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2004年12月 7日
波及させる力。
エバンジェリストという言葉はMacintoshが普及するときによく使われていたという印象がありますが、よいものを誰かにすすめたくなる、というのは、人間の心理として当然のような気がします。逆に悪いことも伝わりやすい。
「バズ」として、バイラルマーケティングなどの手法も一時期注目されていました。ただ口コミは、伝播する速度や範囲の面でマス広告にはかなわないんじゃないかとも思います。もちろん、うまく火をつけてあげれば、わっと短期間で広範囲に広めることも可能ですが。
昨日も取り上げましたが、Firefoxはユーザーの募金によって全面広告という展開をしました。これは、口コミ×マスコミという効果があったのではないでしょうか。さらにPR効果もあった。すごいです。
こんな調査結果もありました。
広告業界としては表面的には面白くない結果ですね。ただ、この記事にもかかれているように、以下の部分についてはチャンスでもあります。
Adtechの調査結果は、オンライン広告業界に重大な影響を及ぼす可能性がある。この調査結果は、オンライン広告からの収入に頼っているニュースサイトにとっては有り難くないものかもしれない。Firefoxユーザーの数が増えるほど、広告のクリック率が下がる可能性があるからだ。しかしその一方で、Hallowellの説が正しいとすれば、Firefoxユーザーのクリックは他のユーザーのものよりも価値があるということにもなり得る。
手当たり次第に配信する広告よりも、きちんと届いたか、ということが重視される。広告主としても、きちんと届いている媒体にお金を払いたいものです。
広告のつくり方も変わるかもしれません。クリエイティブがよければいい、とか、かっこいいビジュアルがあればいい、とか、とりあえずばらまいちゃえ、とか、企業がパワーで主張するような広告は逆に見てもらえなくなってしまうのかも。
メディアが進化して、恐竜のように絶滅していく種もあるのでしょうか。こんな記事もありました。
以下の部分はなるほど、と思いました。活字離れが進んでいるわけではない。自分のことを考えてみても、最近、書籍はあまり読まなくなったのですが、一方でテキストを読む量は飛躍的に増えている気がしました。
若者の活字離れが進んでいるから、というのもまったく的外れだ。その反対に、若者の多くはむさぼるように読んでいる。だが、情報は無料であるべきだという信条の下で育ってきたために、ニュースにお金を払う理由を見いだせない。その代わり、ワシントン・ポスト紙のウェブサイトにアクセスするか、『Googleニュース』で文字通り何千、何万というソースから情報を選んでいる。『RSS』形式で配信される最新情報(RSSフィード)を携帯情報端末(PDA)で受け取る人もいれば、自分と同じ意見を持ったブロガーのサイトを訪れる人もいる。要するに、若者たちは情報収集という行為をカスタマイズしているわけで、それは1種類の紙の出版物だけでは絶対にできないことだ。それに、新聞紙を触って手が汚れる心配もない。
アクティブコンシューマーなどという言い方もありましたが、能動的に情報を取得しようとするひとたちをどのように掴んでいくか。AIDMAじゃなくて、AISASという考え方もありました。検索(Search)して、情報を共有する(Share)ことが大事になる。
企業が情報発信するときには、このような動向は見過ごせません。情報を能動的に収集するひとたちを波及させる力に変えていくことが、必要になってくるのかもしれません。
投稿者 birdwing : 2004年12月 7日 00:00
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