« エンターテイメントの進化。 | メイン | ポインタとプリセット。 »

2006年5月11日

見かけも大事。

かっこよく年を取りたいと思っているのだけれど、かっこよく年を取るのはなかなか難しいものです。どちらかというと年々くたびれていくばかりで、もうちょっとしゃきっとできないものかと思う。精神的にも肉体的にも気を抜くと、たるんだり勢いがなくなってしまう。それから、年を取ってちいさなことには動じない落ち着きを身につけるのはいいのですが、妙に狡猾になったり、諦めが入ったりすると、なんだかなと思うものです。努力しなきゃならないのは若者ではなく、おじさんではないでしょうか。おじさんたちは、気を抜いていてはいけない。そんなわけで、おじさんであるぼくがおじさんについて考えてみます。

どこから、おじさんか。つまり年齢的におじさんの入り口はどこかというのは結構難しい問題で、子供の頃には20代といえば、もう完璧におじさんだったような気がします。では、おじさんの出口はどこかというのも微妙なところで、60歳であっても若々しいひとはまだおじさんをキープしている気がする。と、いま見かけを尺度にしているのですが、内面的なモノサシを求めようとすると、さらに難しいことになります。おじさん的な内面というのは、どういうものなのでしょう。これはひょっとすると、おじさんであるぼくには見えないものであって、女性からみた方がはっきりするのかもしれない。

と、なぜこんなにも感傷的におじさん論を展開しはじめたかというと、R25というフリーペーパーにジャン・レノのインタビューが掲載されていて、そのタイトルが「女性の存在はとても大切」という、もうこれだけで、ちっ、と舌打ちしたくなるような計算された特集なのですが、顎に手を当てながらにっと笑っているジャン・レノの写真はやっぱりかっこよくて、逆立ちしてもこんなおじさんにはなれまい、わたしがわるうございました(泣)という、かなしい気持ちになってしまったからでした。

ちなみにちょっとインタビューから彼の言葉を引用してみます。

「ぼくは、最近スモートリ(相撲とり)に関する本を読んだんだけど、そこには結婚しているスモートリの方が独身のスモートリより勝ち星を挙げると書いてあった。同じことだよ。人生においてもっとも大切なものは女性!(笑)」

・・・。ジャン・レノのようになるにはどうしたらいいか、という問いには以下のような言葉で締めくくられています。

あまりモテたいと思っていないとき方が、間違いなくモテるね(笑)。

その前の文章で、ビジョンは不要で、いま何が好きで何をやりたいかを考えた方がいいという言葉があるので、その流れかと思うのですが、彼が言うと、ほんとうに「ちっ」という感じにしか聞こえません。

某雑誌では、ジャン・レノ的なおやじになるにはどうしたらいいか、などのTIPSを毎号展開しているようですが、なろうとしてなれるものと、なろうと思ってもなれないものがあるものです。しかしながら、こんな風にくどくどと、ジャン・レノなんかなれないや、と書いている状態が酒場のおやじと化しているようで情けない。

ジャン・レノの映画で衝撃的だったのは、やはり「グラン・ブルー(グレート・ブルー)」のエンゾでした。そして、やっぱり「レオン」でしょうか。広末涼子さんと共演したリュック・ベッソン監督の「WASABI」はちょっとひどいなと思った記憶があるのですが、それでもそれなりに絵になってしまうひとです。そう。絵になってしまう、おやじだと思う。つまり存在感がある。

先日読んだ「第1感」という本にも、「見た目の罠」としてアメリカ史上最悪の大統領として、ウォーレン・ハーディングのエピソードが書かれていました。ものすごい男前のために、誰もが「素晴らしい大統領」になるはずだと考えた。けれども、それは「すばらしい風貌の大統領」であって、容姿に対する無意識の思い込みが、価値観に影響を与えていたわけです。もちろん、容姿と内面が合致している素晴らしいひともいると思います。けれども、見た目というのはかなり重要かもしれない。

ほんとうに気を引き締めていないと、どんどんくたびれていくばかりなので、連休明けでしんどいとはいうものの、背筋を伸ばさなければ。自分に喝、です。

それにしても今週は長過ぎます。やっと明日は金曜日です*1。

+++++

■ジャン・レノ的なかっこよさを学びたいものです。

B00005L9G9グラン・ブルー (グレート・ブルー完全版) [DVD]
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント 2001-07-18

by G-Tools
B000YGFPNCレオン 完全版 アドバンスト・コレクターズ・エディション [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2006-05-10

by G-Tools

■ダヴィンチ・コードも20日に公開ですね。公式サイトです。
http://www.sonypictures.jp/movies/thedavincicode/


*1:最初、「おじさん考」(笑)というタイトルにしたのですが、あまりにもあまりなので変更。やはり疲れていると、とんでもないことを書いてしまうものです。どんな状態であっても、文章のレベルを保ちたいものですが。おじさんは疲れた。

投稿者 birdwing : 2006年5月11日 00:00

« エンターテイメントの進化。 | メイン | ポインタとプリセット。 »


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://birdwing.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/634