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2010年7月24日

[DTM作品] Summer Sky (サマースカイ)

連日36度を超えるような猛暑ですね。日本列島全体がヒートアップしています。梅雨が明けたとおもったらわかりやすい夏の到来で、水不足の心配をすこしばかりしてみたり。しかし、暑さをあなどってはいけません。外出の際には、熱中症にお気をつけください。

いつだったか、電車のなかから眺めた雲が典型的な入道雲でした。空の遠い場所で、もくもくと湧き上がって、太陽の光を眩しく反射していました。そんな夏の雲をみつめながら、冷房の効き過ぎた電車のなかで、いいねえ、夏だねえ、とひとり悦に入っておりました。

自称・空の写真家のぼくは、デジタルカメラでよく空を撮影します。7月に入ってから写した夏の空を2点ばかり掲載してみましょう。

まずは、ぽっかりとおいしそうな雲。

100724_sora1.jpg

そして茜色の夕方の空です。

100724_sora2.jpg

写真で、そしてリアルの空を眺めるうちに、夏の空の曲を作ってみたいとおもいました。空の曲といえば、以前、「キュウジツノ空」という曲を作ったこともありました。青空の広がりやフラクタルのような雲の輪郭を表現したい。今回作った曲は「Summer Sky(サマースカイ)」というタイトルを付けました。ブログで公開します。お聴きください。

I often take the picture of the sky. I like the sky, especially blue sky. Because there is no same blue. Today's blue of sky is not yesterday's blue. I want to compose for image of the summer sky. The name of this tune is "Summer Sky". I'd like you to listen to this tune.


■Summer Sky (3分23秒 4.64MB 192kbps)

作曲・プログラミング:BirdWing


ところで、最近ジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップス」というアルバムをよく聴いています。ジャズの名盤です。

B0010MTL5Wジャイアント・ステップス(+8)
ジョン・コルトレーン
Warner Music Japan =music= 2008-02-20

by G-Tools

彼の早いパッセージ、ソロに強烈に惹かれます。コルトレーンの真似をする、などということは無理であり、おこがましいのですが、非常にインスパイアを受けました。エレクトロニカの音楽とジャズでは全然違うけれども、吸収できるものがあると考えました。そこで「Summer Sky」の最初のメロディ部分では、サックスの音色を使ってフレーズを打ち込んでいます。隠し味としてSAWのリード音とユニゾンさせています。

ちなみにコルトレーンの「ジャイアント・ステップス」をYouTubeから。楽譜を目で追っていくだけでも楽しい。

うーむ。すばらしいですね。

「Summer Sky」の制作メモです。最初はSUPERWAVE P8のストリングスのプリセットを使って、基本となるコードを作りました。当初はすこしばかりアンビエントな感じにしたいと考えていました。中間部分ではモジュレーターで加工して、サラウンドのエフェクトによって左右にパンさせています。SUPERWAVE P8は無料のVSTiです。インターフェースはこんな感じ。

superwavep8

そのコード進行に合わせて、シーケンスパターンを加えたり、ピアノをアレンジして作っていきました。ベースはTTS-1のプリセットですが、フィルターとイコライザーをかけて音を変えています。ドラムは2つの音源+WAVEファイルです。バスドラムは無料音源のRhythms v3.6.1、ハイハットやスネアはTTS-1のAnalogのドラムセットを使いました。

曲の速さについては、ぼくは通常BPMが100か120に固定して曲を作っています。自分の体内メトロノームに合っているのが、どうやらその近辺の速度のようなのです。しかし今回は、4つ打ちのバスドラムで弾むような明るい雰囲気にしたかったため、BPMは130にしています。といっても、それでもゆったりめの感じでしょうか。

ピアノはベロシティ(音の強弱)に気をつけました。そういえば、NHKで放映されていた坂本龍一さんの「スコラ 音楽の学校」という番組で、どうすればリズムのグルーヴを出すことができるのか、のような講義があったのですが、YMOの時代には、音を前後にズラすことで沖縄のリズムを表現する、というような実験をされていたというお話がありました。ちらっと「その後、音の強弱でも同じようなことができると気付いたんだけれどね」とお話されていたのを覚えていました。

生で演奏している雰囲気を出したいときには、音の位置をズラしたりしますが、基本的にぼくは強弱でノリを表現するほうです。しかし、どこにアクセントを付けるかによって、曲の印象がまったく変わります。難しいところです。

映像的な印象をいえば、イントロのリズムのしゃきしゃきした感じはカキ氷、最後に残るグロッケンの金属音は風鈴、という感じでしょうか(笑)。夏の青空の爽快感をあらわしたかったのですが、表現できたのかできなかったのか。

本格的な夏はこれからです。

投稿者 birdwing : 2010年7月24日 22:13

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