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2006年7月20日

「寝ながら学べる構造主義」内田樹

▼book06-053:テツガクは、年を取ってからの愉しみに。

4166602519寝ながら学べる構造主義 (文春新書)
文藝春秋 2002-06

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学生のときの読書というのは、なんとなく見栄なんかもあり、難しくてよくわからないのだけど難しい哲学書を読んでしまったり、流行の作家を追いかけたりしたものでした。いま、もう若くもない時期になって、自分の好きなものを読んでいればいいや、という気持ちになっています。とはいえ、それでもやはり見栄もあるのだけど、ぼくに関していえば、例えばリリー・フランキーさんの「東京タワー」は途中で自叙伝的な言説に飽きてしまい、いまは積み上げられた本のどこかで化石化してしまっています。ただ、ひょっとしたらまたいつの日か読みはじめて最後まで読みきって号泣、ということもあるかもしれません。

学生時代には、構造主義とかポスト構造主義にかぶれていた気がします。しかし、ほんとうのところはよくわかっていなかった気がする。ところが、この「寝ながら読む構造主義」を読んで、あらためて面白すぎる!と思いました。それは入門書だからであって、実際にラカンやフーコー、レヴィ=ストロースやバルトなんかを読み直すとつらいものがあるかもしれないのですが、またじっくりと読んでみたい気がしました。とはいえ、個人的には来年以降でしょうか。今年はとにかく広く浅く、意識の網にひっかかってくるものを探す年にしたいので。

後書きで内田さんは、年を取ってから構造主義者たちの言いたいことがすらすら分かるようになった、と書かれていますが、確かに本にも期が熟さないと読み頃ではないものがあって、さらに人生経験が浅い若い人にはこの深みは理解できないだろう、ということがある。たいてい若いひとというのは、いや十分にオレは大人だ、などと強がってみせるのだけど(ぼくもそうでしたが)、ちっちっち、きみは若いからわからないよ、ということが確かにある。もちろんもっと先輩からみれば、ぼくもまだ青い年齢かもしれないのですが。

もう何度もブログでこの本から引用してきたので、本とは関係のないことばかりを書いてしまいましたが、まだまだ示唆を受けたことがたくさんあります。頭脳のなかにキープしつつ、また何か書いてみたいと思っています。7月20日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(53/100冊+44/100本)

投稿者 birdwing : 2006年7月20日 00:00

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