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2008年11月28日

揺れる、まなざし。

目を見て話しなさい・・・と子供の頃によく言われたものでした。そんなことを親や先生から言われた経験のあるひとも多いと思います。でも、見れなかったなーぼくは。なんだか恥ずかしくて。

コミュニケーションの観点から、あらためて誰かの目を見て話すことの意義について考察すると、次の3つを挙げることができそうです。

  1. あなたの話を聴いていますよ、という「意思表示」
  2. 話している相手の表情をしっかり読み取り、たとえば怒りの色がみえたら、適宜話題を変えるなど軌道修正するための「相手の情報収集」
  3. 心の窓である目を開くことで、嘘偽りがない「誠実さの証明」

さて、大人になったいま、子供たちを叱るとき、パパの目を見なさいっ!と自分のことは棚に上げて言っている自分がいます。でも、遺伝子のせいか、やはりきちんと見ることができないですね、うちの子たちも。

特に長男くんは幼稚園の頃、目を見なさいっと言われると、逆に、ぎゅううっと瞑ってしまった。頑なにこちらを見ませんでした。反抗的な態度に思えてむかっとしたのですが、いつもと違う父親が怖かったのかもしれません。でも、どこか自分の殻にこもってしまう感じがして、このまま大きくなったら自閉的な子供になってしまわないか、叱る親のほうが心配だったことを覚えています。いまでもその不安はなくなったわけではないですけどね。

次男くんはそれほどでもないのですが、目に関していうと、ウルトラマンシリーズに出てくるガンQというひとつ目の怪獣が好きです。趣味わりーというか、気持ち悪いのであまりぼくは好きじゃなかったのだけれど、ソフトビニールの人形はお気に入りでした。ポケモンも、やはりひとつ目でアルファベットの形になっているアンノーンが好きらしい。彼はひとつ目好きです。

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どうでもよいことですが、ぼくは目がでかいほうです。目が大きくて得したことはあまりありませんが、損したことはありました。以前にもどこかに書いたような気がするのですが、白目の周りに髪の毛がぐるりと一周して入り込んでしまったことがあり、取れなくて困った。ハードコンタクトレンズを入れているのですが、ときどき取れなくなって困ります。目に異物が入ると気が狂いそうになりますね。きっと見えないからでしょうね、目のなかの異物は。

余談ばかり書き連ねてしまいましたが、昨日、アスペルガー症候群についてブログで取り上げながらWikipediaで調べたところ、次のような部分が気になりました。

表情や他人の意図を読み取ることに不自由がないアスペルガーの人もいる。彼らはしばしばアイコンタクトが困難である。ほとんどアイコンタクトをせず、それをドギマギするものだと感じる場合が多い。一方、他人にとって不快に感じるくらいに、じっとその人の目を見つめてしまうようなタイプもいる。相手からのメッセージ(アイコンタクトなど)が何を示すのか、彼等なりに必死に理解しようと努力するのだが、この障害のために相手の心の解読が困難で、挫折してしまうパターンが多い。

ひとと目を合わせない、じっと見つめてしまう・・・と極端なのですが、アスペルガー症候群ではないぼくらにも十分あり得ることではないでしょうか。

ちょうどうまい具合に、WIRED VISIONに面白い記事がありました。「女性と視線を合わせる練習用の日本製DVD『ミテルだけ』:サンプル動画」です。視線恐怖症というか恥ずかしがり屋のひとのために、他人と視線を合わせられるよう練習するDVDらしい(笑)うーむ、なんかさびしい気もするけど、観てみたい。以下、引用します。

このDVDには、真っ白な背景を背に立っている50名の人が収録されている。全員女性だが、それはたまたまだと伊藤氏は断言する。彼らはカメラをじっと見つめ、「帰りたい」「もうたくさん」といった言葉を口にすることもある。

WIRED VISIONに掲載されているサンプル動画はYouTubeの動画なので、ぼくも取り上げてみます。

え、えーと。あのう・・・すみません。女性の方にはヒンシュクかもしれないのですが・・・そのう、どうしてもですね、目をみるというより・・・胸の谷間をみてしまうんですけどー!!(涙)はうー。煩悩から解放されないわたくし。男性にはわかってもらえると思うのですがだめですかー。

そういえば、Webサイトのユーザビリティを解析するツールとして、一時期、アイトラッキングというツールが注目を集めました。少しSFっぽいのですが特別な機械を頭に固定して眼球の動きを測定し、Webサイトのどこを見て次にどこへ目を動かしたのか可視化して分析できるようなツールです。JMR生活総合研究所のコンテンツに非常に詳しい解説がありました。

■見えないニーズを捉える方法
http://www.jmrlsi.co.jp/concept/report/consumption/nv2005-05.html

トラッキング(追跡)された部分は円形のポイントと軌跡が表示されるのですが、目が止まったところはヒートマップと呼ばれるとのこと。じーっと注視したところは赤くなる。「注視点と注視点の間の動きはサッケード (saccade) と呼ばれる」と解説されていますが、その部分では人間の意識は情報をさーっと早送りしているといえそうです。

もし、上記のようなツールを使って先程のぼくが女性の映像をみるときをトラッキングしたら・・・。ちょっと恥ずかしいですね。あからさまにじろじろみるおじさんもいますが、視線のセクハラかもしれない。紳士は煩悩を超越しなければ。しかし・・・はあ、ちょーえつできない。

自閉症のような場合、視線の動きが固定されるのではないでしょうか。だから他者の感情に気付かない。挙動不審のように、きょろきょろ落ち着きなく視線を動かすのもどうかと思うけれど、一点だけ見つめすぎるのもどうでしょう。それに見ているのに見えていないこともあるかもしれません。死角というものもあります。

視覚についていろいろ考えつつ思うのは、最近なんだかちいさな文字が読みにくくなってしまったのですが、できるだけきれいなものを見ていたいものだなあ、ということでした。できれば、ですけどね。

++++++++

ミテルだけ
http://avex.jp/miterudake/

081128_miterudake1.jpg

サイトでは5ページに渡って、登場する50人の女性が紹介されているページもあります。きれいな女性が多いのですが、ときどき強面のひとがいるのが気になります。あと白髪のおばあさんがいたり、外人もいますね。うーむ、おばあさんに見られるのは辛いかもしれない。あんた何してんの!と叱られそうだ。ある意味、にらめっこですな。視線をそらしたほうが負け、という。

投稿者 birdwing : 2008年11月28日 23:48

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2 Comments

がど 2008-11-29T08:40

ははは。女の私も目ではなくそっちのほうに目がいきました。意外と女性のほうがその傾向が強いかもしれません。これも訓練のうち・・・なのかな?
見つめるということは意志によるところが大きいとは思いますが、視力も関係ありそう。かくいう私も目が悪いので近くの人はじっと見つめ、遠くの人は無視してしまう傾向があるようです。子供はしっかり見て欲しいときは両手で挟んで逃げられないようにする、一見拘束しているようですが、あとでほっぺをぶにょぶにょしてフォローできるという利点もあります。

BirdWing 2008-11-30T00:03

がどさん、やっぱり女性もそうですか(笑)。ちょっと救われました。

意外と女性のほうがその傾向が強い・・・というコメントで考えたのですが、女性のほうが「見る」ことによって、さまざまなことをチェックしているのかもしれません。服装や身に着けているアクセサリー類も注視するのではないでしょうか。

そういえば、リクルートが出している無料配布の情報誌にR25とL25があるのだけれど、そこで気付いたことがありました。

R25はどちからというと男性、L25は女性向けで、どちらにも有名人のインタビュー記事があります。その写真、最初はどちらもバストアップ(胸から上)だったのですが、L25の「ココロヲヒラコウ」というシリーズは、最近、ひいて風景とともに身体の全体を写す構図に変わってきました。巻頭だから、というせいかもしれないけれど、ひょっとしたら女性は、このひとはどんなスカートなのかしら、どんな靴を履いているの、ということをチェックするからかもしれないな、と思いました。考えすぎかもしれませんが。

両手で挟んで逃げられないようにする、というのはいいですね。なんだか微笑ましい拘束です。確かに、叱ったあとで、ほっぺをぶにょぶにょできる(笑)。

何度か書いて繰り返しになってしまうのだけれど、ぼくは叱ることは大事なことだと考えていて、叱られない子供は叱ることに対する耐性が弱くなる。叱ったあとにもきちんとにっこり笑ってフォローできれば、ああ、叱られても大丈夫なんだ、と思うのではないでしょうか。和解できることが前提であれば、喧嘩も辛くないような気がします。

また、同様に、教育には競争力が必要だということを大阪の橋本知事が言っていたと思いますが、ぼくは同感でした。競争を排除してしまうと、子供たちはどんどん競争に対する耐性がなくなって弱くなる。競争力を重視した上でフォローできればそれがいいと思います。変に競争力を排除する教育はどこか変です。

すみません。関係のないことを書きすぎて、コメントが長くなりました(いつものことではありますが・・・)。

子供さんたちとのスキンシップ、大事にしてくださいね。母親に見守られていることが、子供たちにとってはいちばんの安心だと思います。

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