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2006年1月 5日
最初のペンギン。
年末、仕事納めが納まらない、ということを書きました。実は今日は仕事始めですが、今度は仕事始めが始まりすぎ、という感じです。忙しい。目が回ります。いや、ほんとうにくらくらする。大丈夫だろうか。
しかし、学生の頃からそうだったのですが、忙しいとなぜか別のことに時間を使いたくなるものです。今日も昼食に外出したついでに新宿の紀伊国屋書店に立ち寄って、茂木健一郎さんの本を二冊も買ってしまいました。「脳と仮想」と「クオリア降臨」です。いつものクセでビジネス書の階に行ってしまい、そこにあった端末で検索をかけてフロアを探したのですが、思想書のフロアに行ってみると茂木さんのコーナーができていた。人気があるんですね。ぼくは、考えることが大事だ、いろんなことを考えたい、などと言っているわりには思想書やテツガク関連のフロアに行くのは久し振りで、レヴィ・ストロースの本が平積みにされているのを見て、おおー懐かしい、とか思ってしまいました。なんとなく欲しい本もあったのですが高いんですよね、この手の本は。
忙しいのでちょこっとだけしか読んでいないのですが、茂木さんの本は内容はもちろん、使われている言葉がいい。キーワードからさまざまなイメージが膨らみます。年末にツンドクを整理して、片付けたい本もたくさんあるのに、今日買った本から先に呼んでしまいそうです。
先日読んだ「脳と創造性」にも、たくさんの気になるフレーズがあって、昨日もざーっと読み直して、気になる言葉や引用されている作品などをカードに書き出したりしました。で、それに疲れると川上弘美さんのエッセイを読む。そして、またカードに書き出す。そんなことをやっていたら、夜更かしすぎになってしまいました。何事もほどほどが肝心です。
書き出した言葉のなかで、いちばん気に入っているのがタイトルの「最初のペンギン」です。英語では開拓者精神にあふれる、勇気がある、というような意味でも使うらしい。テレビなどでもよく放映されるのですが、ペンギンは最初のひと(ではないか、鳥?)が海に飛び込むと、次々とその後につづいていく。しかしながら、海のなかには、ペンギンを狙っているトド(だっけかな)のような動物もいて、最初に海に飛び込むペンギンは、そんな動物たちにねらわれてしまうキケンもはらんでいる。
まったく関係ないのですが、最初のペンギンという言葉から個人的に連想したのは、うちの長男でした。幼稚園の頃、いちばん背が低かった彼は、いつも最前列にいた。前ならえ、のときには、腰に手をあてるタイプです。ちょこちょこ歩く姿もどこかペンギンっぽい。お遊戯などをやる場合にも、真ん中にいれば、周りの真似をすることができるのですが、最前列だと後ろを振り向くわけにはいかないから、彼なりにいろいろと緊張もしたのではないかと思います。運動会のときには、開会式の体操でいきなりしゃがみ込んで動かなくなった。どうやら、おしっこがしたくなったらしい。先生が気がついて、彼を抱えていったのだけど、ぼくも慌てて付いていったら、トイレの入り口で「あとはこちらでやりますから」と、ぴしっと制止された。幼稚園児もいろいろと大変です。
あと、思い出すのは、彼がはじめて立ち上がったときの姿でしょうか。実はぼくは2歳ぐらいの頃に、足が悪かった。右足が内側にひねったかたちになっていて、ギブスをはめて直していました。そこで長男が立ち上がる頃に、大丈夫かな?きちんと歩けるのかな?と不安だったのですが、なんとかぺこぺこ歩けるようになって、ある日、公園に連れて行ったときに、いきなり駆け出した。わっと思って「危ないよ」と声をかけようとしたのだけれど、振り向いてなんともいえない顔で笑ったのが印象的だったことを覚えています。(ぼくはだいじょうぶだよ)そんな風に言ったような気がしました。
関係のない連想が長くなりましたが、ぼくは最初のペンギンでありたいと思います。最初のペンギンは、自分のための勇気だけではなくて、仲間たちのキケンを確かめる役割もある。キケンであることがわかっても一歩踏み出すこと、飛び込むこと。そんな勇気を持っていたいと思います。
投稿者 birdwing : 2006年1月 5日 00:00
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