2005年3月31日
Consumer-generated media
リコメンデーション・エンジン*1、について考えていたのですが、どうも気分がノリません。はっきり言ってしまうとITバブルの後遺症みたいなものじゃないでしょうか。理論先行のアタマでっかちな印象もあります。いやあデータベースが売れればいいんです、というSIの顧客を無視した思惑があるような気もする。
じゃあ、どういう考え方がいいのだろうと考えを巡らせていたところ、Consumer-generated media(CGM:消費者制作メディア)に至りました。
昨年の9月なので、記事としては古いものになりますが、Nikkeibp.jpで織田氏がConsumer-generated mediaの可能性を書かれています。
■Webマーケティングの近未来 第4回~Consumer-generated mediaとマーケティングの現状(その1)
つまり、個人や小さな団体が、ある分野に関して不特定多数の人に対してインフルエンサーとなり、プロモーションしてもらえ、検索エンジンなどを使って見つけてもらえるメディアを持つ環境が出現したと言えるだろう。そして、マスメディアのサイトと、その分野については対等に渡り合える。いや、Intelliseekの調査によると、90%のユーザーは、他の個人の意見に信頼をおいている、ということであるから、個人のブログの方が影響力が強いということが言えるかもしれない。
自分のことを考えても、上記の指摘は納得できます。
実は先週、SNSで足跡を辿ったら映画を監督されている方がいて、サイトをみたところ面白そうなので渋谷のシアター・イメージフォーラムまで観にいってきました*2。こんな「足跡プロモーション」も有りだな、と思いました。地道にビラを撒く作業に似ているのかもしれませんが、振り向いてくれる可能性は高い。
昨日は、やはりある方からインディーズCD+DVDのショートフィルムに出演してアルバムが発売、ということを聞いたので、新宿のHMVでそのアルバムを購入*3。影響されやすいのかもしれませんが(泣)
ひねくれものなので、僕の場合は特殊かもしれませんが、TVなどで「これおすすめです」というものより個人(知人ならさらにOK)が「作った」ものに惹かれる傾向がある。とはいえマスを無視しているわけじゃなくて、結局昨日はインディーズCDといっしょに、店頭でチャート1位の棚に置かれていたニューオーダーの新譜も買ってしまった。へえ、1位なんだ、と思ったことと、視聴したら割合よかったので購入したわけです。
たとえばメディアというのは、大きくなければいけない(=多数に影響を与えなければいけない)というマス発想が前提にあります。企業としてはより多くの利益を追求しなければならないので、多くの消費者に届くこと、購入していただくことは重要です。しかし、まったく違う方向のメディアとなるのが、ブログやSNSという気がしました。
さらに考えを深めていくと、ブログやSNSは、商品についての在り方も変えてしまうかもしれない。
多品種少量生産という顧客重視の発想に基づいたマーケティング手法がかつてありました。これは消費者が欲しいものを細分化して生産する、ということです。私見ですが、次には「欲しいものがないから自分で作っちゃえ」になるのではないか、と。つまり商品や情報を「作り出す」のがメーカーではなく消費者自身になっていくのじゃないかと考えます。行きすぎの考え方かもしれませんが、インディーズや自費出版が進化した形として、消費者がアーティストやジャーナリストになる。P2Pのような流通方法になって、生産者でありながら消費者にもなる。
ブログに関連するメディアの構造については、テクノクラティの佐藤氏のまとめた資料が、非常にわかりやすく参考になりました。
一昨週の日経新聞に、大手広告代理店がブログ向け広告ビジネスに乗り出すと言う記事が載っていました。それを読んでちょっと「えー!?」と思ったのは僕だけでしょうか?
彼らは既存メディアの既存のやり方でブログをメディアとしてかんがえているのでしょうか?ここにアップした資料はあくまでも私論ですが、数年ブログと言うものに関わってきた経験から感じている事を少しブログメディアの本質って何だ?と言う側面からまとめてみたものです。
佐藤氏はブログを「メディアブログ」「ニッチブログ」「パーソナルブログ」の3つに分類しています
この佐藤氏が別にまとめたブログ動向などを引用しながら、FPNの管理人である徳力氏は以下のような記事を書かれています。
丁度米国では、「米AOL、10代の若者向けにプライバシー制御機能付きブログサービス」を開始するというニュースもありましたが、今後は「大きな影響をもつブログ」を目指したい人は公開のブログ、「日記系のブログ」で一部の人とコミュニケーションしたい人はmixi日記やAOLのような公開制限のできるブログ、という流れができてくるのかなぁと感じたりします。
非常にわかりやすいと思いました。そして、実際にその通りになっている気がします。ブログ=日記、というイメージは個人的には既になくなりつつあって、コミュニケーションツールだと思っています。だから誰も反応してくれない「日々の独り言」を書いていても続かない、次第にやめてしまうんじゃないだろうか、と思います*4。
さらに付け加えるとすると、いま「心脳マーケティング」という本を読んでいるのですが、この本のなかで、マーケッターはすぐ1か2かという形に分類したがるが、人間の心や世の中の仕組みはそんなにデジタルなものではない、1でも2でもあるという状況がある、というようなことが書かれていました。実際に僕の場合にも、インディーズCDを購入すると同時にヒットチャートの1位も買っている。影響を与えたという意味では、SNSも店頭のPOPも同等なわけです。
とりとめがなくなってきましたが、「個人の閉ざされた日記でありながら、つながっているひとには多大な影響を与える。そのひととつながることがステータスになる」という徳力氏の分類をクロスオーバーしたものも考えられそうです。ちょっと宗教的な感じがして怖いですが。
ともあれ、「マス」と「個人」。「理系」と「文系」。「技術」と「芸術」。
そんな分野を横断した「組み合わせ」に僕は期待しています。
+++++
*1:ECサイトなんかによくある「この商品を買っているひとはこんな商品も買っています」というやつですね。ファーストフード店では「ポテトもいかがですか?」という売り方をしていますが、ファーストフード店の場合、マニュアルにしたがって店員が機械的におすすめしているのに対して、リコメンデーション・エンジンは購買履歴のデータベースからおすすめをチョイスします。おせっかいという意味では、どっちもどっちという気もしますが、参考になることもある。書籍を購入するときなどでは、結構重宝しています。
*2:アナライフという映画です。
http://www.analife.com/
*3:イズミカワソラさんの『Scene Vol.1』です。
http://www.sorasora.com/cd.html
*4:その独り言を5ヶ月も続けているのがこのブログなんですけど。
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2005年3月30日
27の桁違い
個人情報保護法の4月からの施行直前に、みずほ銀行が27万人の個人情報を紛失した、というニュースがありました。27万人! 流出しすぎです
紛失した資料の多くは専用機がないとデータを読み出せないCOM(フィルムネガのような内部管理資料)やマイクロフィルムであったこと、各店舗で資料が数枚ずつなくなっていたことなどから、誤って廃棄した可能性が高く、外部へ情報が漏洩する可能性はきわめて低いとしている。なお、これまでに顧客からの照会や同行に対する不正要求などは起きていないとのことだ。
信頼がいちばん大事な銀行で、お客さんの情報をそんな風に扱っていたのか、というネガティブなイメージは払拭できません。それが、通常業務では使われていない情報だとしても、です。
PDFで支店別の情報が開示されていました。
http://www.mizuhobank.co.jp/company/release/2005/pdf/news050330.pdf
実は僕もみずほ銀行のユーザーです。
調べてみると自分が預けている支店では問題がなかった。振り込み用の口座で、ほとんどお金も預けていないのですが、ちょっとだけほっとしました。
しかし、ほんとうに紛失したんでしょうか。誰かがこっそりとリスト業者に売ったりしたのでは? 疑いはじめると、どこまでも疑ってしまう。紛失したことを隠しておくのではなくて、情報を開示する姿勢はよいと思うのですが、開示したことによって生じるリスクも大きいですね。
信頼というものは、一度失ってしまったら回復させるのが大変なものだ、ということをあらためて感じました。
ところで、情報流出のトラブルとしては他にどんなものがあっただろう、と検索してみたのですが、以下のような記事をみつけました。
■総務省から個人情報流出 一般募集モニター27人の間で
総務省関東総合通信局は29日、情報通信についての行政施策に反映させるために一般から募集している個人モニター27人分の氏名とインターネットメールアドレスが、対象となったモニター27人の間に流出したと発表した。
同じ27なのですが桁が違います。27万人の個人情報流出というニュースを読んでしまうと、27人ぐらいならまあいいか、と思ってしまう。ほんとうはよくないのですが。
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2005年3月29日
命名は難しい。
名は体を現す、といいますが、ブランディングの観点からみてもネーミングは大事です。
というのは別の商品の話だけでなく、子供の名付けも同じ。
僕には2人の息子がいるのですが、1人目の時には命名ソフトで検索しまりでした。ぜったいに女の子が欲しかったので、女の子の名前の候補ばかりを抽出していた。男の子のほうは1つしか考えていなかった。ところが生まれてきたのは男の子だったので、その唯一の名前に決定したわけです。僕と2人の息子ともに、うちの男どもは画数が同じ。漢字は1文字で、左側のつくりは同じ水に関するつくり、ローマ字表記にすると息子たちは同じ文字数と、どうでもいいことにこだわっています。家族の「ブランディング」ですね、これは。
さて。商品の場合には、もう少し面倒なようです。
メディアプレイヤー未搭載版Windowsの名称ですが、欧州委員会から難色を示されて名称が変更されることになりました。
■マイクロソフト、メディアプレイヤー未搭載版Windowsの名称を変更へ
これまでMicrosoftは、この製品の名称を「Windows XP Reduced Media Edition」としたいと考えていた。しかし今回「Windows XP Home Edition N」もしくは「Windows XP Professional Edition N」という名称に変更されることが決まった。
欧州委員会から独占的である、メディアプレイヤー未搭載のWindowsも売りなさい、という指摘を受けて、しょうがないなあという感じで命名した気持ちが「Reduced」という挑戦的な名前に表れている気がしました。「そういうこと言うから外したんでしょ、外したんだからこれでいいじゃん」という。確かにネガティブなイメージはあります。でも、わかりやすいし、機能的にはその通りではないでしょうか。消費者にとってはかえってやさしい気もします。あ、これは入ってないんだ、という。
Microsoftはほかにも、「Windows XP Not Incorporating Windows Media Player」「Windows XP/N」「Windows XP/B」などの名称を提案していた。
名称のかっこよさからすると(安易ですが)「XP/N」の方がよいと思います。でも、混乱を招くかもしれませんね。
以前には、こんな記事もありました。
命名コンサルタントのローレル・サットン氏は次のように語っている。「そもそもMicrosoftが選んだReduced Media Editionという名称は、明らかにEUに対する大胆な挑戦だった。同社は、劣等の製品であるかのような印象を与えない名称を付けるよう、はっきりと要請されていた」
命名コンサルタント、という職業があるんですね。
同氏によれば、Reduced Media Editionという名称は誤ったメッセージを伝える。「この名称の最大の問題は、メディアプレーヤーを取り除いたバージョンというようには聞こえない点だ。Reduced Mediaという言い方は明らかに、このOSが一部のタイプのメディアを再生できないような印象を与える」と同氏。
それはその通りです。コンサルタントの方としては「Open Media」「Media Player Choice」などがよいだろうとのこと。確かに比べてみると、これなら前向きな感じがします。
でも次のコメントはどうでしょう。
サットン氏は、Microsoftには命名の戦略が欠けているようだと指摘している。OutlookやPowerPointのように、何かを連想させるような興味深い製品名もあるが、WordやOfficeなどの製品名は、いたって基本的で説明的だ。
私見ですが、それがマイクロソフトらしさ、だと思います。
合理的で、ちょっと冷たい印象もある。家で使うと殺伐とした感じもあるけれども、ビジネスソフトなのだから機能的な名称で十分です。基本的で、本質をついているネーミングの方がいい。
ちょっと考えてみると、日本市場向けに「文書作るくん(Word)」「プレゼンおまかせくん(PowerPoint)」と命名されても困ります。
「ちょっと、このプレゼンおまかせくんのさ、グラフ直してくれない?」
「いや、僕のプレゼンおまかせくんはMacのバージョンだから互換性ないですよ。文字崩れちゃいますよ」
などという会話をしていたら、脱力して仕事するのが嫌になっちゃいます(そんなソフトも実際にありそうですが)。
とはいえ、IT音痴の経営者にとっては親しみやすくていいだろうし、楽しいネーミングは日本のオフィスを楽しくしてくれる、のかもしれません。時には遊びも必要です。仕事の潤滑油として。
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2005年3月28日
思考するコンピュータ
午前中は会議、そして午後から資料作成、打ち合わせと慌しく動いていました。打ち合わせといっても、創造的な打ち合わせのためには、自分の引き出し(頭のなかのデータベースでしょうか)にある情報にセンサーを走らせてひらめくことが重要になる。結構、集中して臨むのでくたびれます。
先日、判断と決断の違いについて、情報が十分あるところで選択するのが「判断」、情報不十分のところで選択するのが「決断」ということを書きましたが、決断するためには「直感」というのも重要な要素です。確か野口悠紀雄氏の「「超」発想法」にも、最終的に情報を選ぶのは「直感」ということが書いてあった気がします。この「直感」こそが、人間の最も優れた能力である、と。
ところが、本日、IBMが脊椎動物のような思考を持たせる手法を開発、という記事がありました。
■IBM研究者、動物の思考に類似したコンピュータアルゴリズムを開発
IBMのバイオメトリカル・コンピューティングチームのCharles PeckとJames Kozloskiは、「ミニ円柱(minicolumn)」と呼ばれる大脳新皮質の小型円柱組織の働きを真似る数学的モデルを作り出したと発表した。ミニ円柱とは、ニューロン(神経細胞)からの刺激をまとめる組織の細い糸の集合を指す。この研究がさらに進めば、やがてロボットが人間のように「認識」し、センサーから得た情報を利用して適切な判断を行うことになるかもしれない。
従来からAIということは言われています。この、「ミニ円柱(minicolumn)」と呼ばれる大脳新皮質の小型円柱組織の働きを真似る数学的モデル、というのがさすがによくわからないのですが、人間的な認識ができるようにもなるのでしょうか。
自然界にヒントを求めるコンピュータ研究者は過去2年間にますます多くなっている。PalmOneの創業者であるJeff Hawkinsは、人間の脳と同じような思考プロセスを利用するシステムを販売するために新しい会社を立ち上げようとしている。一方、Intel共同創業者のGordon Mooreは先ごろ、新たに設計し直さないかぎり、コンピュータが人間のように思考できる可能性は低いと述べていた。
この最後の部分も面白いと思いました。なんだかSFみたいですが。
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2005年3月25日
創造的であるために
春。ということで、日曜日に髪を茶色にしてみました。一年ぶりです。髪の色が軽くなるとちょっとだけ気分も軽くなる。ところが家に帰ると、2歳の息子にすーっと目をそらされました。しばらくは目を合わせてくれなかった。さすがに数時間後には普通に接してくれるようになったのですが、なかなか面白い反応でした。
そんな風に、新しいものに接したとき、僕等は目をそらしがちです。
どうしても今までのやり方や、慣れ親しんだものの方がよいと思ってしまう。
お決まりの日課、お決まりの通勤経路など、日々の生活では慣れ親しんだルーティンワークのなかに閉じこもりがちになります。ここまで、と線を引いたサークルから出てこなくなる。そうして、おや?と思うことがあっても、まあいっかと諦めてしまうし、そもそも疑問にさえ思わなくなる。面倒だからこれでいいじゃん、と。
でも、ある意味、破壊が必要なのかもしれません。
髪の色を変えるなどというのは、小市民的な変化に過ぎませんが、アタマのなかも一度壊してみる必要がある。これでいいのか?と疑ってみる。もっと他にやり方がないのか?と考えることは必要です。ブログもそうかもしれません。継続は力なり、といいます。確かに続けていくことは重要ではありますが、更新ばかりを意識して、あまり内容にまでこだわらなくなる。そんなときは、一度がしゃーんと壊してみることも必要でしょう。
とはいえ、なんでもかんでも壊せばいいってもんじゃありません。
何のために壊すのかというと、新しいものを創造するための破壊なわけです。破滅的に破壊しても意味がない。
そんなときに思い出すのはビートルズの話です。社会人バンドを趣味で楽しんでいた時期があり、仲間がよくこんな話をしてくれました。
ビートルズの登場は画期的であり、当時としては新しい音楽だったのだけれど、彼等がやっていたことは決してまったく新しいことではなかった。彼等は黒人のR&Bが大好きで、黒人っぽい音楽に憧れていた。ところが白人である彼等が黒人の音楽をやっても、どういうわけか黒人っぽくない。でも、その白人と黒人の組み合わせが、新しい音楽を生み出した、と。いまにして思えば、エレキギターを抱えながらネクタイにスーツ、という組み合わせも個性的です。
ジェームズ・W・ヤングも野口悠紀雄氏も言ってますが、創造的であることは組み合わせから生まれるのかもしれません。
そうして「引用」も、ひとつの組み合わせともいえます。
ブログで引用やトラックバックをするとき、誰か別のライターの言葉を引用しつつ、自分の考えを加えることで、新しいものを創造していく。僕の場合、解説的になってしまうのが、なかなかクリエイティブになれなくて苦しんでいる部分でもありますが、このスタンスに立てば、評論もかなりクリエイティブになります。
米ヤフーサイトにクリエイティブ・コモンズの専用検索サービスができたようです。
Yahooによると、この検索ツールは従来とは異なるライセンス契約を使用する数百万のウェブページを検索対象にしており、この検索機能で探し出せるコンテンツの大半は、営利目的以外の使用またはガイドラインに沿う用途であれば、無償でライセンス提供されるものだとYahooは述べている。
書かれたもの、作られたものは、作者の手を離れたときに、もう別の存在になってしまうのかもしれません。つまり「親離れ」をする。それが、「こいつはオレの息子だ。こいつ(作品)はオレのものだ」と主張することは、親(=作者)のエゴかもしれません。
「Yahooは常にコンピュータのアルゴリズムに人間の思考を加え、どちらか一方では成しえないことを生み出してきた。今回の新機能もその1つだ」とLessigは声明のなかで述べた。「Yahooは、著作権者が意図する自由をベースにしたコンテンツを簡単に見つけだせる方法をユーザーに提供することで、創作者らが合法的に他者の創作物を下敷きにして自らの作品をつくることを可能にする技術の利用と普及を進めている」(Lessig)
上記も、コンピュータ×人間の思考という組み合わせですね。
ただやたらめったら素材として引用して組み合わせても、クリエイティブなものにはならないと思います。なぜその素材(あるいは情報)を使うのか、使ってどこに向かおうとしているのか、という考え方が重要です。
その視点に立った上で、ほんとうに共感できるアーティストのコンテンツを使って、自分なりのコンテクスト(文脈)に流し込み、引用のなかに息吹いている振幅をさらに大きく増幅させることができれば、テキスト(=引用の織物)としての創造的な成果を出せるような気がします。
創造的でありたいものです。そして、自由に。
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2005年3月24日
1億9500万台
戦略立案の資料をまとめています。といっても自社のものではありませんが。
データを収集、引用して加工するのは問題ないけれど、何が面倒かといって、予測ほどしんどいものはありません。5年後がどうなるか、どんな技術動向が影響を及ぼすか、業界はどうなっているかなど、予言者じゃないからわかりません。ほりえもん、じゃなくてドラえもんに頼んでくれ(そういえば声優さんが変わったようですが)、という感じです。とはいえ、シンクタンクやコンサルティングの会社では、その予測をお仕事にしているわけですから尊敬します。
IDGからPC出荷台数の予測が発表されました。
■IDC、PC出荷台数予測を下方修正--2005年は全世界で約1億9500万台
これは前年比9.7%増にあたる数値。IDCは2004年11月時点では、2005年の世界PC出荷台数が前年より10.1%増加すると予測していた。IDCは、成長予測値の下方修正を行った理由として、日本の景気回復が遅れ、米国経済の先行きも不透明であることを挙げている。なお、2005年の出荷額総計は、前年比5.3%増の2090億ドルになると見られる。
いろいろな情報を収集して、その結果を考察するのでしょう。とはいえ、1億9500万台という数字が僕には具体的にぴんとこない。コンサルティング業界の方は、数字というものを重視して、すらすら出てくるひとが多いようです。100万台増えたか減ったかが重要で、その背景を考える。そんな風にアタマよくなれるといいのですが。
「米国のITバイヤーは、2005年に購入の具体的な計画があると口を揃えるが、複数のリスク要因が存在していることから、われわれは米国に関して控えめな予測を発表した」と、IDCのクライアントコンピューティング部門バイスプレジデントRoger Kayは、報告書の中で述べている。「リスク要因には、景気回復の遅れや雇用の伸び悩み、貿易赤字の増大、原油価格の継続的な高騰、国庫に深刻な打撃を与える対外戦争、金利の上昇、依然として安定しない株式市場、家計貯蓄率の記録的な低下などが含まれる」(Kay)
自分の身の回りを見渡すことでせいいっぱいで、世界がどうなっているかなんて意識が及ばない。とはいえ、遠くを眺めると目が癒されるように、大きな世界のことを考えると少しゆったりした気分になります。つらいのは自分ひとりじゃなくて、いま世界が不安定でつらい状態にあるのかもしれません。
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2005年3月23日
写真でコミュニケーション
写真関連サービスを展開する企業を買収する動きが2件ありました。
まず、ヤフー。新サービス「Yahoo! 360°」の発表がありましたが、ブログやソーシャルネットワーキングサイトの領域にも進出。そこで写真によるコミュニケーションを重視しているのかもしれません。
Flickrは、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに拠点を置く企業。同社が提供するサービスでは、例えば、コンピュータやカメラ付き携帯電話からデジタル写真をアップロードして、それらの写真を編集してフォトアルバムを作成し、さらに、それをブログに掲載することができる。
確かにテキストだけでも楽しいのですが、写真が入ると文字では表せない和み効果があります。飼っている猫や犬の何気ない写真であっても、掲載されているだけで癒される。このブログは意識的に写真を排除して、テキストばかりでごりごり書いているブログですが、もう少しビジュアルにも凝るべきかもしれません。もうすぐ半年になるので(と書きながら、びっくりしました)、リニューアルしてもよい頃かも。
もうひとつは、HP。
■HP がオンライン写真サービスの Snapfish を買収へ
Snapfish は、無料オンライン写真共有サービスのほか、写真の保存/管理、無料編集ツール/ソフトウェア、オンラインでのプリント注文、カメラ付き携帯電話向けのワイヤレスイメージングなどのサービスを手がけている。また、カレンダーやマウスパッドなど、好きな写真をプリントできる商品を70種以上扱っている。
こうした動きの背景には、以前の日記にも書きましたが、カメラ付き携帯電話の米国における普及が影響しているのでしょうか。
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2005年3月22日
オープンソースの哲学
連休明けです。いろいろとニュースを見ていて、あらためてひっかかってきたのは「オープンソース」という言葉でした。少し前に、サンにしてもIBMにしてもオープンソースに関する話題が続きましたが、なぜなんだろう、という素朴な疑問です。とはいえ、やはりきっかけとなったのはグーグルの記事ですが。
■グーグル、オープンソース開発者向けに「Google Code」 を開始
「Google Code」というこのウェブページでは、Google関連の各プロジェクトに取り組む開発者を支援するために、ソースコードやAPIをはじめとする各種のツールを提供していくと、このプロジェクトに携わるChris DiBonaは米国時間17日付けの歓迎メッセージに記している。
機能的には、ツールの提供かもしれませんが、それ以上のものがあります。というのは、デベロッパー向けのコミュニティなどを作ってしまえば、同じようなことができるわけです。オープンソースにするということは、開発者向けサイトとは違って、次のような意図があると思いました。
「Google Codeで何としてもやりたかったのは、われわれのAPIや、われわれがリリースしたコードを利用してプログラムを開発した人々やグループを認知してもらうことだ」(DiBona)
味方を増やす、ということでしょうか。ファンを増やす、と考えることもできます。あるいはLinuxであれば、信奉者を増やす、ということもあるかもしれません。
一方で企業側のメリットとしては、開発コストを低減できるということがあります。また、ブランド化すれば、口コミのような形で参加者が参加者を呼ぶ仕組みを回転させて、さらにコミュニティを大きくできるかもしれない。
とはいえ、公開することによって脅威もあると思います。ナレッジの部分が流動的になります。運営にも手がかかりそうです。知的財産の所有権についてもはっきりさせておかないと、訴訟なども生じる可能性があります。
企業としては、オープンソース戦略をとる場合には、それだけの企業体力があることと、覚悟が必要かもしれません。
Googleは絶えず外部から開発者を獲得し、検索広告やデスクトップ検索などの分野への進出を進めている。同社の最新の取り組みでは、古いプログラミングツールを復活させ、GmailやGoogle Mapsなどの新サービスを活用できるようにしている。
グーグル自体には、それを育む土壌があるようですね。
ちょっと古くなりますが、以下のような記事もありました。
■InnoTech Conference:オープンソース戦略はなぜ誰にでも必要なのか
オープンソースについては一時的な流行であり、バブルがはじけたらなくなってしまうのではないか、という疑問に対して、以下のように書かれていました。
「それは違います。(オープンソースは)実は哲学なのです――たとえ自分の独自のプラットフォームが広く利用可能な透明なコードになるとしても、オープンなプラットフォームを構築すれば驚くほどの利益につながる、という認識です」
哲学と言及しながら、結局のところ利益に落ちていくところが、どうかとは思います。利益を追いかけている姿勢がみえたときに、離れていくひとたちもいるのでは? もちろん、そいつで儲けてやろう、というベンチャースピリッツがエンジンになることもあります。しかし、ひとを惹きつけるのは、技術にしても哲学にしても金儲けにしても、未来を感じさせるビジョンがあるかどうかのように思うのですが。
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2005年3月17日
Googleはやっぱり面白い
社内文化(いわゆる社風ですか)は、見過ごされそうですが結構重要です。
朝はきちんと出社して、朝礼と体操をしたあとで仕事をはじめる。社内の年中行事には必ず出席しなければならなくて、出席しない社員は吊るし上げられる。ネクタイはきちんと締めなければならない。ヒゲもダメだし、茶髪も禁止。そんながんじがらめの状態に縛ることが、日本的な企業は大好きな気がします。もちろんそれだからこそ管理ができて統制されるのかもしれませんが、新しいものを生み出す文化はないのかもしれないなあ、と思います。だからこそソニーのように、学歴不問という常識破りの人事方針を打ち出したことが注目されたのかもしれません。
社内に娯楽のスペースまで作ってしまうようなAppleやGoogleは、自由な雰囲気とクールなものを求める空気があるからこそ、新しいものを生み出し続ける創造的な文化を持っている気がします。
話題のGoogleデスクトップ検索の日本語版をダウンロードしてみましたが、なかなかよさそうです。インデックス作成にちょっと時間がかかるのですが。
Googleでは、インターフェースもちょっとMac OS X風のものを公開したようです。かなり話題になっていました。
Google Xでは、通常検索バーの上にテキストで表示される「Web」「Images」「News」といった検索の選択肢が、画像で表示される。画像にマウスをあてると、Mac OS XのDockのように拡大される。使い方は通常の検索ページと全く同じで、検索結果も従来通り。公開されているのは英語版だが、日本語での検索も可能だ。
ところがすぐに行方不明(アクセス不可能)になっちゃいました。
この「Google X」を開発したGoogleのソフトウェアエンジニア、Chikai Ohazamaは米国時間15日、同社のブログを使って自分の作品を大々的に売り込んだ。GoogleのテストサイトにあったGoogle Xは、各種のサービスにリンクする代替手段となっており、Apple製OSのある機能に刺激を受けた形でグラフィックアイコンが並び、これをクリックする仕組みになっていた。
ところが、米国時間16日午後の時点では、このウェブページにアクセスすることができなっている。
国内でもバルーンヘルプで一太郎2005が訴えられた事件がありましたが「これ、大丈夫なの?Appleに訴えられちゃったりしないの」という指摘があったのかもしれません。
GoogleとAppleのビジネスは大きく異なるが、両社とも、技術分野では概して話題に上がらないクールなイメージを競い合っている。それでも、ブランド調査会社はこれを数値などで立証しようと試みている。Interbrandによると、両社ともに米国の消費者ブランド認知度のトップ争いを演じており、Googleは2003年にトップに輝いたが、2004年にはAppleにその座を譲ったという。
サービス自体は競合しないけれど、ブランドという面では確かにどちらもクールで、ステータスがあります。あるイベントでGoogleの紙袋をいただいたのですが、いまだに大事にしていて時々使っています。持っていると、ちょっと誇らしい感じがします。
脇道にそれましたが、登場してすぐにGoogle Xのページは消えてしまったものの、この見切り発車的な試みが僕は好きだなあと思いました。かっこいいものはかっこいい、これいいじゃん、やっちゃえ!というノリがあったんでしょうね。
Google関連では以下のような記事もあります。
■「グーグル、アドセンスに新機能を追加
■「GoogleがGmail提供拡大、20人に1人の割合で登録可能に
とにかく勢いに乗っている気がします。企業が注目を集めるためには、じっとしていてもダメで、何か話題づくりに動くことが必要です。動くことによってリスクも生じるわけです。ただ、そのリスクを考慮しつつ、最大の効果を上げることが重要。見切り発車が多いのはどうかと思いますが、動かないことには結果も出ない*1。
最近ある本で「判断」と「決断」の違いを読んでなるほどと思いました。
情報が十分にあるなかで結果を選ぶのが「判断」であり、情報が不十分な状態において結果を選ぶのが「決断」とのこと。経営においても人生においても、決断が必要なのかもしれません。
+++++
*1:そういう意味ではライブドアの堀江さんを僕は評価します。とにかく動いている。いくらお金があるといっても、動かないひとは動かないでしょう。
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2005年3月16日
棲み分け考
「CTIA Wireless 2005」の開催から、携帯電話に関するニュースが目に付きます。日本ではカメラ付き携帯電話は当たり前という印象がありますが、米国でも多機能携帯電話が本格的に普及しそうとのこと。
今年のCTIA Wirelessは、携帯電話業界にとって大きな分かれ目になるイベントになりそうだ。カメラ付き携帯電話が登場したことで、米国の消費者も自分の電話機からインターネットにアクセスし、撮影した画像を一般向けのウェブサイトで公開したり、特別に用意されたテレビ番組を観たり、友人の携帯電話に写真を送ったり、オフラインの印刷サービスに注文を出したりできることに気付いた。一方、通信事業者側でも、過去2年間に無線データ通信の売上が倍増したことを受け、この分野に対する関心を強めており、新たなデータサービスに進んで挑戦しようとしている。
このカメラ機能については、コダックのCEOが携帯電話に搭載されているカメラは、デジタルカメラと比較すると品質の面で劣る、ということを語っていました。
KodakのCEOであるDan Carpは米国時間14日、当地で開催中の「CTIA Wireless 2005」で基調講演を行い、「携帯電話のカメラを使って画像を撮ることは可能だ。しかし、写真として見た場合、これらは満足のいく品質ではない」と述べた。
カメラメーカーの立場からの見解なので、「携帯電話業界でここ2年間語られてきたサクセスストーリーに冷や水を浴びせる」発言というのは、そうだろうなという気がします。しかしここで重要なのは「写真として見た場合」ということ。どちらかといえば、個人的には携帯電話のカメラで撮影した画像は写真としては見ていない。メモに近い。そんなに長く保存しておかなくてもかまわないし、印刷する必要さえない。
Dan Carp氏は自社の調査結果から、以下のような部分を引用したようです。
ユーザーの約3分の2が、携帯電話で撮影した写真をコンピュータに滅多に転送しないと回答したほか、70%が撮影した写真を別の携帯電話ユーザーに送信したことが一度もないと回答した。
それはたぶん「必要がない」からでしょう。携帯電話の写真をパソコンに転送する必要はないし、携帯電話間で送信する必要もない。でも家族や友人に見せたりはしているかもしれない。自分で待ち受け画面にして楽しむことも多い。
従来の「カメラ」的な枠組みで考えていると、デジタルカメラVSカメラ付き携帯電話というハードウェアが競合する構図が見えますが、そうではないかもしれません。
ただ、さまざまな情報家電の進化のなかで、そのまま携帯電話のカメラ機能が変わらないとすると、Dan Carp氏が言うように「取るに足らないつまらない機能として扱われるようになってしまう」こともあるでしょう。
デジタルカメラに関しては、国内では京セラがデジタルカメラ事業から撤退する、という記事がありました。「KYOCERA」と「CONTAX」のブランドはかなり力があると思うのですが、ちょっと残念です。撤退後はどうするかというと、携帯電話向けの事業に方向転換とのこと。
同社は機器事業の収益改善を図るために光学精密機器事業の再編を行っている。デジタルカメラ事業は企業間の価格競争が激化したことから収益が悪化していた。今後はより採算性の高い携帯電話向け光学モジュール事業などに事業を集中させる考えだ。
もちろんカメラというハードウェアとしてはデジタルカメラとカメラ付き携帯電話は競合関係にあるとは思いますが、ユーザーの立場からすると、もっと別のものが競合になるような気もしています。
競合といえば、携帯電話で音楽を聴くことができるようになると、ミュージックプレイヤーとも競合する可能性があり得るのですが、そのことに対してアップルのフィリップ・W・シラー氏のコメントがありました。
■米アップルコンピュータ シニアバイスプレジデント フィリップ・W・シラー氏が来日――携帯電話とポータブルミュージックプレーヤーは競合しない
携帯電話とポータブルミュージックプレーヤーが競合し、多くの楽曲が携帯電話に入ったからといってポータブルデバイスが不要になるかというとそうではないだろう。
次の言葉は印象的です。
すべてのデバイスが終焉してしまうといったら、やがては冷蔵庫でトースターを作ることになってしまう(笑)。デバイスは、そのデバイスに必要な機能というのがあり、携帯電話も同じだ。
米国では、携帯着信音とゲーム収入、急上昇の予想という速報もありました。
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2005年3月15日
統合で競合
マイクロソフトが買収により獲得した4つのERP製品を統合する計画「Project Green」を進めているという記事は以前読んだのですが、さらにビジネス分析ツールの買収を行ったようです。
■MS、ビジネス分析ツールを買収--「Great Plains 8.0」を強化
Microsoftが取得したのは「Analysis Cubes for Excel」というツール。同ツールは、Microsoftの「Great Plains 8.0」の拡張モジュールの1つとなる。これらの拡張モジュールは、ユーザーがデータをさまざまな観点から調査/分析して、情報をより多角的にとらえるのを支援する目的で設計されている。
BI(Business Intelligence)の分野ですね。多くのベンダーからERPとBIは統合された形で提供されていますが、マイクロソフトも、エンタープライズにおけるこの分野への参入を狙っています。不勉強なので、経営情報の多角的な分析がそこまで求められているのか、というのがアタマではわかっていても、いまひとつ感覚的にぴんとこないのですが、ただひとつ言えることは、情報をひと目でわかる状態に加工できるツールというのは必要性が高いだろうな、ということです。
たとえば、まったく話は変わりますが、今日、グーグルデスクトップ検索の日本語版が登場しました。これも混沌とした情報を「ひと目でわかる状態に加工できる」ツールのひとつともいえます。その背景には情報の流通のスピードと量が増えた、ということがあるかもしれません。
話が横にそれましたが、「Project Green」では4つのビジネスアプリケーションを統合していくようです。
同分野へ進出しようという試みは、「Project Green」という計画の下、数年来行われてきた。この計画では、4つの重複するビジネスアプリケーションセットを1つのコードベースに統合することになる。
統合というテーマでは、以下のニュースも気になりました。
同社によると、今回の買収は2004年に3桁成長を記録した情報統合分野の事業を補完するものになるという。
この分野に焦点をあてて、買収による強化を行ってきたようです。
IBMが情報管理分野の製品を開発する企業を買収するのは、2001年以来これで8社めとなる。
IBMの競合相手はMicrosoft、Oracle、SAPとのこと。ひとことで統合といっても、それぞれ方法も違うと思います。きちんと情報を理解していないのですが、技術的な背景を知りたいと思いました。
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2005年3月14日
追い風か、向かい風か
RSSで情報をチェックするのと同時に、いくつかのメールにも目を通しています。nikkeibp.jpのメールは、件名のところに今日のトピックが書かれているので、どのニュースが件名に登場するのか、毎回楽しみです。僕がブログに書いたテーマと同じなのか、まったく違うのか。できれば違っている方がいい。僕自身のブログでは、nikkeibp.jpでは2番目あたりに取り上げられそうなネタを取り上げてみたいと思っています。
とはいえ、今日のnikkeibp.jpのメールの件名には注目しました。
■「IT企業のマーケティング予算、2005年前半に平均3%増加」、米調査
IDCは、2005年の世界IT支出が6%増加すると予測している。このIT支出は、マーケティング投資の増加を示す重要な指標であることから、「2005年の残りの期間に、マーケティング支出が加速する可能性がある」(IDC)と分析する。
全世界の予測なので、国によっても違いはあるかと思いますが、なかなか追い風の情報だと思いました。
次の部分も重要です。
また最近の特徴として、IDCは、新たなテクノロジ・マーケティング責任者の登場を挙げる。マーケタの約20%は、マーケティング実施、社内調整、成果測定などを統率し、販売ターゲットの絞り込みや製品企画の方向性などにも影響力を持つ。「こうしたマーケティング責任者の存在により、IT企業のマーケティング投資は、2005年に10%以上増加するとみる」(IDC)
優秀なマーケッターが増えているということでしょうか。特に、複数の部門を横断して総合的に決断を下すことができる責任者が増加しているのかもしれません。
会社では、マーケティングのアウトソーシングを担うことを標榜しているので、ますます頑張らねばという気がします。優秀なマーケッタの方々と同等に話ができるようになりたい。
マーケティング予算が増加すること自体は追い風なのですが、優秀なマーケッタが増えることは向かい風ではあります。ただ、いい意味での向かい風です。
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2005年3月10日
PDFから電話をかける
パソコン、携帯電話など、いろいろなもののカテゴリーがどんどん崩れていく気がしていますが、今日注目したのは「Adobe Reader LE」をFOMAに採用するという記事。現状でもドキュメントビューア機能でPDFを見ることができるようですが、大きく変わるのは見るだけでなく「アクション」が起こせるようになる、ということだと思います。
今後発売予定の次期FOMAに組み込む形で開発を進めている。次期FOMAの投入時期は未定。従来のPDFファイルをそのまま閲覧できるほか、文書中からWebにリンクする「Web to」や、「Mail to」「Phone to」といった携帯電話ならではの機能も組み込むという拡張がされている。
つまり「TokyoWalker」や「ぴあ」などのような情報誌をPDFで発行した場合、そこに書かれている電話番号からお店に電話をかけたり、チケットを予約したりすることができる。さらに、おサイフケータイの機能がついていれば決済も可能、ということになりそうです。
やはり視覚的な説得力というのは重要です。文字で「おいしいランチはこのお店」と書かれているよりも、写真があった方が説得力がある。文字の場合には、どうしても全体を把握できないのですが、写真なら空間的に情報を把握できるということもある。Flashが携帯電話に採用されて(まだまだ途上ということはあるかもしれませんが)、表現力が高まった気がします。もちろん、テキストにはテキストのよさはあるのだけれど、まったく違う部分でコミュニケーションを発展させることができそうな気がします。
「Web to」で動画コンテンツにリンクされていたら、そこから実際のCMを見る、なんてこともできそうです。音楽を視聴することもできるかもしれない。
既に誰かが考えていることかもしれませんが、PDFコンテンツの使い方には、アイディア次第で新しいサービスを展開できそうな気がしました。
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2005年3月 9日
ブログが普及した後にくるものは
昨日、電車のなかでgooブログの広告を読みました。ブログエキスポをやっているらしい。gooといえば「教えて!goo」の交通広告が印象的で、でっかい活字だけで素朴な疑問を書き連ねたポスターをついつい読んでしまったのですが、ブログの広告まで出しているのか、へえ、という感じで読みました。うろ覚えですが、ブログで情報を発信すると世界が振り向く、みたいなコピーだったかと思います。そうでもないだろう(苦笑)、と内心思いましたが。
そのブログエキスポはこちらです。
最近ブログの動向は追いかけていなかったのですが、どうなっているんだろうとブログファンのサイトをチェックしました。
なかなか独自サービスの展開が活発になってきたようで面白い。ブログが普及した後に展開するサービスとしては、
- 細分化したサービス
- サポートするサービス
- 付加価値のサービス
という3つがあるかもしれません。
「細分化したサービス」としては、ペット専用ブログというのをみつけました。これはペット好きのSNSに対する付加価値かもしれませんが。
「サポートするサービス」としては、ブログで解雇されたなどの問題に対処する企業がでてきたこと、企業のブログ構築をメールでサポートするサービス、ワープロ感覚でブログを書き込めるようにするツールなどです。
■「社員のBlog」への対処に乗り出す企業
■ビジネス Blog の構築方法などをメールでサポート
■はてなダイアリーワープロ
「付加価値のサービス」としては、「相関図」「自分史」機能搭載のブログサービス「フルーツブログ」のほか、ココログで写真から検索する「ココフラッシュPhoto β版」などがありそうです。
「ココフラッシュPhoto β版」は、要するにイメージ検索なんですが、ブログに掲載されている写真をジャンルごとに表示する。確かに、文字で一覧表示されるよりもビジュアルの方がインパクトがあります。視覚的にわかりやすい。
ちょっとブログから外れますが、検索結果をサムネイル表示する「MARSFLAG」というサービスも面白そうだと思いました。
■"ブログの女王"眞鍋かをりも感心~検索結果をサムネイル表示「MARSFLAG」
「検索エンジンは、"読む時代"から"見る時代"へと進化する。活字から写真、ラジオからテレビへの変化と同じようなインパクトがある」(マーズフラッグ 代表取締役社長 武井信也氏)
もちろん一般ユーザーだけでなく、企業としても、メディアとしてもブログはもっと注目されるべきかもしれません。ブログの社会的価値についてはとしてminako's blogの「ブログを侮るなかれ!」に書かれていました。
ホワイトハウスの記者会見に参加できるパスが、初めてブログ「fishbowl DC」で情報発信している記者ギャレット・グラフ氏に与えられた。
これは、インターネット上でブログを活用して情報発信をするという行為と影響力が、ある意味で、マスメディアと対等であると認められた、と考えていいのではないだろうか。
以下のように続けています。
ブログをはじめ、インターネットをメディアとして認めていない著名キャスターのインタビューを考えると、日米の情報発信側=ジャーナリストのレベルの差は哀しいほどだ。
特にインターネットでは個人が情報を発信できてしまうのですが、マスコミの権威主義ではないのですが、しかるべき人間が発信したものでなければ情報価値はない、という考え方がベースにあるような気がします。マスメディアの驕りかもしれない。まさか、いまだに「インターネットは便所の落書き」だと思っているアタマの固い勉強不足なひとたちはいないと思いますが。
一方で、Ad Innovatorの「恐竜ブログ=新聞 」では、アメリカの4コママンガの風刺が紹介されています。
アメリカの4コママンガで娘がお父さんに「恐竜ブログ、ダウンロードした?」と聞いている。娘は新聞のことを言っており、恐竜とは「死に絶えた古いもの」という意味で使っている。
つまり、新聞はブログの一種であり、しかも「新」ではない古いスタイルのメディアだということでしょうか。ダウンロードというのは「取ってきた?」という行為にかけている。子供たちにとっては、そんな時代になっていくのかもしれません。
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2005年3月 8日
エールを送りたい
少年の頃(というと随分昔なのだけれど)、ラジカセがほしかったのだけれど買ってもらえなくて、仕方なくデパートや電気屋でパンフレットを収集して、想像のなかで操作して楽しんでいたことがあります。結局、ダンボール一箱分のパンフレットを収集。ひとつひとつを丁寧に隅から隅まで読んで、機能を把握したものです。ごてごてした多機能のラジカセが多かったのですが、友人の家に遊びに行ってラジカセがあると、まるで以前から使っていたように一発で操作するので、「おまえ何でそんなことできるの?」と驚かれたものでした。
ところで、パンフレットを比較していると、子供ごころにも、やはり企業の違いというか、製品に対するこだわりが見えてくるものです。僕は、たとえばどんなにユーザーにやさしくても「電源オン」と漢字やカタカナで書いている製品はいまひとつ好きになれなくて、「Power」と書いてほしかった。そしてパンフレットにも、ちょっとメタリックというか洗練された雰囲気を求めていました。
膨大なパンフレットを読みまくって、いちばんの憧れだったのはソニーです。
ソニーのカタログは他と違っていた。
もちろん製品も洗練されていてかっこよかったのですが、パンフレットの表現もかっこよかった。
だから、大人になっても最近までオーディオやDVは絶対にソニー製品だし、PCは他によい製品があったとしてもVAIOでした。
そんなソニーも業界の変化のなかで苦しんでいるようです。いくつもの神話があるといっても生きている企業だから、大企業として歴史を経るうちに問題が生じたり、企業文化を維持していくのが困難になるのは仕方ないと思います。そして、代表の交代という大きな変革を迫られました。センセーショナルな話題でした。
■ソニー、出井会長ら退任へ--後任CEOはH・ストリンガー副会長に
今回の経営陣の交代は、ソニーや他の家電メーカーがとりわけ厳しい局面を迎えているなかで行われることになる。家電市場では、中国メーカーからの挑戦や競争の激化によって利幅が減少し、淘汰が進みつつある。
ストリンガー氏は超・遠距離通勤になるようですね。
これまで米国の事業を率いてきたStringerは、今後もニューヨークのオフィスを拠点として、ソニー本社がある東京まで8000マイルの道のりを頻繁に往来する予定だと、同社の関係者が明らかにした。Stringerは米英双方のパスポートを保有しており、妻子の住むイギリスへも渡航を続けるという。
昨日、リアルタイムで何か書きたいと思っていたのですが、ソニー製品に対してはあまりにも思い入れが強いので、ちょっと寝かせてみました。寝かせてもあまり変わらないんだけど。
アメリカなどでは、ソニーってアメリカの企業だろ?と思っているひともいるというコメントを何かで読んだことがあります。日本企業であること、そして日本人が代表者であることが誇りだったのですが、ソニーのブランドと製品が維持されるのであれば、そんなことはちいさなことです。
僕はやっぱりソニー製品が好きです。だから新しいトップを迎えたソニーにエールを送りたい。
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2005年3月 7日
リビングにPC
「インサイト」という本を先日購入したのですが、もう少しで読み終わりそうです。概念に終始するのではなく、実際のお仕事のケーススタディを紹介しながら解説されているので、とてもわかりやすい。
ハーゲンダッツが市場を開拓するにあたって、まず導入時にはアイスクリーム=子供の食べ物というイメージではなく、大人を対象とすることを明確に打ち出し、さらに時期に合わせて「(アイスクリームを食べることの)幸せ」なイメージを形成していくという流れが参考になりました。
うちの家族もアイスクリームのヘビーユーザーですが、高価だけれども買ってしまうのは、おいしいという機能的な部分だけでなく、おいしいことによって広がる何か、を求めている気がします。つまりアイスなんだけど、家族団欒をつくりだすもの、とか、ほっと一息つけるもの、とか。おいしいことが前提ですが、買い続けるためには「いつものアレちょうだい」的な生活の一部に組み込まれてしまうことが重要ともいえます。
そんなことを考えていたら、以下の記事に目が止まりました。
同社は以前、「Entertainment PC」(EPC)というリビングルーム向けのコンピュータを発表していた。EPCは、ビデオデッキのような外見で、DVDプレイヤーやデジタルビデオレコーダー、メディアファイルのストレージ機能を兼ね備えている。しかし、このマシンへの反応が芳しくないことから、Intelはデザインや機能を見直し始めていることを、同社のDon MacDonald(ホームプロダクトグループ、ゼネラルマネージャ)が明らかにした。
PCというカテゴリーから入っている、というかレガシーな考え方を継承しているところが問題なのかもしれません。デザインを変えればいい、というわけでもないと思うのですが。
「そういった製品をエンターテインメントPCと呼ぶべきかどうかは、自分でも分からない」とMacDonaldはインタビューのなかで語った。「リビングルーム向けのPCというと、どんなものでも反射的に抵抗感を持たれてしまうと思う」(MacDonald)
その通りだと思います。PCという用語が付いているだけで敬遠するひとも多い。
IT業界に勤めていると、誰にとってもPCは身近なもの、という錯覚に陥りますが、一般的には結構そうでもない。PCとは何か、PCのとらえ方もひとによって違う。あるひとは「外出しなくてもお金を引き出せる便利なもの」と考えているかもしれないし、また別のひとは「年賀状を作成するワープロ」と考えている。「見積もり計算機」の用途だけの会社員もいるだろうし、「メール送受信機」もあり得る。そもそもPCのことをよく知っている、操作できるからといって、ぜんぜん偉くもなんともないんですよね。スペックがどうか、どれだけちいさいか、価格がいくらか、ということさえ問題にならないこともある。
「みながリビングルームにはPCを置きたくないと思っている。たとえば、息子に『リビングルームには何台のPCがあるだろう』と尋ねたとすると、『ゼロ』という答えが返ってくるだろう。現実にはすでに2台--XboxがTiVoがあるというのに」(MacDonald)
先日、遅ればせながら、子供のために「たまごっち+」を買いました。僕はそれをゲーム機だと思っていたのですが、息子にとっては「家族。これはゲームじゃない」という返事。子供のインサイトから、製品のコンセプト自体を考え直すのもよいのでは?
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2005年3月 4日
経営者のためのシステム
BI(Business Intelligence)について調べています。とはいえ、なかなか奥が深い分野で、理解するのが大変です。BIといえば、ユーザーは経営者もしくは部門のリーダーのような、マネジメントに関わるひとたちが対象となってきますが、そもそも経営者は何を考えているのか、どんな情報を欲しがっているのか、そんなところにも想像を広げています。
ところで、All Aboutは、読者が選ぶカリスマ経営者ランキングを発表したようです。以下は、ITmediaのニュースです。
順位 名前 票数
1 カルロス・ゴーン(日産自動車) 69
2 堀江貴文(ライブドア) 62
3 三木谷浩史(楽天) 35
4 孫正義(ソフトバンク) 32
5 本田宗一郎(ホンダ創業者) 30
6 松下幸之助(松下電器創業者) 25
7 ビル・ゲイツ(Microsoft) 12
7 渡邉美樹(ワタミ) 12
9 御手洗冨士夫(キヤノン) 9
10 スティーブ・ジョブズ(Apple) 8
10 張富士夫(トヨタ) 8
実際のサイトは以下になります。
2位には堀江さんですね。ニッポン放送社員から声明文も出されています。
■「ライブドアの経営参画に反対します」ニッポン放送社員が声明
ライブドアの堀江貴文社長の発言について「『リスナーに対する愛情』が全く感じられません。ラジオというメディアの経営に参画するというよりは、その資本構造を利用したいだけ、としか私たちの目には映りません」と指摘。
感情論という印象を受けました。その前文に「「リスナーのために」日々の業務に取り組んできたことを強調」しているようですが、それって当然じゃないですか? どんな企業でも、お客様のために日々取り組んでいるものです。お客様を無視した企業なんて有り得ません。そのことは前提であって、さらに、どこへ向かおうとしているか、ということを明確に打ち出すべきだと思います。
これは思い込みかもしれませんが、めちゃくちゃなところはあるといえ、堀江さんの発言にはリスナーはもちろん、もっと広い社会や未来を対象にしたビジョンが少しだけ見えた気がします。もちろん、まだまだ甘いビジョンであったり、どうも権威的なものがないというか薄っぺらな感じがするのがマイナスかもしれませんが、ニッポン放送の社員の方は、もし堀江さんに反論する、参入を拒むのであれば、ニッポン放送が抱いているビジョンによって戦いを挑んでほしかった。ただ否定するだけじゃ、何も言ってないでしょう。残念です。
と、いうことは、経営者は全体が見えればいいわけであって、個々にこだわり過ぎるのも問題ということでしょうか。企業を含む全体が見えること、そちらに向けて社員をリードしていく力が求められるのかもしれません。だからBIに関していえば、どういうツールを使うのかよりツールを使った結果が重要なわけで、エンジニアが面白がる技術知識などは、訴求ポイントにはならない。
でも、エンジニアのレベルでは大事なことですけどね。以下のようなリリースも、ちらっと気になりました。
■マクニカ、BI ツールなしでも使える経営ダッシュボード構築ツールを
データ変換機能を標準でもち、 RDBMS、SAP、Excel ファイルなど複数のデータソースから取り込んだデータを結合、データ間で合計値、比率などの演算を行った後、結果を単一あるいは複数のチャートにすることができ、 BI(Business Intelligence)、 DWH(Dataware Housing)ツールがない環境でも DB との統合と経営ダッシュボードの作成ができるようになった。
経営者ではない僕等からみると、なるほどと思う部分もあります。ただ経営者のみなさんにとっては、たぶん、「で、どうなるんだ?」という部分が大事な気がします。コストがめっちゃ安いのか、ものすごく短期で導入できるのか。
対象者に関心のない言葉でアピールしても、すかすか抜けていくばかりで、意識に残らない。残る言葉とは何か、を考え出すのがメディアの仕事ですが。
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2005年3月 3日
インターネット年表
昨日に続いてヤフー関連のニュースですが、創業10周年とのこと。おめでとうございます。
人間でいえば、ティーンエイジャーの仲間入りという年齢でしょうか。10年ひとむかしともいいますが、インターネット業界では"ドッグイヤー"と1年が7年分にあたるとも言われています。となると10周年とはいえ70歳のおじいさんです。
さて、10歳なのか70歳なのかわかりませんが、お祝いにアイスクリームを配っているようです。
■ヤフー、創業10周年--ユーザーへのご祝儀はアイスクリーム引換券
米国時間2日に創業10周年を迎えたYahooは、ユーザーにアイスクリームを振る舞っている。ユーザーは、Yahooサイトからダウンロードした引換券を持ってBaskin-Robbinsの店舗へ行くと、好みの味のアイスクリーム(Sサイズ)をもらえるようになっている。
お祝いにアイスクリームというのが、なんとなくヤフーらしい。けれどもアイスクリームよりも気になったのは次の内容でした。
Yahooはこのほか、過去10年間のインターネットの進化をたどる100枚の写真を集めたオンラインギャラリーを公開した。
サイトは、以下にあります。
http://birthday.yahoo.com/netrospective/
これらの写真にはブログ機能がついており、ユーザーがコメントを書き込めるようになっている。同社は100番目のスペースを空けてあり、「未来のウェブ」を想像した書き込みを募集している。
お仕事で業界の歴史をまとめているのですが、Webサイトのコンテンツとして年表にできないかと考えていたところなので、やられちゃったな、という感じです。コメントを付加するアイディアもあって、こちらも先にやられた。まいりました。
とはいえ、QVGA.netに以下のような疑問が書かれていたのですが、もっともだと思いました。
翻訳記事とはいえ、実際にサイトを見てみたら、単にそれぞれの写真にコメントをつけられるだけで、これはブログじゃないと思うんだがいかがなものか。ていうか「ブログ機能」ってなに?
コメント付けられるだけならブログじゃないですよね。コミュニティ? それも違う。あらためて、ブログって何だろう。そもそもブログって言葉自体が、濫用気味って気がしています。
そういえばエキサイトがビジネスブログのポータルを作りました。いろいろ見ていると知り合いのサイトがあったりして面白いです。
■Exciteビジネスブログ
http://www.excite.co.jp/biz/<
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2005年3月 2日
広告と検索と。
ソニーエリクソンからウォークマン携帯電話が出た、という話も面白そうなのですが、以前に書いた記憶もあります。そこでブログ関連で気になっているのは、RSSフィードに広告を埋め込むサービスです。
■カヌードル、RSSフィードに広告を組み込む新サービスを発表
検索広告を専門に手掛けるKanoodleは米国時間2月28日、広告とRSSフィードを組み合わせるためのセルフサービスシステム「BrightAds RSS」を発表した。同サービスでは、ウェブコンテンツと関連広告とを一致させるために、Kanoodleのキーワード広告システムを利用している。ブログ発行者はこのサービスを利用して、読者に配信するRSSフィードに広告リンクを組み込むことが可能だ。
やっぱりそうなってきたか、という感じがしますが、個人としても収益をあげる手段となりそうです。
一方で、Yahoo!では、APIの公開によって開発パートナーを広げようとする動きと、Overtureの名称変更という記事がありました。
■ヤフー、独自のAPIを公開へ--オーバーチュアの名称変更も
ソフトウェア開発者は、このネットワークを使って、Yahooの検索機能を利用するアプリケーションを開発できる。同社はこのためにアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を提供する。このAPIを利用すれば、テキスト以外にも画像や動画、ニュース、ローカル検索が可能なアプリケーションがつくれる。
具体的な施策については上記の通りだと思いますが、その意義については、以下の部分がとてもわかりやすいものでした。
Yahooがこの2つの発表を同時に行うのにはそれなりの理由がある。同社は、ソフトウェア開発者、広告主、ウェブユーザーの3者に取り入りたいと考えているが、今回の動きはそうした思惑を浮き彫りにするものといえる。ユーザー獲得競争が激しさを増すなかで、攻勢に出ようとするYahooにとって、まず業界の動向に影響力を及ぼす立場の開発者らにアピールすることが重要になる可能性がある。同社のライバルにあたるGoogleが検索分野の王座を奪ったのは、まさにこうしたやり方を用いた結果といえる。
いま手がけている仕事で、上記の戦略的なモデルが参考になるような。。。
とはいえ、ちょっと寝不足でアタマが働きません。ものすごく大きなヒントが目の前にぶら下がっている気がするのですが、眠くて見えていない感じです。やれやれ。
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2005年3月 1日
インサイトという本音。
昨日は午前中会議で、午後から仕事を片付けたあとで大学時代の友人に仕事関連の相談に行き、そのまま飲んでしまいました。そんなわけで、ブログの原稿を落としてしまいました。はじめてかな? そんなときもあります。すみません、ぼくはO型なので大雑把です。
友人は部品関連のメーカーに勤めていて、現在は経営企画のような部門で、経営情報システムの導入に関わっています。経営情報システムの導入を考えている担当者が、どんな風に情報を収集し、どうやって決めているのか、何が問題なのか、2時間みっちりと話を聞きました。それから4時間、飲みながら世間話などを含めて、じっくりと話をしました。
とにかく内容が濃かった。ぼくは制作会社や代理店の立場からパンフレットなどの企画を立てたりするのだけれど、どうやらポイントが大きくズレているらしい。「事例は誰に対して作っているのかわからない」「問題となっているのはこっちの部分で、ここは問題じゃない」などと、目からウロコの意見をたくさんいただきました。ついでに企画のアイディアまでいただいてしまった。感謝してます。ストレートに本音をもらえるのも友人ならではですね。きっと公の立場でヒアリングに行っても、あまり本音の部分は聞かせてもらえないかもしれません。
飲みながら話したことも、かなり参考になりました。こういう背景があるから、この部分が問題になってくるのか、とか。
そんな考え方のフレームを仕事に活用できないか、と考えていたところ、アカウントプランニングという手法を思い出しました。アカウントプランニングとは、消費者のグループインタビューなどを通じて、本音となるキーワードを抽出、そこから広告表現などに具体化していくこと、だったかと思います。
最近どうなっているんだろうと本屋に行ったところ、以下の本を見つけました。そのものずばりなタイトルです。
インサイト 桶谷 功 ダイヤモンド社 2005-02-17 by G-Tools |
なかなか面白そうだったので購入。J.ウォルター・トンプソン・ジャパンでアカウント・プランナーをされていた方が書かれています。さらに以前、気になっていた以下の本も購入しました。
心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press 藤川 佳則 阿久津 聡 ダイヤモンド社 2005-02-10 by G-Tools |
認識論とマーケティング、顧客の思考や行動を通じて洞察(インサイト)を探ることなどについて書かれているようです。偶然ですが、「インサイト」の本とテーマが重なり合う部分がある。というよりも、注目されている分野なのでしょうか。この本には「記憶・メタファー・物語」という章もあって、文学的でもあります。分野を横断する、さまざまな分野を俯瞰する、ということからも関心があります。
1月、2月と、定量的な分析ばかりに関わってきましたが、定性的な分析、あるいは洞察をクリエイティブに活かしていく方法について。勉強してみたいと思います。
飲んだり本を購入したり出費がかさんでしまいましたが、頑張って2冊を読了するつもりです。
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