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2007年6月 7日

DNTEL / Dumb Luck

▼music07-031:妙に懐かしいメロディと、奔放なノイズ。

Dumb Luck
Dntel
Dumb Luck
曲名リスト
1. Dumb Luck
2. To A Fault
3. I'D Like To Know
4. Roll On
5. The Distance
6. Rock My Boat
7. Natural Resources
8. Breakfast In Bed
9. Dreams

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Postal Serviceは聴いたことがなかったのですが、Svoyを購入したときにPostal Serviceが好きなひとにも、のような売り文句があり、なんとなく気になっていたところ、Postal Serviceの片割れであるジミー・タンボレロのソロプロジェクトDNTELの新譜があったので思わず試聴。むむむ、これは何だ!という衝撃が第一印象でした。リズムがない。そして今回はアコギなど生楽器も投入されているようですが、なんだか妙に懐かしい。ノイズ満載なのに。

1曲目の「DUMB LUCK」から、不思議な世界が展開されます。リズムがないと思っていると、途中から16ビートの細かいリズムが刻まれたり、かといってそれが続くわけでもなく、コーラスのパートになったかと思うと、またアコギになったりする。なんでしょうか、これは。けれどもノイズ、サンプリング、逆回転、生楽器というなんでもありな凝った音作りにはまります。

あまりよくわからないのですが、参加アーティストはかなり幅広く豪華とのこと。もう少しこの世界を追求しないとうまく語れないものがあります。女性ボーカルも印象的で、3曲目の「I'D Like To Know」ではベルリンのエレクトロニカ・レーベルであるモー・ミュージックの代表グループ、ラリ・プナの韓国出身ヴァレリーが歌っていたり、4曲目「Roll On」ではロサンゼルスのバンド、ライロ・カイリーの女性ボーカルであるジェニー・ルイスがアコースティックでなかなかいい感じの歌を聴かせてくれたり、6曲目「Rock My Boat」では日系ハーフのミア・ドイ・トッド(土井美亜さん)の歌がいい感じだったりします。国籍もばらばらですが、全体的に表現力のあるアーティストさんばかりという感じです。

まったりとした音の流れのなかに、時折緻密で冷淡な打ち込みが加わり、一方で音響的なノイズが広がったりもする。それでいてボーカルはあったかい。エレクトロニカでありながら、オールディーズのような温もりのある音作りです。7曲目「Natural Resources」のブラスはジャズっぽくもある。実は困惑のほうが強いのですが、どういうわけか妙なアレンジがしっくり身体に馴染んだりする。久し振りによくわからない音楽にめぐり会いました。6月6日鑑賞。

+++++

アルバムのなかの5曲目「The Distance」のPVをみつけたのでYouTubeから。エレクトロニカなのかオールディーズなのか、判別できない懐かしくも新しい音です。操り人形たちの織り成す世界も幻想的。

*年間音楽50枚プロジェクト(31/50枚)

投稿者 birdwing : 2007年6月 7日 00:00

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