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2009年12月30日
[DTM作品] Winter World
「雪の女王」というアンデルセン童話があるそうです。読んだことがなかったのですが、Wikipediaから「あらすじ」を調べて要約しつつ引用すると、登場人物はカイ(Kay)という少年とゲルダ(Gerda)という少女。ふたりは仲良しでした。ある日、悪魔の作った鏡の欠片がカイの眼と心臓に刺さります。すると彼の性格は一変する。そんな変わってしまったカイを雪の女王が魅入って、その場から連れ去ります。連れ去られたカイを取り戻すために、春になるとゲルダは旅に出る・・・というストーリーです。
「悪魔の作った鏡の欠片がカイの眼と心臓に刺さり、彼の性格は一変してしまう」という部分が象徴的だと感じました。
「眼」を傷めることによって世界の見え方が変わり、「心臓」に刺さることでこころが傷付けられる。だからカイは変わってしまう。性格の変わったカイによって、仲良しのゲルダとの関係も壊れてしまったのでしょう。だから、ふたりで遊ぶのではなく、ひとりきりで橇遊びをしているときに雪の女王に連れ去られる。雪の女王の宮殿のなかに幽閉されます。
雪の女王の宮殿と聞いただけで、何かきーんとするような冷たさと、真っ白で何もない風景、尖ったつららが光を反射して表情さえ凍りつきそうな震えるほどの寒さを感じますね。吹雪に守られていて誰も近付けないような宮殿。そこにひとりぼっちで閉じこめられているカイ。とても孤独な場所です。
ところで寒い場所といえば、急に話は変わるのですが、先日、「スタートレック」のDVDを観賞しました(宇宙大作戦!懐かしい)。ジェームズ・カークがスポックに反抗して、罰としてどこかの氷の星にカプセルのようなロケットで船外追放される場面がありました。
スター・トレック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2009-11-06 by G-Tools |
その星は雪で覆われていて、得たいの知れない怪物に追いかけられてカークは逃げ惑うのですが、雪原を転げまわるシーンをみて、これはさみー・・・とおもった。東京は雪があまり積もらないのだけれど、積もるときにはどさっと積もることもあります。数年前、電車が止まって雪のなかを歩いて帰宅する途中、滑って転んで方角を見失い、あやうく遭難しかけたことを思い出しました。
と、雪であるとか冬であるとか、そんなことを書き散らしましたが、クリスマスも終わり街は一気に年末、お正月を迎えます。
冬といっても東京では雪も降りません。それでも寒い。そんな冬の世界を表現したいと考え、趣味のDTMで曲を作ったのでブログで公開します。「Winter World」というタイトルにしました。
■Winter World(2分54秒 3.97MB 192kbps)
作曲・プログラミング:BirdWing
再生時間は3分に満たない短い曲です。というのも、パソコン(VAIO)のパワーが限界で、音がDropout(再生できなくなり止ってしまう)しまくりでした。
今回はTTS-1のほかにもソフトウェアシンセサイザーを使い、ワウ、フェイザー、ディレイ、リバーブなど空間系エフェクトを多用したことと、打ち込みのフレーズを音声ファイルにミックスダウンして、その音をリバース(逆回転)させたり切り貼りなど編集したため、余計にPCに負荷がかかってしまったようです。作り方に問題があるのかなあ。
こんかんこんかん・・・というマリンバのシークエンス、高音のギターなどはつららや氷をイメージしています。シンセのリードとギターには、アンプシミュレータをかませて、やや歪ませてみました。何気なくサラウンドのエフェクトも使っているのですが、あまり効果はなかったようです。
前回公開した「We Wish...」は、打ち込みで完結しているのですが、今回は音声ファイルを(すこしだけ)いじってみたところが異なります。すべて音源の切り貼りのため、ギターも弾いていません。が、これぐらいのカッティングであれば、弾いてしまったほうがリアリティが出るかもしれません。
ところで、「Winter World」を作ってみようという動機になったのは、久し振りに聴いてみた2枚のアルバムでした。
Catch/Spring Summer Autumn Winter I Am Robot and Proud Darla 2007-03-13 by G-Tools |
I Am Robot and Proud は、ペンギンの絵が書かれたアルバムも大好きでしたが、こちらもいい。ぴこぴこした電子音のサウンドで、意外にかわいい音づくりです。このアルバムの1曲目「the catch」をYouTubeから。
■I am robot and proud - the catch
もう一枚は、Kettelの「my dogan」です。全体的に303系のぶっといベースがびよびよした音で心地よい。アンビエントな曲もあるのだけれど、リズムがハードな一曲をYouTubeから引用します。画像はアルバムのジャケットの写真です。
■Kettel - The second 2006
クラシックばかり聴いていたかとおもうと一般的な打ち込みでクリスマス向けの曲を作り、今度はエレクトロニカと、ほんとうに節操がありません(苦笑)。自分でも半ばあきれ気味ですが、ジャズも含めて雑多にいろんなCDをかけていると、それぞれのジャンルから刺激を受けます。
懐古的なものも多分にあって、びょーんというシンセの音を聴いていると、ああ、この音懐かしい!とおもわず引き寄せられてしまいます。しゅわしゅわしたフランジャーのエフェクトにも弱い。そんなわけで、実は雪や冬をテーマというのは後付けのところもあり、ホンネを白状すると、何気なく聴いていた曲(というよりも音)に触発された感じです。
というわけで冬の曲づくり試行錯誤しながら(いつものように言い訳を長文で述べながら、そして師走の慌しさのなかで落ち着かずに)、、、
2010年も素敵な年になりますように!
投稿者 birdwing : 2009年12月30日 12:32
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