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2012年8月19日

ツイッターのトラブル対処法。

ツイッターを使っているときに、執拗に絡まれたり、ネットの知らない人物から個人のプライバシーを開示されてしまう危険があります。そのときの対処法、事前にこころ掛けておくことを自分の経験から以下にまとめてみます。

1)相手にせず、発言をスクリーンキャプチャー
ツイッターで誰かに絡まれたとき、大切なことは、まず感情的になって「相手にしない」こと。相手の発言をスクリーンキャプチャーに取っておきましょう。スクリーンキャプチャーの取り方は、Windowsではコントロールキー(Ctrl)とオルトキー(Alt)とプリントスクリーンキー(PrtScn)を同時に押すと、開かれているウィンドウの画像がコピーされます。つづいて画像編集ソフトなどでその画像を開き、保存してください。あわてて怯える必要はありません。大丈夫。まずはひと呼吸して「証拠」を残してください。

2)面倒な相手をブロック
それから執拗に絡んでくる相手をブロックしてください。自由な発言ができるツイッターですが、個人情報を開示するのはプライバシー権の侵害であり、バカヤロウなどの発言を浴びせられたら侮辱罪にもふれます。このような言葉を浴びせられたときは自分を「守り」つつ、「反撃」の準備をしましょう。弁護士や警察に連絡するような大きな場合もありますが「自衛する」知恵も大切。賢くなってください。

3)「謝罪」という言葉を使わずに謝る
訴訟を起こすまで諍いを発展させるのは不毛です。しかし、覚えておきたいこと。もし自分の発言がきっかけで相手と争う場合には、法律的な意味から「謝罪」してはいけません。自分の非を認めてしまうことになるからです。とはいえアタマを下げる素直さも大事です。やっちゃったなーとおもったら、「謝罪」という言葉を使わずに、「今回の発言では、大変失礼いたしました。ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。」と相手に告げてください。

4)トゥギャられても消せる
ツイッターの発言を「Togetter[トゥギャッター]」で自分の了承を得ずに勝手に引用されて、まとめられてしまう可能性もあります。この場合にも、やはりスクリーンキャプチャーを取っておいてください。エビデンス(証拠)を残しておきます。

実際にメールで「Togetter[トゥギャッター]」の運営会社に問い合わせたところ、このサイトは自分の発言を、発言者の権限で削除できるとのこと。

ツイッターをお使いであれば、アプリの認証でログインできますので、ログインしたら、「まとめ」という見出しの右端にある「▼メニューを開く」をクリック。ポップアップしたメニューから、「ツイートを削除する」を選択してください。個別に自分のつぶやきを選択することができるだけでなく、一括して全部を削除することもできます。自分の発言が削除されてしまうと、まとめとしての流れが「破壊」され、意味がわからなくなってしまうので有効です。

5)NAVERまとめへの連絡は平日に(8月27日追加)
「Togetter[トゥギャッター]」と同じようなまとめサイトに、NAVERまとめがあります。Wikipediaの「ネイバー」では以下のように書かれています。

ネイバー(NAVER)は、韓国最大手のインターネット検索ポータルサイトある。運営会社は、NHN Corporation。日本で提供しているインターネット検索サービス「NAVER (ネイバー)」の運営はNHN Japan(旧ネイバージャパン株式会社を吸収合併)が行っている。また、「NAVER」はNHN Japanのウェブサービス事業におけるフラッグシップブランドの名称でもある[1]。

このNHN Japan株式会社が運営する「国内最大キュレーションプラットフォーム」がNAVERまとめであり、このサイトを使って勝手に自分のツイートがまとめられてしまうこともあります。

重要なことは、ここで自分のツイートが取り上げられた場合、みずから消す機能がないということです。その点で「Togetter[トゥギャッター]」と違って不親切かもしれません。

もともとはキュレーションとして、これが面白いよ、というようなおススメをまとめるべき使い方だったかとおもうのですが、個人を特定して感想と称したいやがらせの発言を掲載するのは、悪用といってよいでしょう。

こちらもまずサイトのスクリーンキャプチャーを取っておいてください。その後、まとめられたサイトを表示させ、画面の右上にある「ログイン」の画面をクリック。アプリを選択する画面になります。そして、ツイッターのアイコンをクリックし、さらにアプリの認証画面で「連携アプリを認証」をクリックするとサービスに入ることができます。

その後、スクロールして右下にある「内容について運営スタッフに連絡」のリンクを辿ると、「ご連絡フォーム」が別ウィンドウで表示されます。ヘルプセンターからも同様の申請ができます。

「まとめ」の場合、いくつかのプルダウンメニューがありますが、プライバシーの侵害、ストーカー行為などであれば、「権利侵害」として、嫌がらせを受けたNAVERまとめのURL、勝手に引用された自分のサイトやツイッターのURLを入力します。自分のサイトに関しては、複数指摘することが可能です。記入項目はあとひとつ。どのような権利侵害を受けたかを記述。添付ファイルを付けることもできますので、スクリーンキャプチャーを添付してください。

実際にメールで「ネイバー(NAVER)」に問い合わせてみました。しかしながら土曜日・日曜日をはさんでしまったせいか、別々に書いた4通の申請に対して、自動返信4通、ヘルプセンターからのメールは1通。自動返信とはサーバー側で決められたテンプレートのメールを機械的に返信するものです。またヘルプセンターからのメールもテンプレートをそのまま送信したような非人間的な文面でした。「【緊急】」などと訴えても、返信なし。

結局、具体的な対処の返信があったのは月曜日で、ヘルプセンターからのメールも定型的な文章という印象を受けました。消費者向けのサービスであれば、土曜日や日曜日にも対応していただきたいですよね。

このNHN Japan株式会社が運営するサービスに最近伸びてきた「LINE」があります。しかし、問題が起きたときの対応力には疑問を感じました。問題がないことを祈りますが、利用者は留意しておいたほうがいいでしょう。

6)利用規約を読み直す(8月29日追加)
陰湿な嫌がらせが書き込まれたとき、「NAVERまとめ」はアクセス制限措置によってそのページを閉鎖できます。一方で「Togetter[トゥギャッター]」では、さまざまなひとからの嫌がらせのコメントやまとめの記述が残ってしまうことがあります。コメントでは、実名を名指しで罵られることもあるでしょう。

こんなときも冷静に。そして、もう一度、利用規約を読み直してください。たいていのひとは利用規約など読まずに利用者になってしまうのですが、利用規約には重要なことがたくさん書かれています。「Togetter[トゥギャッター]」の利用規約(平成23年1月17日制定)を例に挙げます。

まず「消してください」「公開しないでください」というコメントを書いたにも関わらず消されない場合には、以下の利用規約の運営を乱していると考えられます。

第9条 本サービス機能の運営
1.ユーザーは、自己の作成したユーザーコンテンツの管理義務を負うものとし、他のユーザーからの削除・非公開などの要求に対して迅速かつ誠実に対応するものとする。

さらに重要なことは、次のようなことが書かれています。

第2条
5.トゥギャッターは、本サービスにおいてユーザーが投稿又は編集した一切の情報(以下「ユーザーコンテンツ」といいます。)につき本利用規約に抵触すると判断した場合には、ユーザーへの事前の通知又は予告なしに、そのユーザーコンテンツの全部若しくは一部を非公開とし、又は削除をすることができるものとします。

つまり、運営会社に連絡すれば悪質な「まとめ」は、それを作った本人に確認しなくても運営会社が削除してくれるというわけです。その規約に基づいて考察すると、例えば「実名や職業、病気など個人的なことを書かれた、嫌な気持ちになった」「バカオンナ」「50過ぎたおっさん」などの場合を考えてみると、規約の次のような部分に反している(抵触している)と考えられます。

第3条 個人情報
1.個人情報保護法その他の法令により認められている場合

第5条 利用機能の制限
3.本サービスの利用による投稿又は編集等が、第三者に嫌悪感を与え又は公序良俗に反する表現を含んでいる場合

第6条 禁止行為について
1.法令、公序良俗若しくは社会通念に反し又は反するおそれのある行為

4.トゥギャッター若しくは第三者を不当に差別し若しくは誹謗中傷し、又はトゥギャッター若しくは第三者の信用若しくは名誉、プライバシー権、パブリシティ権、肖像権、若しくはその他一切の権利を侵害する行為若しくは侵害するおそれのある行為

7.国籍、民族、人種、社会的身分、性別、思想、信教、又は年齢等に関する差別的な表現と一般ユーザーが感じ得る行為

19.個人の住所、氏名、メールアドレス、電話番号、金融機関の口座番号等の個人を特定しうる情報を含むまとめ又はコメントの掲載行為

21.第三者の住所、氏名、メールアドレス、電話番号等の個人を特定する情報を取得する目的の行為
これらを抜粋して、違反していることを運営会社に報告(メールや連絡フォームを利用)してください。「Togetter[トゥギャッター]」であれば、平日に連絡するとほぼ1日で対応していただけます。

7)非公式RTを多用しない(8月25日追加)
事後の対処法ではなく、ふだんから心がけておくことですが、実名やアカウントを名指しで批判しないこと、そして非公式RT(リツイート)を多用しないこと。非公式RTはツイッターのリツイート機能を使わずに、RTを使って引用し、「バカじゃね? RT ぼくはこのように考えます」というような形式で発言することです。このような使い方をすると、他のフォロワーの方にも争論の内容がみえてしまい、炎上を加速することにもなりかねません。また、RTが連続すると、ふだんからきちんとコミュニケーションを取っていた方のTL(タイムライン)に送信したRTが連続して並び、不快感を与えることもあります。議論は相手と1対1でするもの。周囲を巻き込んで不愉快な炎上をさせないようにこころ掛けてください。

8)楽しんで使うこと
インターネットの世界は移ろいやすく、炎上したとしても注目を集めるのは3日ほどです。1週間を過ぎればアクセスはぐんと落ち、誰もが忘れてしまいます。とはいえ、「嫌だ」とおもったらその感情にこだわるのではなく、冷静に「処理」しましょう。ゴミが散らされたあとの後片付けであると考えてください。

簡単につぶやくことができるのがツイッターの醍醐味であり、だからこそトラブルにも巻き込まれやすいものです。しかしながら、このツールは、コミュニケーションを楽しむものとして使いましょう。どんな危険性が潜むかをあきらかにすることで、ソーシャルメディアを有効に活用することができます。

あなたのソーシャルメディアライフを大切に。

投稿者 birdwing : 2012年8月19日 12:25

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