« 棲み分け考 | メイン | オープンソースの哲学 »

2005年3月17日

Googleはやっぱり面白い

社内文化(いわゆる社風ですか)は、見過ごされそうですが結構重要です。

朝はきちんと出社して、朝礼と体操をしたあとで仕事をはじめる。社内の年中行事には必ず出席しなければならなくて、出席しない社員は吊るし上げられる。ネクタイはきちんと締めなければならない。ヒゲもダメだし、茶髪も禁止。そんながんじがらめの状態に縛ることが、日本的な企業は大好きな気がします。もちろんそれだからこそ管理ができて統制されるのかもしれませんが、新しいものを生み出す文化はないのかもしれないなあ、と思います。だからこそソニーのように、学歴不問という常識破りの人事方針を打ち出したことが注目されたのかもしれません。

社内に娯楽のスペースまで作ってしまうようなAppleやGoogleは、自由な雰囲気とクールなものを求める空気があるからこそ、新しいものを生み出し続ける創造的な文化を持っている気がします。

話題のGoogleデスクトップ検索の日本語版をダウンロードしてみましたが、なかなかよさそうです。インデックス作成にちょっと時間がかかるのですが。

Googleでは、インターフェースもちょっとMac OS X風のものを公開したようです。かなり話題になっていました。

■グーグル、Mac OS X風の新インターフェースを公開

Google Xでは、通常検索バーの上にテキストで表示される「Web」「Images」「News」といった検索の選択肢が、画像で表示される。画像にマウスをあてると、Mac OS XのDockのように拡大される。使い方は通常の検索ページと全く同じで、検索結果も従来通り。公開されているのは英語版だが、日本語での検索も可能だ。

ところがすぐに行方不明(アクセス不可能)になっちゃいました。

■「Google X」ページ、さっそく行方不明に

この「Google X」を開発したGoogleのソフトウェアエンジニア、Chikai Ohazamaは米国時間15日、同社のブログを使って自分の作品を大々的に売り込んだ。GoogleのテストサイトにあったGoogle Xは、各種のサービスにリンクする代替手段となっており、Apple製OSのある機能に刺激を受けた形でグラフィックアイコンが並び、これをクリックする仕組みになっていた。

ところが、米国時間16日午後の時点では、このウェブページにアクセスすることができなっている。

国内でもバルーンヘルプで一太郎2005が訴えられた事件がありましたが「これ、大丈夫なの?Appleに訴えられちゃったりしないの」という指摘があったのかもしれません。

GoogleとAppleのビジネスは大きく異なるが、両社とも、技術分野では概して話題に上がらないクールなイメージを競い合っている。それでも、ブランド調査会社はこれを数値などで立証しようと試みている。Interbrandによると、両社ともに米国の消費者ブランド認知度のトップ争いを演じており、Googleは2003年にトップに輝いたが、2004年にはAppleにその座を譲ったという。

サービス自体は競合しないけれど、ブランドという面では確かにどちらもクールで、ステータスがあります。あるイベントでGoogleの紙袋をいただいたのですが、いまだに大事にしていて時々使っています。持っていると、ちょっと誇らしい感じがします。

脇道にそれましたが、登場してすぐにGoogle Xのページは消えてしまったものの、この見切り発車的な試みが僕は好きだなあと思いました。かっこいいものはかっこいい、これいいじゃん、やっちゃえ!というノリがあったんでしょうね。

Google関連では以下のような記事もあります。

■「グーグル、アドセンスに新機能を追加
■「GoogleがGmail提供拡大、20人に1人の割合で登録可能に

とにかく勢いに乗っている気がします。企業が注目を集めるためには、じっとしていてもダメで、何か話題づくりに動くことが必要です。動くことによってリスクも生じるわけです。ただ、そのリスクを考慮しつつ、最大の効果を上げることが重要。見切り発車が多いのはどうかと思いますが、動かないことには結果も出ない*1。

最近ある本で「判断」と「決断」の違いを読んでなるほどと思いました。

情報が十分にあるなかで結果を選ぶのが「判断」であり、情報が不十分な状態において結果を選ぶのが「決断」とのこと。経営においても人生においても、決断が必要なのかもしれません。

+++++

*1:そういう意味ではライブドアの堀江さんを僕は評価します。とにかく動いている。いくらお金があるといっても、動かないひとは動かないでしょう。

投稿者 birdwing : 2005年3月17日 00:00

« 棲み分け考 | メイン | オープンソースの哲学 »


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://birdwing.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/763