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2007年5月29日
雲を記述する。
昨日は会社の帰りにCDショップで購入した音楽を聴きながらお酒を飲んでいたところ、すっかりいい気分になってブログを書くのを忘れて眠ってしまいました(苦笑)。朝起きて、あっ書くの忘れた!と思った。ついでに、いい気になって飲みすぎて気持ち悪い目覚めでした(涙)。焼けた胃を鎮めるため、起き抜けに水と胃薬を飲んじゃった。やれやれ。
でも、これぐらいアバウトな方がいいのかな、という気がしています(不摂生な生活ではなくて、ブログの書き方についてなのですが)。脅迫観念的に書かねば、ということもないですよね。毎日書きつづけることを自分に課していた時期もあったのですが、そろそろそんな呪縛を解いてあげようと思います。自由がいちばん。
美文を書かねば、とか、世のなかに何か訴えねば、とか、そんな気負いは捨てよう、とも思っています。変に突っ張る必要もない。自然体でいこう、と。生活の断片を記述するようなところからはじめたいと思っていたぼくには、最初からブロガーとして大きな理想があったのかどうか疑問ですが。
文章で表現するリアル
さて、本日の東京は曇り空だったのですが、昨日はよく晴れていました。そして、昨日は空に浮かんでいる雲がとてもきれいでした。初夏だからでしょうか。雲がさわやか。
家族からぼくは風景写真家と呼ばれていて、イベントの記録としてカメラマンに駆り出されるとき以外は、デジタルカメラで空ばかり写真を撮っています。しかしながら、昨日は写真に撮ることができなかったので、文章でどこまで雲を表現できるか挑戦してみます。文章による雲のデッサンです。
異性であっても好みのタイプにバリエーションがあるように、これはと思う雲にもバリエーションがあります。ストライクゾーンはかなり広めかもしれませんが、やはりこだわりたいタイプがある。空なら何でもいいというわけではなく、この雲はいいなと思える雲がある。昨日の雲には、かなりそそられました(笑)。
ぼくがよいと思う雲は、ある程度の量的な質感がある雲です。ボリュームがある雲がいい。もくもくとした輪郭は光に輝いているのだけれど、いちばん厚みのある部分は光の透過性が悪いので少し暗かったりする。その陰影がいいですね。雲と雲はつながっているのではなくて、孤独な距離を保ってぽかりと浮かびつつ、いくつかのカタマリが少しづつ移動しているのがいい。
昨日の雲がまさにこれでした。青空と輝いている部分のコントラストも鮮やかで、飛行機から見下ろしてみたいものだ、と思った。きっと見上げるのとはまた違った印象になるのでしょう。鳥では無理だろうな。ちいさな翼ではあの高度までは飛べない気がする。あるいは余裕で雲を越えられるのだろうか、鳥さんは。
浮かんでいる雲にも遠景と近景があり、その雲の連なりがちょっとしたパースペクティブを演出してくれているのもいいですね。この雲もいずれはあちらの雲になってしまうんだな、という時間の流れを感じさせる雲の全景。物語的でもあります。ひとつの雲として成立しているのもよいのですが、全景として作品が完成されているのもいい。・・・って作品じゃないか、空は(苦笑)。
一方で、青空に透けた和紙のような雲がすーっと儚げに存在しているのも美しい。シースルーな雲という感じでしょうか。あるのかないのか、存在しているのか消えてしまうのか、一瞬先にはどうなるかわからない危うさ。類似した雲に出会えたとしても、それはいま浮かんでいるこの雲ではありません。だからこそ、消えてしまいそうな危うさが尊い。太陽の陽射しに透ける葉脈のような雲というような。
飛行機雲も楽しい。流れ星と同様、遭遇するとちょっとうれしかったりして。さすがに願いをかけるようなことはありませんが、空に起きている偶然が地上の自分にも何かを変えてくれそうな期待があります。これもまた刹那の空のゲイジュツだったりする。
と、雲を写真に撮るように、あるいは標本箱に止めるように文章で記述してみたのですが、リアルに眺める雲にはかないません。あの存在感には近づけないですね。
雲の図鑑、雲の名前
確か4歳の次男君が空の図鑑を持っていたと思うのですが、どこへしまっちゃったか。図鑑のなかで彼が好きなのは、カミナリとミカヅキだそうです。ミカヅキに関していえば、深夜に喘息の発作が起きて病院に慌てて抱えて連れて行かれるときに見上げたのがきっかけで、それ以後、好きになってしまったようです。彼の好みではマンゲツよりもミカヅキがいいらしい。そして、カミナリはイナズマのぎざぎざがかっこいいらしい。
ところで、雲の名前について検索してみたところ、那覇市立識名小学校のページが最初にヒットしました。きっと理科の先生が作ったのでしょう。雲の名前のつけ方には、国際気象会議(1894年、スウェーデン)で決められた10種分類法というものがあるとか。高度などによって分類されているようです。
ぼくの好みの雲というと、下層雲(地表付近〜2000m)のわた雲(積雲)のようです。
もちろんひつじ雲(高積雲)とかいわし雲(巻積雲)もいいのだけれど、これはポピュラーなので、きっと好きなひとがたくさんいるでしょう。どこにでもあって地味だけれども、だからこそ意味のあるわた雲にぼくは惹かれます。渋すぎか?
雲の写真集みたいなものはないのでしょうか。ちょっとほしくなりました。
投稿者 birdwing : 2007年5月29日 00:00
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