« 比喩が成立するとき、しないとき。 | メイン | 上昇志向とこれから。 »

2006年6月 6日

「「個」を見つめるダイアローグ」伊藤穰一

▼Books040:外側の思考の大切さ。

4478942269「個」を見つめるダイアローグ
ダイヤモンド社 2006-05-26

by G-Tools

内輪で過ごす時間はしあわせです。わかりあったものたちの間では説明する言葉も必要ないし、波風を立てずに、まあまあそういわずに一杯、という馴れ合いの感じになるものです。内輪だから許されることもあります。インターネットという内輪のなかだけで通用する表現もある。膨大な揚げ足取りと誹謗や中傷が繰り返されるのも、閉ざされた世界だから許容されているのかもしれません。

けれどもぼくはこの本を読んで、もっと視線を外に向けなきゃいけない、社会のこと、日本のこと、そして世界のことにも目を向けたほうがよい、とあらためて思いました。伊藤穣一さんも村上龍さんも、日本はもちろんさまざまな世界で活躍している日本人です。最近、多くのスポーツ選手も海外に出て行くようになりました。世界を視野に入れるのはなかなか勇気がいることですが、志は高く持っていたいものです。

ところで、グローバルな考え方というのは英語ができるということではなくて、意識の問題かもしれません。そのひとつの重要なキーワードが、この本のなかにも何度か出てくる「リスペクト」だと思います。ぼくは単純にリスペクトは「尊敬」だと思っていたのですが、なんとなく読後に意味が変わってきた。尊敬という、偉い・偉くないというレベルの話ではない。つまり、リスペクトというのは、まったく違う環境に育って、違う文化を持ち、考え方が異なる他者に対して、自分とはまったく違う「個」であることを、ありのままに認める姿勢ではないでしょうか。

ぬるま湯のなかにどっぷりと浸かっているぼくですが、もう少し危機感をもってみようか、などと考えました。まずは海外のサイトを英語で読んでみようと思っています。英語、苦手なのですが。6月6日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(40/100冊+34/100本)

投稿者 birdwing : 2006年6月 6日 00:00

« 比喩が成立するとき、しないとき。 | メイン | 上昇志向とこれから。 »


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://birdwing.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/1163