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2009年2月 1日

[DTM作品] シンコキュウ(試作)。

試練とか、圧力とか、諍いとか。ぼくらの生活はさまざまな好まざる状況に直面します。壁にも袋小路にも突きあたる。大人ではなかった頃には、世界はもう少しシンプルでした。もちろん悩みや絶望もあったけれど、深い影とは反対側に、ひかりの当たる場所が確かにあったと記憶しています。しあわせな時間はしあわせな時間として、素直に享受できていました。

日曜日。東京は快晴で風が強い一日でした。寒いです。夕方、買い物に出掛けた途中、建物に当たった光と路上の影のコントラストを眺めながら、人生のコントラストのようなものを考えていました。

090201_yuyake.JPGその後、家の窓から、ささやかな夕焼けの写真を撮りました。淡いブルーからオレンジに変わっていくグラデーションがきれいです。風に吹かれてびゅんびゅんうなっている電線ですが、電柱のシルエットも悪くない。どこにでもある風景かもしれません。でも、そんな風景のなかにも美しさがあります。ありふれているからこそいい。

家々の屋根を見渡して、その下で暮らすさまざまなひとのことを考えました。遠い空の下で生活する誰かのことにも想いを馳せてみました。試験の準備で息の詰まるような1日を強いられているかもしれません。あるいは、3月までに結果を出さなければならない仕事のことを考えて、休日でさえ、こころが休まらないひともいるでしょう。

がんばりましょう。

根拠のない楽観は逆にぼくらを追い詰めることになるかもしれませんが、少しでもひかりがあれば、輝いている場所を頼りに進んでいきたい。わずかな一歩でもかまわないと思います。踏み出すことが大事。わずかなステップでも踏み出すことさえできれば、少しでも前に進めるはず。

政治犯など牢獄で囚われた状況に置かれると、絶望のあまり長生きできないようですが、それでも生き長らえたひとがいるそうです。どういうひとかというと、苦しみから抜け出したあとを明確にイメージしていたひとたちだったらしい。想像のチカラは、ぼくらを助けてくれます。映画では、「ショーシャンクの空に」で、そんな希望を持ちつづけることの大切さが描かれていました。

NLP(Neuro-Linguistic Programing:神経言語プログラミング)のやさしい解説書「一瞬で新しい自分になる30の方法」を先月の22日に読了したのですが、その本のなかでは、ストレスに対する解消の方法がいくつも語られていました。


4478007462一瞬で新しい自分になる30の方法―24時間ストレスフリーでいられるNLPテクニック
北岡 泰典
ダイヤモンド社 2008-11-29

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あらためて基本を認識したのは「卓越性の連鎖」という考え方でした(P.36)。姿勢編集として解説されているのですが、あるひとのパフォーマンス(行動)は、精神状態から生まれる。そして精神状態は姿勢から生まれ、姿勢は呼吸から生まれている、という考え方だそうです。つまり呼吸を変えることで、姿勢を変え、姿勢が精神状態を変え、さらにはパフォーマンス(行動)も変える。まずは呼吸から、ということでしょう。

そんなことを参考にしながら、息が詰まる生活のなかでシンコキュウすることからはじめてみよう、ということを曲にしてみようと思いました。実は歌詞をつける予定でしたが、途中段階のプロトタイプ(試作)を公開してみます。

ほんとうは完璧に作り上げてから公開するつもりだったのですが、ボーカルを録音する環境がいまひとつ整っていません。環境づくりから、ゆっくりと取り組むことにします。まずはインスト版を公開します。メロディの部分はシンセのトロンボーンのプリセット音で入れています。


■シンコキュウ(試作)。(3分50秒 5.27MB 192kbps)

作曲・プログラミング:BirdWing


昨年の12月、今年の1月には趣味のDTMの楽曲を公開していなかったので、3ヶ月ぶりの曲です。アップロードのやり方を忘れてしまうところでした(汗)。

楽曲のイメージとしては、最近はPUPAとして原田知世さんを加えて活動されていますが、高橋幸宏さん風のやさしい雰囲気を想像しました。メンバーのひとり、高野寛さんもいいですね。

ただ、途中にプリセット音としてはウクレレの音が出てきますが、こちらはプリファブ・スプラウトの「The Gunman and Other Stories」というアルバムの1曲目「Cowboy Dreams」を思い浮かべて作りました。

B00005ARSVThe Gunman and Other Stories
Prefab Sprout
EMI 2002-08-19

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YouTubeからプロモーションビデオを。カントリーのような曲調ですが、それでもどこか彼等らしい洗練された感じがします。それから映画と組み合わせたような映像がいい。


アルバムは、あまりヒットしなかったようですが、一時期、ほんとうにはまって繰り返し聴いた一枚です。日本版が出ないかもしれないということで輸入版を購入、たしか1年ぐらい後に国内版も購入したので、2枚持っています。熱が冷めてしまって、いまではあまり聴くこともないのですが。

プリファブ・スプラウト以外では、中間部分のドラム以外の音がなくなる部分はポスタル・サービス風にしたいと思いました。が、きっとできていない。ポスタル・サービスのアルバムは先日CDショップで試聴したのですが、購入を断念してしまいました。

B000089CJIGive Up
The Postal Service
Sub Pop 2003-02-18

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作り方としては、この曲では打ち込み+ループ音源の切り貼りをしています。昨年の後半は打ち込みオンリーのスタイルだったのですが、それ以前のスタイルに戻しました。ギターの音もすべて音源からの切り貼りで、中間部分のギターソロも音程を調整して継ぎ足して作っています。したがって、ギターは一度も弾いていません。

ドラムのループ音源の処理は、今後の課題だと思いました。要するに"料理"が足りない。ほんとうはもっと細かくスライスして、緻密に音を貼り合せていく作業が必要でしょう。どうしてもバスドラムの音数が多くなってしまったり、聞こえ方もまだまだ調整が必要だと考えています。

音の加工に関しては、率直なところ、もっとよい機材がほしいと思うことはあります。しかし、チープな環境なのだけれど、この環境でどこまで曲を作れるか挑戦していこうと思います。いちばん大事なことは、聞いていただいてくれたひとのこころに何かを残せたか、ということに尽きます。シンコキュウというだけに、リラックス感を残すことができればいいのですが。

途中段階の歌詞も掲載したいところですが、もう少し推敲します。しかし、プロトタイプであったとしても、試行錯誤の段階を含めて、すべてこの場で公開していきたいと考えています。ぼくはプロのアーティストではないし、完璧主義者でもありません。ブログを書くように音楽をやっていきたい。作品という結果になるまでの過程を大切にしたい。

ボーカル版が完成するかどうかは未定です。ひょっとしたら別のインスピレーションが生まれて、他の曲を作り始めてしまうかもしれないですね。とはいえ、To be continued. ということで。

投稿者 birdwing : 2009年2月 1日 19:12

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