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2008年1月18日

Lars Jansson Trio / hope

▼Music08-001:希望を感じさせる流麗な音、なめらかな旋律。

HopeHope
ラーシュ・ヤンソン・トリオ


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01. How deep is the ocean
02. The tree
03. Hope
04. Live, be where you are
05. Why was I left under the sky
06. Living under the road to paradise
07. Summer rain
08. A little blues for you
09. A blissful smile
10. In peaceful sleep

手のひらが描かれたあたたかみのあるジャケット。そして残響音のなかで響くやわらかいピアノの旋律。ラーシュ・ヤンソン・トリオの「HOPE」を聴いたところ、なんだか懐かしい気持ちになりました。

ぼくはジャズにあまり詳しくありません。はじめて買ったジャズのアルバムは?といえば大学生のとき、渋谷のレコード屋で友人から勧められたビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビイ」だったと記憶しています。輸入版であり、しかもLPレコードだったかな。鎌倉に住んでいて、いっしょにサークルでミニコミを作っていた非常に知的な友人からおすすめされました。いまは彼も一児の父となって仕事に子育てに奮闘しているとのこと。

「ワルツ・フォー・デビイ」に関しては「きみに合ってるよ、これ聴きなよ」と買わされた感があったのですが、騙されて買ってみたところ、ほんとに自分にぴったりだったのでびっくりしました。何よりピアノトリオのゆるい空気感がいい。グラスの音や談笑する声などが入っているライブ演奏にも想像が膨らんで、しばらくは毎日このレコードに浸っていましたものです。朝に聴いて和み書店のバイトから帰ってきてまた聴いて癒される・・・そんなワルツ・フォー・デビイな日々が、かつてありましたっけ(遠い目)。

去年の11月、久し振りに購入したジャズのアルバムがラーシュ・ヤンソン・トリオの「HOPE」。ネットで親しい方からおすすめされたピアノトリオです。厳密にいうと、おすすめされたというよりも「聴いている」ということを知って、勝手にアンテナをぴこんと立ててしまった感じがある。

一度はCD売り場に行ったところ、アーティストの名前を失念してしまって断念。次にはメモって買いに行ったのですが、探していた「Witnessing」は見つからず、これでいいやという感じで試聴もせずに買ったのが「HOPE」でした。ただ、買ってよかったと思っています。とてもやさしくて、ちょっとだけ豊かな気持ちにもなれる。

ラーシュ・ヤンソンは北欧スウェーデンのピアニストで、このアルバムは通算9枚目、1993年の録音とのこと。「HOPE」というタイトルはギリシア神話のパンドラの箱が出典だそうで、「パンドラが箱を開けた途端、あらゆる災いが飛び出したけど、希望だけは残された。大切なのは心をリフレッシュして、望みを持つことさ」というヤンソンの言葉が記されています。

確かにアルバム全体を通して、希望に溢れているといえる。ピアノの響きものびのびとしていて、滑らかな印象です。アルバムタイトル曲である「HOPE」は馴染みやすいメロディで、すっと心に入ってきます。途中ベース(ラーシュ・ダニエルソン)のハーモニクスもきれい。続く4曲目「Live,be where you are」も軽快に弾んだリズムが楽しい。一瞬翳りのあるコード進行も好みで、このアルバムのなかでは好きな曲のひとつ。そして、ちょっとだけテンポがゆっくりめの「Why was I left under the sky」も好きな曲です。

いろいろな音楽があってよいと思うのですが、音楽はときに元気を与えてくれる。最近では、クラブジャズのような踊れるジャズも出てきているようだけれど、別にアップテンポではなくても高揚させてくれる曲もあります。辛さがあるからこそ一筋の光のような希望が輝いてみえるわけで、心に希望を抱いていたいものだなあ、と思わせる一枚でした。その後、すぐに「Witnessing」を購入。こちらも気に入っています。

■日本語オフィシャルサイト
http://www.lars.jp/

■こちらで「HOPE」の試聴ができます(Real Player)
http://www.lars.jp/cd-hope.html

投稿者 birdwing : 2008年1月18日 00:00

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