2005年1月31日
こだわり。
忙しさのトンネルからもう少しで抜け出しそうなのですが、土曜日出勤、日曜日も自宅で仕事という毎日です。さすがにモチベーションも下がって、もう仕事やりたくないなあ、という気持ちになるのですが、いざ始めてしまうとテンションが高くなって結構集中しています。あれ?面白いかも、と思うのもしばしば。
午後からの打ち合わせのために急ピッチで分析報告書を仕上げたのですが(打ち合わせ5分前に完成)、打ち合わせのなかで、この数字はどういう意味だ、このグラフは何を意図するのか、ということを詰めていきます。もう、それぐらいでいいでしょ、と投げ出したくなるのですが、そこを突き抜けると、もっとこだわりたくなる。2時間じっくりと討論しました。まだまだ分析の甘い部分もみつかって有意義でした。とはいえ、明日までにやり直しなわけですが。。。
こだわりといえば、こんなニュースが目にとまりました。
■草かんむり、3画に 4画派・大修館書店が「決断」
3画か4画か――漢和辞典で長い間、揺れていた「草かんむり」の画数が、大修館書店が出した「新・漢語林」で3画に変わった。同書店は世界最大の漢和辞典、諸橋轍次の「大漢和辞典」(1960年)を発行している老舗(しにせ)。中国の古い文書を読もうとする専門家が頼りにする「大漢和」では4画だ。常用漢字や人名用漢字の3画に追随するのは、「大きな決断」だった。
草かんむりなんて、当然のように3画だと思っていたのですが、4画派もあったんですね。そして変更するのは「大きな決断」だったと。
プロのこだわりだなあと思いました。
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2005年1月28日
効果測定としてのブログ
ブログを使って何ができるか、ということを考え続けていて、まだ明確な答えは出ないのですが、なるほどなあと思ったのは以下の記事です。
インターネット調査会社各社は、第39回スーパーボウルで放映される広告の「井戸端会議効果」を測定するために、「Blogosphere」に上がったコメントを集めようと計画している。
ストリーミングでライブを中継すると同時に掲示板に書き込みをさせる、というイベントがありましたが、その大掛かりなものかもしれません。ただ、違うのは既にあるブログから意見を収集しようとしていることでしょうか。
業界の専門家によれば、こうした調査を通じて、いずれは反響や効果に対する評価やフィードバックをリアルタイムで提供できるようになるという。また、すでに既存の大手メディアに影響を与えているブログという新興メディアが、これによってさらに影響力を拡大することにもつながる。
いかにもリサーチ会社が提案しそうな感じですが、実際にはどうでしょう。
たとえばIntelliseek(本社:オハイオ州シンシナティ)では、350万以上のブログを対象に、スーパーボウル放映中に流れたCMに対するコメントの調査を行う計画がある。同社は、この調査結果を最高2万ドルで広告主に提供する予定だ。今年は、試合の合間に流される30秒のスポットCMが、昨年の230万ドルから240万ドルまで上がっているが、この広告料金に比べればIntelliseekの請求する金額は1%に満たない。
効果測定をする価格としては、安上がりかもしれません。ただ、問題なのは分析の手法だという気がするのですが。
29manさんのブログにも掲載されていて、最後の部分にうなづけました。
■TVCMに関するブロガーの反響をレポートにして売るビジネス
でもさ、こんなのRSSリーダーとブログ検索エンジン(Feedbackやlivedoorの未来検索)を上手く活用すれば誰でもできちゃうんだよね。29manも担当しているクライアントの商品名やキーワードでRSS購読してるからどこかのブログに話題があがったらだいたいチェックしてるしね。
情報を収集するのであれば、ちょっと知識があればできる。ただ、問題は分析して方向性を導き出すこと。
ただし、ブログのエントリーを集めた定性データをマーケティングで活用できるように、ちゃんとした切り口で分析してレポートに仕上げらるのは時間もかかるし大変です。それがしっかりとできるのであれば付加価値は充分に出せるでしょう。ブログでビジネスしたいと思っている方は今のうちに是非!みたいな(笑)
ぼくもいま、分析三昧の毎日なわけですが、結果についてコメントはできる、でもそこからさらに上位の方向性を見出すのは、ものすごく苦労しています。
特に、ブログの分析となると、手法としてはテキストマイニングですよね? まさか文章をひとつひとつ読んで関連する言葉をまとめて...という、アナログな手法ではないでしょう。
自由回答を分析して、そこから洞察を得ることは、知識も必要だしセンスも必要。ブログに書き込まれた膨大なテキストの分析ということを考えただけで、なんだかくらくらしてきました。
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2005年1月27日
書いていいこと、悪いこと
ブログでは、記事を確認しつつ修正を加えることができるのが利点だけれど、それは個人の日記に関して言えることで、企業で運営するブログに関しては、そうもいかないかもしれません。公開した記事はコピーしておくことができるし、発言を撤回した場合には、撤回したというネガティブなイメージがどうしても残ってしまう。企業内の個人となると、その使い方にも注意が必要です。
CNETに以下のような記事がありました。
Mark Jenは今週、ブログの中で言ってよいこととそうでないことがあるという教訓を得た。同氏は、自分のブログで現在の勤め先であるGoogleをやんわりと批判し、その後ウェブからこの批判的発言を削除するという経験をしたのだ。
あまり明かされることがなかった社内の事情について、ブログに書いていたようです。実は「そうでないこと」の方が、読み手としては知りたいことだったりします。
たとえば、同氏はGoogleと以前勤めていたMicrosoftの給与や福利厚生を細かく比べ、Googleのほうが劣っていると記した記事も公開している。
確かに知りたいことではありますが、書くべきことではないかもしれません。
ブログの内容が問題になって解雇されたという例もありましたが、何を書いたらまずいか、というのは明確なガイドラインがないだけに難しい。ただ、ガイドラインできっちりと締め付けられたら、非常に曖昧で刺激のないものにもなりかねない。
とはいえ、文字数やさまざまな制約のなかで、表現していくのがプロのライターではあります。したがって、さまざまな制約がありながら、おっ?と思わせる切り口で読ませるのがプロのブロガーかもしれません。それは決して、ゴシップなど暴露ネタじゃなくてもいい。
一方で、ブログを有効なコミュニケーションツールとして活用している企業幹部もいる。Sun Microsystemsの社長であるJonathan Schwartzがこの好例で、同氏は自分のブログにパートナー企業や競合社の業務に関する苦言提言を掲載し、メディアから大きな注目を集めている。
経営者という立場を生かしたうまい活用方法だと思います。昨年にブログ元年を迎えたといえ、その使い方が洗練されていくのは、まだまだこれからになりそうです。
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2005年1月26日
就活のご参考に
昨日は徹夜でした。土曜日に引き続いて今週は2回目の徹夜ですが、(年齢のせいか)なかなかきついものがあります。
とはいえ、できる限りの努力をしてお客様のところにお持ちしたものが評価いただいたので、とりあえずは何よりでした。努力を認めていただいたせいか、他のお仕事の話もいただいて、朝まで頑張ってよかったなあ、と帰り道しみじみ思ったものです。
担当の方との雑談のなかで、ビジネスは人だ、ということを話されていて、やっぱりそこがツボなんだな、という気がしました。
現在の会社までに数回転職をしているので、いままでの経歴などについてもお話したのですが、仕事を学ぶというよりも人を学んできたような気がします。そして、就職したばかりの頃には、この先どうなってしまうんだろう、こんなことやっていて何になるんだろう、思っていたことが、いまになって振り返ってみると、ひとつひとつがムダではなかった。道草のように思えたことが、ちゃんと意味があるんだなと思いました。
就職について考えていたら、ネタフルの記事が目につきました。
やっぱり何かやってくれそう、という期待感が学生にもうけるのでしょうか。
「今後転職すると思いますか」という問いには、若手社員の30.7%が「そう思う」、38.2%が「ややそう思う」と回答。希望する転職先について859人が回答。ソニー(74件)、トヨタ(73件)、公務員(43件)に次いで、楽天(35件)、ライブドア(26件)、ヤフー(19件)などがランクインした。
さてさて、月曜日のプレゼンの結果が。。。
やった!!!
競合に勝って、うちに仕事が決まりました!! 土曜日、日曜日を返上して、仕事した甲斐があったなあ。ううう。ちょっと泣けてきた。
しんどいことも、爆発しそうになることも、落ち込むこともありますが、こんな嬉しさもあるから仕事ってすばらしい。リスクが大きいことに挑戦すると、それだけのよろこびも得られる。
これから就活される学生のみなさん。大企業はもちろん、ちいさな会社でも、仕事のよろこびはみつけられると思います。ぜひ自分を活かせる仕事をみつけてくださいね。
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2005年1月25日
威力のあるブログ
昨年末、サンはOSを無償化して、サポート料を徴収するビジネスモデルに転換することを発表しています。Linuxに対抗する目的ですが、リリースによると1月末からこのビジネスモデルに転換する、とのこと。
しかし、IBMがこのサポート体制に消極的なことから、Jonathan Schwartz氏は自分のブログでIBMに対する批判を掲載していることがIT PROの記事にありました。
■米Sunの社長兼COO、「Solaris 10」サポートに消極的な米IBMを批判
Sun社社長兼COOのJonathan Schwartz氏は米国時間1月21日に、自身のブログ・サイトでIBM会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏に宛てた手紙を掲載し、Solaris 10対応を強い口調で要請した。
COOからCEOに対する手紙です。ブログというメディアを使って、トップからトップへの批判を行っています。
手紙は「Dear Sam」という親しげな書き出しで始まり、両社の長期にわたるパートナ関係を讃えた上で、IBM社がSolaris 10対応に取り組まないことを「ベンダー・ロックイン戦略」と批判した。
これはいわゆる社長ブログといえますが、日本の一部の社長ブログに多いような、あれを食べた、ここで飲んだ、誰と会った、こんなことを考えています、というほのぼのとした内容ではありません。戦略的に情報を発信している。
上記に対するIBMの対応としては、広報のコメントが掲載されていました。
IBM社広報担当のSteven Eisenstadt氏は、「IBM社は顧客の要望があればSolarisをサポートする。しかし今のところ、それに足る強い市場の需要は感じていない」と述べている。
IBM関連では、事業の売却が国家安全保障問題に発展するかもしれないと懸念されているニュースもあります。
■IBMによるレノボへのPC事業売却、米の国家安全保障問題に発展か
IBM関係者からの電子メールでは、同社は認可に関与するすべての政府機関と協力して、問題解決にあたっているという。
問題が起こった後のフォローとしてはメールなどが効果的だと思いますが、まず戦略をブログなどで示すことも、効果的かもしれません。
とはいえ、企業の風土や、リーダーシップについての考え方などが関連するので、一概に何が正解であるとは言えません。あまりに過激な発言をすると、リスクが高いことは確かです。けれども、経営者のブログで企業が進むべき方向性を先取りしたり、競合他社への牽制をするなどの威力がある使い方もあるだろう、ということを感じました。
ちなみに英文ということもありますが、Jonathan Schwartz氏はデザイン的にもシンプルで好感が持てました。
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2005年1月24日
コラボ小説
休日返上で仕事をしていました。土曜日は午後出勤、そのまま会社に泊まって7時に帰宅。日曜日は午後出勤、会社の方に送っていただいて深夜2時に帰宅。そして本日の午後、やっとプレゼンが終わって、ほっとしています。
疲労と緊張で背中が痛くなってしまったのですが(どうも結石っぽい)、同行した制作の方に、葛根湯をいただいて飲んだら、なんとなく痛みが薄れました。ありがとうございました。今日は、はやく帰ろうと思います。息子の誕生日だし。
インターネットから生まれた本というのはいろいろありますが、最近では「電車男」は有名です。今日、FPNに掲載されていた「今週、妻が浮気します」というのはタイトルだけで目を引くものでした。
この本は、OKWebという質問回答サイトで実際にあったやり取りを記録したものだ。ログはまだ、OKWeb 今週妻が浮気します。に残っている。
なるほど。創作なわけですね。しかもひとりの作者によるものではなく、合作となっている。コラボ小説、みたいなものかもしれない。
今週妻が浮気します。という衝撃的なタイトルで始まった質問に何人かの回答者が答えを記入していく。物語は、妻が浮気をすることを察知した質問者が、タイムリミットである今週末を目指し、回答者と共に解決策を模索していく。寄せられた回答に対し、質問者は「お礼」という形で自らの意見を書いていく中で、どうして妻が浮気をしたのか? 本当に自分はどうしたいのか? 妻を愛しているのか? 妻は自分を愛しているのか?ということを自問自答していく。
物語の背景まで、サイトにアクセスしたひとが作っていくのは面白い。ちなみに装丁は以下のような感じです。なかなか軽い。
今週、妻が浮気します 中央公論新社 2005-01-25 by G-Tools |
大学時代の知人と、ブログでそんなことができないか、という話をしていました。例えば、ある設定を決めて(エレベーターに閉じ込められた3人とか)、それぞれの配役で書き込みをしていく。管理人の僕は、背景や会話についての解説などを加えていくわけです。面白いんじゃないの?とはいったものの、まだ実現していません。
ココログでは、ブログを書籍化するコンテストもやっていて、結果が発表されていました。
ココログプロでは、ライターを複数招待して、グループでブログを書くことができるのですが、グループの応募はなかったのかな?とふと思いました。
ひとりで書く日記ではなく、共同エッセイみたいなスタイルをとること、配役を決めた創作をすること、連歌みたいな創作など、ブログと文学も、まだまだ何か面白そうなことができそうな気がします。
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2005年1月21日
ロボットたちの時代
先日、ロボットをバトルさせるテレビ番組を息子と見ました。ロボコン自体には歴史があって、ロボコンを取り上げた映画(邦画)もあったような気がするのだけれど、実際にテレビをみながら「あ、あのロボット買ってみようか」と言えるようになったのは最近のような気がします。もちろん玩具ではあるのですが。
家電量販店でロボット玩具の普及啓蒙をするための売り場をつくる、というようなことも面白そうです。
さて、AIBOのライバルとして、セガから犬型ロボットが発売されるようです。
Japan Todayのニュースサイトによると、4本足のこのロボットには、鼻をはじめ、小さな身体のあちこちに多数のスイッチがあり、これを使って作曲や音楽の再生を行う。
とはいえ次の記述。
飼い主はApple ComputerのiPodデジタル音楽プレイヤーをはじめ、自分の好きなデバイスを使ってidogをプログラムすることも可能だという。
idogという名前でなんとなく思ったのですが、これもiPodの周辺機器とも考えられないこともないですね。
10月に発表された最新のAIBOは、デジタル音楽ファイルやCDの曲を再生したり、ダンスもできる。AIBOはMP3、WAV、Windows Mediaファイルに対応し、PCから無線でコントロールできる。また、Microsoft Outlook互換のスケジューリングツールも用意されているため、飼い主に約束の予定を知らせることができ、ビデオを録画する機能まである。
最初はみんな玩具みたいなものだったのかもしれません。例えば、パソコンも。
ところが数年が経て、気がつくと、ええっ?こんなこともできるの?というものに変わっている。AIBOやidogのような犬型ロボットも、癒し系という意図だけではなく、セキュリティを管理したり、子供に勉強を教えたり、数年後には人間のパートナーとしてドラえもんのようになるのかも。
あ、あれは猫型だったか。。。
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2005年1月20日
リラックスする色
いい天気です。とはいえ仕事が忙しくなりました。来週の中盤まで、かなり追い込まれています。が、充実しています。このテンションを維持していきたい。
オーバーフローしそうな自分を、落ち着け、落ち着け、となだめているのですが、気分と色は、関係しているのかもしれませんね。記事自体は昨年の12月のものですが、忙しさのなかであらためて電通「トレンドボックス」の記事に目をとめました。
2004年は、自分のテーマカラーとして「元気」「前向き」な「オレンジ」や「赤」をあげた人が多かったとのこと。今年は落ち着きの「緑」。机の上にあるグリーンアップルのガムも緑です。そういえばコンビニに行くと、このガムを買ってしまう。
2005年のあなたのテーマカラーをたずねたところ、「緑」(14.0%)と回答した人が最も多かった。次いで「オレンジ」(11.3%)、「白」(9.8%)、「青」(9.5%)、「赤」(8.8%)の順であった。
男性と女性でもテーマカラーの順位は変わるようです。女性は、「オレンジ」「緑」「白」「黄」「ピンク」の順とのこと。
2005年は、多くの人が前向きな気持ちをもっているものの、ただがむしゃらに進むのではなく「全速力かつマイペース」や「無理しない、でも、諦めない」など、自分のペースや自分らしさを失わずに、無理せずに進んで行きたいという気持ちが強くなっているようだ。肩の力を抜き、自然体で前進する消費者の動きに注目していきたい。
なるほど。ちょっと力が入りすぎている気もするので、この辺で深呼吸。肩の力を抜いてみますか。
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2005年1月19日
書くことのキャズム
ジェフリー・ムーアのマーケティング理論によると、「ビジョン先行」派(Early Adopters)と「価格と品質重視」派(Early Majority)の間には大きな溝(キャズム)があり、ハイテク製品がブレイクするためには、この溝を越えることが必要だという。以下の本で書かれています。
キャズム 川又 政治 翔泳社 2002-01-23 by G-Tools |
つまり、新しいもの好きで誰よりも早く新製品を使いたいオタク(Innovators)や製品の未来に期待して購入するビジョン先行派(Early Adopters)には売れたとしても、その先にいる価格や品質を慎重に検討するようなひとたち(Early Majority)に売るのが難しい、ということ。この溝を越えられずに消えていった製品も多い。
で、唐突なのですが、ブログに関してもキャズムってあるなあ、と思いました。
それは「読むこと」と「書くこと」のキャズム(溝)です。この溝を超えてしまえば書き続けられるのだけれど、勇気がなくて越えられない。
掲示板やコミュニティに関してはROM(見るだけで書き込まないひと)という言葉もありましたが、もしかすると「読む」と「書く」はまったく別の思考形態もしくは行動だったりするのかもしれません。
実はプライベートな話ですが、昨年の末に大学時代の友人たちと同窓会をやったときに、何かやろう!と盛り上がって、ココログを使ってブログを立ち上げました。グループで投稿ができるので、みんなで書いたら面白いと思ったわけです。とりあえず僕は言い出したひとなので書き込むのですが、メールで「今日のブログ読んだよ。面白いね」と感想を送ってくれても、なかなか書き込んでくれない。
ところが、本日、ついにメールしかくれなかった友人のひとりが投稿してくれました。すごい。キャズムを越えたわけです。
そうしてひとつひとつキャズムを越えることで、何かができるような気がします。積み重ね、だと思うんですよね。たかがブログですが、文章を書くことには変わりがありません。そして、人間の思考は言葉によるものだから、文は人なり、ということにもなる。書くことで自分を対象化できるし、書くことを発端として自分を変えることもできる。
複雑な文章や借りものの言葉を使っているうちはまだまだで、ほんとうは自分の言葉で語ることが重要かもしれません。それは決して複雑な言葉ではなくて、シンプルな言葉なのかも。
そんなことを考えていて思い出したのが、田坂広志さんの「企画力」「営業力」という本です。
企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得 田坂 広志 ダイヤモンド社 2004-03-11 by G-Tools |
この本はすごく読みやすい。行間も空いているし、たいした本じゃないじゃん、というひともいるかもしれません。けれども、僕は読んでいて、1語1語がびしばし利きました。いろいろな経験をされて言葉を研ぎ澄ませると、こういう言葉になるんだな、と。つまりツボが的確に押さえられている。これを言いたかった、考えていたんだけど言えなかったんだよ、というエッセンスが詰まっている。例えば、プロは瑣末な仕事にも手を抜かない、なぜなら手を抜くと勘が鈍るから次に大きな仕事をしようと思ってもできない、ということなどなど。
「いつかはやりたい」と言っても、いまやっていなければできないのと等しいと思います。言うことは容易いが、行動は難しい。できることからはじめること。一歩踏み出すこと。そうして、できることを積み重ねること。
降り積もった雪のなかに足を踏み出すのは躊躇します。きれいな風景を壊したくない。踏み出した途端に、足を滑らせて転ぶかもしれない。それでも、踏み出したことで別の場所に行くこともできる。
一歩踏み出すひとたちを応援したい。そうして自分自身も踏み出すひとでありたい。どんなにリスキーであっても。そんな決意をあらたにしました。
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2005年1月18日
クリエイティブを共有する
ライブドアがSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)に参入とのこと。現状では、mixiが約26万人(2005年1月4日現在)ですが、ライブドアでブログを開設しているユーザーが移行すると大きくなりそうな気もします。
■ライブドア、SNS「livedoor フレンドパーク」ベータ版の提供を開始
ライブドアは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)「livedoor フレンドパーク」のベータ版提供を1月17日に開始した。登録および利用料金は無料だが、既存会員からの招待が必要。
ここまでは前置きです。
ライブドアといえば、ブログの著作権の記述について、利用者から指摘を受けて規約を書き換えた、ということがありました。
著作権についてはウェブログを著作した利用者に帰属しますので、その利用について弊社は制限をすることはありません。
また、著作者人格権の記述については、もちろん故意に著作者人格権を行使せざるを得ない行為(改悪など)を弊社が行うことはありませんが、例えば、文章を読みやすくするための編集などを行う際に都度確認をしないで済むようにする、などの効果を想定した上でこのような表記とさせていただきました。
ブログは誰のものか、ということでした。そして、著作権は利用者に帰属する、ということが明確化されています。SNSは誰のものでしょう? コミュニティの書き込みは? 「電車男」みたいなドキュメンタリーが今後も登場するとなると、著作権についてもいろいろと考えなければならないかもしれません。
誰のものか、という観点でいうと、ソフトウェアにはオープンソースという流れがあります。知識を共有することによって、みんなで開発する。Linuxはもちろん、XOOPSやZOPEというコミュニティ構築もしくはCMSのソフトウェアもそうです。
そして、クリエイティブに関して言うと、ローレンス・レッシング教授のクリエイティブ・コモンズという動きがあります。(これは弊社にもちょこっと関連している、といえるのですが)。乱暴かもしれませんが簡単に言ってしまうと、作品が2次利用されることを前提として、クリエイティブ活動をするということのようです。
HOTWIREDに、日本でクリエイティブ・コモンズに楽曲を提供している小山田圭吾さんのインタビューがありました。
■クリエイティブ・コモンズのライセンスつきCD『The WIRED CD』に参加する
著作権の形態をアーティスト自身が決められるということもあるんですが、ライセンス登録が増えて、ちゃんとアーカイブ化されれば、そこからまた新しい作品が作りやすくなるということですよね。世の中全体が規制を強める方向に傾いているから、こういった動きがないとつまらない、と思います。
なるほど。作品のアーカイブというのは面白いと思います。
小山田さんの「Wataridori 2」も聴いたのですが、楽曲の部分を使って別の曲を作るというよりも、映像と組み合わせた方が世界が広がる気がしました。実際には、サイトのBGMとして使っているひともいるようです。
リミックス曲やサンプリングした曲はまだチェックしていないんですが、ジョーイが教えてくれたのだと、誰かの写真日記みたいな個人サイトがあって、スライドショーのBGMに使われているのを見ました。外国の人なんですけど、ある時間ごとに常に自分を撮っていて、1週間とか続けたものをスライドショーにしているんです。
実は、個人的には音楽制作を趣味としています。いままでDTMで打ち込み主体だったのを、今後はサンプリングも取り入れたいと思っていました。ただ、小山田さんとしては逆のようですね。かなり先を行っている。
ちなみに僕が最近使った音楽のソフトウェアとして面白かったものは、VOCALOIDという歌声を合成するものでした。ワープロの音声読み上げソフトがありましたが、基本的にはそのソフトが歌う感じです。しかし、ビブラートなどを付加すると驚くほどリアルな声になる。びっくりしました。
YAMAHAさんの技術をもとに、日本語ではクリプトン・フューチャー・メディア株式会社からMEIKOというソフトが出ています。これは拝郷メイコ(1978年東京都大森生まれ)という実在する女性の声をモデルとしているとのこと。
このVOCALOIDの技術に期待しています。
声の著作権はどうなるんだろう?と思いました。また、ボーカルのデータベースがあるとすごいことになるかもしれません。クリエイティブ・コモンズのライセンスとして。
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2005年1月17日
未来に対する洞察
IBMがPC事業を分離したことに引き続き、HPではPCとプリンタを統合する動きがあるようです。
両部門はすでに、家電製品などのプロジェクトにおいて広範な協力を行ってきている。両者はこれまで、リビングルーム向けに設計されたPCやテレビ、デジタルカメラ、プリンタ、そしてApple Computer製iPodのHP版を含む携帯音楽プレイヤーなどの家電製品を販売してきており、今回の部門統合でこれらの製品ラインが1つに組み合わされることとなった。
ここでも携帯音楽プレイヤーが出てきますが、デジタル関連の製品は互いに連携したり機能を共有するものが多くなってきています。だから、ひとまとめにするというのは、非常にわかりやすい
これは前向きな見解なのですが、アナリストとしては、HPの事業がうまくいっていないのでは?と懸念する考え方もあるようです
「この組織改編で、HPのPC事業の業績が上向くかどうかは疑問だ。この部門統合は、PC事業がHPの期待していたような利益を生み出していないことを示唆しており、それが一番重要な点かも知れない」と、Argus ResearchアナリストのWendy Abramowitzは述べている。
余談を挟みますが、現在データ分析の仕事を進めています。データを分析するときに、多いデータに注目するのか、少ないデータに注目するのかによっても、判断が変わってくる。同様に、ポジティブな情報に注目するのか、ネガティブな情報に注目するのかによっても、考察の方向がまったく変わります。
しかし、リスクを回避するのであれば、ネガティブな情報に注目して対策を練った方が賢明かもしれません。
HPのPC部門は黒字だが、PCビジネス全体は今後数年にわたってさらに厳しい状況が続くとみられている。市場調査会社Gartnerの予想によると、PC市場は2005年に比較的活況となるものの、2006年から2008年にかけては成長率が鈍化するという。こうした圧力から、有力PCメーカーは事業の縮小や、あるいは撤退までをも視野に入れているとGartnerは述べている。
いま、PC関連業界の動きは、この数年後を見据えたものかもしれません。
ところで、分析の仕事以外には、部門の業務案内を制作する仕事にも携わっているのですが、こちらも5年間使い続けられるものを作るためには、未来に対する洞察が必要になります。まだ、はっきりと見ることはできないのですが、見ようと努力することによって見えてくるものもあるようです。
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2005年1月14日
満足とお金の関係
仕事が結構忙しくなってまいりました。分析2本、社内案件2本、提案2本、そしていろいろ。長期的な視点でやらなければならない自主的な課題もあり、こちらに注力しようとも思っていたのですが、延期することになりそうです。エンジンの回転数を上げなくては。頭脳というCPUがデュアルだったらいいのに。
さて、手がけている仕事のなかに顧客満足度調査についての分析もあるのですが、満足について考えていると自然と満足というタイトルが目に入ってきます。
FPNに次のような投稿がありました。
環境が整備されすぎていても、成果がよくなるとは限らない。それはよくわかるような気がします。
通常言われる金銭的報酬や職場の人間関係などは、離職率や欠勤率を良好にする要因にはなっても、仕事を熱心に行わせる要因には結びつかない。このため、仲良しクラブ的組織ができることが普通にある。
まったく違う考え方をする人材がいるからこそ、組織は活性化する。別に仲が悪くなる必要はないと思うのですが、仲がいいと「そこ違うんじゃないの?」ということも言えなくなる気がする。
人々を熱心に仕事への向かわせるのは、仕事の達成感、仕事の成果に対する組織内での評価、仕事に付随する責任の大きさなど、仕事自身から生まれるものである。
そりゃ当然ですね。仕事をするために会社に来ているわけですから。仕事の満足度をあげるためには、きちんと仕事について考えることが大事。当たり前ですが、飲んだからといって不満は解消できたとしてもマイナスがゼロになっただけで、プラスに転じて満足できるわけではない。
給料と仕事のやりがいの天秤について、ときどき考えることがありますが絶対というわけではない。仕事の価値をはかるものは、お金だけじゃありません。
商品の購買行動についても、そうだと思います。
問題は、消費者がこの新しいハードウェアに殺到するのか、それとも価格に尻込みするのかだ。
コンセプトPCがいずれも成功していないことなども書かれています。やっぱりいまのところはPCというカテゴリーでしか考えられないのでしょか。
購入するのはモノだけじゃないはずです。Mac miniを買うひとは、ハードウェアを含めた未来を買うのだと思います。ライフスタイル、といってしまうと、ちょっと陳腐になりますが。
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2005年1月13日
りんごの季節
Macworld Expoということもあるのですが、アップルの話題が賑やかです。
■米Appleの2004年10~12月期決算、売上高/純利益ともに過去最高
Apple社が同期に出荷した「Macintosh」は前年同期比26%増の104万6000台。また「iPod」の出荷台数が大幅に伸び、前年同期から525%増の458万台となった。
525%増!! すごいです。製品も次々と発表されています。
同社は、コンパクトな筐体が特徴のMac mini、フラッシュメモリを搭載した携帯型音楽プレーヤのiPod shuffle、iLife '05の機能をフル活用でき、書類やプレゼンテーションを作成するプロダクティビティ・ソフトウエア「iWork '05」のリリース予定を同月11日に明らかにしている。
iPod、iLife、iWork。「i」でブランドを統合している。一時期、インターネットのビジネスといえば「e」だったり「i」が必ず着いてうんざりすることもありましたが、いまや「i」といえばアップルのイメージが強い気がします。
フラッシュメモリ搭載モデルの発売ですが、やはりアップルらしいデザインというか、洗練されていますね。
iPod shuffleがもっとも割り切った点は、液晶パネルを使った曲名表示はもちろんのこと、聞きたい曲のサーチなど考え方によっては音楽プレイヤーとして必須の機能をばっさりと切り捨てている部分だ。
正直なところ、持ち歩いて聞く曲は限られていると思います。お気に入りのなかでも特にお気に入りの曲で(僕の場合)、曲名なんかは表示されなくてかまわない。順序もどうでもいい。シャッフルして聞きたい。
洗練、というのは、ある意味、切り捨てることかもしれません。家にある全部のコレクションを持ち歩くのではなくて、外で聞く曲を選ぶ。あれもこれも、というのでは、洗練されていない。洋式のリビングに扇子や木彫りの熊が置いてある成金趣味の部屋のようなものです。すぱっと切り捨ててしまうことで、スタイルがみえてくる。好感がもてます。
そもそも、情報にしてもモノにしても、ゆたかさが過剰なのではないでしょうか。だから、このようなシンプル志向の製品は、かえって新鮮です。
Mac miniについては、以下の記事が面白いと思いました。
「最強のiPod周辺機器」ですか(笑)とてもわかりやすい。実感としてその通りだし、割り切り方が潔い。
周辺機器としては、iPodの弱点ともいえるヘッドホンに注目し、人気にあやかるメーカーも出てきているようです。
■sciiPod人気の御利益にあずかる音響機器メーカー--高級イヤフォンがバカ売れ
iWorkに対しては、マイクロソフトが正式にMac版Officeの提供を継続することを発表しました。
■マイクロソフト、Mac版Officeの提供継続を表明--iWork発表を受けて
Microsoftによると、同社はAppleと協力して、Office 2004がTigerで確実に動くようにするための作業に取り組んでおり、特にTigerに内蔵されるデスクトップ検索機能のSpotlightで、Officeのファイルを検索したり、リスト化もできるようにする。Appleは声明の中で、Microsoftのこうした動きを高く評価している。
正解だと思います。協調戦略をとることで活性化すると考えます。ひとつの製品が市場を独占するよりも、ライバルの製品があった方が活性化する。どちらの方がいいか、などと検討するのは、ユーザーとしても楽しいものです。ライバルでありつつ、一方では技術的にも手を組むという姿勢は、成熟した企業のような印象を持ちました。
りんごの季節に、たくさんの実りがありますように。
投稿者 birdwing 日時: 00:00 | パーマリンク | トラックバック
2005年1月12日
パソコンがなくなる日
パソコンの事業を分離したIBMですが、以下のようなニュースもありました。
■IBMが500件の特許をすべてのオープンソース・ソフトウエアに許諾
「従来のインダストリアル・エコノミーと異なり,イノベーティブ・エコノミーにおいては,知的財産権を単に所有者に自由と収入をもたらす以上のものとして適用することが要求される。世界中の開発者の協業に基づく革新,相互運用,オープン・スタンダード,オープンソース・ソフトウエアを促進することは,市場を明確に活性化する。IBMがオープンソース開発者に開放する特許は,継続的な革新を促進するために役立つと確信している。」(IBM senior vice president, Technology and Intellectual Property John E. Kelly氏)。
巨人に比喩される企業ですが、社内のリソースを開放することによって、しなやかに革新の道を歩んでいるようにみえます。競合というよりも共生というような感じでしょうか。使い古された言葉ですが。
また、プロセッサ関連では、以下のような明暗がリリースされています。
第4四半期は、マイクロプロセッサ、チップセット、マザーボード、およびワイヤレス接続製品の出荷量が過去最高を記録。マイクロプロセッサは、平均販売価格はほぼ横ばいで、エンタープライズ用とモバイル用が好調だったという。
NORフラッシュメモリ市場で「競争が激しく困難な」状況にある中、メモリ部門が減収となり営業赤字が予想されることが原因。売上高は第3四半期の12億3900万ドルから微増を見込んでいる。
とはいえ「プロセッサ事業を扱うコンピュテーションプロダクト部門は引き続き上昇基調」と書かれています。トランスメタが事業転換を模索している記事もありましたが、フラッシュメモリ市場ではAMDも苦戦しているようです。
そして、やはり今日いちばん話題となっているのは、Macの新製品「Mac mini」でしょう。
液晶のモニターはもちろん、キーボードやマウスも別売りのようですが(Windows用のものを使うことができる、とも書いてありました)、国内の販売は1月29日となり、40GBのモデルは5万8590円。上位モデルは7万円140円の価格。シンプルな筐体がMacらしく、ちょっとこれは購買意欲をそそります。
マーケティング的には、以下の記事に注目しました。3つのキーワードがあると思います。
■アップル、499ドルの「Mac mini」をまもなく発売へ--米国では22日から
「これは、いままでに登場したMacのなかで最も手ごろな価格の製品だ。(Windowsからの)乗り換えを考えている人にとっては、これでためらう理由がなくなる」(Jobs)
ひとつ目のキーワードは「乗り換え」 。これはそれほど新しくはない考え方ではありますが、時期としては面白い気がします。キーボードやマウスやディスプレイはWindowsのものそのままで、マシンだけMacというように乗り換える。IBMがパソコン事業を分離した現状において。
資産管理業務に携わるカリフォルニア州サンフランシスコ在住のRaymond HowardはMacworld Expoの会場で、「これは、新しいユーザーにMacベースのコンピュータを使ってもらう方法の1つだ。iPodを購入し、次はMacでも買おうかと考えている人たちにとって、最適の製品だ」と語った。
ふたつ目のキーワードは、「クロスセル(関連性のあるものを購入)」。勢いにのっているiPodユーザーに、じゃあ次はMacでも、というのはわかりやすい戦略な気がします。
Macファンは、iPodの影響でAppleの製品に関心を持ち始めている一般の人々も、Mac miniの発売を機会に、Appleのコンピューティング技術を本格的に利用するようになるものと確信している。
タイミング的にもばっちりですね。
そして最後は、「ライフスタイル」。ノートパソコンを持ち歩くのとは別に、例えばキーボードやマウスは会社に置いて、Mac miniを持ち運ぶ、というようなスタイルが考えられる気がしますね。あるいはキーボードに変わる何かも出てくるのかもしれない。
「しばらくすれば、Mac miniのユニークな利用方法を考え出す人が現れるだろう。ノートPCと変わらないサイズなので簡単に持ち運べるし、ポートもそろっているのでテレビなどのデバイスにも接続できる。これは、高いポテンシャルを秘めたデザインだ」(Baker)
情報家電というのはコンセプチュアルな感じがしていましたが、実際にパソコンというものがなくなるような予感があります。そういえば、そんな予感を抱かせるのが、アップルという会社でした。遠い20世紀にも。
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2005年1月11日
継続は力なり、と言いますが。
織田氏のブログAd Innovatorで、オンラインブランデッドエンターテイメントとして、以下のような事例がありました。
■Dell Tech Force:Dellのオンラインブランデッドエンターテイメント
IT業界のキーマンに似せた登場人物が、サンダーバードのパロディで出演していて面白い。
と、思ったのですが、実はそれよりも気になったのは、以下のコメントです。
私事ですが土曜日に次男が生まれまして生活のリズムがかわるものですから、今週から来週にかけて多少ブログ、メルマガの更新が不定期にさせていただきます。通常業務はそのまま行っております。
ご誕生おめでとうございます。
織田氏はまったくお会いしたことがないですが、アメリカの最新動向といっしょにこういう記事を読むとなんだか嬉しいものです。
ブログやSNSでは、読み続けているとなんだかとても親しい仲であるような錯覚を起こすことがあります。私的なことが散りばめられているブログの方が、そういう感情になりやすいようです。コメントを投稿して、さらにコメントを返していただくと、さらに親密な感じになります。
私的な事情で不定期になる、というのもよいと思います。会社で情報配信する場合にはちょっと違うと思いますが、一度ファンになってしまうと、全面的にウェルカムで、再開するのを待ってますからどうぞどうぞ、という気持ちになります。
なかなか継続するのは難しいものです。僕は書くことが好きな方だと思っているのですが、それでもブログを見たくなくなるときがある。ただ長期的にみると、無理せず楽しく、ちょっとだけプライベートも書いてみて、というのがブログやSNSを続けていくコツかもしれません。*1
*1:実は仕事も詰まってきて、おまけに今日は寝不足&体調不調でいまひとつです。アタマが回転しません。でも、これは言い訳にはなりませんよね。美容院やお店は、まず休むことができないので偉いなあと思います。お客様あっての考え方ですね。
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2005年1月 7日
方向転換
環境が大きく変わりつつあるように感じています。
居心地のよい状況から、一歩踏み出すのは勇気がいることであり、変わらなくてもいいんじゃないの?という風にも思うのですが、動かないことの方がリスクが高い場合もあります。
プロセッサ関連では、インテルとトランスメタに関する動きに注目しました。
まずはインテルから。
IntelはItanium 2プロセッサに関して、Hewlett-Packard(HP)とMicrosoftから、良いニュースと悪いニュースを1つずつ聞かされた。
この記事は別々に読んでいたのですが、こうして統合して読むと、動きがより明確に見えてきます。企業つながりで読む、テーマつながりで読むなど、情報は横断して読むことで、世のなかの動きが立体的に見えてくる気がします。
HPは、これまでで最速のItanium 2プロセッサを搭載したハイエンドのサーバを1月18日に発表すると、同製品に詳しい関係者が明らかにした。一方、Microsoftはワークステーション向けWindowsのItanium 2対応版の開発を中止した。
続いてトランスメタ。
■トランスメタ、ライセンス事業強化へ--赤字経営からの脱却目指す
このような方針転換は、Transmetaが直面している厳しい状況を反映したものといえる。チップの設計/製造/販売には、製造をアウトソーシングしたとしても、非常に多くのコストが必要とされる。またこのビジネスでは価格競争もめずらしくはない。それに対し、知的財産権のライセンス事業は人件費を抑えながら運営することが可能で、たとえば成功例の1社であるRambusには、わずか200名前後の従業員しかいない。
ビジネスモデル自体を見直した結果、撤退という選択を真剣に検討しはじめたようです。AMDの動きも気になります。
セキュリティ関連では、シマンテックがベリタスを買収というニュースがありましたが、トレンドマイクロでは新体制で臨むようです。
ライフサイクルを通してセキュリティ上の脅威を管理すること、アップデートを顧客企業にタイムリーに提供できるようにすること、ネットワーク上の情報フローの中にサービス、製品、技術を統合していくこと、という3つの戦略を軸にして組織やパートナーも再編するとのこと。
企業規模だけでなく、業種全体のニーズを考慮して顧客を分類し、それぞれの区分に最適な営業、技術、サポートの人員を配置する組織を作る。各組織に権限を持たせることで意思決定の迅速化を狙う。
上記の表現からはみえてこない感じもするのですが、これは「顧客重視」の姿勢に基づいている、という印象を受けました。
たとえば、ウィルス、情報漏えい、不正アクセス、というようなソリューションで部署を構成するのではなく、顧客をベースにして部署をつくり、テーマを横断して、営業×技術×サポートが一体となって提案する。まだ導入していない企業には、未導入企業向けの営業や技術提供を。導入済みの企業には、導入企業向けの営業やサポートを。要するに事業部制なのかもしれませんが。
とにかく、戦略があって戦術がある、という構図がきれいに見えています。
スティーブ・チャン氏は今後、"トレンドマイクロ・カルチャー"の継続、発展に注力する。
企業のリーダーとしての立場を明確にしているところに注目しました。社長のやることは決まってる、という印象もありますが、確かに変化に合わせて、リーダーシップのタイプを変えていく必要があるかもしれません。
チャン氏は「戦略を作り、実行するために組織を再編した。私自身の役割も変えた」と述べたうえで、「私の役割は会社の文化をみて、会社全体を(過去のセキュリティの脅威などから)学習する組織に変えること。そして正しい方向に戦略が実行されているかを確認することだ」と説明した。
「学習する組織」と方向性は見習いたいと思います。予測不能な脅威があったとしても、過去の経験から対策を練ることは重要です。それは、昨日の日記に書いた震災についても同じですね。
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2005年1月 6日
社会との関わり
伊豆といえば(僕の出身地なのですが)もともと地震が多い地域であり、子供の頃には常に防災頭巾を座布団として敷いていたり、避難訓練が頻繁に行われたりしていました。地震に対する意識は高かったんじゃないかと思います。
最近、地球規模で震災が多発しています。新潟県中越地震にしても、スマトラ沖地震にしても、心が痛みます。
FPNのサイトで、徳力さんが書かれている以下の記事を読んで、僕もいろいろと考えてしまいました。
スマトラ沖地震の津波による被害の深刻さが、徐々に明らかになってきています。テレビの映像から受ける衝撃は、思わず言葉を失ってしまうほどです。
確かにテレビの映像には、目を奪われました。安全な場所にいてブラウン管を通してみているから「目を奪われました」などという、のんきなことも書いていられますが、実際には恐ろしいものだったと思います。
映像がないから報道が遅れた、というのは、ほんとうだったのでしょうか。これはマスコミの致命的な部分かもしれません。映像も情報も、ブログで発信できるというインターネットの重要性を再認識しました。
所詮、津波のような巨大な災害の前では、人間の技術など何の役にも立たないこと でも、もっと技術が上手く活用されていれば、もっと多くの人の命が救えていただろうと言うこと 果たして、その災害の現場に自分がいたら、いったい何ができただろうかということ 逆に、現在、今日本にいる自分に何ができるのだろうかということ
そうですね。ほんとうに「何ができるか」ということを考えて「行動を起こすこと」が大事です。IT業界でも動きがありました。
Michael Dellは声明のなかで、「米国民は、危機に直面したときに世界中から支援を受けることの意義を身をもって理解している。今度は、われわれがどれだけ今回の件を心配しているかを南アジアの人々に示す番だ。米国をはじめとする世界各国の人々にも、寛大な支援をお願いしたい」と述べた。
これは切実な声明です。
一方で、政治的な行動を起こそうとしたアメリカは、リーダーシップを取ろうと目論んだようですが思惑が外れたようですね。
ブッシュ大統領が同グループを創設した背景には、根深い国連不信や、京都議定書からの離脱に象徴される単独行動主義があるとみられる。欧州連合(EU)などからは「これだけの災害救援を調整できるのは国連しかない」といった批判の声も上がっていた。
どのような信念のもとに動いているのか、という違いかもしれません。大義はわかるのですが、その背景に見え隠れする政治的な意図がわかってしまうと、ちょっと冷めてしまう。
イラク戦争と同様に「有志連合」を募り、独自の支援活動を繰り広げようとした米国の思惑は外れた。
敵がいる場合には結束しやすいのですが、今回は違いますからね。国家レベルであっても、企業レベルであっても(そうして会社の社内などでも)それは同じことかもしれません。
さて、はてなでも義援金の窓口が設けられています。
ぜんぜんポイントが貯まっていないのですが、送ってみようと思います。他のサイトなども探してみることにしましょう。自分にできることといったら、それぐらいしかないのですが。*1
スマトラ沖地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、一刻もはやい災害からの復旧を切望いたします。
*1:送信後の残高が300ポイントを下回る場合には参加できないようでした。残念。
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2005年1月 5日
ファイナルウォーズ。
年が明けて心機一転。一気にスパートをかけたい気持ちもありますが、息切れを起こしそうなので、はやる気持ちを抑えつつ、ゆっくりと着実に踏みしめていきたいと思っています。そんなわけで昨日に引き続いて軽めの話題から。
年末に息子(長男)とゴジラの映画「GODZILLA FINAL WARS」を観にいったのですが、シリーズ50周年らしく、パンフレットがCD-ROM付きの豪華版でした。
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家に帰ってから息子がCD-ROMを観たいというので、やはり年末に買ったノートパソコンで観ようとしたのですが、QuickTimeがない、とのメッセージ。当然、バンドルされていると思っていたので、ちょっと驚きました。プレイヤーだけでなくiTunesとComboになっているため、独自の音楽再生ソフトが売りのパソコンにはバンドルしていないのかもしれません。
とはいえ、iPodの爆発的な人気もあり、Appleの話題が目に付くようになりました。IT業界は、業界地図が塗り替えられるような大きな動きが目立ちますが、なんとなくAppleも元気なような気がします。
iWorkの名称で時間請求アプリケーションを販売してきたIGG Softwareが、同プログラムの名称をiBizに変更した。同社のウェブサイトにも反映されているこの名称変更に先だって、Appleがワードプロセッサとプレゼンテーションソフトウェアを組み合わせた自社製スイートの提供を計画しているという噂を複数のMacファンサイトが掲載していた。
気になるのはMicrosoftとの関係ですが、Macintosh版Officeは開発を続けるようです。
ビジネスとは関係ないのですが、Logicという音楽ソフトもいつの間にかAppleブランドになっていて、Windows版がまったくないのが寂しかったりします。
iPod関連では次のような記事。
ハードディスク搭載型のプレイヤーでは勝ち組ですが、今後、フラッシュメモリ搭載型にも参入するのでしょうか。
ハードウェアだけでなくエンターテイメントという広い意味でも、次のような記事がありました。
また、AppleとMicrosoftがエンターテインメントビジネスを脅かす競合相手となる可能性があると見ていることも判明。現在この市場でどちらの製品が優れているかとの問いでは2対1でAppleに軍配が上がったが、Microsoftも力を強めているという。
エンターテイメント業界に対する怪物として、脅威となっているようです。
「GODZILLA FINAL WARS」では、ガイガンなど往年の怪獣をばたばたなぎ倒していくゴジラが圧巻でした。業界のゴジラになる企業はどこでしょう。
*1:さらに関係ないのですが、Cubaseのスタインバーグ社もヤマハに買収されました。音楽制作ソフトも業界再編が進んでいる気がします。
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2005年1月 4日
どうなる、どうする2005年。
朝、通勤電車のなかで、斉藤孝さんの「コミュニケーション力」を読み終えました。
コミュニケーション力 (岩波新書) 斎藤 孝 岩波書店 2004-10 by G-Tools |
斉藤孝さんといえばNHKの「日本語であそぼ」の監修もされていて、2歳になる息子とともに毎朝視聴している僕はこの番組の大ファンだったりするのですが、アタマでっかちな理論ではなく、「温かい身体」による「対話」という観点からコミュニケーションについて考察されていて、非常に参考になります。実際に大学のゼミで実施されている手法なども紹介されていて、実践的です。
相手を負かすための討論(ディベート)ではなくクリエイティブな対話を、という考え方は、納得できるものでした。また、デザインする、物を書く、という特別な行為や職業ではなくても、クリエイティブに生きることはできるはずです。そして、ひとりで考えているよりも複数の参加者で対話した方がさらに発想が広がる。
以下も、その通りだなと思いました。引用します。
私がいつも不満に思っているのは、日本では否定的な意見を言う人がそれなりの評価を受けている、ということだ。人の作品をけなす、弱点を指摘する、アイディアの不備を指摘する、といったことが、意味あることであるかのように考えられている。私は作品を批判するには作品で、アイディアを批判するにはよりよいアイディアで、というのが本筋だと考えている。ネガティブ(否定的、消極的)な意見を言うのは簡単だ。責任も生じない。批判する場合には、問題点を指摘するにとどまらず、それをもっとよくするアイディアを出すのが基本の構えだ。年頭に押さえておきたい言葉ですね。
「ネガティブな意見を言っている暇があったら、アイディアを出せ!」
あ、ちなみに斎藤孝さんは静岡県のご出身なんですね。同郷なので共感する、というわけではないのですが、何冊か本も読んでいるのですが、周波数が合うような気がします。ちょっとやりすぎでは?と思う部分も含めて。
情報としてはやや古いのですが、nikkeibp.jpのサイトに以下のような記事があります。
■アナリストに聞く この産業の今~2005年のビジネストレンド大予測
「三つのメガトレンド」が挙げられているのですが、コンプライアンスやCSRについてはもちろん、「削る経営」から「創る経営」への動きという点に注目しました。
2005年は、デフレ経済を生き抜いた企業同士の競争が新たな局面に入る。もはやリストラ一辺倒の"削る"経営だけでは、時代の変化についていくことはできない。新たな価値を創造できる企業のみが、本格的な成長路線に乗る。
10大トレンドとしては、環境の変化によって追い詰められた企業による「周回遅れのリストラ」についても予測されていますが、「創る経営」を方針として考えたとき、「ネガティブな意見を言っている暇があったら、アイディアを出せ!」という標語は利くような気がしました。発想の転換が必要かもしれません。
あらためて、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
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