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2007年2月12日

The Durutti Column / Keep Breathing

▼music010:孤高のギタリストが奏でる、風あるいは木漏れ日の音。

Keep Breathing
The Durutti Column
Keep Breathing
曲名リスト
1. Nina
2. Its Wonderful
3. Maggie
4. Helen
5. Neil
6. Big Hole
7. Let Me Tell You Something
8. Lunch
9. Gun
10. Tuesday
11. Agnus Dei
12. Waiting

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コクトー・ツィンズを試聴して購入を決めて、そういえばあのひとはどうしていたっけ、という感じで探したのがドゥルッティ・コラムでした。ニューウェーブのジャンルでくくれそうな気もしますが、ぼくとしては透明な音つながりという感じです。

ドゥルッティ・コラムはビニー・ライリーというギタリストのソロプロジェクトですが、シングルコイル系の固めの音に深めのディレイとリバーブで、同じフレーズを延々と繰り返すようなシンプルなスタイルが気に入っていました。リズムボックス(おお、懐かしい)にギターという削ぎ落とされた構成というのも、何か潔い。潔いのだけれど、ある意味そのシンプルさゆえに攻撃的でもある。

「Keep Breathing」は昨年の1月に発売されていたアルバムでしたが、ずっと気付かずにいました。聴いてびっくりしたのは、とにかく聴きやすい。女性ボーカルのループなども入っていたりして、また彼自身も歌っていたりしてポップです。さらにガットギターも使っているので、ストラトキャスターの音とは違った枯れた透明感もある。ストラトキャスター+ディレイ・リバーブという音は、ぼくにとっては濡れた水のようなイメージがあり、これがビニー・ライリーの特長的な音ではないかとも思っているのですが、彼の弾くガットギターは風の音という感じがします。あるいは木漏れ日のイメージというか。

付属のDVDでは、スタジオレコーディングの風景が収録されています。これがまたこじんまりとしたスタジオで、ベースはジャズベースを床に座り込んで弾いているし、バスドラムのマイクスタンドはライトスタンドだったりして、消音のためにウェディングドレスが突っ込まれている(なんてことがイントロダクションで紹介されている)。しかし、この最小限のチープな構成で、水彩画のような世界観のある音を創り出してしまうのだから凄い。

個人的に好きな曲は女性ボーカルのループではじまる2曲目「Its Wonderful」、そして次のガットギターではじまる賛美歌のような「Maggie」がいい。それから彼自身が歌っている「Big Hole」。これは心に染みる曲です。最後の「Waiting」はアンビエントな壮大な感じの音で癒されます。こんな、ほっとするような音楽を趣味のDTMで作ることができるといいんですけど。久し振りにギターを練習したくなりました。2月10日観賞。

+++++

HMVのサイトでは、全曲の試聴が可能です。いくつかYouTubeで映像を観たのですが(今回のDVDの映像もあったけれど、あまりよい映像ではありませんでした)、この1988年のライブをみて、ああいまもこのままだ、と思ってしまいました。スタイルを変えないということも、ここまで貫かれるとかっこいい。「Day Is Over」のブラシのドラムがかっこよかったので引用します。

■Durutti Column - Day Is Over and Red Shoes (live 1988)

でも曲のかっこよさとしてはこっちかも。

■Durutti Column Missing Boy 1980 RE: Ian Curtis Suicide

*年間音楽50枚プロジェクト(10/50枚)

投稿者 birdwing : 2007年2月12日 00:00

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