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2008年4月13日

[DTM] ひかりの花束。

倦怠感というか充電が切れてしまったロボットのような気持ちというか(ああ、気持ちはないか。ロボットには)、体調不調の谷は越えたもののチカラが入らない休日でした。趣味のDTMに集中しようとしたのですが、なんとなく続かない。いい感じのインスピレーションがきている気もするんだけど、まとめられません。

こういうときにはどうしても過去に意識がいってしまいがちで、古いファイルを漁ったりテープを引っ張り出したり、ノスタルジーに浸ってしまいました。特に10年以上も前(95年)の自作曲を聴いてしまい、眩暈がした(苦笑)。歌入りの曲があって、よく作ったものだと。

稚拙ですが、いまより丁寧に作っている気がします。というか自分で歌おうという向こう見ずな精神が若すぎる(照)。ぼくは実はカラオケが大の苦手で、ほっとんど歌ったことがありません。キーのレンジが狭いので、きちんと歌える曲があまりないんですよね。

この当時は、QY20という玩具みたいなシーケンサーのボタンをぷちぷち押しながら単音を重ねて作っていました(以前に写真を掲載したことがあります)。鍵盤持っていなかったので。いま考えると非常に暗い作曲風景なのですが(部屋の隅で手のひらサイズのゲーム機みたいなやつのボタンをぷちぷち押して曲を作っている)、情熱が暗さを超えていたような気がします。

ああ、なるほど。書いていて気付いたのですが、暗い/明るいは他者の判断であって、情熱があれば他者の評価は気にならない。情熱は、評価を突き抜けるものかもしれないですね。

この曲(ちなみに「朝が待ちきれない」といいます。苦笑)は、歌入りであるのに加えて歌詞も非常に青いので(苦笑)公開は控えることにして、最近の別の曲・・・短期間で非常に高い完成度でありながら(もちろん自分的にですが)公開していなかった曲・・・を公開してみます。

昨年のクリスマスに「ひかりの花束」というエントリーをしたのですが、そのときに作った曲です。写真をスライドショーにして、バックにBGMとして曲が入ればいいなーと思っていました。クリスマスの曲なのですが、いまでも十分に聞くことができました。というより、いまだからこそ聞きたかった。というわけで公開です。


■ひかりの花束(4分1秒 5.53MB 192kbps)

曲・プログラミング:BirdWing


自作曲ではあるのですが、なんとなくこの曲を聴いていると元気が出ます。ずんずん歩いてしまいそうな感じ。歩くと同時に想いが前向きになる。いろんな障害を乗り越えて、ひたすら情熱を貫きたくなる(笑)。

ところで、「ひかりの花束」は、なんとなく詩的なエントリーで終わってしまったのですが、実はこの背景には映画的な文脈があったのでした。ぼくが好きな映画監督に、ジュゼッペ・トルナトーレ監督がいます。彼の「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画にインスパイアされていました。

B000DZV6VEニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション
ジュゼッペ・トルナトーレ
角川エンタテインメント 2006-03-03

by G-Tools

■公式サイト
http://n-c-p.jp/

シチリアのちいさな村の映画館が舞台で、映写技師のおじいさんアルフレードとちいさな子供トトが主人公です。アルフレードは、戦時下なので検閲でキスシーンなどの場面を切り取ってしまう。トトは切り取られたフィルムをほしい、とおじいさんに言うのですが、叱られたりする。ところが、この切り取られたシーンを編集しておじいさんは残しておきました。成長して映画監督になったトトがそのフィルムを観るシーンが感動でした。

ずいぶん前に観た映画なので、記憶も曖昧なのですが、そんな流れだったかと思います。ちょっとネタばれ的なものもありますが、YouTubeからそのシーンの映像を。

■cinema paradiso

どわー。いま観ても泣ける(涙)。音楽もいいですね。

手法としてはコラージュだと思うのですが、これがすごくいいなあと。そんな風に、イルミネーションを切り取ってひとつの作品にしたいなあ、と思いました。それが「ひかりの花束」の発想の背景です。伝わるでしょうか。うまく説明できないのですが。

ちなみにどうでもいいことですが、最初、映画のタイトルを失念してしまって、YouTubeでキスなどのキーワードで探したのですが、女の子どうしがキスしている18禁映像が大量に検索されてしまい困惑。興味のある方はお試しください。しかし、アタマがくらくらしてくるので、視聴はおすすめいたしません(苦笑)。

現在、趣味のDTMでは打ち込みによって曲を作っていますが、挑戦してみたいのはフィールドレコーディングです。たとえば街の雑踏を録音する。その録音の音を切り取ってサンプリングして曲にしていく、というような感じでしょうか。「ひかりの花束」のエントリーでは写真によるコラージュでしたが、音のコラージュもやってみたい。

これからの希望を書いていたら、なんとなく元気が出てきました。過去を振り返るのは後ろ向きな行為だけではなくて、ときには過去から元気をもらえることもありますね。そしてもらった元気で、前を向いて歩いていきたい。

投稿者 birdwing : 2008年4月13日 23:58

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