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2007年9月 5日
いいトコドリな技術。
天気雨だったり、土砂降りだったり。結局のところ雨降りな一日でした。
台風の影響でしょうか。なんとなく不安定な気候です。そういえば、トップページにクーラーみたいなJukeBoxが設置されていますが、これはぼくが趣味のDTMで作った曲を聴けるようにしています。この1番目と2番目の「AME-FURU」という曲は、今日のような雨降りにはぴったりの曲ですが(自画自賛か。苦笑)、ボーカルはLotusloungeのSheepさんにご協力いただきました。
ちなみにクーラーのようなJukeBoxの使い方ですが、曲番号を選んで、再生ボタンを押してください。ただ、02ではなく2で再生です。0を入れてしまうと再生できなくなるので、そのときは「CLEAR」のボタンを押してください。さらに、連続して曲を聴く場合には、次の曲を再生するボタン(再生するボタンの右側)を押して再生した方がスムースかもしれません。
と、のっけからJukeBoxの再生マニュアルを書いていますが、なにをやっているのでしょうか(苦笑)。
さて。本題。
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仕事でも趣味でも同様ですが、ゼロから何かを作ろうとすると途方もない労力が必要になります。マッシュアップ(MashUp)という言葉もありましたが、既にできあがったパーツを組み合わせて何かを作ると効率的であり、楽ちんです。
そもそもマッシュアップは音楽用語で、既存の曲をリミックスして新しい曲にするという意味だったようでした。それが、開発系の用語として使われるようになった経緯があります。Webサービスの機能が無償でAPIとして公開されることによって、サービスとサービスを組み合わせて、簡単に面白い仕組みを作ることができるようになりました。いわばWebの電子ブロック(古っ!)ですね。知らないか、誰も。
創造性は組み合わせだ、
ということを広告マンのバイブルを書いたジェームズ・W・ヤングやジャック・フォスターや、あるいは創造性の開発において一人者である野口悠紀雄さんなども言っていて、なるほどなあと思った記憶があります。かつてのブログではもう何度も取り上げたのですが、また掲載しておきます。この本です。
アイデアのつくり方 ジェームス W.ヤング ティビーエス・ブリタニカ 1988-03 by G-Tools |
アイデアのヒント Jack Foster 青島 淑子 阪急コミュニケーションズ 2003-01 by G-Tools |
「超」発想法 (講談社文庫) 野口 悠紀雄 講談社 2006-06-15 by G-Tools |
また、池谷裕二さんの本にも、年齢を重ねれば重ねるほど組み合わせの能力というものは発達するものだ、などという元気付けられる見解があったり、茂木健一郎さんの本にも、眠っている間に記憶と記憶が新しいつながりを生成する、などということが書かれていて、非常に興味深いものがありました。脳科学的にも組み合わせは創造力の原点のようです。
という、この文章自体が、いままでぼくが読んだ本の断片を組み合わせて書いているわけですが(苦笑)、じゃあひとの文章ばかりで自分ってものはないのか?と言われると、
組み合わせ方、あるいはパーツをチョイスするセンスが自分
ではないか、と思いました。要するにファッションセンスのようなものですかね。どのジャケットを選んで、どのパンツを選ぶか、という選択が組み合わせのセンスである、と。
いいトコドリで構成していくわけです。けれども、そこには関係性の力学が働いて、このジャケットを選ぶならこのパンツはないでしょう、とか、このパンツを選ぶひとはこのジャケットは買わないんじゃないの、という組み合わせがある。
さらに、あまりにも同一系のセンスばかりを組み合わせると、いまひとつぱっとしないものがあり、かっこいいなかにわずかにダサいものを忍び込ませると、それがちょっと効いたりもする。スパイスの効かせ方もまたセンスともいえます。
という(大きな意味で)組み合わせに関連した話題ですが、天体画像の撮影で「Lucky Imaging」という技術が開発されたようです。
デジカメで写真を撮るときに失敗しないように同じシーンを何枚も撮るのですが、先日、息子の自由研究で折り紙飛行機を撮影したときに、ぶれてしまうなどピントが合わないことがありました。
天体画像では空気の状態によって画像が大きく変化するようですが、この「Lucky Imaging」という技術は、複数の画像を撮影してきれいに撮れた部分を合成して一枚の写真に仕上げるのだとか。以下、CNET Japanの記事から引用です。
■新技術「Lucky Imaging」--地上望遠鏡で鮮明な天体画像を
ケンブリッジ大学とカリフォルニア工科大学の科学者らが、「Lucky Imaging」と呼ばれる技術を開発した。この手法は、多数の写真を撮影することにより、地球の大気によって天体の画質が損なわれる問題を回避するというもの。この手法を可能にするのが、高速度カメラとコンピュータだ。毎秒20コマの撮影が可能な高速度カメラで撮影した画像の中からコンピュータが最も鮮明な画像を選別し、それらを組み合わせて1枚の画像に仕上げる仕組みだ。
CNET Japanの写真の記事を見ると、一目瞭然ですね。
かなり以前から考えられていた技術のようですが、いいトコドリの発想は他にも使えそうな気がしました。
顔色悪いけど発想抜群とか、仕事はいまいちだけど趣味では充実とか、あるいはその逆のときもあったりして、山あり谷ありな自分ではあります。そこで、自分のパーフェクトな部分を合成すると、とんでもないすばらしいひとになるのではないか、と思ったりして。けれども、よーく考えてみると、あらゆるものに対して平均的な自分ができあがりそうな気がして、ちょっと凹んだりして(苦笑)。
人間、でこぼこだからよいのかもしれません。
投稿者 birdwing : 2007年9月 5日 23:29
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