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2006年2月28日

「あたりまえだけどなかなかわからない組織のルール」浜口直太

▼book06-019:若い頃には読んだけれど。

4756909353あたりまえだけどなかなかわからない組織のルール (アスカビジネス)
明日香出版社 2005-10

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いわゆる啓蒙本、自己啓発本です。見開きページででひとつのテーマが完結して、仕事ができる何か条とか、いまやっておきたいこと50とか、そういうタイプの本のひとつです。新入社員の頃には、この手の本はずいぶん読みました。けれどもいま読むと、どういうわけか少しだけ物足りない。書かれていることは参考になります。もういちど基礎からきちんとしよう、という気持ちにもなる。けれども、どこかプラスアルファを求めてしまうのはなぜでしょう。

著者はMBAを取得し、コンサルタントとしてさまざまな苦労をした後に現在は社長として活躍されている方です。さまざまな知識を基盤に、現場の声、自分の経験を引用して、組織を活性化するための101のルールを提示されています。

しかしながら、たとえばルール41で組織のビジョンやルールを理解すべきだ、ということが書かれていて、理解しない社員を批判しているかのようにも読み取れるのですが、きちんとわかりやすいビジョンを掲げなかった(社長である)著者の表現力と熱意に欠けたのではないか、という疑問を感じました。職場にもよるかと思うのですが、ビジョンはみんなで創り上げるものと、リーダーが(それこそリードというだけに)考え方をかたちにしてぐいぐい引っ張っていくものがあるような気がします。リーダーシップをとるべき人間の言葉が社員に理解されていないということは、コミュニケーションとして問題があるような気がしました。

帯には「これだけ守れば組織の中で絶対うまくいく」というコピーがありますが、その耳あたりのよい言葉に疑問を感じる自分がいます。中小企業のおじさんは飛びつくかもしれない。若い時期のぼくは素直に吸収したかもしれませんが、いまは疑問です。ひねくれちゃったのでしょうか。きっとそうだ。2月28日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(19/100冊+20/100本)

投稿者 birdwing : 2006年2月28日 00:00

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