2005年1月25日
威力のあるブログ
昨年末、サンはOSを無償化して、サポート料を徴収するビジネスモデルに転換することを発表しています。Linuxに対抗する目的ですが、リリースによると1月末からこのビジネスモデルに転換する、とのこと。
しかし、IBMがこのサポート体制に消極的なことから、Jonathan Schwartz氏は自分のブログでIBMに対する批判を掲載していることがIT PROの記事にありました。
■米Sunの社長兼COO、「Solaris 10」サポートに消極的な米IBMを批判
Sun社社長兼COOのJonathan Schwartz氏は米国時間1月21日に、自身のブログ・サイトでIBM会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏に宛てた手紙を掲載し、Solaris 10対応を強い口調で要請した。
COOからCEOに対する手紙です。ブログというメディアを使って、トップからトップへの批判を行っています。
手紙は「Dear Sam」という親しげな書き出しで始まり、両社の長期にわたるパートナ関係を讃えた上で、IBM社がSolaris 10対応に取り組まないことを「ベンダー・ロックイン戦略」と批判した。
これはいわゆる社長ブログといえますが、日本の一部の社長ブログに多いような、あれを食べた、ここで飲んだ、誰と会った、こんなことを考えています、というほのぼのとした内容ではありません。戦略的に情報を発信している。
上記に対するIBMの対応としては、広報のコメントが掲載されていました。
IBM社広報担当のSteven Eisenstadt氏は、「IBM社は顧客の要望があればSolarisをサポートする。しかし今のところ、それに足る強い市場の需要は感じていない」と述べている。
IBM関連では、事業の売却が国家安全保障問題に発展するかもしれないと懸念されているニュースもあります。
■IBMによるレノボへのPC事業売却、米の国家安全保障問題に発展か
IBM関係者からの電子メールでは、同社は認可に関与するすべての政府機関と協力して、問題解決にあたっているという。
問題が起こった後のフォローとしてはメールなどが効果的だと思いますが、まず戦略をブログなどで示すことも、効果的かもしれません。
とはいえ、企業の風土や、リーダーシップについての考え方などが関連するので、一概に何が正解であるとは言えません。あまりに過激な発言をすると、リスクが高いことは確かです。けれども、経営者のブログで企業が進むべき方向性を先取りしたり、競合他社への牽制をするなどの威力がある使い方もあるだろう、ということを感じました。
ちなみに英文ということもありますが、Jonathan Schwartz氏はデザイン的にもシンプルで好感が持てました。
投稿者 birdwing : 2005年1月25日 00:00
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