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2010年1月17日

[DTM作品] Sophisticated Fiction

趣味のDTMで作った新曲は、"なんちゃってジャズ"です(苦笑)。

クラブジャズという音楽が一時期、流行っていました。CDショップの店頭にコーナーがあったことを覚えています。いまはどうなっているのでしょう。そんなクラブジャズ風の軽く踊ることのできそうなジャジーな曲を作ってみたいとおもいました。ジャズには詳しくないので、いい加減な解説ですみません。

タイトルはS.F.つまり「Sophisticated Fiction」。洗練された小説、ぐらいの意味でしょうか。完成したばかりの曲をブログで公開します。


■Sophisticated Fiction(2分39秒 3.62MB 192kbps)

作曲・プログラミング:BirdWing


インスパイアされたのは、まずジャズとは関係ないのですが、先日ブログにも感想を書いた「4分間のピアニスト」という映画でした。女囚であるジェニー・フォン・レーヴェン(ハンナー・ヘルシュプルング)の弾く低音を使ったバッキングが、かっこよかった。ピアノの打楽器的な奏法に惹かれました。

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ピアノのバッキングを聴いて思い出したのが、北欧ジャズのラーシュ・ヤンソン・トリオによる「Witnessing」というアルバムです。インディペンデントレーベルのせいなのか、amazonでジャケットが表示されないため、デジカメで撮影したものを掲載します。

091017_lars.jpg

全体的には、メロディアスで透明なやさしい音がラーシュ・ヤンソンのピアノのよさだと思うのですが、1曲目「Success-Failure」のラスト5分ぐらいのところで、ベースと呼応するように低音の鍵盤を、がが、がが、のように弾くところがあります。ノイズともいえる音なのだけれど、セッションの最後にお遊び的に付け加えられたパーカッシヴな演奏がみょうに印象に残りました。

ラーシュ・ヤンソン・トリオの公式ページは以下になります。

■日本語オフィシャルサイト
http://www.lars.jp/
100117_lars_hp.png

そんな背景をもとに今回、楽曲的には、クラップ(手拍子)以外は、すべて打ち込みで作っています。そして、打ち込みでぼくがいちばん苦手とするのが、シャッフル(スウィング)の曲なのです。

3連符のノリが苦手。どうもうまくいかない。ちーちきちーちきとハイハットを刻んでいるけれど、何かが違う。悩みました。ピアノの音を細かく調整しても、どこかがズレている。変だ。今回だけは、絶対に生で弾いた音楽にかなわないなと投げ出したくなりました。ドラムのスネアの入れ方も、何度もジャズのアルバムを聴いても法則性がわからない。

また、3ピース(トリオ)編成の3トラックだけの打ち込みのため、気が抜けません。細かい手抜きがくっきりと聴こえてしまう。ついつい、3ピースのバンドをやっていた頃の緊張感を思い出しました。ベースは、アンプシミュレーターを通して強烈にコンプレッサーをかけています。

社会人バンドをやっていた頃、ばりばりのジャズギタリストのお兄さんに、ウォーキングベースの理論を教えてもらったことがあったっけ。のみ込みの悪い生徒なので、きちんと覚えられなかったのですが、「次のコード展開を予測してラインを作る」という知的な法則に打たれました。通常はルート(基本となる音。Cならド)を弾くのがベースなのだけれど、加えて次の和音に橋渡しをするように音をつないでベースを「歩かせる」。そんな話だったように記憶しています(合っているかどうかは不明)。

ソフィスティケイテッド(洗練された)とタイトルに付けたのだけれど、完成度としては、まだまだ。洗練された打ち込みニストをめざしたいものです。

さてさて。いつものように余談です(笑。実はこれが自分としては楽しみ)。

タイトルはSFにしようと最初に決めました。で、さて何の略にしようか、と。単純にScience Fictionでは面白くない。ニューウェーブ的には、Speculative fiction(思弁小説)という呼び名もあるようです。しかし、もうひとつ。藤子・F・不二雄さんは「すこし・ふしぎ=Sukoshi-Fushigi」という造語をSFと呼んでいるらしい。ラーシュ・ヤンソン・トリオの「Success-Failure」もSFですね。サンフランシスコも略すとSF。ちょっとお恥ずかしいところでは、sex friendもSFだったりして(Wikipediaの「SF」を参考)。

SFという略ではいろいろなことを思い出したのだけれど、ショート・フィルムなども考えられます。ブロードバンドが普及して、短編どころではない長い尺の映画も配信できるようになりました。

映画でSFといえば、ミュージックビデオでは著名な中野裕之監督の「SF サムライ・フィクション」も印象的な作品でした。モノクロの映像に布袋寅泰さんの音楽が渋い。着物姿の緒川たまきさんがかわいらしかったりして、おもわず中古DVDを購入してしまいました。

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■「サムライ・フィクション」予告編

サムライはどうかとして、モノクロ映画、コーヒー、タバコの煙、酒のようなものがジャズに似合う。ちょっと大人の雰囲気を醸し出してくれます。

SFではありませんが「Sophisticated」つながりとして、ホンモノのジャズでは、デューク・エリントンに「Sophisticated Lady」という曲があります。

■Sophisticated Lady - Duke Ellington and his orchestra

ううむ・・・(無言)。

すばらしいですね。感動。しかし、志は高くもっていたい。趣味とはいえ、打ち込みでどこまで生の音楽に匹敵するような感動を作り出せるか、こつこつと切磋琢磨していきたいものです。え?これが打ち込みなの?というような、"洗練された"音源を完成できるようになりたいです。頑張りましょう。

投稿者 birdwing : 2010年1月17日 11:37

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