クリスマスが終わりました。2015年も残すところあとわずかです。
時間って、ほんとうに面白いなあ、とおもいます。油断していると、あっという間に残りわずかになる。時間がない!と焦っていると、案外余裕があったりする。1年という期間にもいえますが、生涯という長い期間においてもそう感じます。
イルミネーションが好きで、クリスマスの季節には、光に彩られた夜の街を歩くのが楽しみです。
以前には、クリスマスの季節の街を歩き回って、デジタルカメラで撮影して「ひかりの花束」を作ったことがありました。あの頃に比べると、スマートフォンのカメラは飛躍的に高機能化しました。家の近所でスマートフォンで撮影したクリスマスの雰囲気を醸し出している写真を掲載します。
さて、最近「ちいさく始めて、大きく育てる」ことが大切ではないか、ということをよく考えます。
ビジネスでは「リーンスタートアップ(lean startup)」という手法があります。2008年にエリック・リース氏が米国で提唱した方式で、最低限のコストで事業を始めて、顧客のニーズなどを取り入れながらPDCAサイクルを回して、改良しつつ大きく育てていく起業スタイルです。
ピーター・ティールの『ZERO to ONE』にも、ドットコム・バブルの崩壊からシリコンバレーの起業家が学んだことのひとつとして「少しずつ段階的に進めること」を挙げ、次のように書いています(P.40)。
壮大なビジョンがバブルを膨張させた。だから、自分に酔ってはいけない。大口を叩く人間は怪しいし、世界を変えたいなら謙虚でなければならない。小さく段階的な歩みだけが、安全な道だ。
ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ NHK出版 2014-09-25
が、しかし、ピーター・ティールの考え方で重要なことは、彼が上記をまったく否定して「小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい」と逆の法則を提示していることです。
そのことはフェイスブックの上場後に株を全部売り払って「我々は空飛ぶ自動車を欲したのに、代わりに手にしたのは140字だ」と皮肉を残していることでも明確に示しています(こっちの方が重要だった。苦笑。2016年1月23日追記。でも、イーロン・マスクでもない限り、個人的には堅実路線がよいと考えます)
リーンスタートアップから連想するのは「プロトタイプ思考(buil to think)」です。商品開発の分野でも、いきなり完成品を仕上げるのではなく、試作品(プロトタイプ)で消費者テストを繰り返して、ユーザーの声に耳を傾けた上で製品化することが重視されるようになりました。特に最近では、消費者との「共創」的なスタイルが一般化してきました。また、3Dプリンタの登場により、ラピッドプロトタイピングというような、より短時間でプロトタイプを製作する手法も実現しています。
おもい起こせば1999年以降、ドットコムバブルが盛り上がっていた頃、多くの企業がβ版のサービスを公開して、運用・バージョンアップを繰り返しながら、よりよいものに近づける手法を取っていましたね。
ソーシャルネットワークのミクシィ(mixi)では、長い間タイトルの横にβ版であることが表記されていたことを記憶しています。「これ、ふつうに使えるじゃん、いつになったらβが取れるんだ?」と漠然とした疑問を感じたものです。
あ、そういえば、ぼくのブログもまだ「Lifestyle Innovation β」だ(苦笑)。これはその時代の名残りです。
と、ビジネスについて語りましたが、日々の生活についても同様のことがいえます。
壮大な夢を持つことは大切です。しかし、夢ばかり語って行動しなければ意味がありません。結局、夢の重さに押しつぶされてしまって、「時間がないんだよね」「いや、そうはいってもお金がないから」と「できない理由を探す」人間になってしまう。
最近、堀江貴文さんの『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方』を読みました。ストレートなメッセージと勢いのある本です。
堀江 貴文 SBクリエイティブ 2015-12-04
この本で堀江貴文さんは「言い訳野郎は立ち去れ」として、自信があるからやるのではなく、やってみないと自信はつかないと述べています。とにかくいちばんよくないのは「小利口」であり、プライドを捨てろ、と。ノリで始めちゃっていい、と。
同感ですね。考えてみると自分も「ブログを書くってどういうことだ?」とブログ黎明期の頃に考えて、2004年から書き始めました。いまこのブログには1,066のエントリが公開されていますが、実は公開していないエントリもあり、さらにSNSの投稿も含めると膨大な数の言葉をネットの海に投げています。
ブログを書いたことで、いろいろと恥ずかしいこともあり、炎上も体験しました。しかし、それは「行動したからこそ得られた恩恵」です。
なので、「それやって何になるの?」「実名で私生活を公開するとかバカじゃねえの?」と言う方々には、残念ながら一生分からないであろう貴重な体験をしました。勇気がなくて、やらないひとはやらなくていいんじゃないでしょうか。一生この貴重な体験ができないかとおもうと、残念だね、とおもうだけのことです。
ということは別にブログだけでなく、すべてのことにいえそうです。
ぼくはウィンタースポーツをやらないのですが、スキーやスノボをやるひとは、きっとやったひとにしか分からない冬山の爽快感があるのでしょう。またペーパードライバーなのでクルマを運転しませんが(免許は持っています。運転しないがゆえにゴールドです。苦笑)、ドライブを楽しむひとには、加速やコーナリングの楽しみがあるのではないでしょうか。
とはいえ年齢を重ねるにつれて、いろいろ億劫になってしまい、新しいことに挑戦しなくなります。これはいかんな、と。アタマが硬くなり始めている兆候かもしれません。
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投稿者: birdwing 日時: 14:50 | パーマリンク
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