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2006年9月10日
「旅の極意、人生の極意」大前研一
▼book06-066:スケールが違いすぎ、でも視野を変えてくれる一冊。
旅の極意、人生の極意 講談社 2006-07-07 by G-Tools |
まず、お恥ずかしいことなのですが、ぼくは大前研一さんの本はこれで三冊目です。そんなわけで、もっと優れた本があるかもしれません。ただこの本を読んで、「大前さんはスケールが違いすぎる」とため息が出ました。仕事に対する取り組み方も、人生の楽しみ方も、人間の器が大きすぎる。コンサルタントって難しいことを言っているけど実際はどうなの?という表層的なことは今後、ぼくは語れません。
添乗員時代の大前さんの経験を踏まえつつ、海外15ヶ所の大前添乗員おすすめのプレミアムツアーを紹介していただける本です。クラリネットを買うために早稲田の学生時代に史上最年少で通訳案内史の資格を取り、外国人を相手に英語で日本の名所を紹介していくなかで、国際社会に通じるコミュニケーションを身につけると同時に、日本のよいところも見つめなおしていかれたとのこと。すごいのは、言葉を補うために、自分でフリップの資料を作り、それが非常に受けたようです。そんな大前添乗員には、旅行者が帰国してからも感謝の手紙がたくさん届いたそうで、つまりどんな相手にとっても最高の仕事をしていたわけです。
これこそがプロフェッショナルだ、と思いました。フリップで説明することは、上から言われてやったことではないでしょう。けれども自発的に自分を高めていったのだと思います。そんな大前さんがお客様である旅行者に評価されないわけがないし、一方で自分のためにもなっているわけです。
とにかくパラオにしてもドバイにしても、最高級の旅が紹介されていて、大前研一さんのテンションも他の本とぜんぜん違います。文章が熱っぽいし、きらきらしている。ほんとうに旅行が好きで、その旅行が仕事はもちろん人生も豊かにしているんだなあと感じました。大前研一さんにはぜったいになれませんが、この本には旅行の知識はもちろん、タイトルにもあるように「人生の極意」のエッセンスが詰まっています。より豊かに生きるためのヒントがあります。
写真も美しい。ああ、世界にはこんなに美しい場所があるんだ、願わくばこのうちのどれか一ヶ所に行ってから往生したいと思います。そのすべての場所を経験済みの大前さんには、頭がくらくらするほど脱帽なのですが。9月8日読了。
*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(66/100冊+52/100本)
投稿者 birdwing : 2006年9月10日 00:00
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