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2008年1月23日

[DTM] 雪降る。

朝起きてみると雪でした。・・・というシチュエーションが好きなわたくし(苦笑)。

080123_snow.JPG

北のほうに住むひとたちにとっては雪など鬱陶しいものでしかないと思いますが、南のほうに住むぼくにとっては、雪が降る日は、ちょっとした空からの贈り物的な嬉しさがあります。

ポエムな表現になっているけれども、どことなく心が高揚するものがある雪の日。すっかりおっさんなのだが、少年の心がちょびっとだけ残っているせいなのでしょうか。あるいは人間の振りをしているけれど、本質的には、雪が降るとよろこび庭駆け回るイヌだったりして。

いつもと違う風景を求めている、ともいえます。雨降りもそうだと思います。雨がアスファルトの舗道を濡らすと、街全体が黒くなる。雨に霞んで、ぼんやりとグレイに色調が変わる。一方で春、サクラの花が咲くと、そこだけが桃色の集合体になってはなやいでみえる。秋もそうですね。紅葉によって街路樹の色が変わる。要するに変化が好きなのか。そうなのか。

今日の雪は初雪ではなかったのですが、これだけ積もった雪を見るのは久し振りでした。雪を見て思い出すのは受験の頃、ものすごい雪が積もって、近くのコンビ二にわしわし雪を掻き分けて朝食を買いに行ったことです。

数年前にもやはり東京で大雪を経験しました。仕事が終わって帰宅しようと思ったら電車が止まってしまったので、動いている別の電車で帰ったのですが、ふだん降りない駅から北から南に向けて自分の家を目指して歩いているうちに転倒。真っ白な世界のなかで家路を見失いました。

あせったなーあれは。いやマジで(笑)。あやうく東京で遭難するかと思った。目印の川を見出して、雪だるま状態になって青く(というか白く?)なって家に帰ったとき、あったかい部屋のなかで、まだ言葉を喋ることもままならない赤ちゃんの長男くんと奥さんがすやすや眠る姿をみて、ものすごくほっとしたことを覚えています。パパがこんなに大変だったのに、きみたちは平和だなあ、と呆れもしましたが。

ところで、雪に関する曲を3年前にDTMで作ったことがありました。「ハツユキ」という曲です。実は最初に作ったのは当時から遡ること10年ぐらい前に、バンドをやっていた頃だと思います。

この曲で、はじめて歌うソフトウェアVocaloid MEIKOを使ってみたのでした。ひじょーに青臭い曲なのでお恥ずかしいし、いまとDTMの作り方がまったく違うのですが再掲載してみます。

以下の白い棒のようなFlashのMP3プレイヤーは、左端を押すと再生(もう一度押すとストップ)、右端を押すとダウンロードが可能です。音量はプレイヤー上では調節できないのでご注意ください。


■ハツユキ(Virtual Vocalist) 4.42MB 128Kbps  2005.01.13




詞・曲・プログラミング:BirdWing


こんな歌詞です。

+++++++++++
ハツユキ
詞・曲:BirdWing


きのう降り続いた雪が
街を別世界に変える
白いキャンバスに向かう
新しいぼくがいる

きっと明日になれば
とけてしまう魔法を
ぼくは信じてみよう
そして誓うだろう

 ぼくらは毎日生まれ変わるさ
 この冬の朝のように

 静かに だけど力強く
 踏み出そう雪のなかへ

時計を少しだけ進めて
きみと待ち合わせた駅で
古いポストカードを破る
新しいぼくがいる

 凍えそうなぼくらの街に
 火を灯すよ ささやかなぬくもりを
 いつまでも

 ぼくらは何度も生まれ変わるさ
 この冬の朝のように

 静かに だけど力強く
 踏み出そう雪のなかへ

 ぼくらは毎日生まれ変わるさ
 この冬の朝のように

 静かに だけど力強く
 踏み出そう雪のなかへ

+++++++++++

と、ここでこの曲を作るにあたって考えていた音楽の背景について解説してみます。種あかしというか、ルーツを探るというか。

歌詞についてはフリッパーズ・ギター的な影響が濃厚です。たとえば「だろう」とか「変わるさ」のような表現などなど。もっとぴったりの曲があるかと思うのですが、以下YouTubeから「Camera! Camera! Camera!」のPV。撮影風景がおしゃれですね。

■Flipper's Guitar - Camera! Camera! Camera!

しかしながら、実は楽曲的には自分でもよくわからないのですが原田真二さんの「てぃーんず ぶるーす」が頭にあったような気もする(苦笑)。

■てぃーんずぶるーす & Candy:原田真二

うーむ。まったくよくわからないですね、この曲の何がどーやってこうなるのか(困惑)。でも、確かレコード版のこの曲は細かいピアノの刻みでアレンジされていたような気がしていて、それを頭のなかでイメージしていました。あんまり大きな声ではいえないのですが、かつて原田真二さんのファンでした。しかし、原田真二さんはかなりぶっ飛んでいるところがあるので、さすがに引いちゃうんですよね。アレンジもまったく変えてしまったり、ついていけないような感じもあります。

同時に以前にもブログに書いたような気がしたのですが(消しちゃったからないけど)、最初はプリファブ・スプラウトのこの曲のような感じにしようと思っていたのでした。

■prefab sprout- prisoner of the past

雪で覆われたままの世界がよい気がしますが、あえて年月という雪を被った昔の曲の背景を掘り起こしてみました。10年以上前に作った「ハツユキ」の歌詞は、まっすぐですね。純潔という感じがする。なんとなくそんなピュアな自分に気後れするいまの自分がいます。汚れちまったんでしょうか、いまのわたくしは。

それはそれでいいのかな、と思うのですが。東京の雪もすぐに溶けてしまいました。いくらきれいに埋めておこうとしても、本質はすぐに顕わになってしまうものかもしれません。

投稿者 birdwing : 2008年1月23日 23:36

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