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2006年2月16日
有「書」実行。
思考は現実化する、というのはナポレオン・ヒルの有名な著書のタイトルですが、残念ながらまだその本を読んだことがありません。けれども強く念じていれば考えたことはきっと現実になるんだろうな、と、そんな希望を抱かせてくれるようなタイトルです。ちなみに、願いつづけると夢は必ずかなう、ということを信じたくなる映画といえば、「ショーシャンクの空に」という映画があります。大好きな作品です。刑務所からの脱獄がテーマで、どんなに身体が束縛されていても頭のなかは自由である、自分の頭に広がる自由を信じて穴を穿っていればいつかは外に出ることもできる、という気持ちになります。また観たくなってきました。
言霊(ことだま)という信仰もあるように、昔から言葉には不思議な力があると信じられてきました。もちろんしゃべって宣言するときにも効力はあると思うのですが、ブログを書いていて思うことは、曖昧な気持ちを文章化すると、しゃべり言葉よりもさらに強い力を持つということです。しゃべる言葉は空中に消えていきます。けれども、書いたものは残る。しかも、公開している以上、自分だけではなくて誰かに見られているわけです。ということは、書いてしまったら隠すことはできない。だから、やらなきゃ(というよりも、やるぞ)という気持ちになる。さらに何度も繰り返して書くことにより、その気持ちも強化されていくようです。
基本的にはブログは日記で、Weblogという言葉自体は「面白いと感じたサイトをログ(記録)として残しておくもの」という意味があったようです。だから、こんな面白い記事をみつけたよ、ここで美味しいものを食べたんだ、という記事がブログの正統な使い方であり、ぼくのように写真もなければ改行もなくテキストで考えたことばかりをつらつらと書いているブログは異色かもしれません。とはいえ、この途方もない脳内のひとりごとが、現実のぼくをずいぶん変えてくれたような気がしました。もちろん見た目は整形やダイエットなどをしなければ大きく変わらないと思うのですが、考え方の部分が大きく変わってきた気がします。
同様のことが、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」にも書かれていて、fladdict.netさんのブログから「知的生産性のツールとしてのブログ」という記事を引用されていました。章の最後にURLが記載されていたので、それをタイプして記事を読みました(こういうときに紙は不便です。リンクをクリックすれば一発で読めるインターネットは便利です)。以下、引用です。
実際ブログを書くという行為は、恐ろしい勢いで本人を成長させる。それはこの1年半の過程で身をもって実感した。
これは「ウェブ進化論」に引用されていた部分ですが、実際にブログを読んだところ、ぼくは本には書かれていない以下の部分にも注目しました。これもまた引用です。
何がどう変わるのかというと、まず一定層の読者がつくと、適当な内容が書けなくなる。ゆえに検証とリサーチの能力が磨かれる。リサーチを通じて多くのブロガーから多角的な視点を学ぶと同時に、己の引き出しが急速に増えていく。一方でこの時期からエントリの内容量の増加と、品質へのプレッシャーから筆が鈍るようになるが、文章とリサーチのバランス感覚や、コメントでの間違いの指摘などへの耐性が身につき、失敗を恐れない図太さが身についたりもする(と思う)。
つまり読者を意識するということですね。読み手を意識することで成長する。意識しないと成長というものはあり得ない気がしました。限りなく自己完結に向かいます。読み手を意識することによって、迷いや躊躇も生まれるけれども、何を伝えたいか、というメッセージが明確になります。
「引き出しが増える」ことも同感です。ぼくの場合、年間に本100冊+映画100本というのを宣言してしまった手前、強迫観念のように忙しくても時間を確保しているのですが、引き出しは確実に増えているような気がしました。さらに、以前はただぼーっと読んだり観たりしているだけでしたが、何かブログに書かなきゃならないと思うと、もう真剣です。特にぼくは、監督や俳優のうんちくよりも、その映画の物語的世界を通して何を感じたか、ということを大事にしたいので、常にセンサーを働かせている感じです。1冊もしくは1本が終わると、ぐったりする。うんちくであれば、後でどこかのサイトからコピー&ペーストすれば文字数を埋めることができる。でも、感じたことはそうはいきません。たまに、あまり感じない映画などもあって困るのですが。
正直なところ毎日ブログを書くことはもちろん、毎月本と映画を一定数必ず消化していくというのは、かなりつらいです。泣きごとは言うまいと思っていたけれど、今年はもはや半年ぐらい過ぎたような感覚があります。しかしながら、スポーツなどでもちょっときつめのトレーニングを連続した方が筋力がつくように、脳力も少しだけきつめの方が鍛錬になりそうです。書いたことは必ず実行する。有「書」実行でいこう、と思っています。
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■この映画のなかで、刑務所の生活が長い老人が出所を許されるのだけど、もはや外の世界には馴染めなくなっていた、というエピソードがあります。映画とは関係ないのですが、水槽のカマスに透明な仕切りをしてえさをあげると、仕切りにぶつかってえさが食べられないので、透明な仕切りを取ってしまってもえさを食べなくなる、という訓話も聞いたことがあります。居心地のよい現状に閉じこもるのではなく、意識は常に塀の外へ向けておきたいものです。いまの職場が刑務所的である、ということじゃありませんけどね。
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投稿者 birdwing : 2006年2月16日 00:00
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