2007年1月13日
素材から創る。
趣味のDTMのお話です。先週「Bittersweet(仮)」という曲をつくったのですが、ちょっと味付けがさびしいと思ったのでサンプリングCDを購入しました。
サンプリングCDというのは、ドラムの音とか、ふ〜っとかいう声などが入っているCDのことです。最近はシンセサイザーとはいえ、ほとんどサンプラーのようなものもあるので、ギガバイトレベルの音源をハードディスクに入れておいてリアルな音を出せるものもあります。が、ぼくはそんなソフトウェアを買えないし、買えたとしてもハードウェア(VAIOノートで作っています)のスペック不足なので、使えません。
そこでサンプリングCDを活用しているのですが、かなしいことにこのサンプリングCD自体も高い。結局、ぼくが購入しているのは比較的安価なクリプトン・フューチャー・メディアのプロサンプルズシリーズです。
これも1枚5000円するので、ささやかな小遣いのぼくには購入するときに勇気がいる。貧乏っぽいのですが(苦笑)。そんな貧乏クリエイターなので、ほんとうにクリプトン・フューチャー・メディアさまには感謝してます。
今回はVOL.28の「ボーカル・ハウス」を購入。ドラムの各楽器の音(バス、スネア、ハイハットなど)だけでなく、ループ(数小節の演奏になっているもの)、ギター、女性ボーカル、効果音などが600種類入っています。これをまずは手当たり次第聴いてみたのですが、これだけでも時間がかかる。でも楽しい。そして気に入った音をDAW(音楽作りのソフトウェア)に読み込んで、素材の音を切り貼りしていくわけです。ぼくはMacを持っていないので、SONAR5というソフトウェアを使っているのですが、たぶんガレージバンドというソフトウェアと同じような感じでしょうか。
ホームページやブログのデザインを変えようと思えば、検索すれば無料の素材を提供してくれるサイトがいくつもあります。そうして、誰かの書いた日記などを引用をすれば、ブログを簡単に書けてしまう。CGIのようなプログラムだって、サンプルが簡単に手に入る。このネットの状況と、どこか似ているような気がするのですが、音の素材を引用して配置すると曲になっていきます。便利な時代になったものだな、と思いました。
けれども、どの音を選ぶのか、選んだ音のどこを切り抜くのか、切り抜いた音を楽曲のなかでどのように組み合わせるのか、というところにセンスが求められる。ぼくはといえば、打ち込み中心だったので、なかなかうまくできません。
試行錯誤をしながら、なんとか「Bittersweet(仮)」を3分20秒の曲に仕上げてみました。まだ微調整が必要ですが、できれば来週あたりにMuzieで公開したいと思っています。
ところで、ふと考えたのですが、音楽を趣味にしているひとでも、どんな方向性で音楽をやるかによって細分化されているものです。そしてやり方の違うひとたちの間で、若干コンプレックスがあったりするのではないでしょうか。
私見ですが、たとえば生の楽器を弾いているひとは、ふん、打ち込みなんて、というところがあるような気がします。逆に打ち込みオンリーのひとは、楽器を弾けるひとにコンプレックスがある。楽器の弾けないボーカルのひとは楽器を弾けるギタリストなどにコンプレックスがあるし、逆に楽器が弾けるけど歌えないひともいて、そういうひとはボーカルにコンプレックスがあったりする。だから、弾き語りというマルチなミュージシャンはすごいなあとも思います。マルチに楽器ができるミュージシャンはもっとすごい。
もちろん、たいていみなさんバンドをやりながらプリプロダクションのような形で自宅録音をしていると思うのですが、楽器は生演奏がいちばんでしょう!という価値観はかなり濃厚に、みえない空気のように漂っていますね。ついでに、ぼくが勝手に考えていた偏見もあり、DTMのジャンル内にも偏見があり、音の素材を切り貼りをして作るのはオリジナルじゃないんじゃないか?、やっぱり白紙の状態から打ち込むのが打ち込みの醍醐味でしょ?と長いあいだ考えていました。でも、そんなこだわりを捨ててみると、あっこんなこともできるのか、と目からウロコな発見があります。楽しみ方はたくさんあっていいと思います。
素材を買ってきて、素材から音を創っていく作業は、なんとなく料理に似ているかもしれません。といっても、ぼくは料理がぜんぜんできないので、似ているかもしれないぐらいにしか言えないですね。
もうすぐ料理(新しい曲)が出来上がる予定、なのですが。さて。
投稿者 birdwing : 2007年1月13日 00:00
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