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2007年8月15日

Carla Bruni / No Promises

▼music07-040:美貌と才能を備えた、美しいひと、美しい音楽。

B000SM7QVGNo Promises
Carla Bruni
Naïve 2008-02-19

by G-Tools

1. Those Dancing Days Are Gone
2. Before the World Was Made
3. Lady Weeping at the Crossroads
4. I Felt My Life with Both My Hands
5. Promises Like Pie-Crust
6. Autumn
7. If You Were Coming in the Fall
8. I Went to Heaven
9. Afternoon
10. Ballade at Thirty-Five
11. At Last the Secret Is Out
12. Those Dancing Days Are Gone(feat.Lou Reed)

休日の朝、ちょこっと掃除を片付けたあとでくつろいでコーヒーなど飲みながら、お気に入りの本などを読む。たとえそれがスタイリッシュなデザイナーズマンションではなくて木造平屋建ての四畳半であっても、なんとなくしあわせな気分になる。そんなひとときに聴きたいのがカーラ・ブルーニの「ノー・プロミセズ」のようなアルバムではないのかな、と思います。

実際にぼくは結構このアルバムにはまって、くつろぎたいときには結構取り出して聴いていました。癒されます。耳を傾けているうちに音楽が終わってしまって、ものすごく自然な感じで彼女の世界に浸ることができる感じです。

カーラ・ブルーニはフランスのスーパーモデルのようで、これは2ndアルバムとのこと。残念ながら1枚目は聴いたことがないのですが、フォーキーな曲作りの才能、しっとりとしたややかすれ気味なボーカル、派手ではないけれども楽曲を引き立てるアコギの演奏、そしてジャケットの素敵な脚(ぽっ)に惹かれて、以前のアルバムも聴いてみたくなりました。神様は不公平だ。こんなに美しいひとに才能まで与えるとは。

しかしながら解説などを読んで知ったのですが、彼女はモデルとしての儚い生命が終わりつつあるのを感じで、自分がどうすべきかということを真剣に考えていたようです。つまり、美しさや才能を維持するためには、のほほ~んとしているわけにはいかない。その維持のために、実はものすごい努力をしている。そうして若さとか外見の美しさに寄りかかるのではなく、内面を磨くこと、歌を作ることに集中したそうです。

一曲目の歯切れのいいカッティングからはじまる「Those Dancing Days Are Gone」。いいですね。アイルランドの劇作家ウィリアム・バトラー・イェイツの詩であり、このアルバム全編を通じて、E.ディキンソンの詩など、とてもブンガク的な、あるいは知的な雰囲気があります。

ぼくが気に入っているのは1曲目と、メジャーコードとマイナーコードが錯綜する5曲目「Promises Like Pie-Crust」 、そしていちばん好きなのはスキャット風にリズムを刻む「 If You Were Coming in the Fall 」ですね。ピアノもいい感じ。ゆったりめな気持ちになるとしたら、2曲目「Before the World Was Made」 、4曲目「I Felt My Life with Both My Hands 」といったところでしょうか。ワルツっぽい「At Last the Secret Is Out」もかすかにビートルズのDear Prudence的な音の響きが感じられて、ノスタルジックで少し切ないような気持ちになります。

歌詞に目を向けてみると、やはり英語詩の韻の踏み方が気持ちいい。1曲目「Those Dancing Days Are Gone」ですが、1行置きでear - gear、gone - stone、up - cup、rag - bagとなっています。

天才ですね(しみじみ)。日本の古い和歌にしても、ダブルミーニングであったり韻を踏んでいたり、そんな細かな技巧をさりげなく駆使しつつ琴線に触れる何かを詠む詩人たちがいましたが、そんな知的な遊びにあふれた歌を聴きたいと思いました。ただ、それが耳障りに主張されると台無しであって、この曲のように耳をくすぐってくれる程度がいい。そのあたりもセンスのように思います。

ちなみにCDには英詩と写真のブックレットが付いてきて、こちらも素敵です。

carla_bruni_1.JPG

carla_bruni_2.JPG

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フランスのテレビか何かの映像だと思うのですがYouTubeから「Those Dancing Days Are Gone」。ちょっと音が聴き取りにくくて残念です。PVというほどではないのですが、日常的な風景をつないだこちらのPVもいい感じ。

■Carla Bruni sings

BARKSでレコーディング風景とインタビューの映像を観ることができます。「Tシャツ脱がなくていいの?」「脱ぎたいわ」などと、なんとなくフランスっぽい(どこが?笑)冗談を交えながらはじまり、歌にあった言葉を見つけようと思っていたら「英語詩に恋に落ちてしまったの」という言葉がいいなーと思いました。「Those Dancing Days Are Gone」の試聴もできます。英詩読みたくなりました。そういえば、読んだことあまりないなあ。課題のひとつとしてリストアップしておきますか。課題多すぎですけど。

■Carla Bruni EPK
http://www.barks.jp/watch/?id=1000018827

*年間音楽50枚プロジェクト(40/50枚)

投稿者 birdwing : 2007年8月15日 23:22

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