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2007年7月 7日
[DTM作品] AME-FURU(maybe blue)
■■AME-FURU (maybe blue)
Vocal:sheep (Lotuslounge)
詞・曲・AG・プログラミング:BirdWing
"あめ ふる そら きらい"
"かさ さす てが おもい"
遠ざかる恋が 色あせてみえる
銀色の街を 歩く 黙る こころの影
"あめ ふる ごご ひとり"
"いま すぐ きて ほしい"
アスファルト道路に 水溜りひとつ
逆さまの世界を 映す しずく こぼれそうで
あなたを 忘れられなくて
明日を 信じ切れなくて だから・・・
"あめ ふる そら きらい"
"なか ない めを つぶる"
maybe blue
AME-FURU
・・・
2007年7月7日。7が3つ並んで、それだけでどことなくしあわせな梅雨の今日、念願のボーカル入り曲「AME-FURU」を公開することができました。
ヴォーカルのコラボレーションをしていただいたのは、LotuslougeのSheepさんです。Lotuslougeは2年ほど前にネットで知ったインディーズのユニットで、浮遊感のあるSheepさんのボーカルと詩の世界、現在は旦那さんでもあるK.Kさんの緻密な音作りがすばらしくて、一枚目のアルバム「Contrast」を購入。以後、思い出したように聴いています。ひそかなファンです。
そもそもの発端は、時間ができたのでLotuslougeとは別の活動をしてみたい、ということをSheepさんが書かれていて、チャーーンス!!と思ったぼくが即効で手を挙げ、(たぶん1週間以内で)AME-FURUのデモを完成させました。つまりこの曲は最初から、Lotuslougeのイメージがあり、Sheepさんに歌っていただくことを前提としていたわけです。
ちなみに、ぼくはネットコラボで曲を作りたいと考えていますが、前提としてすべてネット経由オンリーで進行する、ということを条件としています。バンドやスタジオで録音する余裕はないし、会って曲を練るような時間合わせは不可能です。なので、オケをぽーんと投げてボーカルトラックを返してもらって、メッセージでお互いの認識を共有しながら作り上げていく協働がしたかった。これが実はうまく意図が伝わらなかったりしてなかなか難しいのですが(何度か失敗経験あり)、今回はぼくがそもそもLotuslougeのファンであったこと、そしてSheepさんのスキルのおかげで非常に順調でした。
最初、nomal/unnui/wisper/ohnuki(最後は大貫妙子さん風)という4本のバリエーションで歌のファイルをいただいたのですが(1ファイル30MB程度。ストレージサービスを利用)、その表現力にびっくりしました。Lotusloungeのイメージで楽曲を作ったのですが、イメージにはない声があった。ええっ?これがSheepさんの歌?というような驚きがありました。率直な感想を言わせていただくと、そのときに感じたことは「女性は変わるもんだなあ」と(ごめんなさい)。
いやいや、そうじゃなくてそれはシンガーの表現力なんですが。とにかく、wisperのトラックには、ぞくぞくしましたね。これは凄い!ということで、落ち着いて編集作業ができない感じ。別トラックと重ねてダブルボイスにしても音声にやさしさが付加されていい感じになりますが、囁き系に弱いわたくしのツボにはまり、最終的に囁き系を前面に出しています。
その後、さらに追加で3ファイルをいただき、合計7ファイルをDAWに読み込んで音声の切り貼りをしています。だから、「あめ」の「あ」はnomalトラック、「め」はunnuiトラックのようなことになっている。一発取りのバンド系であれば許しがたい制作方法かもしれませんが、そもそもぼくはエレクトロニカ志向なので(と、言ってみる)。波形を睨みつつ、この編集作業にものすごい時間をかけました。これが楽しい。
Sheepさんは現役の看護婦さんでもあるのですが、まさに天使の歌声ですね。そしていま、赤ちゃん(息子さん)を育てるのに忙しい母親でもあります。働きつつ子育てもしている状態で、限界ぎりぎりまで7本の音声ファイルを作っていただきました。頭が下がります。
ところで、最終的な詰めを金曜日の夜、残業して帰宅後に徹夜で行ったのですが、最後の部分に何か足りないぞ、と。制作中に思いついていたことがあり、それをやるかーということで、恥ずかしながら自分の声でコーラスを入れました。しかしですね、明け方の5時に「Don't cry. Don't baby cry.」と、隣室で眠っている妻と息子を気にしながらマイクの前でぼそぼそ呟いていたのだけれど(しかも何気なく2声でハモっていたりする)、どーんとクライのはオレか?(苦笑)と思いました。ははは。
翌朝7時過ぎに完成したときは、意識はモーローでした。でも、いまじわじわと達成感に浸っています。諦めずにつづけていると、夢って実現できるもんだなあ、と。
Sheepさん、ほんとうにありがとうございました。感謝しています。
歌詞について自分で分析したことがあるのですが、それはまた後日に。なんだかいつもと違うノリでブログを書いているのだけれど、まあそんな日もあります。
投稿者 birdwing : 2007年7月 7日 00:00
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6 Comments
- koro1837 2007-07-07T09:17
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いいですよ。とても。インスト版もつくってほしい。わがままですけど。もちろん曲いりもいいですよ。
- birdwing_tn 2007-07-07T18:16
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感想ありがとうございます。前後に付加したコラージュを展開したリミックスもできそうだと思ったのですが、この曲に全力を投入してしまったのでいま燃え尽きてます(苦笑)。しばらくはPCやネットからも遠ざかりたい気分だったりして。といいつつ、また性懲りもなく曲を作ると思うんですけどね。
- PORORI 2007-07-08T00:56
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こんばんは〜。夜分にお邪魔します。
歌詞楽しみにしてました。やっぱり可愛らしい☆個人的に、水たまりに逆さまの世界が映ってるのにグッときました。さかさまって、なんだか象徴的で。。。勝手な解釈ですが、このへんは女性的かなと感じました。あと、ひらがなというのも可愛いですよね☆日本的で。
ボーカルのsheepさん、、、素敵です!!透明感のある澄んだ声に、まっすぐで繊細なボーカル!やられました。。。最初からイメージされてたのが、納得でした。
そして、これが「ネットコラボ」というのが、すごい。。。楽器屋や音楽雑誌なんかの「メンバー募集」のコメントを貼るスペースは、もはやなくなってしまうかも!?すごいことですよね、ネットコラボ。大変だったのでしょうね。。。
曲に感動しつつ、新しい音楽制作のかたちとパワーに驚きつつ、あといつもと違うテンションに笑いつつ(ちょっとウマいし。。笑)楽しませていただきました〜。ありがとうございます!
・・・と長々と書いてしまいましたが、お疲れでしょうしお返事に気を煩うようなことがあってはいけないので、そこは気にせず、ゆっっくりお休みになってくださいね!!ではでは♪
- birdwing_tn 2007-07-08T02:20
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おおっ。PORORIさん、深夜にこんばんは。聴いていただけたんですね。ありがとうございます。音楽をやっているPORORIさんにはぜひ感想を聞かせていただきたかったので、ありがたいです。とはいえ、いろいろとお気遣いもいただいてすみません。今日は昼間にうとうとしていたので、かえって夜に眠れなくなってしまいました(苦笑)。ついでに公開した途端に体調も絶好調です(笑)。すっかり元気。そんなわけで、大丈夫ですよー。
> 勝手な解釈ですが、このへんは女性的かなと感じました。
ふむ。水溜りの部分が女性的と感じられたんですね。それはちょっと予想外でした。ぼくが女性的な視点で意図したのは引用符(“・・・”)のなかの部分だったんですけどね。以前、PORORIさんのコメントにもお返事したのですが、黒川伊保子さん的な考察を含めて、別途歌詞の世界は解説しようと思っています。それにしても、Sheepさんの歌がこうした世界にばっちりとはまったので、作った本人も驚きでした。
ブロードバンドが普及して、こういうネットコラボのスタイルって結構たくさんあるようですよ。それこそ最先端のひとたちは海外のアマチュアミュージシャンとファイルのやり取りで曲を作っていくようです。坂本龍一さんも、カールステン・ニコライだったかクリスチャン・フェネスだったかと、そんな形で曲を作っていったということを雑誌で読みました(いま手元に資料がなくて曖昧ですが)。
難しいことを書いてしまうと、IT業界のオープンソースなどの流れも同じだと思います。Wilkipediaもありますね。ネットの辞書なんですが、あれは訪問したひとが追加したり修正してコンテンツを充実させていく。会わなくても、匿名のひとたちであっても、志さえあれば、みんなで力を合わせて創造的な活動ができるのがネットのよいところだと思います。このスタイルがこれからもっと当たり前になっていくのではないでしょうか。
> あといつもと違うテンションに笑いつつ
ははは。いつもと違うテンションいいですか?実はぼくとしてはこちらの方が自分に合っている気がしています。ただし真面目なことがかけなくなってしまうので、たまーにやることにします。
あらら。PORORIさんにコメントを返していくと、いつも長文に(苦笑)。とはいえ、ありがとうございました!!
- かおるん 2007-07-09T23:27
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あめ ふる そら…っていう間がかわいいですね。PORORIさんのコメントとはちょっと違いますが、私は中性的な印象を持ちました。“・・・”内の部分”はとくに、女性というより、男でも女でもなく、別の生き物っぽい。
声がやわらかくて、やさしくて、素敵です。声の表現力ってすごく大きいですよね。たぶん私達が歌を聴くときって、作曲者には失礼かもですが、メロディがどうというより前に、声が持つ質や表現の好き嫌いを生理的に感じ取ってるのかも、なんて思ってしまいました。
- birdwing_tn 2007-07-10T01:00
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かおるんさん、感想ありがとうございます。“・・・”の部分は、谷川俊太郎的な世界を意識したところもあるので、性別を超越したような印象になったのかもしれませんね。
いやー、ほんとSheepさんの声は素敵です。何百回というぐらいに聴きましたが、やっぱりいいですね。囁き系はカヒミ・カリィなども意識されているそうですが、逆に自分の声はどれでいくべきか、ということに悩まれているとのこと。7本のテイクそれぞれに特長があって捨てがたく、どれを選ぶのかものすごく悩みました。
そもそもぼくは女性ボーカルがみつからないときには、Vocaloidというソフトウェアに歌わせていたのですが、やはり人間にはかなわないだろうと痛感しました。ただ、生音×テクノロジーのような部分を追求していきたいと考えています。
ベータバージョンを聴いていただいたときに、Sheepさんも「これ私の声?」と思ったそうですが、リバーブ(残響音)の加減やテイクの重ね方加減でもずいぶん声が変わります。クリエイターによってもその微妙な表現が違うようで、バンドもやられているようですが、そのときの声はまた別の声のようです。
DTM、まだまだ奥が深いですねー。楽しくなってきました。
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