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2006年1月18日

違うから気になる。

たぶん明日からあさってにかけて仕事は佳境となります。勝負です。頑張りどころかもしれません。しかし、頭をフル回転させて終電で帰ってくると、なんだか眠れなくなってしまうんですよね。お酒を飲んだりしてリラックスしようとしていたのですが、どうも頭がオーバーヒート気味なので、まあいいか、という感じで無理に眠らずに、眠くなるまで時間を潰しています。明日はゆっくり出勤して、たぶん徹夜コースになりそうです。

最近は個人メールはほとんど使わなくなっているのですが、メールを久し振りに読んだら、4人で運営している同窓会ブログのメンバーさんから写真をいただいていました。趣味ではじめたバレエの衣装づくりを本格的な仕事に展開している女性なのですが、もはや間違いなくプロの仕事です。写真はギャラリーにアップしておきました。同窓会ブログは放っておいてすみません。いずれ時間ができたときに、集中的に書き込みをすることにします(業務連絡でした。誰も見ていないかもしれないのですが)。

ちょっと驚いたのは、クリプトン・フューチャーメディアからのメールでVOCALOIDの男性版が2月あたりに発売されるとのこと。12月の終わりから最近まで、ネーミングを募集していたんですね。知らなかった。女性版はMEIKOだったのですが、男性版はKAITOというらしい。ちょっとかっこいい。しかしながら、デモソングもあるのですが、なぜ「からす」の童謡なんでしょうか。声質は演歌っぽい。

男の声であれば、 別にソフトウェアに歌わせなくても自分で歌ってしまうと思うんですよね(恥ずかしいから歌わないけど)。女性の声はどうやっても出せないから、MEIKOというソフトが面白かったのですが、KAITOを購入するかどうかは疑問です。

同様に、ぼくは自分が持っていないものを持っているひとに惹かれる傾向があるようです。どちらかというと共感や共有できる感覚よりも、差異であったり、まったく違った感覚を重視する。うちの奥さんもそんなひとでした。まったく趣味は合わないし、性格もぜんぜん違う。喧嘩した日には、殴り合いにもなったものです(もうやらないけど)。そんな接点のないふたりだったのですが、長く暮らしていると似てくるのが不思議です。

そもそも結婚とは、男性と女性という身体が構造的にまったく違うものたちの出会いであり、しかも育ってきた環境も背景もまったく違う。異質なものなわけです。けれども、この異質なものを許容できるかどうかが、あたらしい何かを生み出す上では重要じゃないか、とも考えたりします。ふつうは排除するものですが、異質なものを理解したり、許容したりしようとするときに世界が広がる。会社だってそうです。仲良しクラブ的にまとまるのではなくて、どうもよくわからない、不快だ、頭にくる、という人間といっしょに仕事をすると(まあ破綻することもあるのですが)なんとなく新しいものが生まれたり、新鮮な感じがする。ネガティブなタイプは、無理ですけどね。あわせようとしても不毛なだけだし、創造的な会話ができないので、疲れるばかりです。けれども人間である以上、どこかうまくやっていける接点というものがあるのでは?

ぼくの場合、まったく違う趣味を持っているひとや住んでいる場所がぜんぜん違うひとの言葉が刺激になります。最も違うものといえば異性なのですが、川上弘美さんや山田詠美さんをはじめとして、女性が書いたもの、女性にしか書けないものにも魅力を感じます。ブログや日記もそうかもしれない。もちろん茂木健一郎さんのように共感できる文章を読むのも好きだけれど、茂木さんのなかでも、これはちょっとわからないな、どういうことなんだろうと疑問を生じるような視点が気になる。共感できる部分はもちろんうれしいのだけど、それ以上何かを生み出すということはないんですよね。ああよくわかった、そうだよね、おしまい、という感じになる。わからないものこそが、これはどういうことだろうという好奇心や理解への欲求を生むものです。

父親と母親の遺伝を半分ずつもらって子供が新しい生命を得るように、創造的な活動は、同質なものたちよりも、異質なものたちの出会いから生まれるのかもしれません。物質の問題ではなくて意識の問題、なのかもしれませんが。

異業種交流会の意図も、そういうところにあるのでしょう。だから、気の合うひとよりも、ぜんぜん違った環境のひとと話をした方が、面白いんじゃないかと思います。気持ち的には、趣味の同じひとを探してしまいますけどね。

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■Vocaloid KAITOのページ。いまひとつ購買意欲がわきませんが、デモはなんとなく面白い
http://www.crypton.co.jp/jp/vocaloid/vocaloid_name_compe.jsp

投稿者 birdwing : 2006年1月18日 00:00

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