« 空白という充足。 | メイン | いまを生きる。 »

2008年7月17日

ひとつ目のガジェット。

ウェンツ瑛士さんが扮する鬼太郎の映画の2作目「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」が12日から公開されているとのこと。夏の風物でもあるオバケというわけで季節にぴったりです。しかしながらぼくとしては、妖怪というよりも厳しい暑さのせいで溶解しそうです。どろどろ~。汗みどろ~。

先日、旧作がテレビでやっていたので長男くんとぼけーっと観ました。どうせハリボテのような妖怪が登場する子供だましで、お笑いやアイドルを起用した話題づくりのしょうもない映画じゃないのかと思っていたのだけれど、そこそこ面白かった。長男くんも楽しんで観ていました。しかし、この映画でいちばんのはまり役といえば、田中麗奈さんの猫娘ではなかろうか。このひとは猫だ。ひじょーに猫らしい女優だ。

ということはどうでもいいのですが、原研哉さんの「白」というデザイン系の本を読んでいたこともあり、なんとなくよいデザインについて調べていたところ、ソニーのサイトで「手のひらにのるテレビ」に注目しました。

080717_tenohira1.jpg

これは・・・鬼太郎の父親、つまり目玉親父じゃないのかな(笑)。

白以外の色もあるのだけれど、なんとなくしっぽらしいものもあってちいさなオバケのようでかわいらしい。Flashバージョンのサイトをみると、みんなで歩き回るようなアニメーションも作られていて楽しい。YouTubeに映像があったので掲載してみます。

実際にこのテレビにはインターフェースとして、カラーバーのほかに「face」や「eye」という生物的なものもあります。まさに「eye」は目玉親父だ。インターフェースのページではアニメーションを見ることができるのですが、ときどきまばたきをする。とはいえ、こんなまばたきをするテレビが部屋にあると、ちょっと怖いかも。テレビオバケという気がします。

これが「eye」のインターフェース。

080717_tenohira2.jpg

どちらかというと、次の「face」のほうが愛嬌があります。

080717_tenohira3.jpg

アンドロイドやロボットにもいえることかもしれませんが、あまり人間や生物をリアルに模倣するのではなく、インターフェースはシンボル化したほうが利用するひとにとっては落ち着くこともありますよね。

手のひらにのるテレビの試みとイベント自体は昨年の春に開催されたもので、繊維とエレクトロニクスのコラボレーションというコンセプトで行われたようです。以下、プロフィールの部分から引用しておきます。

「日本のハイテク繊維を活用して、人と繊維とエレクトロニクスの新しい関係を築けないか?」

日本を代表するグラフィックデザイナー、原研哉氏のディレクションの下、「TOKYO FIBER '07 SENSEWARE」という展覧会が東京とパリで開催されました。テーマとして掲げられたのは「SENSEWARE(センスウェア)」。「WEAR(衣服)」ではなくて「WARE(機器)」。身体感覚とインタラクトするハイテク繊維との新たな関係を模索しました。この試みに、デザイナーや建築家、企業が賛同しました。

この目玉テレビ(失礼)に似ているな、と思ったのが情報端末のchumbyでした。iPhone3Gの登場で盛り上がりつつあるタッチスクリーンを採用したデバイスです。もうすぐ日本でも発売されるとのこと。詳細はアスキーの記事から。

■chumbyで遊ぼう!
http://ascii.jp/elem/000/000/148/148593/

chumbyも外側の部分は合成皮革を使っているようで、ふつうのPCなどと違って手触りがやわらかい。機能もやわらかく、無線LANの内蔵と700種類ものウィジェットを切り替えることができ、ゲームにもなれば天気予報を伝える端末にもなる。カスタマイズが可能で、Hackable(ハック可能な端末)だそうです。持っているひとたちの間でコミュニティもできそうです。

カラーバリエーションとしては、茶色と白の「Latte」(ラッテ)がかわいいのですが、白と黒のパンダなんてものも発売されそう。性能的にはひと昔前のPDAと同等らしく、末永く生き残る情報端末かというと疑問を感じますが、こういう楽しい端末があってもいいですね。USのサイトはこちら。

■chumby
http://www.chumby.com/

080717_chumby.jpg

iPhone3Gのようなクールな端末もかっこいいのですが、そうではない生活に馴染むような端末も生まれてくるのかもしれません。筐体の手触り感など五感に訴えることも、大切な訴求ポイントになるでしょう。そしてやはりデザインが重要になります。といっても、あまりに生物的であると、オバケみたいで困惑するのだけれど。やはり情報端末なので、親近感もほどほどに。

いまのところ爆発的に人気があって市場の「オバケ」となっているiPhone3Gですが、このヒットが牽引してタッチパネルという機能にも注目が集まっているようです。以前、ブログでも取り上げたMicrosoft Surfaceのような触って直感的に操作できる端末がもっと出てきてほしいと思います。

そのうちにデジタルな情報だけでなく、実体のないオバケにも触れるようになったりしてね(苦笑)。

投稿者 birdwing : 2008年7月17日 23:37

« 空白という充足。 | メイン | いまを生きる。 »


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://birdwing.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/952