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2007年4月17日

InsightとForesight。

夢についてブログに書いて昨晩ぐっすりと眠ったところ、明け方、ものすごく素敵な夢を見ました。ひとつはギターのメロディが聴こえている夢。音の夢ですね。音と同時にコード譜のようなイメージが浮かんでいて、その向こう側で誰かがギターを弾いていた。ふたつめは、桜色のアクセサリーのようなものを手に取っている夢。こちらは色つきです。なんでしょう。よくわかりません。

音だけの夢や、カラフルな夢をよく見ます。だからどうだということはないのですが、逆にあまり物語的な夢は見ないようです。よく長編の夢を見られる方もいるようですが、そういうのはない。一旦夢が途切れてつづきを見ることができるひともいるようですが、ぼくにとってはうらやましい。というのは、断片的なシーンの夢ばかりが多い。現実世界では、論理的なもの、物語的なものを求めているので、その反動として絵画的なものや音楽的な何か、あるいは詩的なものが夢に現れているのかもしれません。

夢から何を読み取るのか。いわゆる夢分析は突き詰めてもどうかと思うのですが、最終的には科学的な視点よりも直感に拠るところが大きいのではないでしょうか。心理学と組み合わせたり、脳科学と組み合わせて、カラフルな夢を見ているときは脳のこの部分が活発である、とう分析をすれば科学的になるかと思うのですが、ではそれが何を意味しているのか、ということはきっと科学ではわからない。多分に文学的な解釈になるのではないでしょうか。

そのときに重要になるのは洞察(Insight)だと思います。映像を意味として解釈していく作業です。

夢の洞察というのはややあやしい感じがしますが、インサイトに関しては、マーケティングの分野でも重視されていて、アカウントプランニングであるとか、五感マーケティングのような分野においては重要なキーワードではないかと思います。インサイトは、事実に隠された真理を深堀りしていく、つまりマイニング的なアプローチです。では、いまここにない未来を考えるときに重要になるのは何か。

読書中の博報堂フォーサイト鷲田祐一さんの「未来を洞察する」という本では、「未来洞察=フォーサイト(foresight)」というコンセプトが重要と述べられています。

4757102070未来を洞察する―Foresight
鷲田 祐一
エヌティティ出版 2007-03

by G-Tools

以下、引用します(P,33)。


「フォーサイト」とは、英和辞典では「先見性」とか「配慮・備え」というような翻訳になっている言葉だ。今流行している「コンシューマー・インサイト」の「Insight」という言葉と、ちょうど対をなすような言葉ともとらえられる。深く中へ中へと洞察するのが「Insight」だとすれば、広く前へ前へと洞察するのが「foresight」ということだ。

この本の冒頭にも書かれていることであり、大前研一さんなども述べられていたかと思うのですが、今後のビジネスでは未来を構想する力が重要になってくる。けれども、この領域は日本人は得意とはいえない分野です。過去から現在をカイゼンする力は得意であったとしても、ゼロベースでこれからの戦略を立案したり、ビジョンや未来を構想する力は日本人には弱いといわれています。しかしながら、イノベーションでは、まさにゼロから何かを創造する力が必要になる(もちろん過去にあるものを組み合わせる手法もありますが)。

ぼくが時間軸などに興味を持ったのは、多くの本でまるで申し合わせたかのようにそんな指摘が解説されていたからでした。タイムライン、シークエンスといったものに関心を抱いていると、自然とそうした情報をキャッチしやすくなる。奥出直人さんの本にも書かれていましたが、茂木健一郎さんの本にも、未来予測は過去の情報を再構成することによって可能になる、思い出すことと創造性は似ている、などという見解もありました。

ということを期待しながら読み進めていきたい本なのですが、さらりと書かれているものの、マーケティング用語は縦横に駆使されているので、復習しながらの読書が求められそうです。

もう一度過去に読んだ本を探して読もうと思っているのですが、テキスト情報ではない物理的な本をひっくり返すのは面倒です(苦笑)。Googleでもマイクロソフトでもかまわないので、はやく文献のテキスト化をしてくれないかなあ、と勝手なことを思ってしまいました。

投稿者 birdwing : 2007年4月17日 00:00

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