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2007年3月27日

Low / Drums and Guns

▼music07-018:ノイズとヴォーカルで構成された、荒涼とした世界。

Drums and Guns
Low
Drums and Guns
曲名リスト
1. Pretty People
2. Belarus
3. Breaker
4. Dragonfly
5. Sandinista
6. Always Fade
7. Dust on the Window
8. Hatchet
9. Your Poison
10. Take Your Time
11. In Silence
12. Murderer
13. Violent Past

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昨日レビューを書いた「Some Loud Thunder」と同時に購入したのですが、偶然にもプロデュースはクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーのプロデュースを手がけたデイブ・フリッドマンとのこと。他に彼はモグワイなども手がけているそうで、なるほどなあという気がしました。ジャケットには、今回試用した楽器+銃(gun)の写真によるブックレット付きなのですが、ほとんど楽器はドラムのみ。そんなわけでこのタイトルなのか、とあらためて納得したり。ちなみにこんな写真です。

LOW1.jpg LOW2.jpg

ドラムスと最小限の楽器(そしてノイズ)で構成された音響は、バンドにとっては新機軸らしいのですが、もろにぼくの最近の好みでした。残響感のないボーカルをメインにした感じは、デヴィッド・シルヴィアンの「blemish」のような雰囲気もあります。

アーティストについてはまったく知らなかったのですが、8枚目のアルバムらしい。バンドとしての活動は10年になるようです。バンド構成はベースが脱退して3ピースになったようで、そのうち女性がひとり。ミニマルな行間の多い音の文脈に、男性と女性のハーモニーが漂う枯れた叙情性がなかなかいい感じです。ライナーノーツを読むと、トム・ヨークの「The Eraser」的な雰囲気を感じさせるのは、トム自身がロウのファンだからということが書かれていました。へえ、彼に影響を与えているのか。

全体的に灰色の雲が垂れ込めた、冷たい荒涼とした世界を感じさせるのですが、なぜかぼくはこの世界にフィットする。モノクロ映画のようなイメージに、なんだか落ち着いた気持ちになります。いまなんとなく殺伐とした気持ちだからでしょうかね(苦笑)。春に聴く音楽というよりも、秋から冬にかけての季節にぴったりのような気がするのですが、悪くはないです。

おすすめの曲の選別は難しくて、逆回転のギターを含めて全体的な雰囲気がよいのですが、あえてピックアップを試みると、2曲目のSigur Rosっぽい「BELARUS」、リズムとハーモニーが気持ちいい6曲目「ALWAYS FADE」と7曲目「DUST ON THE WINDOW」、短いけれどコーラスが美しい9曲目「YOUR POISON」(なんとなくコステロ思い出した)、厳かな12曲目「MURDERER」でしょうか。「MURDERER」は、コード進行のようなものも気に入っています。

殺伐としたサウンドスケープに癒されているぼくって何?という気がしましたが、なんとなく染みる音です。3月27日観賞。

公式サイト(英語 いくつかの曲が試聴できます)
http://www.chairkickers.com/

+++++

2008年2月4日追記

最少の編成で演奏している「Murderer」。枯れた雰囲気が渋いです。

■Low - Murderer

*年間音楽50枚プロジェクト(18/50枚)

投稿者 birdwing : 2007年3月27日 00:00

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