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2006年12月 2日

「ブランドらしさのつくり方―五感ブランディングの実践」博報堂ブランドデザイン

▼Books086:感性の時代に向けて、五感の情報化に期待。

4478502722ブランドらしさのつくり方―五感ブランディングの実践
博報堂ブランドデザイン
ダイヤモンド社 2006-09-29

by G-Tools

情報化社会が進展すると、専門的な知識やデータ処理はPCやITなどのテクノロジーがこなすことになってしまい、さらにプログラミングなどの仕事はコストが安くてクオリティの高いインドなどのエンジニアがこなしてしまう。ではどんなことに価値が生まれるかというと、感性や発想を重視した右脳思考型の新しいナレッジワーカーである、というようなことが書かれていたのが「ハイコンセプト」という本でした。そうした感性重視の流れをマーケティングに実践したのが、五感マーケティングだと思います。この動きは日本でも重視されつつあるようで、経済産業省は「人間生活技術戦略―五感で納得できる暮らしを目指して―」を、2006年4月18日に策定した、ということも「ブランドらしさのつくり方」のなかで触れられていました。

五感を定量的に把握する試みも進展しているようで、嗅覚の研究がいちばんホットらしい。嗅覚ディスプレイという装置も開発がはじまっているようで、ぼくも何気なくアロマジュール(香り発生装置)についてブログで取り上げたことがあったのですが、そのことも記載されていました。「チャーリーとチョコレート工場」では、上映中に香りを発散させた映画館があったとのこと。これは行っておけばよかったと思いました。さらに「味覚センサー」というものも出てきているらしく、触感、立体映像なども含めるとバーチャルリアリティー(仮想現実)の世界は知らないところで着々と研究が進んでいるようです。

これがインターネット上で展開されると、セカンドライフのような仮想コミュニティは、より五感に訴えるそれこそ「もうひとつの現実」に近づいていくのではないでしょうか。そうするとサンプリングやトライアルのキャンペーンは、よりリアルになっていく。仮想現実のなかにおける流通も活発になりそうです。そうして、ミュージシャンや映像クリエイターと同じレベルで、アロマクリエイターとか触感アーティストなどというものが登場しそうな気もするし、それらを組み合わせたマルチ五感アートなどというものが登場するかもしれない。

なんとなく21世紀的だなあと思ったら、いまは21世紀なのでした。未来は、いまここにあるようです。11月30日読了。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(86/100冊+74/100本)

投稿者 birdwing : 2006年12月 2日 00:00

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