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2008年7月19日
いまを生きる。
手垢のついたような言葉でもあり、あえていまさら言う必要もないかもしれないと思ったのですが、阪本啓一さんの「ゆるみ力」とリチャード・カールソンさんの「小さいことにくよくよするな!」を読みながら感じたのは、いまを大切にすることの重要性でした。
過去は過ぎてしまってここにはないし、未来もまだ来ないのでここにはない。楽しかったことであっても辛かったことであっても、過去の幻想に囚われすぎると現在のしあわせに気付かないし、未来の理想にこだわりすぎても、やはり理想と現実のギャップに凹むことになります。
いまここにあることを大切にして、いまできることを最大限にしていくことが大切ではないか。あれやらなきゃよかったなと思っても、やっちゃったことは取り返しがつかない。また、あとでやろう、あとで書こうと思うと、たいていやらなかったり書かなかったりするものです。であれば、やらなきゃよかったなと思うようなことをしなければよいし、やりたいと思ったことをすぐに着手すればいい。・・・という簡単なことができないから困るのですが(苦笑)。
阪本啓一さんの「ゆるみ力」では、冒頭でマイアミに旅行した際、帰りのチケットを購入した航空会社が倒産したというご自身の実際のエピソードを引用しながら、そのトラブルから学んだ教訓を述べられています。
ゆるみ力 (日経プレミアシリーズ 7) 阪本 啓一 日本経済新聞出版社 2008-06 by G-Tools |
すなわち、旅行中はネットなどで情報を入手せずにシャットアウトしておいたことがよかった、知らなくてよかった。なぜならもし帰りの航空券が使えないことを知ったらマイアミで休暇を楽しむことができなかったから、とのこと。そして、次のようにまとめられています(P.17)。
どこか遠い未来ではなく、過ぎ去ってしまった過去でもない。「ゆるめない」理由はひとえに、「心ここにあらず」が原因だ。せっかく心が今・ここにあるというのに、見えない未来、あるいは過ぎちゃった過去へと心を「送信」してしまう。心は今・ここではないとゆるめない性質を持っている。今・ここ以外に送信されてしまうと、固まる。これが「ゆるみを固くする」原因だ。
逆説的かもしれませんが、ぼくは次のようなことを考えました。人間も動物である以上、油断をみせることは外敵に襲われる隙をつくることであり、外界からの攻撃を恐れて身体が緊張する。いま・ここにない過去や未来に想いを馳せて、心ここにあらずの状態を作ることは、身体的には外敵の攻撃を受けやすい状態にあり、無意識的に危険を察知して(というよりも原始的な動物としての恐れが発動して)身体が攻撃に備えた状態になる。だから実は安心できないのではないか、と。
むしろ問題を直視して、現実をしっかりと受け止めて、そのための行動を起こしたほうが、逆に安心できる。やらなきゃならない問題は、取り組んでしまったほうが安心できるし、行かなきゃならない場所には行っておいたほうが安心する。やらなきゃ、行かなきゃ、と思いつつ行動しない状態が不安を呼ぶ。
情報も同じかもしれません。多くの情報は2次情報です。誰かの語った言葉であり、誰かが加工した現実といえます。それは自分の体験ではないし、自分の現実ではない。その現実に一喜一憂することは、過去や未来のように「ここにない」何かに不安になる状態と同じ。もし安心したいのであれば、自分でその場所へ行き、ひとから話を聞き、体験してみる。自分ではない誰かはそう思ったかもしれないけれど、自分はそうは思わないな、ということもきっとあるはずです。
リチャード・カールソンさんの「小さいことにくよくよするな!」からは、次のフレーズを引用してみます(P.20)。
頭で悩みごとの雪だるまを作らない。
Be Aware of the Snowball Effect of Your Thinking
マイナス思考や不安のタネというものは、勝手に膨らんでいく。
「思考の攻撃」には終りがないし、
悩みや不安で頭がいっぱいのとき、心が穏やかになれるはずもない。
真夜中ふと、「明日やるべきこと」が浮かび、忙しくて死にそうだと思ったら、
「ああ、またやっているよ」と自分に言いきかせ
つぼみのうちに摘み取ること。
そして、やはり次のことを心に留めておこうと思います(P.30)。
いま、この瞬間を生きる。
Learn to Live in the Present Moment
明日起きるかどうかわからないことは関係ない。
あなたが生きているのは
いまこの瞬間なのだ――いつも!
Irrespective of what may or may not happen tomorrow.
the present moment is where you are - always!
投稿者 birdwing : 2008年7月19日 23:18
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