブログ元年
とうとう12月。今年もあと1ヶ月で終わろうとしています。去年も言われていたようですが、今年は「ブログ元年」。いろんな動きがありました。そしてこれからも活発化していくようです。
29manさんのブログで、アメリカで流行語大賞の第1位は「blog」だったという記事がありました。J-Waveでジョン・カビラが言っていたとのこと。*1
■アメリカでの今年の流行語大賞決定!第1位はやっぱり「blog」
ブッシュがケリーとの公開討論会において隠しイヤフォンをしながら挑んだ疑惑など、数々の批判や議論をどこのメディアよりもいちはやくとりあげたのがブログだったとの事。ブログがどんなメディアよりもリアルタイム性の高いことがアメリカでは大統領選挙という世界的に関心の高いスーパービッグイベントで証明されたようですね。
大統領選における効果が注目されたんですね。選挙、災害など社会的な場面でメディアとしてのブログは強い気がします。
追記として、検索用語でも「ブログ」がいちばんだったという記事があります。関心がもたれているという証明でしょう。
外国の話題からは、こんな記事も。
アップルらしい。学生やクリエイターをまず刺激する。そうしてとんがったひとたちからまず取り込んでいく。iPodで勢いづいていますが、こういうアップルらしい展開をしていただくと、なんだか嬉しい気がします。*2
ビジネスブログの動向なども追いかけているのですが、同時に大学のブログなども面白いと思いました。
ちょっと古いのですが、慶應義塾大学なんかはミスコンをブログでやっていましたね。
■2004 Miss Keio Contest Official BLOG @ Excite
写真だけ、イベント会場で見るだけ、のミスコン応募者の日記が読めるということで親近感があります。撮影した写真も評価の対象になったりして。美しさはもちろん文章や写真による知性や表現力を総合的にみるという点が、こういうコンテストにも向いている気がしました。
梅花女子大学や多摩大学でも、力を入れている気がします。少子化社会なので、大学のプロモーションという意味でも効果的ではないでしょうか。
若い世代が次々と育ってくる気がします。期待するとともに、僕等も頑張らなければ。しかし、ブログを書いていて気になることがあります。ネタ切れです。これについては、百式の田口さんがヌーベルブログで対処方法のサイトを引用されています。ジョークっぽいんだけど、実は的を得ています。
個人的に最も頷けるのは最後の対処法ですね。僕も30分という時間制限を設けていますが、仕事はゲーム感覚でやるのがいちばんです。
と5分でこの一段落書けなかったら俺はアホだ!と心の中で(たまに口から漏れるが)叫びながらやる。必要に応じて1分にしたり3分にしたりもします。やらなくちゃいけない仕事はゲームにしてしまうとやる気が出ます。
ははは。さすが百式で濃い情報を配信されている田口さんだけに、注目するサイトが違いますね。見習わなくっちゃ。
*1:29manさんはビーコンという超有名な広告代理店にお勤めですが、ホリスティック・マーケティング及びホリスティック・コミュニケーションのプランニングを得意としていきたい、と書かれているのに注目いたしました。ブログで学ばせていただきます。
*2:こちらは織田さんのブログから。nikkeibb.jpで紹介されている欧米の企業ブログの動向も参考になりました。http://nikkeibp.jp/wcs/show/leaf/CID/onair/biztech/rep02/335222 ヌーベルブログでも記事を書かれていますね。
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