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2006年2月20日

「EQマネージャー」デイビッド・R・カルーソ , ピーター・サロベイ , 渡辺 徹

▼book06-016:最終的に役には立ちましたが。

4492555285EQマネージャー
東洋経済新報社 2004-12-17

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辛辣で申し訳ないのですが、単刀直入に感じたことを結論から言ってしまうと、非常にまどろっこしい本でした。歯切れが悪いです。余計な引用が多すぎます。AかもしれないがBともいえるのように、あいまいな部分が多い。つまり感情(EQ)については研究が途上であり、きちんとした結果がないのでしょう。とはいえ、今日のブログで引用したように部分的には興味深い考察もあるので、たぶん冗長な部分を削除して半分ぐらいのボリューム(200ページぐらい)にすれば、非常に有用な本になるのではないでしょうか。2000円というのも高すぎます。1300円ぐらいでちょうどいい。

このまどろっこしさはどこかで感じたことがある、と考えて思いついたのですが、「書くことがないのに原稿用紙2枚を埋めなければならずに苦労して書いた息子の作文」でした。同じことを何度も繰り返したり、あるいは「楽しかった」「面白かった」のように抽象的な言葉を多用する。体系的にもなっていない気がします。

苛立ちに近いもやもやした気分を感じながら、あと何ページか気にしつつ、久し振りに早く終わった会社の帰りに喫茶店で読み終えたのですが、あと20ページ多かったとしたら、もやもやは確実に怒りに変わり、EQなんとかというシリーズの本全般に対する不買行動を起こしたかもしれません。しかしながら、このイライラはなんだろう、という感情分析ができたという意味で、最終的には役に立ちました。また、イライラを客観的にコントロールすることもできたような気がします。この本のおかげです。感謝しています。とはいえ、EQによる自己啓発セミナーに参加しませんか、と言われたら、申し訳ないのですが丁重にお断りしたいと思います。あまり効果は望めそうにないので。2月20日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(16/100冊+18/100本)

投稿者 birdwing : 2006年2月20日 00:00

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