2008年9月23日
[DTM作品]キュウジツノ空。
いつ頃からか、というかブログで文章を書き始めた頃からなのですが、デジタルカメラで空の写真を撮ることが多くなりました。被写体としていつでも真上にあり、しかしながら刻々と変化するため数分後には消えてしまう・・・ということが空を撮ることの面白さでしょうか。カメラで切り取った空はブログで公開したり、PCのフォルダのなかに未分類で放り込まれたりしています。
そんな空の風景写真家(自称)でもある自分ですが、これはたまらないなあ、と思うのは、ふだんは下から眺めている空を上から、つまり飛行機のなかから眺めるときです。仕事でもプライベートでも飛行機に乗ることは少ないけれど、搭乗することがあれば可能なかぎり窓側の席を確保して、ずっと雲を眺めていることが多いようです。
そのとき痛感するのは、「地球ってきれいだな」ということ。馬鹿馬鹿しいほどストレートな感想ですが、ほんとうに雲を眺めていると、宇宙人がこの星に訪れたとしたら、空から眺めた地球の風景に感動するのではないか、と思う。感動のあまりに侵略しちゃおうと宇宙人の欲を出されたら困るのですが、高度数千メートルから眺める地上の風景は美しい。地球に生まれてよかった、と思います。
飛行機からの写真を引用しながら、上空から眺める空について書いてみます。
もくもくと連なる雲は雪のようでもあり地上にある山並みのようでもあり(あるいは、うまそうに注がれたビールの泡のようでもあり)、要するに地球上に存在する物質のいくつかは自然に発生すると同じ形態になるのではないのかなと、科学なのか妄想なのかわからないことをぼんやりと考えさせてくれます。
ちぎれた雲は上空からみるとひとつひとつはちいさいのだけれど、きちんとその影が地上に落ちている。その影のなかにいる数千人は、太陽の光を遮られて暗くなっているはず。曇っちゃってまいったなあ、布団が乾かないんだけれど、と天気を恨んでいるひともいるかもしれません。でも、上空から眺めるとちいさな雲の影に入っているだけであり、雲が移動すればきちんと日が当たるようになる。おーい、もうちょっと待っててみてね、と地上の誰かに話したくなります(こんな上空から話しかけても、届かないのだけれど)。
できたばかりなのかできそこないなのか、うっすらと襞のようなかたちで浮かんでいる雲もあり、地上の風景が透かしてみえる。時間が経過すれば大きな雲に成長するのかもしれませんが、ひょっとしたらそのまま消えてしまうのかもしれない。雲の行く末が気になります。
と、まあそんなことを考えながら飛行機に乗ると、結局のところ空ばかり眺めていて目的地に着いてしまい、本も読まずに鞄にしまい込むことが多い。空は眺めていて飽きません。少なくとも、ぼくにとっては。
さて、空や雲のことを考えつつ、上空からでも地上からでもいいのだけれど、趣味のDTMで空を眺める気持ちを曲にしてみたいと思いました。タイトルは「キュウジツノ空。」としました。ブログで公開します。
■キュウジツノ空。 (3分56秒 5.4MB 192kbps)
作曲・プログラミング:BirdWing
今回は、なんと全部打ち込み。"打ち込みすと(ステップ入力で音楽を作るひと。勝手な造語です)"の初心に戻りました。いままでドラムは音のループを切り貼りして作っていたのですが、ピアノロールの画面で1音ずつパターンを組み立てるところからはじめています。久し振りに打ち込んだところ楽しかった。シンセはSONAR付属のTTS-1しか使っていません。妙な逆回転も使っていないので、シンプルです。
音的にめざしたかったのは、先日ジョイ・ディビジョンに関する映画も観たのですが、ニュー・オーダーのRegretでしょうか。ストリングスのシンセの音が好みです。ベースもツボに入る音です。YouTubeから映像を。
■Regret - New Order
あとは80年代に大好きだったネイキッドアイズ。バカラックの名曲をカバーをした「僕はこんなに(邦題)」という曲があるのですが、この曲のシンセのアレンジはめちゃめちゃ好きでした。金属系の鐘の音とか無機質なドラムとか。YouTubeにライブ映像がありました。埋め込み不可なのでリンクを記載します。
■Naked Eyes - Always Something There To Remind Me: On Stage At World Cafe Live
http://jp.youtube.com/watch?v=w5uPd6TyQtQ
うわー。これはやばい!!!テンションあがった。なんというか、ぼくの打ち込みの原点のような曲なのです。○○歳のぼくはテープをオートリピートにして何度この曲を聴いたことか・・・。一発屋の洋楽ユニットなのだけれど、強烈に印象に残っています。しかし、この映像で踊っているふたりのおねーさんは何でしょうか、いったい?(苦笑)
80年代にレコードというメディアがまだ存在していた頃、12インチシングルというものがありました。これは何かというと、ヒットした曲を5分以上の長めの曲にリミックスして、ディスコ(苦笑。いまでいうクラブですか)などでかけるためのものだったかと思います。ボーカルを抜いてインストの部分を作ったり、ベースとドラムだけの長いパートがあったりしました。CDどころかダウンロード販売が主流になりつつある現在はそんな形態も消えつつありますが、懐かしい音楽を思い出させるような楽曲にしたつもりです。
ただ、ぴこぴこ音(シンセのシーケンス)については、アンダーワールドの最近のアルバムを参考にしたところもあるかもしれません。耳がよろこぶサウンドを作りたかった。
楽しんで作ってみたところ、なんとなくノリのいい楽しい曲ができました。翳りのあるコードも使っていますが、打ち込みながらぼくも気持ちがよかった。やはり何より作り手の気持ちが大事かもしれません。特にブログを書くように曲を作りたいと思う自分としては、体調や気分に曲が左右されることがあり、それがよくもあり悪くもあるところではあります。
9月20日は「航空の日(空の日)」だったようです。天気のいい日はPCを閉じて、空でも眺めますか。星空もまたいいですね。東京ではあまり星もみえないのだけれど。
+++++
■空の日ネット
http://www.soranohi.net/
投稿者 birdwing : 2008年9月23日 16:22
2 Comments
- かおるん 2008-09-24T17:37
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お久しぶりです。この音楽、気持ちいいですねー。空を飛んでいるみたい。
絵画の勉強会みたいなものに参加したときに、絵のうまい人とは自分のイメージが思い通りに描ける人というような話を先生がされていて、なるほどなあと思いましたが、この音楽はほんとに休日の空をイメージして作ったんだなあって感じがしました。
- BirdWing 2008-09-25T22:33
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お久し振りです、かおるんさん。DTM作品を聴いていただいて、ありがとうございました!感想をいただくと、うれしいですね。
空を飛ぶイメージとしては、かつて「フライトレコーダー」という曲も作ったのですが、その曲に通じるような感じでしょうか。着陸するまでの、わくわく感を音にしたいと思いました。ぼくは絵はダメなのですが、かおるんさんは絵がうまいですよね。うらやましいです。イメージを絵にするか、音にするか、文字にするか、ということは根源は一緒だとしても表現方法はまったく異なります。ただ、五感にしても根っことなる感覚は同じじゃないかな、と思うのですがどうでしょう。
雲の音はですね、シンセのストリングス(弦)だと思うんですよね。ふわーという感じでクレッシェンドして、旋律がいくつか折り重なると、もくもくした雲の連なりが音になりそうです。さらに、きらきらした陽の光などもあるかと思うので、そのあたりは木琴のような音のシーケンスにディレイをかけて表現しています。ドラムはなぜかジャズ(ブラシ系)のセット。生音っぽい感じが好みです。
また陽の光に溢れるような明るい曲を作ってみたいと思います。
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