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2008年2月 6日

過去を統合する。

リアルタイムで読んでいただいている方には、しばらくの間ブログをサボっていたようにみえたかもしれませんが、実はこのブログ、その期間にエントリーの数は急速に増加していました。

どういうことかというと、過去の記事を統合、再掲載していたからです。以前に閉じたブログの記事をインポートしたところ、記事数はいっきに844まで増加(その時点での記事は130ぐらい)。さらにブログ以外の場所で書き散らした短文も(かろうじて残っているものは)追加しているので、最終的にはエントリーは1000を超えそうな勢いです。

もともと過去に書いたものをひとつにまとめたいとは考えていたのですが、なぜ統合?というと、次のようなことがあったからでした。

●過去と同じ記事を何度も書いてしまう(老人のように・・・)
●あの作品なんだっけかな、と思い出せない(老人のように・・・)
●なんだかノスタルジックな気分になってきた(老人のように・・・)

うーむ、老人志向ですね。思考が若くないわたくし(困惑)。

しかしながら、一応、リライト(書き直し)などをして、ひとつずつ掲載しています。過去の遺産を全部は掲載しないつもりです。さすがにいまでは恥ずかしくて掲載できないような記事もありました。一方で、いまよりもじっくりと時間をかけて書いている記事もある。面白いですね。

さて、レンタルサーバーを借りてこの場所でブログを書き始めたのは去年の8月なのですが、正式にぼくがブログを書き始めたのは2004年に遡ります。

ぼくは最初のブログを、はてなダイアリーで書き始めました。いまにして思うと、どこで書き始めるかというのは結構重要ではないかと思います。はてなで日記を書き始めたというのは、よい意味でも(悪い意味でも)意義があったことではないだろうか。ライブドアで書き始めていたら、ぜんぜん違うものになったと思うので。

「はてな」は、かなり筆の力が求められますからね。もちろんふつうに日記を書かれているひともいるかと思いますが、キーワードでつながってしまうので、いろんな脅威に晒される可能性も高い。ずいぶん鍛えられたものです。

はてな村は、ぼくのブログの故郷のようなものかもしれません。逃亡しちゃいましたが(苦笑)。相互評価システム(はてなスター)とか、妙にお高い共同意識というか閉鎖性、ブックマークの酷いコメントに嫌気がさして退会したのですが、いつかまた故郷に戻るかもしれません。というか、ひそかに戻っていたりして(ふっふっふっ)。

2004年から書き始めたというのは、ブログの書き手としては遅いほうではないでしょうか。感度の高いひと(マーケティング用語的にはアーリーアダプターでしょうか)は、たぶんその2年ぐらい前、2002年ぐらいからウェブログを書き始めていたのではないかと思います。ウェブログの存在は知っていたのですが、ネットで日記を書いてどうする、定年退職したひとの自分史づくりじゃないんだから、のような勘違いをしていたので、気になりながらも着手はしていませんでした。いま思うとブログは日記に似ていますが、まったく違うものですね。

そういえば書き始めた頃には、毎日更新をめざしていたのでした。最初は400字ぐらいだったのが、次第に結構な長文に変わってきた(苦笑)。2004年の記事と現在の記事を比較してみると一目瞭然です。

過去を統合しながら、あらためて思ったことは、案外いまと変わらないなあ、ということでした。書きながら大きく成長していた気がしたのですが、フタを空けてみると案外変わらなかった(しょぼーん)。結構、同じことを繰り返して書いていて、あなたは認知症ですか、と自分で自分に突っ込みも入れたくなりました。

10年日記というようなものがありますが、ブログもあんな風にできるといいですね。つまり現在のエントリーの下に、過去の同じ日のサマリーが並ぶ感じです。システムのことがわかっていれば、簡単にできそうだ。というか、既にそんなエントリーができるブログサービスがあったりして?

と、過去のことを考えながら現在そして未来にも考えを広げてみたいと思うのですが、ブログ関連の動きでちょっと気になったことをメモしておくと、GoogleがソーシャルグラフのAPIを公開しました。以下、ITProの記事から引用です。

■ブログ同士で“SNS”が作れる,Googleが「Social Graph API」サービス公開

Googleは2008年2月1日,Web上のリンクから交友関係を抽出するWebサービスのAPI「Social Graph API」を公開した。ブログやプロフィール・ページのURLなどを入力すると,Googleが収集した,そのサイトを友人としてリンクしている友人のサイトを出力する。このサービスを使うことで,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトを利用しなくともブログ同士でSNSのような機能を実現することが可能になる。

これは、ブログ同士の交友関係、いわゆるつながりを「可視化」するツールではないでしょうか。興味深いのは、オープンでつながりを作る仕組みができることで、いわゆる現状の閉ざされたSNSが特殊な存在になっていく可能性もあるということです。以下もITProから。

Social Graph APIはパブリックなデータだけを利用するとしており,ログインが必要なSNS内のデータは収集しないと見られる。OpenIDやSocial Graphなど,オープンなインターネットでSNSを実現するための環境が整っていくことで,将来的には“クローズド”なSNSが,“オープンなインターネット上のSNS”から取り残された存在になる可能性さえある。

ただ、個人的にはクローズドなSNSが衰退したり、なくなるとは思っていません。“ひそかにつながりたい”ひとっているじゃないですか。などと書くとなんだかアヤシイ響きがあってどうかと思うのだけれど、ネットワークは、シンプルに一元管理できないものだからこそ面白い。リアルでも、ひとはさまざまなレイヤーによる関係性のもとに生きています。家庭であればお父さん、会社であれば課長、というように同じ人間であっても関係性によって役割などが変わる。ソーシャルグラフも多層的になったほうがリアリティがあるような気がしています。

しかしながら直感的に感想を述べると、つながりは大事だけれど、つながりにこだわりすぎる社会は気持ち悪い気がするなあ(苦笑)。

たとえば人種差別や国際間の戦争とか、そうした人間のさまざまな闇の部分はつながりを過剰に意識するところから生じているのではないでしょうか。仲間はずれとかいじめとか、そんな差別も屈折したつながり意識が生み出しているのではないかと思います。同族意識と排他的な感情。さまざまな嫉妬が原動力となって、世界の歪みが生まれている。

映画「バベル」の感想にも書いたのだけれど、血縁という濃い絆でさえ、そのつながりは目に見えないものです。見えないけれども存在している。見えないものを可視化したほうがいい場合もあれば、見えないほうがずっといい場合もある。あらゆるものを可視化すると、見なくてもいいものまで見てしまう。

見なくていいものは、見えないほうがしあわせではないか。そんなことをぼんやりと考えました。

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ところで、最近は日記的な志向がなくなってきたので、遡って過去の日付けでエントリーをすることも多くなりました。RSSで受信していると最新の記事しか見られないかと思いますが、ひそかに更新していることもあります。そういうエントリーは実はあんまり見られたくないものが多いのかもしれませんが(苦笑)、アーカイブにひっそりと沈める記事もあるかもしれませんので、あしからず。

なお、2007年までのエントリーに関しては、MT形式でエクスポートしているためコメントも再現できるのですが、それ以前のものは「はてな」形式でエクスポートしていたため、せっかくいただいたコメントを再現できなくなってしまいました。古くから読んでいただいていた方には大変申し訳ありませんが、そんなわけで、2006年より前のエントリーにはコメントなしという形になります。

投稿者 birdwing : 2008年2月 6日 23:39

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