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2007年5月12日

Small Sails / Similar Anniversaries

▼music07-026:聴きやすいけれど、緻密なこだわりが随所に。

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小川のせせらぎのようなアコギからはじまる「somnambulist」。そのきらきら感に惹かれて、ずーっと気になっていたアルバムでした。スモール・セイルズはオレゴン州を拠点に活動する4人編成のバンドだそうですが、イーサン・ローズがバンドの核であること、メンバーに16ミリフィルムを操る映像担当がいることがバンドの最大の特徴とか。あっ、なんとこのバンドもベース不在だ。映像担当がいてベースがいないとは。

イーサンは、自動ピアノロール、壊れたオルゴール、フィールドレコーディング(生録ですか)を組み合わせた「シーリング・ソングス」というアルバムを発表しているようで、これはフェネスの「エンドレス・サマー」に匹敵するクオリティーらしい(ライナーノーツから)。このスタイルが結構好みです。ラップトップミュージックのテイストでありながら、アコギを弾いてハミングで歌って、街頭録音なども加えたりするという。

このアルバムのよさは、電子音を散りばめながら、やはり生ドラムだからでしょうか。タムやスネアの微妙な空気感は、打ち込みのドラムにはない自然な感じがする。そして、イーサンのハミングも気持ちいい。6曲目の「lown makers」のヴォイスとかいい。基本的にインストのポストロックバンドだと思うので、ヴォーカルというよりも声(ヴォイス)なんですよね。そして、サンプリングされた音声をスライスして使っている「earthbound with parents」も面白い。

なんというかですね、音づくりというかサウンドに対するアプローチに非常に親近感がありました(笑)。ああ、ぼくもこうやって作りたいなあ、という。耳あたりがよいので、非常にアンビエントで聴きやすく、ちょっとイージーリスニングやAOR的なサウンドスケープでもあります。カフェでぼんやりと本を読みながら聴きたい音楽という感じでしょうか。陽だまりのなかで。

しかしながら、その実は非常に凝っている。電子音の配置とか耳を澄ませて聴きこむと完璧で、思わずうーむと唸るものがあります。ビブラフォンはこうした曲には欠かせない感じ。8曲目「this flimsy traveling machine」でビブラフォンと一緒に鳴っている電子音のちらばりかたも気持ちいい。

完成度の高い音楽だと思います。そして感性度も高いかも。ぜひ、映像担当のライアン・ジェフリーの映像といっしょに聴いてみたいものです。癒されそうだ。5月12日鑑賞。

+++++

と思ったらYouTubeに映像がありました。木漏れ日のような音と映像ですね。もうちょっと凝ってもいいのかなーとも思うのですが。

■Small Sails - Sonmambulist

*年間音楽50枚プロジェクト(26/50枚)

投稿者 birdwing : 2007年5月12日 00:00

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