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2006年6月28日
「デザインする技術 ~よりよいデザインのための基礎知識」矢野りん
▼book06-045:視覚を技術的に究めると思考も極まるのでは。
デザインする技術 ~よりよいデザインのための基礎知識 MdN 2006-05-19 by G-Tools |
こういう本は最初から最後までしっかり読むのではなく、気になったページをリファレンス的にめくって読むのではないかと思うのですが、最初から最後まで読んでしまいました。そして、これが面白かった。面白いんだけど付箋を付けて読んでいたわけではないので、いまどこが面白いか抜き出そうとして困っています。
一瞬だけエディトリアルデザインの仕事をかじっていたこともあり(出版物の表紙とか本文フォーマットとか作りました。写植だけど)、そのときにいろいろと調べたり勉強したせいか、知っている言葉も多かったのですが、あらためて刺激を受ける言葉も多くありました。この本は「考」「図」「文字」「面」「色」という5つの分野の技法について、キーワードから解説し、実際に図などで説明していくのですが、視覚的なアプローチを理論化するときの考え方が非常に参考になりました。
以前ブログに書いた擬似的に立体をみせるアクソノメトリックをはじめ、色にも距離感があること(目立つ色は手前に見える)とか、情報デザインのチャンキングとか、ルート2、あるいは観音開きではルート5で作った長方形が美しいとか、へぇーっと驚くとともに明日から使える知識ばかりでした。別にこの本の技術を実践したわけではないのですが、こういう本を読んでいるとなんとなくインスピレーションもわくもので、実際にいま書いている企画書もなんだかいままでとは別の色彩や雰囲気の違うチャートになりつつあります。デザインを専門に勉強されている方からみると、なんだそりゃな稚拙な感じかもしれないのですが、専門家になるつもりもなく(なれないので)、だからこそ楽しい。ものごとというのは真剣に関わるのではなく、ちょっとカルチャー的な軽さで関わった方がよいのかもしれません。6月28日読了。
*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(45/100冊+35/100本)
投稿者 birdwing : 2006年6月28日 00:00
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