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2005年1月 7日

方向転換

環境が大きく変わりつつあるように感じています。

居心地のよい状況から、一歩踏み出すのは勇気がいることであり、変わらなくてもいいんじゃないの?という風にも思うのですが、動かないことの方がリスクが高い場合もあります。

プロセッサ関連では、インテルとトランスメタに関する動きに注目しました。

まずはインテルから。

■インテル、Itaniumで悲喜こもごも

IntelはItanium 2プロセッサに関して、Hewlett-Packard(HP)とMicrosoftから、良いニュースと悪いニュースを1つずつ聞かされた。

この記事は別々に読んでいたのですが、こうして統合して読むと、動きがより明確に見えてきます。企業つながりで読む、テーマつながりで読むなど、情報は横断して読むことで、世のなかの動きが立体的に見えてくる気がします。
HPは、これまでで最速のItanium 2プロセッサを搭載したハイエンドのサーバを1月18日に発表すると、同製品に詳しい関係者が明らかにした。一方、Microsoftはワークステーション向けWindowsのItanium 2対応版の開発を中止した。

続いてトランスメタ。

■トランスメタ、ライセンス事業強化へ--赤字経営からの脱却目指す

このような方針転換は、Transmetaが直面している厳しい状況を反映したものといえる。チップの設計/製造/販売には、製造をアウトソーシングしたとしても、非常に多くのコストが必要とされる。またこのビジネスでは価格競争もめずらしくはない。それに対し、知的財産権のライセンス事業は人件費を抑えながら運営することが可能で、たとえば成功例の1社であるRambusには、わずか200名前後の従業員しかいない。

ビジネスモデル自体を見直した結果、撤退という選択を真剣に検討しはじめたようです。AMDの動きも気になります。

セキュリティ関連では、シマンテックがベリタスを買収というニュースがありましたが、トレンドマイクロでは新体制で臨むようです。

■新体制となったトレンドマイクロ、今後5年の戦略を読む

ライフサイクルを通してセキュリティ上の脅威を管理すること、アップデートを顧客企業にタイムリーに提供できるようにすること、ネットワーク上の情報フローの中にサービス、製品、技術を統合していくこと、という3つの戦略を軸にして組織やパートナーも再編するとのこと。

企業規模だけでなく、業種全体のニーズを考慮して顧客を分類し、それぞれの区分に最適な営業、技術、サポートの人員を配置する組織を作る。各組織に権限を持たせることで意思決定の迅速化を狙う。

上記の表現からはみえてこない感じもするのですが、これは「顧客重視」の姿勢に基づいている、という印象を受けました。

たとえば、ウィルス、情報漏えい、不正アクセス、というようなソリューションで部署を構成するのではなく、顧客をベースにして部署をつくり、テーマを横断して、営業×技術×サポートが一体となって提案する。まだ導入していない企業には、未導入企業向けの営業や技術提供を。導入済みの企業には、導入企業向けの営業やサポートを。要するに事業部制なのかもしれませんが。

とにかく、戦略があって戦術がある、という構図がきれいに見えています。

スティーブ・チャン氏は今後、"トレンドマイクロ・カルチャー"の継続、発展に注力する。

企業のリーダーとしての立場を明確にしているところに注目しました。社長のやることは決まってる、という印象もありますが、確かに変化に合わせて、リーダーシップのタイプを変えていく必要があるかもしれません。
チャン氏は「戦略を作り、実行するために組織を再編した。私自身の役割も変えた」と述べたうえで、「私の役割は会社の文化をみて、会社全体を(過去のセキュリティの脅威などから)学習する組織に変えること。そして正しい方向に戦略が実行されているかを確認することだ」と説明した。

「学習する組織」と方向性は見習いたいと思います。予測不能な脅威があったとしても、過去の経験から対策を練ることは重要です。それは、昨日の日記に書いた震災についても同じですね。

投稿者 birdwing : 2005年1月 7日 00:00

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